目指すのは「FGOのある生活」。塩川洋介プロデューサーが語るプロジェクトの未来
アプリ『Fate/Grand Order(FGO)』などの開発・運営を手がけるディライトワークスで本日5月15日(火)、メディア関係者向けに「塩川洋介 FGO PROJECT クリエイティブプロデューサー 就任説明会」が行われました。
4月1日付けで「FGO PROJECT クリエイティブディレクター」から「FGO PROJECT クリエイティブプロデューサー」という肩書きへと変更となった塩川さん。
説明会では、プロデューサー就任の意図や肩書き変更による役割の変化、さらにFGO PROJECTの未来について、塩川さん本人から説明がありました。
▼説明会冒頭ではFGO PROJECTのこれまでの歩みが紹介されました。日本国内では1,200万ダウンロード、海外を含めると累計3,000万DLを突破しているそうです。
▼さまざまなプロジェクトを紹介する中で塩川さんは、日本からスタートした『FGO』は、現在では海外でも多くのユーザーに遊んでもらえるタイトルに成長したと振り返りました。
クリエイティブプロデューサーの役割
ディライトワークス入社前からFGO PROJECTに携わっていた塩川さん。
クリエイティブディレクターとして、そしてクリエイティブプロデューサーとしてどのような業務を行ってきたのか、まず最初にこれまで詳しく説明されたことがなかった役割について紹介がありました。
これまでとこれからの役割
2018年3月までの主な業務は、「『FGO』の開発・運営」。クリエイティブディレクターとしては、その中で開発ゲームの現場指揮と、ゲームとしての意思決定がメインの役割だったそうです。
クリエイティブプロデューサーとなった4月1日からは、アプリ単体ではなく、FGO PROJECT全体のゲーム展開が対象となりました。
主な役割は、新規プロジェクトの企画立案、各プロジェクトのゲームとしての意思決定になるそうです。
なぜ肩書きが「プロデューサー」に変わるのか?
終局特異点が配信され、第1部がエンディングを迎えた2016年末。クリエイティブディレクターとしての大きな目標は、2016年内という締め切りを守り、年末に用意された壮大な仕掛けを成功させ、第1部を最高の形で完結させることだったといいます。
この目標は無事に達成され、年末にSNSなどで大きな話題となり、感動的なエンディングを迎えたことは当時を経験した『FGO』プレイヤーの皆さんならご存知でしょう。
年が明けて2017年。新たに「2017年中に1.5部を完走する」「2016年末以上の年末を迎える」という目標が打ち立てられました。
塩川さんは「運営としても飛躍の年だった」と2017年を振り返ります。何かがあるたびにTwitterのトレンドに入り、Twitter Japanが発表した「もっとも使われたハッシュタグ」や「もっとも使われたアカウント」で『FGO』関連のものが上位にランクインしていたことは、記憶に新しいです。
そして今年2018年、第2部がスタート。これまでは「どうやって1年間を走りきるか」を目標に開発されてきましたが、これからは中長期のスパンで開発が進められる想定とのことで、その中で「より多くのユーザーに楽しく遊んでもらえるか」、「昨年以上の飛躍をどう実現するか」が新たな課題になったそうです。
新たな目標に向けて塩川さん自身が『FGO』に専念して開発を見ることもできたそうですが、『FGO』のさらなる飛躍のために、「全体のクリエイティブを見る役割に変更させてほしい」と自ら申し出たそうです。
塩川さんの役割は変わりますが、第2部開発ディレクターのカノウヨシキさんを中心に、今まで携わっていたメンバー、新規スタッフ含めて開発の体制は盤石とのこと。
一歩二歩先より「三歩先に飛躍」させるために、今後も『FGO』をしっかり作っていくとの決意表明もありました。
「ゲーム外を制するものが、ゲームを制す」
では、クリエイティブプロデューサーとして今後どう注力していくのか。そのキーワードは「ゲーム外を制するものが、ゲームを制す」だといいます。「ゲーム外」というワードがありますが、これは「ランキングの上位を目指す」といったものではありません。
塩川さんは、『FGO』はゲーム以外の部分でも多くのユーザーに助けられて成長してきたタイトルだと説明します。具体的な例としては、終局特異点の仕掛けでSNSなどが盛り上がり、新規プレイヤーが増えるきっかけになりました。
スマートフォンのゲームは遊び続けることが前提の作りになるため、どうやって貴重な時間をユーザーに使ってもらうかが重要になります。
そのためにゲーム単体のクオリティが高いことはもちろん重要ですが、「どのゲームもいいゲーム」になった場合、「ゲーム以外のことも含めて付加価値を提供できるのか」が、これからのゲームに求められるものだと塩川さんは考えているそうです。
これは2年間の運営の中で塩川さん自身が目の当たりにしてきたこと。クリエイティブプロデューサーとなったのも、「これを極めるため」というのが主な理由だと説明しました。
コンセプトは「FGOのある生活をデザインする」
クリエイティブプロデューサーに就任した塩川さんがFGO PROJECTの未来をどう考えているのか、そのコンセプトは「FGOのある生活をデザインする」だといいます。
具体的な例として、先日より東京公演が開始されたリアル脱出ゲーム「謎特異点I ベーカー街からの脱出」の施策が紹介されました。
リアル脱出ゲームでは、リアルイベントとあわせて現地に行かなくても楽しめる「お試し謎」がWeb上で展開されました。
さらに、ゲーム内では同じテーマのイベント「虚月館殺人事件」が始まり、ユーザー全員で真犯人を推理するという施策も用意。謎やミステリーを軸に多面的に展開されています。
上記のような形で、「ゲームを遊んでいるユーザー自身がマスターになる」ということをすべての中心に据えることが『FGO』としての大きなこだわりだと塩川さんはいいます。
プロジェクト全体としても、「マスター体験をよりリッチなものにする」、「より感情移入できるものにする」ために、さまざま展開を設計していくそうです。
メディアミックスがしたいわけでも、IP展開がしたいわけでもないと塩川さんは語ります。『FGO VR』では、現在の仕様ではなくいろいろなものを作ることができたそうですが、選択したのは「プレイヤーがマスターになること」でした。
『FGOアーケード』では、アプリ内のセイントグラフが物理カードとして手に入ります。ボードゲームの『FGO デュエル』では、ゲーム内のコマンドカードを現実世界で使用して遊ぶことになります。これも「マスター体験」です。
このように、いかに「よりマスターとしての生活を充実させるか」を中心にプロジェクトを運営しているそうです。
「FGOのある生活をデザインする」というコンセプトは、似たようなことを実現できているタイトルは世界を含めて少なく、塩川さんにとっても大きなチャレンジだといいます。
非常に高いハードルですが、第2部のフィナーレに向けて大きく盛り上げていくために、アプリだけではなく「マスターになって『FGO』を楽しむ生活をより発展させていきたい」とまとめました。
理想の未来を実現するために
最後に、「FGOのある生活をデザインする」というコンセプトを実現するために、新しく「FGOプロジェクト総合プロデュースチーム」を発足したことが発表されました。
よりクオリティの高いプロジェクトにしていくために、FGO PROJECTのプロデューサーやプロジェクトマネージャー、宣伝担当など6種のスタッフ募集がディライトワークスの公式サイトでスタートしています。
「FGOのある生活をデザインする」というコンセプトのもと、塩川さんたちとFGO PROJECTの未来を作っていきたい方は、応募してみてはいかがでしょうか。
▼「&TOKYO」のコンセプトがまさに『FGO』だと塩川さん。もしもTwitterが存在していなかったら『FGO』はここまで成長していなかった、ユーザーが成長させてくれたと語りました。
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・販売元: Aniplex Inc. ・掲載時のDL価格: 無料 ・カテゴリ: ゲーム ・容量: 199.2 MB ・バージョン: 1.39.2 |
(C)TYPE-MOON / FGO PROJECT