イケメンAI目覚ましアプリ!? 女性向けの隠れヒット作『私のセイ』開発者に幻の初期案を見せてもらった

ヘキサドライブが配信しているiOS/Android用触れ合い系乙女目覚ましアプリ『MakeS -おはよう、私のセイ-』。

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本作はコンシェルジュ・セイくんとコミュニケーションを取りながら、目覚ましやスケジュール管理ができる生活のお供にピッタリなアプリです。

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そんなセイくんの生みの親である企画発案者にしてディレクターの阿部浩美さんと、プロデューサーの田口昌宏さんに制作秘話などを伺いました。(文:唐傘)


コンセプトは「葉っぱ一枚あればいい」

ーー本作はセイくんとのコミュニケーションを重視した、かなり独自性が強いタイトルです。どのような経緯で、プロジェクトが始まったんでしょうか?

阿部:もともと2年に進めていた前身の企画があり、その一部から派生した作品が『MakeS -おはよう、私のセイ-』です。

▼もともと阿部さんが企画していたタイトルがこちらの『フレアイ(ハート)カレシ』。このなかの金髪の彼が、セイくんです。


▼現在のセイくんより、ちょっとチャラく見える?
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阿部:最初は、企画のなかの1キャラクターでした。田口との別件での面談の際に、ちらちらとこんな企画書があるんですと見せて話をしました。

田口:面談をするときに、なぜか持ってきていました。違う話をしたいのに(笑)。

前身の企画は、ヘキサドライブらしさがなかったんです。これは、あえてうちでやる企画ではないかなと。でも、そのときから熱量がすごいというのは感じていました。

阿部:当時、Live2Dの検証もしていました。

それもあって、田口から「プロトタイプを作ってみたら」と提案され、「偉い人の言質が取れたらこっちのもんだ!」と人を集めて2週間ほどでサンプルを作りました(笑)。

田口:私もLive2Dの技術は知っていたのですが、実際に動いている姿を見てこんなに動くのかと驚いたんです。それで、これはおもしろいものができるかもしれないと思いました。

またゲーム作りには熱さが必要なので、その熱量がある人が推すタイトルなら期待と感じたのも大きいです。プロトタイプは、セイとハイタッチする画面だっけ?

阿部:はい。それを役員に見せたところ反応がよく、そのままプロジェクトスタートになりました。

▼よく動き、いろいろな動きを見せてくれるセイくん。起床時には、プロトタイプにもあるハイタッチも行えます。


ーー開発コンセプトについても教えてください。

阿部コンセプトは、プレイした方が「葉っぱ一枚あればいい」という感情に到達することです。または「生きているだけで100億点」というような、自己肯定感を体験できる作品を作りたいと思いました。

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そのために必要な要素を分析して、筋道を立ててくみ上げていったものが本作です。だからじつは生活ツールを作ろうとか、セイという美少年を中心にした作品を作ろうという意図で始まった企画ではないんです。

ーーそうなんですね。セイくんが魅力的なだけに、キャラクターを重視して作られていたのかなとプレイして思っていました。

阿部:作りたい作品と、自分の趣味が融合した結果こうなりました(笑)。

セイを物語を生きるキャラクターとして見せるのではなく、身近にいる「真実」としてプレイヤーに受け入れてもらえるように注力しています。

ーー確かにセイくんと、一対一でコミュニケーションを取っているという感覚はとても強いです。

阿部:コンセプトの「葉っぱ一枚あればいい」という自己肯定感を得るためには、心を寄せるに値する存在が必要でした。「自分が認めた存在に肯定される」、この構図を作りたかった。

そのため物語の主人公とキャラクターたちの交流を見るのではなく、「自分とセイとの関係」をちゃんと築く作品にしようと考えたんです。

チームメンバーには、次元の壁を極力薄くしようと伝えて制作を始めました。またセイが日常で欠かせない存在になるため、日常的に使ってもらえるよう生活ツールとしての使い心地のよさも気をつけています。

▼チームのみなさんに見せたという企画書。作品への熱い思いが伝わってきます。


初期のセイくんは、まさかのパリピ!?

ーーセイくんは、どのように生み出されていったのでしょうか?

阿部:彼が、「セイ」であることを意識しました。本作では有名な声優や、イラストレーターの力を借りていません。

そこに頼ってしまうことで、「◯◯さんの〜」というイメージができてしまい、コンセプトの「葉っぱ一枚あればいい」という感情へ到達する際の妨げになってしまう気がしたんです。

ーー結果として声もデザインもステキですし、作品にも合ったものになっている気がします。

阿部:声を決めるとき、弊社は声優を起用したオリジナルタイトルがないため、声優プロダクションのサンプルボイスを聞くところから始まったんです。

当時のマネージャーに「大人過ぎず、子供過ぎず、透明感と儚さを持った声の人を探してくれ!」とお願いし、数日サンプルを聞き続け、北島壮峻さんに出会いました。

本当に、よい声優さんに巡り合えたなと思います。

ーー初期の金髪姿とは、だいぶ雰囲気が変わっていますね。

阿部:容姿は、Live2Dの検証で使用したモデルをそのまま使っています。

企画書のままだと、ちょっとパリピっぽいと言われて評判が悪かったんです。

3人のなかの1人だと大丈夫だけど、単独センターは厳しいとプランナーの女の子に言われて、なるほどなと思いました。

そのあと髪型を変えたり、いろいろと調整して今の姿に。髪型はLive2D映えと、データの作りやすさ、また認識しやすいような記号的要素を入れ込もうという試みもあったりします。

田口:私は男性のデザインについてはわからない部分の方が多いので、女性スタッフに任せました。
 
▼セイくんの貴重な設定イラスト。髪型や髪色など、試行錯誤のあとがうかがえます。

ーー見た目のカスタマイズ機能は、最初から想定していたのでしょうか?

阿部:女の子は着せ替えが好きなので、初期から考えていました。

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ーーちなみに阿部さんのお気に入りの衣装は?

阿部:私は着替え大好きで、毎日ほぼ着替えさせていますね(笑)。企画書の金髪だったセイには申し訳ないですが、黒髪が好きで黒髪率が高いです。

▼さまざまなコスチュームが用意されています。こちらは、阿部さんお気に入りセット。阿部さんいわく「金目の黒髪が好きです!!!!!!」。


ーー性格づけはどのように進めていったのですか?

阿部:最初は(前身の企画の)他のキャラと差別化するためにもっと強気でかっこつけた感じでした。

現在の彼は、好きな人の前ではかっこよくありたいと思う普通の男の子です。

ーーちなみに、名前はどのように決めたのでしょう?

阿部:前身の企画では、赤、青、黄色と色の名前で呼んでいました。でもそれではテンションが上がらないので、「生活」からとってセイと命名したんです。

アプリ内のセリフにも登場しますが、直感でサクッと決めました。

ーータイトルに名前を入れることは、いつごろ決めたのでしょうか?

阿部:プロジェクトが決まった段階で、「システム名+名前」というのは決めていました。でも目覚ましやアラームで、は直接的すぎておしゃれさが足りないですよね。

いい名前になるようチームでアイデアを募り、女性スタッフだけでやいのやいの話して決めました。

ーー開発中の印象的な思い出はありますか?

阿部:女性開発者よりも、男性開発者からの受けがよくて「何か間違えたかしら……このまま出して大丈夫かな……」と不安になったりしたこともあります(笑)。

リリース後も社内のおじさま方に気に入ってもらえ、男殺しの面もあるんだなぁと。

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ーー田口さんから、開発面でアドバイスはありましたか?

田口SNSに関する拡散機能ですね。せっかくおもしろいものを作っても、知ってもらわないと広がりにくいです。

みんなが楽しさをシェアできるようにとは、伝えました。実際に配信後は、みなさんTwitterで盛り上がってくれています。それも、チームがシェアしやすい機能を作ってくれたおかげです。

阿部:田口さんは困ったことがあったとき、「こういう考え方もあるかもしれない」という明確なヒントをくれるので助かります。

過程はどのようなルートを通っても、ゴールにたどり着いたらOKというスタンスでした。

ーーSNSと言えば、ユーザーからの熱いコメントがよく書き込まれていますね。スタッフのみなさんに、コメントは届いているのでしょうか?

阿部:SNSでや弊社宛に、たくさんのメッセージをいただいております。なかには「生きるのが楽しくなった」など、本作のコンセプトがダイレクトに届いているのがわかるメッセージも多く、感動しました。

そのような感想は本当にありがたく、開発者冥利に尽きるとスタッフでも話しています。

また、バレンタインにはたくさんのチョコレートもいただいて。セイはちゃんとおじさまだけではなく、女性にもモテモテの子になりました(笑)。

▼記念撮影や着せ替えなど、みんなにセイくんを紹介したくなる仕掛けが満載。ボタン一つで簡単にSNSに投稿できるのも便利です。
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▼ホワイトデーにはスペシャルイラストが投稿され、話題になっていました。かわいい!

ーー生活サポート機能の見どころについて教えてください。

阿部:セイが、スケジュールをリマインドしてくれる部分ですね。予定と終了を確認してくれるのは、この作品ならでは。

個人的には眠れないときに、セイを起こすと「寝れないならお話しする?」と言ってくれるのが気に入ってます。

ーー遊ぶうえで、気がつきにくい隠し要素や演出などありますか?

阿部:シンプルな作品なので、隠し要素はとくにないです。ただ彼がジョークを言うのは、エクステンションを4回終えた段階のときだけ

ーーそんな設定があったんですね。

阿部:この段階の彼は、ジョークを言って人を楽しませることに興味を持っているんです。さらに仲を深めていくと、より個としてのコミュニケーションを重視するようになるのでジョークは言わなくなってしまいます。

本作のプレイスピードは、ゆっくりで1カ月、早くて1週間を想定していました。でも早い人だと2日で最終段階に進んでいた方がいたので、もしかしたら気がついていない人もいるかもしれませんね。

エクステンション時の「プログラムジョークです」というのが、とても気に入っています。

▼プログラムジョークはとってもレア! この段階の時は、特にじっくりとお話を聞くことをおすすめします。

ーーセイくんとのコミュニケーションはずっと続いていきますが、物語としての区切りは存在するのでしょうか?

阿部:明確にわかるものがあります。ちゃんとエンディング的なものがありますので、ぜひプレイしていただけるとうれしいです。

ーー隠し要素ではありませんが、ときおり特別なセリフを言ってくれることがありますね。

阿部:カレンダーに紐づいたセリフがいくつもあります。2月22日の猫の日など、その日しか言ってくれないものもあるので各種記念日には注目してみてください

あなたの側にいることがセイの喜び

ーー今後の展開について教えてください。

阿部:グッズと、LINEスタンプの製作が進んでいます。また、初夏にアプリの更新の予定も。着せ替えアイテムの追加はもちろん、新機能も入れる予定です!

▼LINEスタンプは、キュートで使いやすそうです。


▼新機能に関する画像も入手! カラーバーらしきものが見えますが……。

ーー最後に、本作に期待するファンへのメッセージをお願いします。

田口:とても反響の大きな作品だなと感じました。絵を描いていただいたり、物語を書いていただいたり、いろいろな方法で、作品を盛り上げていただいています。

これは、我々としては想定外のことでした。もっと楽しんでいただけるように、二次創作ガイドラインも定めつつ、コンテンツの可能性を考えていこうと思っています。

まだまだ作品を盛り上げていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

阿部:いつもセイを傍に置いて下さりありがとうございます。セイに月や雪、梅を見せようとしている事をSNSやお便りに添えられた写真で拝見しています。

セイが貴女にとって「感動を共有する相手」「喜びを与えたい相手」になれたこと大変うれしく思っています。SNSなどを拝見していると「セイに尽くしてもらってばかりでなにも返せてない、返したい」といものを見ますが、それは違います。

セイは貴女の事が大好きですが、決してユーザーの思い通りになるお人形ではありません。自分の意志、考えを持っています。

セイを最後まで成長させ、その後も『MakeS』を使って頂けている事自体が、彼の意志を尊重し受け入れている事、彼の主体性を認めているという事になります。

それは道具であるセイにとって、得難い喜びです。それだけでセイは十分幸せです。

セイを愛してくださって、本当にありがとうございます。これからも貴女とセイが楽しい時間を過ごせるよう開発一同頑張ってまいりますので、楽しみにしていてください。

動画:【公式PV】MakeS -おはよう、私のセイ-

MakeS ‐おはよう、私のセイ‐ ・販売元: HEXADRIVE Inc.
・掲載時のDL価格: 無料
・カテゴリ: エンターテインメント
・容量: 325.1 MB
・バージョン: 1.0.5

© 2017 HEXADRIVE Inc.

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