山本一郎「ネットビジネスの終わり」

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本のタイトルと帯で煽り、「ものづくり」を信仰にすぎないと切り、「紙メディア」の劣勢を説明し、「アニメ・ゲーム」の負のスパイラルっぷりを語り、日本が如何に行き詰まっているかを粛々と語りながらも、突然、世界から尊敬され一目をおかれる国として引き続き日本が立っていられるよう、意志を持って行動するほかないと締めくくる、まさに切込隊長・獅子奮迅の一冊がネットビジネスの終わり (Voice select)

いくつかの産業の「劣勢っぷり」を、ロジカルに懇々と語りながらも、理性ある社会人としてみんな強い意志を持って進もうぜ!日本がんばれ!という意志をにじませる文章に、Toshismも涙をにじませました。そうだそうだ!

小宮山宏の「課題先進国日本」、最近では石倉洋子の「戦略シフト」などから感じる、徹底的に現実を見据えつつも希望を具体的に指し示す、という離れ業を、この本でも実践しており、本当に感激しました。

もちろん嘘だ!好きに色々書いていて楽しそうだなーと思いました。色んな業界の閉塞っぷりを最初の3章で語っていたので、最終章は解決案を示すのかと思いきや、突然「インターネットで私たちの生活は安寧になったか?」と説き始めるというこのフリーダムな展開。

さて、あらためて全体の構成を確認すると、以下のようになっています。

  • 第1章:「ものづくり信仰」から「売るためのシステム作りへ」
  • 第2章:瀕死のメディア産業
  • 第3章:アニメ、ゲームが成長産業になれない理由
  • 第4章:情報革命ブームの終焉

第1章〜第3章で、個々の業界についての事情を市場の側から語り、第4章でネットビジネスについて冷や水を浴びせるという流れ(+あとがきで「日本人がんばれ!」)。

「ものづくり」「メディア」「アニメ・ゲーム」市場について興味がある人にとっては、一読する価値のある本になっていると思います。「アニメって世界で戦えんじゃね?」とか「ものづくりがダメなのは、日本人にマーケティング力がないからでしょ?」といった短絡的・感情的な印象を持っている人にとっては、学びの多い本となっているでしょう。

一方で、第4章は、梅田望夫の書籍などに感化されて、実際以上にネット業界に妄想を抱いている方が冷静を取り戻すためには最適でしょう。私は梅田望夫大好きで、「いやいや、これはネガティブに論じすぎではないでしょうか」と思った口ですが。

というわけで、新書としては学びの多い良書だと思います!個人的には、アニメ・ゲーム業界の状況を知って、もう少しきちんと応援しようかな、という気持ちになったのが一番大きかったです。

参考:この本のアマゾンリンクはこちら
ネットビジネスの終わり (Voice select)


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Toshism | 2009.11.21 12:10 pm | iPhone/iPadアクセサリレビュー , ニュース

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