一太郎・ATOKを生みだし、7notesを作った浮川社長に聞く「超」こだわる開発。開発者必読です。 【前編】

7notes

一太郎、ATOK、そしてiPad/ iPhoneアプリ7notesを生み出した、株式会社MetaMoJiの浮川社長、そして事業企画部ディレクターの岩田様にお会いして、インタビューをして参りました!


浮川社長は『スペースキーで漢字に変換し、もう一度スペースキーを押すと次の候補が出る、という現在の標準的な日本語変換方法を作った』まさに伝説的なお方です。その浮川社長の最新作こそが7notes。きっと色んなこだわりについて聞けるのだろう・・・という予想を越え、超こだわりについて超聞かせて頂く会となりました。感動しました。

アプリ7notesはこちらです。
iPad版→7notes for iPad
iPhone版→7notes mini (J) for iPhone

では早速インタビューをどうぞ。アプリ開発者の皆さま必見の記事です。(後半はこちらから→「7notesは気持ちを伝えるツール。」一太郎・ATOK・7notesの浮川社長に聞いた開発の流儀。【後編】

楽しみのある手書きアプリを作りたい

——(Toshism:)最新の7notes mini (J) iPhoneについて教えてください。

MetaMoJi浮川:iPhoneは常に肌身離さず持っていますので、メモ的な使い方がいいのではないかと考えました。文字認識もスラスラできましたし、手書きの2段入力などを作りまして、第1歩とすればいいものができた、やってよかったなあという感じです。また、手書きに絵を添えてtwitterなどで共有するといった新しい楽しさが生まれるんじゃないかとも思っています。もっと利用するシーンを増やして、究極は楽しい世界がつくれればいいなと。

——はい。

浮川:「仕事につかえる」というのもいいんですけど、仕事も楽しみがあった方がいい。30年前会社を作った時からそれがコンセプトでした。それが今回またものを作ることができて、多くの人たちに環境やツールを提供できたのが、すごく気持ちがいいですね。

7notesはキーボードを乗り越えるためのアプリ

——iPad発売から期間をおいてのアプリリリースでした。その間、一体どんなことを考えられていたのでしょうか。

浮川:ATOKも一生懸命努力して作り上げてきた気持ちはあるんですけど、キーボードだとどうしても乗り越えられない壁がありました。使い勝手が悪い部分があったり、誰でも使えるわけでなかったり。 発音を入力して日本語に変換しているわけですけれども、それではひっかかりがあるひとたちもいるわけですよね。長年キーボードを乗り越えられないかと考えてました。でも、諦めてたんです、はっきり言えば。それが去年iPadをみて。

——iPhoneの時はいかがでしたか。

浮川:iPhoneでは文字を書くという発想がありませんでした。iPadをみて、あ、これならと。それからすぐに企画をしました。

——そこから開発を始められたんですね。

浮川:企画したはいいのですが、やることは山ほど。ゼロから全てはできませんので、使える技術は使うという方針で開発しました。

——すべて自社開発ではないんですね。

浮川:はい。文字認識は6種類検討しましたが、フランスのVision Objectsをコアな所は採用しました。また、辞書は自社で作りましたが、カナ漢字変換のコアなところのアルゴリズムはオムロンのOpen Wnnを採用しています。そして、交ぜ書き変換”mazec”について、自分たちだからこそできることをやろうとことで、力を入れて研究開発しました。

——7notesといえば、交ぜ書き変換ですね。

浮川:mazecのアイデアは、全てを漢字で書いて認識するのではなく、書けるところだけかけばいいというカナ漢字変換のアイデアです。例えば、「会議」を会ぎと書いても、「会議」と変換されるようにしました。

——すごい仕組みだと感じます。

浮川:これはアイデアですが、実際に作るのは大変でした。手書きの認識と、カナ漢字変換の二つがあればできるんじゃないかと思っていたのですが、とてもとてもそんなものではなくて。また、エディタについても、フォントの文字と手書き文字を混在させたいと考えて作りました。人間が手で書いた文字も、一文字ずつ認識しようという考えです。

——手書き文字も「文字」として認識すると。

浮川:そうです。一文字ずつ認識できて編集できるというのは、今までのワープロのよさですよね。さらにアンダーラインを引いたり、文字のサイズをかえたり、コピペしたり。ユーザーにとってはフォントの文字と手書き文字も同じ。でも、片方は認識できないのはおかしいですよね。そこも一生懸命作りました。

——ものすごいですね。

浮川:最初は6ヶ月で完成させたかったのですが、プログラムだけでも8ヶ月。相当な人数がかかりました。ホントの人数は言えませんね(笑)。でも、いいチャレンジだったなあと思ってますし、手書きの新しい世界を開けると思いました。

MetaMoji岩田:社長の口からだとそういう言い方になりますが、今の切り口を、開発とか社員の立場になって言うと全然違いますから。

——そうなんですか(笑)。

岩田:ものすごいこだわりを社長はもっているんです。例えば、滑らかな書き味で書くということだけでもこだわる。データ量が爆発していいのであればいくらでも滑らかにかけますが、それはだめ。そういうことを考えて、こんなもんでいいだろうと社長の所に持っていくと「ダメだ!」と。

——開発者さん大変ですね。。

岩田:それはもう、ものすごいこだわりで。最終的には、社長のこだわりを実現すべく、書き味について、社長が直接調整できるようにプログラムを組んで、それで社長に設定をしてもらい、製品化しました。

浮川:今回の製品は、私がこうしたいと言うと、私に仕事が増えるという(笑)。

——こだわりのすごさを実感しました。

浮川:MetaMojiには、色んな技術を研究する人間がたくさんいます。数学の塊である論文研究をものすごい行いました。それぐらいのことをしないと、今の(アプリの)スピードを達成できません。ほとんどリアルタイムで文字がでますよね。

岩田:社員にしてみれば、ここまでやるかと(笑)。普通、裏のアルゴリズムまで一つのアプリのために作らないですよ。

iPadをみてガラっとかわった社の方針

——初めて触った時、変換の速度に驚きました。ところで、iPadに衝撃をうけたとのことですが、具体的にはどのような点が衝撃でしたか。

浮川:やっと使い物になるものがでてきたと感じました。重さ、OSの使い勝手、インターネットへの接続など、装置全体の完成度の高さですね。

——もともとタブレットはいつかやりたいと考えていましたか。

浮川:興味はありましたけど、今までのものはそこまで決心するところまではいきませんでした。

岩田:直感で動く社長なので。iPadを見た瞬間にに会社の方針ががっと変わりました。

——え、ええ!?

岩田:最初のきっかけはアメリカで買ってきた人間が自慢したことです。その後、一台何とか手に入れて、私が3日あそんで、全社員の前で発表したんです。それを見た瞬間に「これだ!」と。「今までやっていたプロジェクトやめろ、これでいけ!」と。

——信じられない話です。

浮川:キーボードが苦手な人はいます。iPhoneだと、フリック入力がある。使いこなせる人はもちろんいますが、覚えられない人もいます。漢字を書くというのは普通の生活そのままですよね。高齢者も、漢字を書かせると私たちより書けます。一方で、コンピューターは生活に必要ですよね。ますますインターネットも進化するので、誰でもが本当にコンピューターを使えた方がいいわけですよね。

——はい。

その時に、キーボードを乗り越えることができればと。漢字で書いてコンピューターが扱えるなら、誰でも使えるものになります。私の母親は今86ですが、一太郎を作った当時60歳でしたが、使ってくれませんでした。でも、今回の試作品を見せた所、私でもこれだったら使えると。だから、iPhoneのキャッチフレーズは「これならつかえる」なんです。

——なるほど…。

「愛」で開発するMetamoji

岩田:やっと最近、浮川夫妻が、どのようにして商品を生み出しているか構造がわかってきました。社長が今みたいなこだわりをもちますよね。でも、普通の社員だったらムリだと言います。でもそれを実現する。そこには、大きな声で言えないんですけど、二人の愛があります

一同:(笑)。

浮川:それは(笑)。

岩田:奥様は社長のこだわりをなんとか実現しようという思いが非常に強い。これは社員とかのレベルではないんです。理屈じゃない。愛なんです。そしてそれをなんとかしようと技術者ががんばる。そして、普通ではわからないくらいに作り込むと、ユーザーさんが「お、すごいな」と言うちょっとした感動に変わる。この感動ってすごく気持ちよくて。

——ええ。

岩田:それまでには何十人もの開発者の屍が。

一同:(笑)

浮川:使って頂けるユーザーの方々の笑顔とか。スゴイという言葉が一番の元気だね。全員そうだね。

岩田:ATOKがそこまで進化したか。こだわりですよ、最終的には。そこには大量の屍が。

——屍ばっかりですね(笑)。


浮川:苦労がユーザーの使ってる方々の感動になったりとか。そういう言葉につながってる努力はいいですね。自分たちだけがわかる苦労、ユーザーに伝わらない苦労はおもしろくない。歳をとるほどそういう気持ちは強くなりますね。

(後半はこちらから→「7notesは気持ちを伝えるツール。」一太郎・ATOK・7notesの浮川社長に聞いた開発の流儀。【後編】

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