Hulu・dTVなど動画サービスの今後について「エンタ! DAYS 2017 in SHIBUYA」イベントレポート

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2016年は、動画配信サービスは成長の年となりました。

スマートフォンなどのデバイスが発達したことでコアなファンだけでなく、ライトユーザーが増え、国内での動画配信事業は2016年は約1,630億円*と推計されています。

*有料動画配信のみ集計となり、Amazonプライムなどの付加価値サービスも除く

2016年にはAbemaTVを初め様々な動画配信サービスが開始され、DAZNなどのスポーツ中継のネット配信も大きな話題となりました。その反面、動画配信サービスは継続が難しく撤退する企業も少なくなかった1年であります。

とはいえ、全体的に見たときに動画配信事業は本格的な普及期に入っており、確実に盛り上がってきている状況といえるでしょう。

2020年に向けて、各家庭のテレビの買い替えが予想でき、新しいネット対応のテレビの普及が増えていきます。それにより、動画配信事業はこれからも成長すると考えられています。

先日、渋谷にて行われた、日経エンタテインメント!創刊20周年記念イベント「エンタ!DAYS 2017 in SHIBUYA」において動画配信サービス事業を行う5社が集まり「本格始動する動画配信ビジネス」というイベントが行われました。

この記事では「本格始動する動画配信ビジネス」のイベントレポートをお届けします。

【目次】

dTV「オリジナルコンテンツを強化」

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dTV→https://pc.video.dmkt-sp.jp/
月額利用料:500円(税抜)
コンテンツ数:12万以上

登壇者:笹岡 敦氏(エイベックス通信放送 コンテンツプロデュースグループ ゼネラルマネージャー)

dTVは500万人のユーザーを抱え、ユーザー数・作品数とも国内トップの数字を誇ります。豊富なジャンルとコンテンツ数に対し500円という手軽さがユーザーに受けている要因だと思っています。

dTVコンテンツの注力ポイント

1.オリジナルコンテンツの製作/配信
東宝様とパートナーシップのもとに、映画のスピンオフを作成。「進撃の巨人」など大型映画と連動したアナザーストーリーの配信を行っております。また、完全オリジナル作品として映画監督や気鋭のクリエイターを起用したコンテンツの製作にも力を入れています。
さらに、バラエティーにおいては、ネット配信ならではである10分ほどの短い番組、dTVオリジナル「ゴッドタン」や「トゥルルさま〜ず」など地上波ではできない笑いの追求も行っています。

2.音楽ジャンルの配信強化
人気アーティストのライブ生配信やライブ映像の独占先行配信を行うほか、ユーザーからの「日常的にMV見たい」という声に応え、MVを連続再生する機能も備えました。

3.アニメジャンルの配信強化
人気アニメの独占配信や地上派で放送しているアニメの見逃し配信や、avexグループ発のヒットアニメ「おそ松さん」や「ユーリ!!! on ICE」と連動した作品の放送、関連コンテンツの一挙配信を行っています。

4.独自の映像ジャンルの提供
dTVでは、VRの配信にも挑戦しています。アプリはVR動画配信アプリ国内最高の20万DLを記録。a-nationのライブ配信など、臨場感あふれる映像の提供を行っています。

この夏の注目コンテンツ

この夏の注目コンテンツとして『銀魂』『パイレーツ・オブ・カリビアン』『パパ活』という3つの大きな作品を同時展開していきます。

『銀魂』では劇場版公開に合わせ、オリジナルドラマ「銀魂-ミツバ篇-」を配信します。『パイレーツ・オブ・カリビアン』は過去作品の一挙配信、完全オリジナルドラマの『パパ活』にもご期待ください。

関連リンク
dTV×銀魂プロジェクト|7月15日実写版ドラマ「銀魂-ミツバ篇-」配信決定!
「パイレーツ・オブ・カリビアン」全作独占配信!特集
ドラマ「パパ活」特設サイト

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Hulu「どんな動画が観られるのかを知ってもらう工夫」

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Hulu→https://www.happyon.jp/
月額利用料:933円(税抜)
コンテンツ数:4万以上

登壇者:長澤 一史氏(HJホールディングス コンテンツチーフオフィサー)

定額見放題の動画配信サービスは成長しつつあるが、ユーザーが急激に伸びているわけではなく、まだまだ、成長しなければいけない市場であると考えています。

加入の動機となるものは「どんな動画が観られるのか」という点だと考えているので、親会社である日本テレビを活用し、朝の生放送でHuluのランキングをコーナーとして放送するなど、いかに「どんな動画が観られるのか」を知ってもらう工夫をしています。

日本初上陸の海外ドラマをHulu先行配信する「Huluプレミア」というブランドラインでは、地上波で1話のみを日テレの深夜枠を使い「Hulu傑作シアター」として放送しており「続きはHuluで」とすることで興味をもってもらえています。

また、Huluの中ではテーマを決めて特集を組んでおり、例えば4月はテレビドラマのスピンオフをまとめて紹介したり、違う月では香港映画を一気に配信するなどを行っています。

最近ではオリジナル番組にも力を入れており、例として「渡部の歩き方」という番組では、地上波のような演出はあえてせず、グルメで有名なアンジャッシュ渡部さんの行きたいところに行き実際に食事をしてもらい、それを放送するというものです。
地方でロケを行った場合はその土地の放送局で「渡部の歩き方」を地上波放送し、他の地域も見たい方はHuluでという宣伝も行っています。

今後もコンテンツ提供者様とパートナーとして一緒にユーザーにプロモートしていきたいと思っています。

関連リンク
渡部の歩き方 グルメ王の休日 が見放題! | Hulu
Huluプレミア
Hulu 傑作シアター|日本テレビ

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GYAO「違法アップロードではなく権利処理を行った動画を」

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GYAO→https://gyao.yahoo.co.jp/
月額利用料:無料・有料会員800円(税抜)
コンテンツ数:約18万本

登壇者:GYAO 半田 英智氏(GYAO 取締役)

GYAOの特徴は無料・有料の両方のサービスをもっていることであると思っています。無料GYAOはマスメディアのような力をもっていて、ユーザー数は1,000万人以上となります。

また、無料動画でありながらすべて権利処理を行っているものを配信していることも特徴としてあげられます。無料の動画配信サービスとして、YouTubeなどとは違う点です。

最近、若年層が見ている動画を調査したところよく見られているのが、違法でアップロードされているテレビ番組でした。そういう若年層の人たちに違法アップロードではなく、合法的に動画を見てほしいなと思っています。

GYAOやTVerではテレビ放送後に各話1週間無料見逃し配信を行っており、計10局、常に約150番組の放送を行っています。また、テレビ局と連動したプロモーションも行っており、最近では『A LIFE〜愛しき人〜』のプロモーションとして、木村拓哉さんの主演作品を期間限定で無料配信を行いました。

オリジナルコンテンツや独占配信にも注力しています。芸能事務所アミューズとの共同でオリジナル企画(監督)・俳優・ミュージシャンのオーディションによるオリジナル映画の製作プロジェクト『NEW CINEMA PROJECT』を実施しております。

また、10代のイマを探る情報バラエティ『じぇーとぅえ!』や、新感覚芸人時事ネタバトル『お前が語るな◯◯ニュース!』など、特定ターゲットを狙った番組、時流性のある生配信番組を無料展開というものにもトライしています。

関連リンク
「NEW CINEMA PROJECT」特集|無料動画GYAO![ギャオ]
じーとぅえ!(G20)-動画[無料]|GYAO!|バラエティ・スポーツ
お前が語るな◯◯ニュース!-動画[無料]|GYAO!|バラエティ・スポーツ

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U-NEXT「都度課金コンテンツを気軽に」

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U-NEXT→https://video.unext.jp/
月額利用料:1,990円(税抜)
コンテンツ数:映像12万本以上、書籍20万冊以上

登壇者:堤 天心氏(U-NEXT 取締役 NEXT事業本部長)

料金体系は月1,990円(税抜)と高めですが、毎月1,200ポイント付与を行っており、それを使って都度課金コンテンツ(最新作など)を楽しんでいただけます。また、ポイントは劇場と連携しており映画のチケットに交換することもできます。

今後の方針としては「洋画・邦画」「アニメ」「韓流ドラマ」に力をいれていく予定です。

映画に関しては単館映画を含めたマニアックな映画も扱い、国内で一番映画が揃っているサービスを目指しています。また、韓国ドラマの先行や独占配信にも力をいれており、韓国の放送局と連携し、見放題の独占放送が今後増えて行く予定です。

TVOD(都度課金コンテンツ)では見放題とは違い、最新映画のDVD発売と同時、もしくはそれよりも早い段階での配信が可能であり、例えば今月末に発売される「君の名は」もDVDの発売と同時に配信開始となります。

このような、都度課金コンテンツに対しても、U-NEXTでは毎月付与される1,200ポイントを使って見られるので、見放題+2,3番組の購入という使い方で最新映画なども気軽に楽しんでいただけます。

関連リンク
洋画の動画特集-おすすめ・名作から新作まで- | U-NEXT
韓国ドラマの動画特集-おすすめ・名作から新作まで- | U-NEXT
アニメの動画特集-おすすめ・名作から新作まで- | U-NEXT

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DAZN「いつでもどこでもスポーツを楽しみたい」

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DAZN→スポーツを観よう! ライブも見逃した試合も いつでも、どこでも | DAZN JP
月額利用料:1,750円(税抜)
コンテンツ数:130以上(年間6,000試合以上)

登壇者:水野 重理氏(Perform Investment Japan DAZNコンテンツ制作本部長)

DAZNはスポーツ専門なのでスポーツ以外のことはやりません。でも、スポーツに関しては世界最大の動画配信サービス・メディアとなっています。また、複雑な料金体系は一切なく、DAZNに加入すればすべての番組が見られるワンプライスです。

今までにない自由な形でスポーツ観戦を楽しんでいただきたいと思っています。Jリーグが話題となっていますが、それだけではなく、海外サッカーはもちろん野球やNFLなど130以上のコンテンツ、年間6,000試合の放送を行っています。

配信している番組は「ライブ配信」と「見逃し配信」がメインです。ライブ配信では途中から見てもすぐに最初から見ることができるのも特徴です。また、すべての試合に対し3分ほどのハイライトを製作、配信しています。

生活の中の様々なシーンで「いつでもどこでもスポーツを楽しみたい」という思いを叶えるため、大画面のTVでもPCでもスマホでも見られるようにマルチデバイスでの配信を行っています。

そして、従来の放送形態とは異なり、チャンネルの制限がないOTT(Over The Top)だからこそ、10試合もの試合が同時にキックオフしても対応できています。これまでの放送形態であればチャンネル数の試合数しか放送することはできませんでしたので、やはりOTTだからこその特徴だと思っています。

また、ライブ配信が1番の売りではありますが、これからは番組も重要だなと感じています。ハイライト番組だけじゃなく、選手やチームをクローズアップしたドキュメンタリーの製作も行っていきます。例えば、今度Jリーグのチームが3泊4日でヨーロッパに行き現地のチームと戦うので、そのドキュメンタリーをまさに今製作中です。他にも選手にクローズアップした特集番組の配信も行っています。

関連リンク
Jリーグを観よう! ライブも見逃した試合も いつでも、どこでも | DAZN JP

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