『ハチナイ』アカツキ流ものづくり哲学。ゲームの力で世界に幸せを

7月21日(金)に開催された、ディライトワークス主催のゲーム業界関係者向けセミナー「ゲーム作りの理念・ビジョンが開発現場にどう根付いているのか、その裏側を公開」

『ハチナイ』アカツキ流ものづくり哲学。ゲームの力で世界に幸せを


アカツキの講演では、『八月のシンデレラナイン(ハチナイ)』のプロデューサーを務める山口修平さんが登壇。「アカツキ流ものづくり哲学」と題して、ゲーム開発方法の一部が明かされました。

『ハチナイ』アカツキ流ものづくり哲学。ゲームの力で世界に幸せを


●山口修平さんのプロフィール(株式会社アカツキ)
2002年日本有数のコンシューマーゲーム開発企業に新卒入社。携帯電話コンテンツのプロデューサーや、国民的人気を誇るRPGシリーズのコアメンバーとして従事。

その後、ソーシャルゲーム企業でのディレクターを歴任の後、2014年アカツキに入社。著名IPタイトルの立ち上げ・リリースや、直近では自社オリジナルIP『八月のシンデレラナイン』のプロデューサーを担当。

アカツキらしさを共通言語化

アカツキは公式サイトにあるように、「感情を報酬に発展する社会」という社会ビジョンと「ゲームの力で世界に幸せを」というミッションを掲げています。

『ハチナイ』アカツキ流ものづくり哲学。ゲームの力で世界に幸せを


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簡単にまとめると、「ゲームの力で人にワクワクや感動を与える」ことと「ゲームの力で世界をより幸せに感じられるように変える」ということ。

この2つを満たすため、現場では会社としての根幹にある「原則」や「哲学」をまとめて社員の「共通言語化」を行っているそうです。

具体的には、社内でよく使われている言葉やアカツキらしい言葉を本の形にしてまとめているとのこと。この講演の前には、山口さんは実際に本を見直して講演内容を考えたそうです。

『ハチナイ』アカツキ流ものづくり哲学。ゲームの力で世界に幸せを


そんな本の内容の一部が事例を交えて紹介されました。

アカツキらしさを作る3つの要素

その1.Whyから考える

『ハチナイ』アカツキ流ものづくり哲学。ゲームの力で世界に幸せを


アカツキでは、サイモン・シネック氏が提唱した「Whyから考える」という考え方を全タイトルに設定しているといいます。

これはWhyから考えて、How、Whatと順を追って説明することで、人に伝わりやすいメッセージになるという考え方。ゲームに置き換えると以下のようになります。

Why なぜそのゲームを作りたいのか? ゲームがヒットすると、世の中にどんなメリットがあり、ユーザーにどんないいことがあるのか?
How Whyをどんなゲームシステムで実現するのか?
What 結果として生まれる製品やサービスとして具体的な姿

上記の考え方のもと、『ハチナイ』には以下のWhyが設定されたそうです。

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夢を諦めかけている人、今夢を追いかけている人たちへ、もう一歩前へ踏み出すための元気と勇気を届ける。

ゲームシナリオとしては「青春モノ」とひとくくりで表現されますが、鬱屈したものや女の子との恋愛に没入したもの、部活などで夢を追いかけるようなものなど、青春にもいろいろなものがあると山口さんは語ります。

どの青春が『ハチナイ』のテーマに一番ヒットしているのか。前に立ち戻って考える時にWhyを使って議論を行っていたといいます。

例えば、青春らしい、青春らしくないの議論が開発の中で起こった際に、そもそも青春とは何かを議論したそうです。そうすると、スタッフそれぞれに自分が思う青春があったとのこと。

Whyといった物差しがない場合、お互いの感性を否定しあうような最悪な議論になってしまいます。ゲームでも、おもしろいかおもしろくないかは個人の感性なので、否定してしまうとお互いが傷つきます。

しかしWhyに立ち返ることで、感性のぶつかり合いではなく、お互いが同じ目線の論理的な議論が可能になるといいます。

『ハチナイ』アカツキ流ものづくり哲学。ゲームの力で世界に幸せを


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1人で「Whyから考える」を提唱しているだけでは効果がなく、チームメンバー全員が理解していなければいけないため、リーダーがことあるごとに口にする、資料の最初に記載する、つねに目につくホワイトボードに張っておく、といった形で意識付けを徹底しているそうです。

このような意識付けを徹底して行ったところ、大小さまざまな理由で「Whyとは何か?」を自然に話し合う文化が開発現場に根付いたとのこと。

まれにWhatから話が始まることもあるそうですが、そういった時にも「そのWhyはなんですか?」といったやりとりがリアルになされているそうです。

その2.チームで勝つ

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アカツキでは、1人の天才に依存するチームではなく、誰もが自発的にリーダーシップを発揮できる「フラットで強い組織」を目指しているそうです。

「チームで勝つ」ことがなぜ大事なのかというと、ゲームアプリの開発規模が急激に大規模化してきているからなのだそう。

そうなると、1人の力ではカバーできない領域や物量の消化が求められるため、専門性が高いプロフェッショナルな集団が必要になったといいます。

▼プランナーやディレクターの作業領域の例。新規・運用・3D・VRなど、さらに専門領域が増え、1人ではとてもカバーできないそうです。
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当然得意不得意が出てくるため、アカツキでは天才や超人は求めずに適材適所で能力を十二分に発揮してもらったり、不得意を承知したうえで成長の場にしてもらうことで、楽しんで仕事に望める環境を重要視していると山口さんは語ります。

ちなみにこの得意不得意については、全社員が「StrengthsFinder」という適性検査を受けることで把握しているそうです。「StrengthsFinder」の結果は公開して誰がどんな適正なのかをわかるようにし、日常的に自己紹介で発表するなどしているとのこと。

▼赤枠が「StrengthsFinder」を受けてわかった山口さんの強み。
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つねに最大のパフォーマンスを発揮できる個ではなく、「チーム」のあり方を考え続けるところはアカツキの大きな強みの1つだといいます。

その3.失敗を財産にする

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最後に紹介されたのは「失敗を財産にする」。アカツキでは、本気でチャレンジした時の失敗は一切責めないそうです。

もしもチャレンジに失敗した人を叱責したら、その人は臆病になって二度とチャレンジしなくなってしまうかもしれません。

ゲームはチャレンジしたほうが成功確率が上がる可能性が高まるため、怒ることが失敗する人を生むことにつながると山口さんは考えているそうです。

山口さん自身も『ハチナイ』のリリースを1年弱延期した時に、社長から「失敗は財産に変える会社だから頑張れ」と言われ、自分の中で心に刺さったといいます。

これを機に、失敗は裏を返せば成長の機会、自分に足りない部分を腹落ちして考えるチャンスであると気づいたそうです。

そして山口さんは、「失った信頼は、自分たちが成長することで恩返しし、ボールを磨くがごとく地道に取り戻していくしかない」とまとめました。

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まとめ:ゲームには人を動かすパワーがある

講演では主に3つの言葉について紹介されましたが、最初に紹介された共通言語化のために制作した本の中には、もっと多くのアカツキが大切にしていることが書いてあるそうです。

最後に山口さんは、自身をゲームで人生を変えられた1人であると振り返り、自分もゲームで世の中を変えていきたいとコメント。

目標や夢を持ち、ワクワクした思いでゲーム開発ができればよりよいパフォーマンスでよりよいゲームを作っていけるとまとめました。

『八月のシンデレラナイン』注目記事

八月のシンデレラナイン ・販売元: Akatsuki Inc.
・掲載時のDL価格: 無料
・カテゴリ: ゲーム
・容量: 243.6 MB
・バージョン: 1.0.3

© Akatsuki Inc.

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