誰を相手に商売するか:AppStoreでのiPhoneアプリのプライシング(値付け)について。
iPhone/iPod touchのおすすめアプリ紹介

AppStoreでのレビューよりも深刻なのがこのテーマ。顧客に訴えるメッセージとして一番強いのは、やはり価格をどう見せるかと言うことだと思います。このテーマについては多くの人が様々な記事を書いているので、おいおい翻訳して紹介していけたらと思います。
それでは記念すべき第一回はこちらの記事から「AppStoreにおける値付けについて」
On App Store pricing – Instapaper Blogなのですが、今まで訳してきた記事の中ではあつい気持ちのこもったきじでした。
例の通りほぼ訳いきます(注:論調は演出です。)。
週をまたいで二人の執筆者がAppStoreにおける値付けについて素晴らしい記事をあげてくれた。
- Andy Finnell:On App Store pricing – Instapaper Blog
- Veiled Games:Veiled Games » Blog Archive » App Store: A New Hope
Andy FinnelはiPhoneアプリ開発者達に提供するアプリの価格を上げそして$9.99(1200円)を一つの標準価格にしようじゃないかと提唱した。素晴らしい記事だ、そして、開発者であればぜひ彼のメッセージについてよく考えてみて欲しい。
Veiled Gamesはこれに対し、おそらく平均的なiPhoneアプリ開発者達がするであろう反応をし、いくつかの不誠実な決めつけを行った。
- 1.人々はそんなにiPhoneアプリを欲しいと思っちゃいない。
- 2.もし、$0.99以上の価格のiPhoneアプリを販売したなら人々はすぐにブーたれるだろう。
- 3.非常に数少ないアプリが$9.99かそれ以上で販売されている。このレンジで販売しているやつらは十分な売り上げを上げていない。(訳注:おそらくGameloft社はあの高額iPhoneアプリ達で世界で一番売り上げていると私は予想しています。日本の売り上げは知りませんがアメリカでのプレゼンスは唯我独尊状態です。)
よし、私はiPhone開発者で今私のiPhoneアプリは$9.99で販売されている。大ヒットというわけではないし、1億円入ってくるほどは儲かっちゃいない、しかし私が週に数時間コミットしたこのアプリという点では極めて健康的な数字をあげているんだ。プロモーションには1セントだって払っちゃいない、アプリの更新だってここ数ヶ月は行っていない(今用意しているところだが)、数少ない人が価格について不平を言ってくるよ、だけどもその数は私のiPhoneアプリを購入し、使って本当に良かったと言ってくれる人の数にくらべれば本当に少ないんだ。
$9.99でiPhoneアプリを販売することは無理難題ではない、しかしあなたはその価格で販売したからと言って期待するような数字があげれれるということではない。ここから、私のアプリのエピソードを交えた証言といくつかマーケットについての勘所を披露する。
無料お試し版を提供しよう。
誰かに$2以上するiPhoneアプリをただ闇雲に買ってくださいとお願いすることはタフな話だ。糞アプリと呼ばれないような無料版を用意しよう、有料版にあるような素晴らしい特徴や有料版を際だたせるような内容を盛り込んでおいてね、それで無料版を使う人にはこのアプリには有料版がある(そして、ぜひ購入してください)ということを知らせよう。
本当の価値を届ける。:我々のようなギークだけじゃなくて、多くの人が抱える問題を解決する。人々にそのアプリを愛してもらい、2つのサンドイッチ(注:サブウェイとかマクドナルドとかそのあたり)よりも価値があることを分かってもらおう。簡単なことじゃない、時間がかかるよ。
尊厳を持ちなさい:仕事に誇りを持つんだ。糞アプリなんて出してはいけない。だけど、投下した時間とその価値を尊重しよう。時は金なりはトレードオフしているか?自分の努力に見合わないソフトウェアなんて作ってはいけない。
安売りの魔力にひるむな:安売りだ安売りだとemail, blogの投稿, AppStoreでのレビュー, Twitterのステータス、コメント欄から価格についてのコメントがやってくることだろう(そうでなければ設定価格が安すぎるだけだ。)。そういうのは無視すること。やつらに迎合したって、そいつらはブーブー豚のように、それこそ無料になるまで文句を垂れ続けるんだよ。彼らを満足することなどできない。そうする必要などない。世の中には適正価格に納得してお金を投下してくれる人はたくさんいる、しかしこういった素敵なブログ読者や知性の高いYoutube視聴者諸君は総じて声をあげない。
理にかなった期待を得ること: そのiPhoneアプリを開発する割にあう価格をきちんと計算しよう。いくつダウンロードしてもらいたい?ああ、いくつiPhoneが世の中にあると思う?もし、特別なグループの人用のiphoneアプリを提供するなら(例えば特定のウェブサイトを見る人のためのであるとか)、対象となる人は何人で、その中でiPhoneを持っている人はいったいどれだけいるんだろう?可能性として、何パーセントの人があなたのアプリを耳にするのだろうか(あなたが最高にいけてるなら5%くらい)?その中で、何パーセントが自ら購入してくれるのだろう?
上記の勘定をした上で、適正と思える価格で販売し、その数を達成することは、いくつかのiPhoneアプリにとっては普通に難しくなっていくだろう。多くの人が通貨変換やチップの計算をするアプリに$9.99を支払うことはないからね。
ゲームは特殊なケースだ。ゲームを$9.99で売ることは可能、だがそれは良いiPhoneアプリを売ることよりも難しいことなんだ、というのはゲームでは人々の問題、女の子をハントしたり、時間の節約、収益を上げる、人生を豊かにする、などは解決されないということだ。ほとんどのアプリにはほんの少しの価値が存在している、一度クリアした時や、そのアプリにうんざりしたときは、もう一度ゲームをプレイするということは稀ではないか。ゲームの市場では本当に多くの低価格または無料iPhoneアプリと戦っていかなければならない。しかしここには無限の新ゲームを求める需要が存在するし、ゲーム市場の持つ潜在性は良いアプリを求めるマーケットよりもはるかに大きい。素晴らしいゲームを$9.99で販売することはできる。しかしそのハードルは高いよ。
記事を終わりにしよう。このコメントを残す。「ここには価値に見合った価格で、納得してソフトウェアを購入してくれる多くの顧客がいる。しかし彼らはレビューにも現れないしemailもくれない。彼らは何も言わず購入してくれ、あなたは彼らのことなど知らないままでいる。彼らが(相手にすべき)市場を形成する、不満や嫌みをいうやつじゃないんだ。」
人々は価値のあるソフトウェアがあるなら喜んで代金を支払ってくれる。iPhoneのプラットフォームにだって違いはない。金払わないで遊ぶのが当然といった人間だけで構成された、呪いに満ちたプラットフォーム(注:それなんてインターネッ(ry)じゃないんだよ。他の市場にいるのと同じように彼らをおもてなししなさい、そしてあなたはそれに見合った反応を同じようにして知る事になるんだ。
今回のメッセージを解釈するなら「誰を相手に商売するか」と「届ける価値と価格について考えているか」ということではないでしょうか?自分の意見をぐっとこらえてここは是非開発者様の感想をまず聞いてみたいところです。
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November 27th, 2008 @ 5:33 am
どうも、iPhoneのプランニングを生業としております。
価格については、アプリ製作者が
1:アプリ製作に見合った報酬を得たいのか?
2:それともただ、自分のプライドを大切にしたいのか?
それによって、意見が変わると思います。
1の場合、商売と言う観念で見れば、薄利多売
と言うビジネスの手法があります。
いくらよいものだからと言って、それが消費者の
手元に届かなければ、それは商売として失敗です。
一流企業は常に、一般向けの価格を維持する為に
コスト削減コスト削減と、頑張っていると思います。
商売的には、1億円で1個のアプリを売るより
100円で100万個のアプリを売るほうが正解です。
それは、100万人の消費者に喜んでもらえるからです。
2の場合、自分が作ったものを安売りしたくない!
プライドがあるから!!!
俺の作ったものは、1億円の価値があるものだ!!!
絶対に値引きはしない!!!!
私は、これを間違ってるとは思いません。
世の中、お金ですか?いえ違います。
プライドが大切な事もたくさんありますよね。
1億円くれるからと言って、プライドを完全に捨てますか?
ブランド思考ですね。
ヴィトンや、グッチが、激安大安売り~~~って
やると、どうでしょうか?
ブランドの価値は下がりますね。
ただ、この場合本当にいいものであることが絶対条件です。
自己満足の、誰にも評価をされてないモノが
わめきちらしても、恥ずかしいだけです。
プライドがあり、自分の商品に自身があれば
その製作者が、自分自身と向き合えばいいのです。
今回の発言のように、みんなに同意を求めたり
一緒にプライド持とうぜ~~~的な発言は
正直、自分に自信事の現われだと思います。
本当に自分のアプリに自信があり、プライドがあるなら
みんなに同意を求める必要は無いです。
突っ走ればいいんです!
私はそう思います。
ちなみに、私は1の方です。商売人ですから(^^)
アーティストではないです。
ではでは・・・
November 27th, 2008 @ 5:37 am
訂正
>正直、自分に自信事の現われだと思います。
自分に自信が無い事の表れだと思います。
November 27th, 2008 @ 8:52 am
@iPhoneプランナーさん
コメント、ありがとうございます!
たしかに、今回のエントリは開発者側の気持ちを最大限に発した内容であると言えますね。私も一瞬にして生まれたこの巨大な市場にお金を求めて参加する人を否定する必要は無いと思います。ただ、作るからには購入してくれる人に満足してもらいたいし、自分の尊厳をここに込めたいという気持ちも大事だと思います。
そういう風に考えるとiPhoneアプリの市場感はインターネットとは少々異なる普通の市場なんだなと思えて、うれしくなります。
November 27th, 2008 @ 9:38 am
お返事ありがとう御座います。
なんかこう言うお話が真剣に出来るのは楽しいですね。
>そういう風に考えるとiPhoneアプリの市場感は
>インターネットとは少々異なる普通の
>市場なんだなと思えて、うれしくなります。
↑私も同感です。
iPhoneアプリの市場は、リアルな世界と同じだと思います。
これが、リアルな世界でなく、MMO(仮想現実など)
ゲームの世界の中の、マーケットだとどうか?
それだと、アイテム自体は何も変化がなく
価格と、価値観だけが、どんどん変動する世界ですよね。
そう言う世界の場合は、「適正価格!!!」
が、重要になるかと思います。
ですが、iPhoneアプリの場合は、
アプリ自体の内容は多種多様です!
たとえば、同じピアノ系のアプリであれど
作る人によっては、粗悪なものもありますし
素晴らしいものもあります。
そこに価格の差が生まれるのは当然ですよね。
逆に
そう言う物を、格安で提供したり、無料で配布するのは
私は、iPhone普及を担っていると感じています。
MMO(仮想現実など)のアイテムなどは、アイテム自体に何の違いもないので
誰かが、激安で販売すると相場が崩れ去りますね。
いや、MMOなど仮想現実でなくても現実でも
相場が崩れると言う事はありますが
それは、消費者にとっては良い事ですし
それが、その世界の発展に繋がると思っています。
ただ全て無料になってしまって、無料じゃないとやだ
って、消費者がなってしまうかもしれないと言う
懸念はあるかもしれませんが・・・
(無料で広告と言う、収益モデルもあるわけなので
iPhoneアプリの世界は当面安泰だと感じてます)
あと、本当に良い物は、無料にしてくれ~
とは、消費者もそこまで馬鹿じゃないと思いますし
ならないと思うんですよ。
逆にお金を払ってでも、良い物を開発してほしいと
支援し始めると思うんですよね。
なので、私は基本的に価格について、収入源については
楽観視してるんですけどね(^^)
それでも、一生懸命作ったものに対して、
高すぎる!
と言われるのは、ちょっと心苦しいですが
その高すぎる!と言う声に、
あまりに敏感になりすぎてると思うんですよね。
そして、今回の発言(呼びかけ)
だったんじゃないかな~?
と、私は感じました(^^)
ではでは・・・
November 29th, 2008 @ 6:26 pm
薄利多売戦略はインターネットみたいに在庫コストや流通範囲が特殊な状況だと、短期的にみれば1企業のみ儲かりますが。
長期的にみれば市場そのものを破壊するリスクがあると思うんですけどね。
つきつめるとライバル企業が作ったのとほぼ同機能のアプリを無料で出して市場を完全破壊してから、iPhoneとまったく関係ないスキームで稼ぐのが一番楽になっちゃいます。
長期的に考えるなら、自己の最大利益よりも、市場の規模の最大化を考えるほうがいいとは思いますが。