メトロノーム—音楽室に必ず1台はあった、振り子が揺れてカチカチとリズムを刻むあの器械だ。楽器の練習やリズムトレーニングには必需品である。
Metronome PROはiPhoneをメトロノームにするアプリだ。だが、そんじょそこらのヌルいメトロノームアプリと同一視してもらっては困る。正確さ・実用性・使い勝手にこだわり抜いた、開発者入魂の逸品なのである。PROの冠は伊達じゃないのだ。
起動すると、iPhoneの画面上に振り子式メトロノームが現れる。指で振り子を左右に振れば、リズムをカウントし始める。実はこの振り子の揺動こそが重要ポイントなのである。
リズムを「点(パルス)」ではなく「動き」として体感できれば、そこからスウィングやグルーブが生まれる。リズムを「動き」として視覚的に捉えるためには、LEDの点滅よりも、振り子の揺動の方が優れているのだ。
Metronome PROの振り子の揺動アニメーションは、実にスムーズで淀みがない。気になる精度も誤差1ミリ秒以内とのこと。これならばリズムトレーニングのお伴として信頼がおける。
振り子のおもり(「遊錘(ゆうすい)」と呼ぶ)を上下に動かせば、テンポ(BPM)を調節できる。バージョン1.0では少々動かしづらかったが、アップデートで改善されている。可動範囲は♩=30〜208だ。可動ステップも実物同様に、30〜60は2刻み、60〜72は3刻み、72〜120は4刻み、120〜144は6刻み、144〜208までは8刻みとなっているあたり、実に芸が細かい。
画面上部をダブルタップし、ビート(拍子)とリズム(符割)を選択すれば、さまざまなパターンを鳴らすことができる。図の例は4拍子の中抜き3連符なので「キッコカッコカッコカッコ」と鳴る。1拍めの「キ」がアクセント(強拍)だ。
単に振り子式メトロノームを再現するだけに留まらず、デジタルならではの利便性も
しっかり兼ね備えている。例えば、複数のビートとリズムを組み合わせ、複雑な変拍子パターンも作成できる。そうして作成したパターンをブックマークに保存しておけば、いつでもそのパターンを呼び出せるのだ。変拍子バリバリなプログレッシブ・ロック好きのユーザも、これなら満足できるだろう。
指で画面を4回タップしてテンポを割り出す、タップ機能も用意されている。iPodで楽曲を再生しながら、この機能でBPMを測ることも可能だ。
これだけ充実した性能のメトロノームが、この価格で手に入るとは驚きだ。iPhoneユーザ兼ミュージシャンなら、必携と言えるだろう。また、開発者の方も非常に熱心で、ユーザからのフィードバックを心待ちにしているようだ。改善要望などがあれば、App StoreのレビューやTwitter経由で投げかけてみるとよいだろう。
ひとつだけ惜しいのは、画面表示を上下反転できない点だ。iPhoneのスピーカは底部にあるので、iPhoneを譜面台の上などに置いた場合、スピーカが隠れ音量が低下してしまう。画面表示を上下反転できれば避けられるので、この点はぜひとも改善をお願いしたい。
最後にひとつ筆者からのおすすめ。電源なしでiPhoneの音量を増幅してくれるGriffin AirCurve(Griffin AirCurve – Apple Store (Japan))というスタンドが、このアプリにはぴったりだ。
- 販売会社リンク:KatokichiSoft
- 参考価格:230円
- ミュージック(Music)














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