ライバル?パートナー?AppleとGoogleの微妙な関係。

AppBank の主任です。

iOS を搭載した iPhone/iPad を販売する Apple と Android の生みの親である Google はライバルであり、お互いに対立しているとよく言われます。

それを象徴するかのように、Apple は Google マップの採用を取り止め、Google は Android をアップデートし、Nexus 4 や Nexus 7 を販売しています。

しかし、実際の Apple と Google の関係は「敵・味方」といった二項分類では片づけられない、微妙なものです。

今回は、Apple と Google の関係をご紹介いたします。

AppleとGoogleの売上を比較する

まずは、Apple と Google の両社が何を売って利益を得ているのかを知る必要があります。2013年1〜3月の売上を見てみましょう。

Appleの売上の87%はハードウェア

以下は、Apple の2013年第二四半期(1月〜3月期)の売上をまとめたグラフです。

日曜コラム


全体の 87% が iPhone/iPad/iPod/Mac のハードウェアの売上です。

Apple を支えているのは iTunes Store でも App Store でもありません。これらが全体に占める割合は 10% 足らずです。

Googleの売上の85%は広告

以下は、Google の2013年第一四半期(1月〜3月期)の売上をまとめたグラフです。

日曜コラム


全体の 85% が広告収入です。メインとなるのは Google 検索を行った際に表示される広告ですが、ブラウザ版 Gmail の広告・YouTube の広告も Google を支えています。

「提携ウェブサイトの広告収入」は AdSense などで契約しているウェブページに貼られた広告やアプリ内広告による収入です。

「その他」には Google Apps や Android などで生じた売上が含まれていると考えられています。

Motorola Mobile は携帯電話を開発している企業で、Google によって買収されました。

売上の割合は 7% ですが、これは買収以降に Motorola Mobile が目立った新製品を発表していない影響もあります。

AppleとGoogleが互いを必要とする理由

以上のように、Apple と Google はそれぞれ異なる分野で売上の大半を稼いでいるので、一見すると対立が生じる原因はないように思えます。

加えて Apple も Google も、互いを必要とする要素があります。

Apple にとって、iPhone/iPad/Mac を売るには高い人気を誇る Google 検索などのサービスが必要です。今日ではこれらのサービスが利用できない端末は想像できません。

Google にとっても広告を表示・クリック・タップされる機会が増えるように、自社のサービスを利用できる端末とユーザーは多いほど良いです。

また、真偽は不明ですが、Safari の検索バーから Google 検索が行われると Google から Apple に何らかの使用料が支払われているのではないか、とも噂されています。

仮にこれが事実であれば、Apple には大量の使用料が支払われていると考えられます。

AppleとGoogleが対立する理由

一方で、Apple と Google は対立する要素も持っています。

Apple にとって、Google に依存することは望ましいとは言えません。

依存度が高い状況で使用料を求められれば、支払わざるを得なくなります。Google の要求を自社製品に反映する必要も出てくるでしょう。

そのために Apple は、iAd・iCloud・iWork for iCloud などを提供したり、iOS 6 で Google マップの採用を辞めたりして、バランスをとろうとしていると考えられます。

Google にとっても Apple に依存することは危険です。

可能性は低いですが、例えば Apple が Safari のデフォルト検索サービスを変更したり、独自の検索サービスを導入すれば、ユーザーを Google に誘導する窓口が減ります。

そのために Google は Android を開発し、製造メーカーと協力して Nexus シリーズを販売したり、Motorola Mobile を買収して自社の考えを反映したスマートフォンを販売しようとしていると考えられます。

Apple と Google が行っている対策は、以下の図のように Apple のハードウェア・Google のウェブサービスといった両社の核心的利益に踏み込みつつあり、対立を生む原因になっていると推測されます。

日曜コラム


全面対立の可能性は低い

とはいえ、こうした対立が全面戦争につながる可能性はまだ高くはありません。

Apple にとって現時点の脅威はサムスンです。iPhone/iPad と競合する製品を開発・販売しているだけでなく、それらの製品は人気があり、売上も大きいからです。

Google にとっても、アプリ内に限定される iAd などは自社の広告事業に大きな影響を与えるものではありません。

この小康状態を崩す要因として考えられるのは、Google がサムスンを抜いて iPhone/iPad の競合製品を全世界で販売し始める・Apple の広告事業が Google のシェアを奪う、といったことです。

したがってしばらくの間は、小規模な対立を繰り返すものの、両社の売上に寄与する現在の関係を保ち続けるものと思われます。

参考(順不同)

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