音楽の気持ち良さに再注目!『シンクロニカ』&『グルーヴコースター』楽曲交換配信記念インタビュー



▲タイトーのDJ87GTプロデューサー(左)とバンダイナムコアミューズメントのキミズP(右)

バンダイナムコアミューズメントとタイトーは、アーケード用音楽ゲーム『シンクロニカ』と『グルーヴコースター 4 スターライトロード』(グルーヴコースター)において、8月9日(木)より、互いの収録楽曲を交換配信する企画を中心とした、コラボレーションを実施中です。

今回は、『シンクロニカ』のキミズPと、『グルーヴコースター』のDJ87GT両プロデューサーにお集まりいただいて、お互いのタイトルの魅力やどう意識していたのかなどをざっくばらんに語っていただきました。

“音にノる気持ち良さ”と“音楽とのシンクロ感”を大事にした新たな“音ゲー”

——まず、両タイトルのご紹介といいますか、特徴的なところをご説明ください。

DJ87GT:『グルーヴコースター』はもともとアプリ版が最初にリリースされて、その後アーケード版に移植という形になりました。スマホ版のコンセプトは基本的に、“誰でも手軽にノリノリになれる音楽ゲームを作ろう”で、スマホの画面はどこをタッチしてもよくて、片手でも手軽に遊べるという特徴があります。

アーケード版に移植する際も、そのコンセプトは変わらず、ただ、そのまま移植するのではなく、アーケードゲーム機ならではの面白さを出そうと考えました。ひとつは縦長の大画面の譜面の臨場感、迫力ですね。それから、操作系にも工夫を入れようというところで、専用のデバイスを使った演奏感を盛り込むことで、アプリ版とは違った遊びの感覚で音楽にノれるというところをテーマに作り上げました。

——ありがとうございます。基本的には、両タイトルとも音楽ゲームとしては後発になると思うんですけど、先輩ゲームと違いを出そう、とか、ユーザーさんにどう遊んでもらおうといったことは考えられました?

DJ87GT:そうですね。『グルーヴコースター』がリリースされたころのアーケード市場はひとつの隆盛期にあり、音ゲーに慣れている人が楽しめるような難しめのゲームが増えていたというところがあって。一方、スマホゲーム市場では、ちょうど音ゲーが出始めていたころだったので、スマホの音ゲーはできるけど、ゲーセンにあるコア向けのゲームには手を出せない、というギャップを抱えた方がけっこういるんじゃないかな、と思うところがありまして。

そういった、音ゲーはできるけどゲーセンではちょっと、という方でも“これならできそうだ”と手軽に楽しめるところをターゲットにして、まずはそこから入ってもらいつつ、あとはそこからやり込んでいって、“ゲーセンでも自分は音ゲーを楽しめるんだ”と感じてほしいなと思って作っていました。

——ありがとうございます。『シンクロニカ』はどうでしたか?

キミズP:『シンクロニカ』は、譜面が流れてくるタイプの音ゲーが多いなかで、“違った気持ち良さの体験を提供したいよね”というところが一番のスタートでしたね。音ゲーの楽しみ方のなかで上手くなっていくことは非常に重要な要素なんですが、“それだけじゃない気持ち良さをもっと味わいたい”、という想いから、“音楽とのシンクロ感”をテーマに作り始めました。

一方、当時の市場を見たときに、コアな方が楽しむようなゲームが多かったので、“新しいお客様が楽しみやすい”ということを考えました。音ゲーのコーナーって、けっこう独特な雰囲気があって、あそこに近寄れないような方がいるんじゃないかな……と思いまして。そういった方たちが親しみを持って遊べるような、怖くない場所、プレイを失敗しても恥ずかしくない場所を作り、そこで、「音ゲーを上手くなる」という、自分の腕前と戦うだけのものではない、「音楽に触れて遊ぶ」みたいな感覚を楽しんでいただけるようにしたいな…と、思って作っていました

——筐体が2画面ある、というのも『シンクロニカ』らしいところですけど、それは最初から決まっていたんですか? シンボル的にとか。

キミズP:初めに作っていたときは1画面で、コアな音ゲーファンの方に向けたものでしたね。

そのときから“音楽のイメージを増幅するような、音楽に入り込んでいくような体験ができるゲームにしよう”ということをやっていました。そういった部分は活かしつつ、もっと見た目で、初めての人にも遊びやすくしよう……となり“ふたりで遊べることが一発でわかる筐体にしよう”ということで、現在の構成になりました。

——筐体に関してですが、『グルーヴコースター』も『シンクロニカ』も、それまでの音ゲーとはまったく違う、すごく目立つ、大きな縦画面のものと横2画面っていう対照的なものになっていて。デバイスも大きなボタンとタッチパネルですごくインパクトのある感じだったのを思い出しました。お互いの機種に対してどういう感想を持たれていたんでしょうか?

キミズP:『グルーヴコースター』は僕もアプリ版でプレイさせてもらっていて、 いわゆる音ゲーの「音楽に合わせて譜面を叩く」というだけではない表現にすごくチャレンジしている製品だなと思っていました。「音楽にノる」という気持ち良さを別のアプローチで、もっと楽しませようとしている考え方なのかな、という風に感じて、それに対して、ある手段で実現しているのが『グルーヴコースター』で、またちょっと違った考えで実現しようとしているのが『シンクロニカ』だったのかな……と、ちょっとシンパシーを感じていましたね。



DJ87GT:『シンクロニカ』にはやっぱり、『グルーヴコースター』との共通点的なところも感じていて、曲ごとにビジュアル、音ゲーって音と譜面だけというのが多いなかで、ビジュアルも曲に合ったものを作り込んでいて、いわゆる音楽を聴覚で楽しむというところに加えて、“視覚でも楽しめるというところがすごく面白い”という風に思っていました。

大型の大画面を活かした操作性で、曲ごとにどう手を動かして曲を表現するかというか、踊りの振り付けのような気持ちになれる譜面作りみたいなものをされていて、それが上手くできると、本当に音楽に合わせて体を動かしている体験ができる面白さがあって。曲ごとに自由に譜面の配置ができるから、同じゲームでも曲ごとに違った体験、音楽の受け取り方みたいなものをユーザーが感じることができて、そこがこのゲームの面白さだな、と思っていました。

逆に、『グルーヴコースター』と似ているようで違うなと思ったのが、『グルーヴコースター』の場合は、下手でもいきなりノれたような気がする、みたいな作り方をしていて。たとえば、グラフィックは、上手くても下手でも、基本的にはフィードバックとしては同じで、“下手でも綺麗な画面が見られるよ”といった作りをしていますが、『シンクロニカ』の場合、上手ければ上手いほど華やかになっていくんです。“前より上手くできているような感じがする気持ち”をうまくフィードバックさせていて。 “逆に失敗したときに悔しいから、“あれを目指してやろう”という気持ちをうまく引き出しているのかな、と感じていました。

キミズP:すごい、僕より詳しく話していただいて(笑)。おっしゃっていただいた通り、『シンクロニカ』はタッチパネルを採用しているので、自分で触ったときに、自分の指先から表現が生み出されていくっていう、音楽に触っているような感覚を意識しています。開発チーム内では、よく「反映感」というキーワードで表現しています。“自分がやってやったんだ!”という気持ちが、プレイのなかから感じられるといいのかな、と思って作っていますね。

譜面の配置自体を目で見て楽しめるようにする点で言えば、『グルーヴコースター』では3D空間のなかを、縦横無尽にレールが走り回っていくので、表現の幅がすごく広くて、ノリが目で見て体感できて良いな、という風に思っていましたね。角の曲がるところの音の区切りとか、ぐるーっと丸く大きく動いたりとか、そういったノリを譜面で表現できるところが、すごく面白いなと。


“難しい”けど“楽しい”高難度曲の作り方

ーーお互いの機種をちゃんとやり込んでいる感じがお二方からするんですけど、今回の曲交換の取り組みの際、けっこうプレイされましたか? もしくはその前から?

▼今回の曲交換の取り組み



DJ87GT:もともと、コラボする前から、新しい音ゲーというところでやっていたんですけど、今回コラボすることが決まってから、改めてより深く遊んでみようと思って。遊べば遊ぶほど新たな発見があって、最初に感じたときとは違ったイメージも受けるようになって、先ほどの様な感想が出たという感じですね。

キミズP:『グルーヴコースター』のビジュアルはワイヤーフレームというか、あの世界観のなかに統一しているというところが、格好良くてスタイリッシュだな、と思っていました。『シンクロニカ』では実は、固有のビジュアルの世界観みたいなものは持っていなくて、音楽のイメージをそのまま反映する増幅装置なんです、っていうスタンスでやっているので、そこも似ているようで少し違う部分なのかな、と思いました。

——お互いの機種でいうと、曲のラインナップも特徴的というか、ジャンルとか曲数など、取り上げられているテーマ的なものというか。それぞれいろんな機種で差別化はあると思うんですが、そういう意味でもお互い大人な感じというか、格好いい、さわやかな感じの曲から、知名度の高いものもちゃんと入っていたりとか、すごくバリエーションが広いのが気になりました。

DJ87GT:『グルーヴコースター』の場合、曲入れに関しては、もともとアプリ版ではオリジナル曲を中心に収録していました。。アーケードの場合は最低でも100円を入れてもらうところから始まりますので、この曲なら知っているよ、みたいなところの入りやすさを意識してラインアップしつつ、とは言えやっぱりそのゲームならではの独自な曲、みたいなところで、“ゲームに慣れたらこの曲遊んでみてね”というようにオリジナル曲も用意するようにしています。

キミズP:『シンクロニカ』は、音ゲー自体を本当に“初めて”という方に遊んでもらえるように、多くの方が知っている曲ということでJ-popやボーカロイド曲を収録しつつ、『シンクロニカ』を好きになって、深く遊んでくださる方たちには、『シンクロニカ』ならではの音楽の気持ちよさをお伝えしたいという想いで、“親しみやすくておしゃれ、清涼感、透明感、+ちょっとエモさ”みたいなものを、特色として提案させてもらっています。格好いい音楽ゲームって世の中に先輩たちがたくさんいるので、そこであまり触れられていないような良さを、『シンクロニカ』オリジナル曲の気持ちよさとして提案できれば良いなとは思っていますね。

——私は高難度の曲とかとてもついていけないレベルなんですが、プレイヤーさんはどちらのタイトルもちゃんとみなさんそこについていっているのがすごいな、というか……。動画を見るレベルでしかない自分だと、とてもじゃないけど無理なんですけど、そういうあたりの譜面作りとか、変な話、難しくしようと思えばいくらでも難しくできちゃうゲームをそれでも楽しく遊べるように作るっていうのはけっこう大変なのかな、と個人的には思うんですけど、そのあたりはいかがです?

DJ87GT:『グルーヴコースター』は初代から『4』まで、今年で運営5年目なんですけど、プレイヤーさんのやり込みが開発陣の上を行くところがすごくあって。どこまで難しくしていいのかの匙加減に苦労しています。稼働初期は、道(レール)自体がかなり複雑になっていたりもするから、リズムは比較的簡単でいい、といったコンセプトでノーツを配置していました。システム的に、マックス16分拍でしかタイミングが置けないこともあって、それ以上難解なリズムは必要ないかなと考えていたんですけど、すぐに攻略されちゃって。

難易度の付け方は、ひとつは速くする。つぎに、操作を複雑にするかというのがあるんですけど、やっぱり音楽にノりながらプレイしてもらうには、もうちょっと難解なリズムを紐解かせるというか、打ってもらうということも必要だなと思って。結果、システムを改修して、より細かいリズムも3連符とか5連符も置けるようにして、いろんな曲に対応できるようにしていたんです。さらに、道(レール)の曲げ方とか、ノーツ自体を飛ばすみたいな機能もあって。じつはやっていることは、直線とかにしちゃうとすごい単純なんだけど、一見視覚的にすごく難しそうに見えるといった難しさの作り方もできて……。そういうひとつの難易度の作り方にもこだわって作っていますね。

——『シンクロニカ』は運指(指の運び)がキモになりそうなんですが?

キミズP:高難易度は運指が大事ですね。指の形に合わせてマーカーを配置しているので、上手く指を使い分けると上手に、かつ、気持ちよくプレイできると思います。また『シンクロニカ』はリズムに乗るというよりは“メロディーを奏で上げる”というような方向性で作っていて。高難易度の譜面では“音楽のなかにあるメロディをそのままそこに全部表現し尽くす”ぐらいの勢いですね。

なので、音がタララララ、って上がっていくようだったら基本上がっていくような配置をしますし、音が左右に振られるようなところだったら、譜面の配置が左から来て……右から来て……みたいな。メロディをどうやって配置に落とし込んでいくのかが、譜面制作の腕の見せ所ですね。

ただそうすると、すごい量のマーカー数になってくるので、そこはタッチパネルという事である種のごまかしもできまして、全部のマーカーを1個ずつ触らなくても、なぞると全部タララララ〜♪ってコンボが繋がるよ……という、我々のなかではグリッサンドっていう呼び方をしている配置をやっています。そういう配置を使いながら、“その音楽の音を全部触れた!”という気持ちになれるように作っていますね。

あとは、32インチが広いようで狭くて……。右手で操作する譜面を配置していったときに、じゃあ次の音のグループはどのあたりに置くと、自然と目が行って自然と手が触れるのか、というような事を工夫して配置しています。高難易度曲になると譜面を置く場所が足りなくなってきてしまうので、譜面制作者には、日々見やすくする配置のために戦ってもらっていますね。

……お話はなかなか尽きないので、インタビューはパート2に続きます。


『グルーヴコースター 4 スターライトロード』
© TAITO CORPORATION 1978,2018 ALL RIGHTS RESERVED.

『シンクロニカ』
©BANDAI NAMCO Amusement Inc.

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