無料アプリが多いのはなぜ? アプリ用解析ツールの企業が理由を分析。
AppBank の主任です。
アプリに組み込める解析ツール Flurry Analytics を提供する Flurry が、自社のブログで近年のアプリの動向を分析しています。
中でも興味深いのは、Flurry の解析ツールを組み込んでいる iOS アプリの 90% が無料であること。これまでも 80〜84% なので割合は多いです。
(画像引用元:The History of App Pricing, And Why Most Apps Are Free)
ただし、Flurry Analytics を使っているアプリのみが対象であり、月平均のアプリ利用者数により調整された結果なので、上記のグラフが App Store 全体の傾向を正確に反映しているとは言えません。
また、Flurry は自社サービスを組み込んだ35万のアプリを元に分析したとしていますが、Flurry Analytics は iOS 以外にも対応している上に Android に関する統計も分析には含まれているため、分析の対象となった iOS アプリの数は不明確です。
ちなみに App Store には5月の時点で85万のアプリが公開・販売されています。
無料アプリが多い理由とは?
Flurry は、多くのアプリ開発者が「価格の実験」で販売価格を決めていることが関係しているのではないかと考えています。
価格の実験とは、アプリの販売価格を一時的に下げたり、無料化するほか、元の価格以上に設定したりするという市場調査です。
このように価格を変更した期間中のダウンロード数を比較して、App Store での適正価格を推測します。
この実験を行って無料化したアプリ・実験を行っていない無料アプリの比率を調べたのが以下のグラフです(いずれも Flurry Analytics を組み込んだアプリが対象)。
(画像引用元:The History of App Pricing, And Why Most Apps Are Free)
2011年から実験を行った上で無料化したアプリの割合が増えていることが分かります。
この結果から推測されるのは、多くのユーザーは有料アプリよりも無料アプリを求めている可能性が高いということです。
今後はアプリ内広告が必須に?
Flurry はユーザーが無料アプリを求めていること、その一方でアプリ開発者は何らかの方法で収益を得る必要があることから、予想されうる将来において、多くのアプリにはアプリ内広告が必須になると結論づけています。
その上で「ユーザーの興味・関心に沿う、効果的なアプリ内広告をいかに作るのか?」ということが今後は重要になってくるとも述べています。
ただし、Flurry はアプリ内広告も手掛ける企業でもあるので、その点を考慮した上でこれらの分析・結論を受け止める必要があります。
参考
- The History of App Pricing, And Why Most Apps Are Free – The Flurry Blog