Dropbox、「Dropbox Platform」構想と「3つの新機能」を発表!
AppBank の主任です。
Dropbox は、自社が主催している開発者向けイベント DBX で「Dropbox Platform」という構想を発表しました。
これに先駆け、サービス開始時の2007年には2人で開発を行っていた Dropbox が、今日では1億7,500万人が利用しており、「あると嬉しいサービス」から「生活必需品レベルのサービス」になったことを発表しています。
「Dropbox Platform」構想は、Dropbox の強みであるアプリ・サービス・デバイス間での同期・連携機能を強化し、Dropbox をデータ保存・同期のプラットフォームにすることを目指す取り組みです。
(Dropbox Platform のロゴ)
(画像引用元:The Dropbox Blog » Blog Archive » Live from DBX)
これに関連して、3つの新機能が公開されました。いずれの機能も各開発者が自分のアプリ・サービスに組み込めば、ユーザーが利用できるようになります。
Datastore API
ユーザーにとっては、この Datastore API が組み込まれたアプリ・サービスを使えばファイルだけでなく、設定・連絡先・ToDo リストといった「ファイルではないもの」も Dropbox と自動的に同期できます。
これまでも似た機能はありましたが、いずれもアプリ・サービスの開発者が工夫して Dropbox に保存・同期しており、不具合もありました。
(Datastore API のロゴ)
(画像引用元:The Dropbox Blog » Blog Archive » Live from DBX)
さらに Datastore API はオフライン・圏外であっても、デバイスに保存されているデータを元に機能し続けます。インターネットに接続できるようになれば、次回利用時にデータは自動的に Dropbox と同期されます。
加えて、データの統合機能も強化。複数のデバイスから同時にデータを編集しても、データの構造を理解して上手に1つのデータにまとめてくれます。
開発者にとっては、こうしたファイルではないデータの扱いが楽になるだけでなく、オフライン時の対応・データの統合といった問題に頭を悩ませる必要がなくなります。
Chooser
ユーザーにとっては、アプリ・サービスから Dropbox に保存されているファイルを取り出したり、関連付けたりするのが簡単になります。
すでにこの機能には Mailbox・Boxer といったメールアプリなどが対応しています。
(Chooser の組み込み例。左から「Choose From Dropbox」をタップ→Dropbox 上のファイルを選ぶ→ToDo に Dropbox のファイルを添付完了)
(画像引用元:Dropbox – The Chooser, now for iOS and Android – Developer Blog)
開発者にとっては、こうした Dropbox のファイルとの連携機能が簡単にアプリ・サービスに組み込める点で魅力的なものになっています。
Saver
ワンクリックで Dropbox にファイルを保存できる機能です。Dropbox 上のどこに保存するのかも指定できます。
ユーザーにとっては PC に保存して Dropbox にアップロード…という手間が省けます。
さらに、ファイルの配布元から Dropbox のサーバに直接ダウンロードされるので、途中で iPhone が圏外になってもダウンロードは継続されます。
(Save の組み込み例。左から「Save to Dropbox」ボタンをクリック→保存先を選ぶ→Dropbox に保存)
(画像引用元:Dropbox – Meet the Dropbox Saver – Developer Blog)
開発者・サービス運営者にとっては Dropbox との連携機能を充実させることで、1億7,500万人もの Dropbox ユーザーに自社のアプリ・サービスをアピールできます。
また、Dropbox に1度ダウンロードされたファイルなら Dropbox のサーバにキャッシュとして残るので、自社サーバへのアクセス集中を軽減できます。
すでにウェブサービス用の API が公開されています。Android・iOS 向けの API は近いうちに公開される予定です。
Dropboxの魅力を活かした、攻めの構想
様々なアプリ・サービスが Chooser と Saver を組み込めば、ほとんどのデータを Dropbox 上に置いても問題なくファイルを取り出したり、保存できそうです。
さらに Datastore API を組み合わせれば、アプリ・サービスの設定などの「ファイルではないもの」も Dropbox に保管できるようになります。
このように PC・スマートフォン・タブレットで行う、ほとんどの作業が Dropbox を介して行えるようになりそうです。他の言い方で表現するならば、他のクラウドストレージサービスがつけ入る隙を見せていません。
こうした機能の組み込みが様々なアプリ・サービスで行われていけば、Dropbox は持ち前の強みを活かして利用者をさらに増やしそうです。
参考
- The Dropbox Blog » Blog Archive » Live from DBX
- Dropbox – The Datastore API: a new way to store and sync app data – Developer Blog
- Dropbox – The Chooser, now for iOS and Android – Developer Blog
- Dropbox – Meet the Dropbox Saver – Developer Blog