動画実況風RPG『【終末放送】世界を救う枠』インタビュー

ヘキサドライブのオリジナルブランド「Ficustone project(フィクストーンプロジェクト)」インタビューの最終回は、シリーズ3作目『【終末放送】世界を救う枠(せかわく)』についてお届けします。

ficustone - 28


勇者が動画実況をしながら戦うRPGという不思議なゲームの開発秘話や裏話を、ぜひお楽しみください!(文:ATom)

【インタビューのお相手】
寺井瑞希さん:フィクストーンプロジェクトに関する3作品のディレクションやシナリオ・世界観などを担当。
奥田仁一郎さん:プロジェクトを推進し、シリーズ全体のプロデューサー的なポジションを担当。

▼左は奥田仁一郎さん、右は寺井瑞希さん。

ficustone - 18


▼2018年4月に配信されたばかりの最新作『せかわく』のPV。冒険を配信してコメントを増やすという動画配信風RPGです。見た目と設定だけでもおもしろい!

勇者が動画実況をしながら戦うRPGに込められた想い

ーー『【終末放送】世界を救う枠』について、開発コンセプトを教えてください。

寺井:王道のRPGの世界観で、実況動画やSNSのパロディをしようというのがコンセプトになっています。

「めちゃくちゃほめてもらえるRPGがやりたい」というのが、発想のスタート地点ですね。当初は全然違うシステムで、主人公の横にサポートキャラがいて、主人公が何をやってもそのキャラがすごいほめてくれて、どんどんテンションが上がっていくみたいなシステムを考えていました。

ficustone - 30


最近のRPGは、NPCが主人公にやさしいものが多い気がするとずっと感じていて、理由を考えてみたんですよ。多分それは現代社会はめちゃくちゃ疲れるので、ゲームのなかくらいは厳しいことを言われたくないからなのではと(笑)。

みんな自分に対してほめてほしい、やさしくしてほしいというニーズがあるんじゃないかと、ずっと思っていたんです。ならばいっそのこととにかくほめてくれるRPGにしようと考えたのですが、それだけだとインパクトが薄いんですよね。

なので、不特定多数の人がほめてくれて、かつ違和感がなくインパクトがあるといったら何だろうと考えたときに、実況動画ならそういう状況を作れるんじゃないかと思いまして。開発チームに提案したら、生放送とか好きな人がたくさんいてとても受けが良くて、そのまま企画が通りました(笑)。

奥田:時代に乗っている感じがあるし、ゲームを作っている側としては実況動画というのは良い部分も悪い部分も混在していると思っているんですけど、そういうのを逆手に取ってやろうというのもあります。

寺井:私自身はSNSはかなりたしなむんですが、実況動画や生放送にはそこまで詳しくなかったので、チームメンバーの生放送に詳しい子たちに話を聞きつつ、私が持っているSNS系の知識ともあわせながら、それっぽくなるようにいろいろ工夫して、いいところをシステムに落とし込んでいきました。

ーーバフやデバフがたくさんかかるというシステムは、早い段階から決まっていたのでしょうか。

寺井:そうですね。かなり早い段階から、バフデバフを盛るゲームにしたいとは思っていました。

前作『まほぱす』の毒姫というボスで、そういう仕掛けが楽しいだろうことは想定できたので、後押しされる形でその部分を強化しました。

それから、ストーリー的な理由もありました。『せかわく』は過去二作のアンサー的な立ち位置にしたいと思っていたんですよ。

『アイ経』『まほぱす』プレイ済みの方はなんとなく分かるかと思いますが、勇者というヒーローをちゃんと役に立つ形で「支援」するシステムを入れたかったんですよね。

そして、その「支援」は基本的に「それ単体ではあまり役に立たないような弱い力」にしたかったんです。なので、「支援」のシステムにはバフ、デバフの存在がもってこいだったんですよね。

そのひとつひとつは能力+10%アップとか、あってもなくても変わらないような効果の小さいものですけど、それを10人からもらったら+100%アップになる。

そして『せかわく』世界には、そんな小さなバフデバフ、つまりみんなの力を集める存在「配信妖精」がいる。

これが過去2作のストーリーへの一つのアンサーです。

もちろんこれが絶対に正しいと主張するつもりはありませんので、ぜひみなさんにも色々考えていただきたいなあと思います。

ゲーム内でも言っている通り、私自身「このシステムにも問題はある」と思います。

ちなみに、他にも様々なアンサーが『せかわく』には入っているので、過去作をプレイ済みの方は探してニヤニヤしていただけると嬉しいです。

また、過去作を未プレイの方は、ぜひここから『アイ経』『まほぱす』もプレイしてみてください。いったいなぜこうなったのか、問題とは何か、いろんな謎解きができると思います。

ficustone - 12


ficustone - 13


ーーシステム的には、バトルに勝つというよりは視聴者を集めたりお金を集めたりという目的のほうが重視されているような印象で、不思議なゲームバランスだなと感じました。

寺井:それは実は事情があって、負けが存在しないゲームにしようと思ったんです。

『アイ経』や『まほぱす』でずっと起きていた問題として、負けたときに持っていかれるものが多すぎるんですよね。

だからこそ緊張感があるという面もあるんですけど。緊張感を持たせつつ、できるだけ負けたときのマイナスをなくすにはどうすればいいかと考えて先輩に相談したら、「いっそもう、負けなければいいんじゃない」と言われて。

なるほど、だったら何かを集めるゲームにしようということで、できるだけ幅広いレベルで遊べるようなマップを1つ作って、そこを周回してもらって、工夫しながら次へ次へと進められるような形にしました。

ーーバトルではガチで強い攻撃を使って先へ進んでも、意外と経験値やお金を稼げないと感じたのですが。

奥田:それはよくあるRPGへのアンチテーゼで、狙ってやっています(笑)。

3作品ともRPGのアンチテーゼというのは通してきているので、『せかわく』ではその部分になりますね。

ーー配信用のコメントを編集して、QRコードで他のプレイヤーと共有できるところもニヤリとできました。

寺井:あれは他のプレイヤーとのコミュニケーション要素でもあるのですが、実は自分プレイ用にも使えるところがポイントです。

お気に入りのアニメやゲームのキャラクターの名前やコメントを入力すると、そのプレイヤーに応援してもらえる気分を味わえるという(笑)。

ーーそんな楽しみ方も想定していたとは(笑)。続いてキャラクターに関する質問です。今回は3組の主人公のコンビというのが特殊だと思うのですが、最初から決めていたのでしょうか。

寺井:かなり早い段階で決まっていましたね。システム的に繰り返しゲームとなるので1ルートが長いと飽きてしまうんですよね。

なので3ルートに分けて、それぞれのルートのストーリーが絡むような展開にしました。

ficustone - 31


ストーリー全体のボリューム的には前2作とそれほど変わらないんですけど、プレイ時間的にはしっかり遊べるようになって、うまくいったと思っています。

あとはストーリーアーカイブ的なものを実装できたのも良かったですね。ユーザーさんからずっと切望されていた要素なのですが、前2作ではコストの関係で実現しなかったので。

ficustone - 29


『まほぱす』では、バトルスキップを使えば実質アーカイブ状態にはなるんですけど、それは乱暴だよねと(笑)。

『せかわく』のストーリーは3組の主人公を3軸で動かして、それぞれが絡み合って展開しますが、その展開とイベント量の兼ね合いを調整するのは少し大変でした。

最終的には、同じイベントでも心の中で考えていることが違う、という見せ方をすることで、お互いにすごくすれ違っているのが両方のルートを見るとわかるという独特な見えをつくれたりして、制作コストを抑えつつおもしろいものになってよかったと思っています。

奥田:ちなみに、3組の主人公を決めるために男女10人ずつキャラクターを作っていて、結構な人数の没キャラクターがいたりします(笑)。

▼1組目の主人公コンビとなるナロウ&シンジュ。騎士志望と回復系と、バランス的にも物語的にも王道です。
sekawaku - 1


▼2組目の主人公コンビとなるディルクとリュミエ。お嬢様のリュミエに振り回される傭兵のディルクが楽しい!
sekawaku - 2


▼3組目の主人公コンビとなるクルムとメルミィ。その出生には秘密が……!
sekawaku - 3


寺井:20人分の勇者の設定を私のほうで考えて一覧化し、アーティストに全て描きおこしてもらったんですよ。

そのなかから、どの組み合わせがいいですかと社内アンケートをとっていろいろな案をもらって、その意見を加味したうえで組み合わせを決めていきました。

没になったキャラクターは、町の人とかになっています。町にフィフィとヘイルという人がいますけど、あの人たちはもともと勇者として描いてもらったキャラクターです。

あとはトゥイグとか、ライバルポジションで登場する人たちも、勇者として主人公になる可能性があったキャラクターです。

ちなみに私のイチオシの組み合わせは、アイドル勇者とそのマネージャーで、すごく気に入っていたんですけどあまり社内評判はよくなかったです(笑)。

ーー追加コンテンツでそういったボツ勇者のルートが出るといった可能性はあるのでしょうか。

寺井:状況次第かなと思います。設定はあるので、アイドル勇者ルートみたいな感じでストーリーを作ろうと思えば作れますね。

奥田:勇者の数は、増やそうと思えばいくらでも増やせるようになってます(笑)。

▼システム的にも4ルート以上に対応する仕様になっています。今はまだできないが、ルートが3つを越えると画面右上の各ルートの表示部分がスクロールするようになるとのこと。

ficustone - 14


ーーお気に入りのキャラを教えてください。

寺井:リュミエですね。今回もストーリーは苦労していまして、最初はメデューサルートから描き始めようとしたんですけど、全然おもしろくならなかったんです。

書いてはダメ、書いてはダメという状態を繰り返していたんですけど、後輩から「寺井さんはカトレアルートのほうがキャラクター的に得意なんじゃないですか」と言われて、カトレアルートから書いてみることにしました。

そうしたらリュミエがうまいこと動いてくれて、すごくきれいにカトレアルートの話が整ったんですよ。そのまったく正反対になるような話をメデューサルートで書いて、カトレアとメデューサで語りきれなかった部分とか、こういう展開もありえたという話をタイニールートで書いたんです。

なので、リュミエには感謝しかないという気持ちですね。本当に助かりました。

ficustone - 15


ーーストーリー以外に、開発で苦労した部分はありますか?

寺井:一番苦労したのは画面比率対応ですね。今回はiPadからiPhone Xまで、あらゆる画面比率に対応してほしいというオーダーがあったので、アーティストが本当に大変そうでした。

iPadサイズで考えたうえで、そこからさらにiPhoneXで削られると考えてUIを置かないといけないので、とにかく使える範囲が少ないんですよ。

さらにどの端末で見たときも違和感がないようにしないといけないので、それぞれの対応を別個にしてあるんです。

ficustone - 32


奥田:黒帯を入れるみたいな感じでやれば簡単なんですけど、それは絶対にやめようと。

寺井:開発の前にUIの大会議みたいなことをしていましたね。UIのパーツはできているので、それを紙に印刷して切り取ってパズルみたいに配置するというようなことを、みんなで延々と会議室でやっていました。

奥田:自分はもう若くないので、文字が細かいと言うのは気になりました(笑)。

ただ、プレイヤー層的には若い世代が多いので多少小さくても読めるかなと妥協しました。前2作は文字を大きめにして読みやすくする事を心がけていたんですけど。

寺井:画面比率対応をしたうえで、多言語対応も考えて、あの情報量を入れ込んでということを考えていくと、横画面にしてなんとかしようとしましたが文字を大きくするのはちょっと難しいかなと。

本当に申し訳ないんですけど、入りきらないので文字を小さくさせてもらいました。その代わり、重要な情報などは大きい文字で表示するようにしています。

ーーエンディングを見たあとにぜひ見てほしい隠し要素やイベントがありましたら教えてください。

寺井:文書を集めるという要素があるんですけど、あれはパネルとドロップがありまして、ドロップのほうは評価で「すごい」や「とてもすごい」をもらうと出やすくなっています。

後半のクエストはそろえにくいんですけど、後半へ行くほど重要な情報が入っているので、がんばって集めていただけると楽しめると思います。

ficustone - 16


ficustone - 17


あとは隠し要素として、一回のバトルで得られるプレミアムコメントには実は上限数があります。

上限数までプレミアムコメントをもらうと、ちょっとしたお遊び要素が見られますので、興味がある方はぜひ挑戦してみてください。

©︎ HEXADRIVE Inc.

【終末放送】世界を救う枠 ・販売元: HEXADRIVE Inc.
・掲載時のDL価格: 無料
・カテゴリ: ゲーム
・容量: 142.0 MB
・バージョン: 1.0.2
参考になったらシェアお願いします!
Twitterへ Facebookへ はてブへ Pocketへ
▼新着記事やオススメ記事を投稿中!