童話好きライターも納得の『グリムエコーズ』レビュー。優しくも残酷な世界観がおもしろい

スクウェア・エニックスより、『グリムノーツ』に続く童話モチーフにした新作RPG『グリムエコーズ』がもうすぐ配信されます。童話&『グリムノーツ』好きライターが、世界観や登場人物を中心に本作の魅力をレポート!(文:唐傘)

主人公たちの罪とは? 闇の深い世界観に圧倒されます

童話の世界を舞台に、空白の書の持ち主である主人公たちが“ヒーロー(童話の登場人物)”の力を借りつつ、物語を歪ませる者と対峙していく本作。


『グリムノーツ』から続くシリーズ2作目ということで、空白の書やヒーローなどファンにはおなじみのキーワードや要素が登場します。ただしポイントなのが、両作品における言葉の意味が必ずしもイコールではないということなのです!


例えば『グリムノーツ』の空白の書の持ち主は物語の役目を持たない人物たちだったのに対して、本作は罪を犯して役割を失った人物に与えられた新たな運命が空白の書となります。空白の書やその持ち主たちは、それぞれの作品でまったく違う役割を持っているんですよ。

ほかにも物語を歪ませる元凶が違ったり、メルヘンを管理する図書館が存在したり、ていねいに『グリムエコーズ』独自の味付けで童話の世界が描かれていて、新たな解釈の物語を体験することができるのがおもしろいです。

▼物語も登場人物も、誰もが知る有名な作品が出典。子どものころ、この物語を読んだななんて懐かしい気持ちになるものもありました。



かわいらしいキャラクターや、有名童話の世界を冒険できるというシリーズの魅力はしっかり継承されているので『グリムノーツ』ファンも楽しめること間違いなし

また、完全に物語として独立しているので、本作から興味を持ったという人でも安心して遊べます。


プレイしていて気になったのは、やはり「主人公たちの罪」というキーワード

公式サイトのキャラクター紹介を読むと彼らは一度自ら命を絶ち、贖罪のためにメルヘンの世界を救うたびをすることになります。

かわいらしいキャラクターやメルヘンらしいほんわかした雰囲気で忘れがちになりますが、背負っているものがかなりヘビー。

■世界観

ひとにはみな、生まれたときより 定められた運命がある。
ある者は無辜の民として… そしてある者は可憐なる王妃として…授かった運命から、ひとは決して逃れることができない。
もしも、その運命に抗い、別の運命を望もうとすれば…ひとは大いなる罰を、受けることになる。

僕らの過ちは、世界のシステムに気づいたことではなかった。
世界から与えられた罰は世界からの拒絶。
運命を受け入れられなかった僕たちは残された自分の人生を拒絶した。
そう、それが僕らが犯した“罪”だった。

罪深き死者を誘う贖罪の場は管理者たちの墓場。
管理者により選ばれた罪人は”図書館”へたどり着く。
そこは、救済ではなく贖罪の場 そこは、無限の中に作られた有限の記憶。
与えられた運命を拒絶した僕らは新たな役目を与えられる。
そのことに僕らは気づくことができなかった。

「これは、忘れられた1ページに、確かに存在した物語」



彼らの贖罪の方法はメルヘンの世界を調査して、物語を歪ませる元凶となっているボイドを排除すること。いろいろな世界を冒険することで、主人公たちは己の役割と向き合っていくことになるのです。

公式サイトで4人の主要キャラクターが紹介されているんですが、意味深な内容が多く、さらに虫食い状態という興味を引かれまくる説明文になっています。しかも物語の開始当初、主人公は記憶を失っており、自ら語ってくれることもなく……。

メルヘンを救いたいという気持ちはもちろんですが、

彼らの抱える罪とは何か、過去とは何なのかが気になってプレイしていくことになります。

▼ジブリール(声優:斎藤千和):メルヘンを管理する図書館の司書であり、主人公たちの導き手。大天使の名前を持つかわいい女の子ですが、どこか達観した雰囲気があるんですよね。彼女はこの世界の理であるはずの「物語の役割」からは外れた存在に見えるのですが、その正体とは?


▼エル/名前変更可能(声優:土岐隼一):プレイヤーの分身である、純真無垢な雰囲気の男の子。恋する相手のために罪を犯すという情熱的な一面もあるんですが、記憶を失ったことでその想いすら覚えていないんですよね。記憶を取り戻したとき、彼がどんな行動を見せるのか気になります。


▼ウィズ(声優:内田雄馬):主人公とほぼ時を同じくして、図書館へと導かれた青年。気さくで親しみやすいのですが、言動の端々から冷淡というか人間不信な感じが漂っています。元の役割が悲劇的&服装から、原典はこれかなと思う童話があるんですが確信が持てず。これからもっと、深く知っていきたい人物NO1です。イケメンですしね。


▼シータ(声優:東山奈央):主人公とウィズの先輩で、戦い方などを教えてくれる頼もしいお姉さん的存在。チュートリアル的な要素をすべて指南してくれるので、彼女についていけば序盤は安心です。説明文を読むと、有名なプリンセスストーリーの登場人物のような気がしますが……果たして。


ちなみに物語を進めていくと、もう1人キーパーソン・スカーレットが登場します。彼女は現時点でプロフィールが明かされていないため、どんな役割を持っていたのか全くの未知。主人公とどのように関わっていくのか、気になるところです。


童話のなかを冒険して、物語の真実を見つけ出す

旅をすることになるメルヘンの世界では、読み応えのある重厚なストーリーが用意されています。

まずは「ヘンゼルとグレーテル」の世界を訪れることになるのですが、物語がシリアスで驚かされました。

兄妹を取り巻く家族関係だったり、魔女の最期だったり、原典を生かしつつ、メルヘンの世界が抱えている問題点&闇が見えるストーリー展開にグッと引き込まれていきます。

物語を歪ませている張本人が、悪であるとは限らないというのが物語のキモ。「ヘンゼルとグレーテル」の物語をクリアしたんですが、物語を歪ませていたボイドサイドの言い分が理解できて、切ない気持ちになりました。

ほかの物語ではどうなるのか、楽しみなような怖いような……。

▼望まない結末になると知っていても、役目をまっとうしなければいけない世界。そんな過酷な運命を、住人たちは背負っているんですね。


童話ファンとしては、物語の世界を自由に探索できるというのもうれしいところ。3Dマップのフィールドを動き回り、街並みや人々の様子を見るのも楽しいです。

バトルは歯ごたえがありますが、オート機能でサクサクレベル上げができますし、ヒーローの育成要素も充実しているので、ちゃんとレベルを上げればボス戦に勝てないなんて事態は防げるはず。

目的地はマップ上に矢印で表示されるなどわかりやすいですし、街やフィールドへのワープ機能も充実していて、アプリの快適性と古き良きコンシューマRPGの操作感が混じった絶妙なバランスになっています。

▼宝箱を探したり、素材を集めたり、寄り道が好きなのでなかなか物語が進みません(笑)。でもそれも、ちゃんとキャラクター強化に結び付くシステムになっているのがうれしいです。


有名童話のヒーローたちと一緒に冒険しよう

主人公に力を貸してくれるヒーローは、誰もがよく知る有名な物語の登場人物たち。彼らは英雄の本棚から召喚できるのですが、どんなレアリティの状態で仲間にしても、最終段階まで強化可能

そのため、お気に入りのヒーローで冒険ができるのがうれしいです。最高レアリティは、美麗なイラストカードを獲得できます。

現在公開されているヒーロー24人を、まとめてご紹介!!

▼アリス(声優:鈴木みのり)/原典「不思議の国のアリス」:奇妙な世界を駆けまわるおしゃまな女の子。個人的に大好きな作品の主人公なので、ほぼ一軍で活躍しています。


▼チェシャ猫(声優:二ノ宮愛子)/原典「不思議の国のアリス」:迷子の前に現れて、ニヤニヤと笑いながら見守ってくれる(?)つかみどころがない猫。その特徴は、本作でもいかんなく発揮されます。


▼時計ウサギ(声優:岡咲美保)/原典「不思議の国のアリス」:時計を片手に忙しく走り回るウサギで、アリスを不思議の国に導いた張本人。仕事があっても、仕事がなくても、大忙しらしいのでかなり大変そうです。


▼白雪姫(声優:花守ゆみり)/原典「白雪姫」:大好きな人たちを守るために、世界一カッコいい姫を目指しています。かわいくて勇ましいなんて、とってもステキですよね。


▼ツヴェルク(声優:田中貴子)/原典「白雪姫」:働き者の小人で、その身体に似合わず大きな武器で一生懸命戦う姿がかわいいです。


▼マッチ売りの少女(声優:久保田未夢)/原典「マッチ売りの少女」:父の言いつけで寒い日に、お手製のマッチを売っている健気な女の子。ぜひとも幸せにしてあげたい……(ボイド化待ったなしになってしまいますが)。


▼赤ずきん(声優:本渡楓)/原典「赤ずきん」:赤ずきんが、ちょっと耳のようになっているのがとってもチャーミング。こんなかわいい子がいたら、それは狼さんも声をかけますよね。


▼シンデレラ(声優:関根明良)/原典「サンドリヨン、または小さなガラスの靴」:継母や義姉の仕打ちに耐え抜き、幸せを勝ち取ったプリンセスの代表格。原典の物語はちょっと残酷な展開になりますが、彼女はどうなんでしょうか。


▼毒林檎の王妃(声優:種﨑敦美)/原典「サンドリヨン、または小さなガラスの靴」:怖そうに見えて、『グリムノーツ』ではさまざまな角度から「母」や「女」の役割を見せてくれました。『グリムエコーズ』の王妃様は、ちょっと若くて、さらに魅力アップ!?


▼フェアリー・ゴットマザー(声優:加隈亜衣)/原典「サンドリヨン、または小さなガラスの靴」:シンデレラを幸せに導いた大いなる魔法使い。うちのパーティでは、回復役として活躍してくれています。


▼ヘンゼル(声優:花江夏樹)/原典「ヘンゼルとグレーテル」:親に捨てられ、お菓子の家の魔女に捕らえますが、機転を利かせて生還した賢い男の子。妹を大事にしているステキなお兄ちゃんです。


▼グレーテル(声優:高野麻里佳)/原典「ヘンゼルとグレーテル」:兄のヘンゼルと一緒に、お菓子の魔女を撃退。物語では姿を消してしまった兄のことを、とても心配しています。


▼アラジン(声優:高梨謙吾)/原典「アラジンと魔法のランプ」:砂漠に暮らす不良少年だったのに、魔法のランプを手にしたことで国を揺るがす騒動に巻き込まれることに!


▼ドロシー(声優:諏訪彩花)/原典「オズの魔法使い」:竜巻に巻き込まれ、迷い込んだオズの国。カカシ、ブリキ、ライオンと心を通わせ、一緒に旅をする芯のしっかりした女の子です。


▼ファントム(声優:間島淳司)/原典「オペラ座の怪人」:オペラ座には、音楽を愛する天使が住んでいるといいます。しかし、その正体は……。原典は、オペラやミュージカルとして長年愛され続けています。


▼クリスティーヌ(声優:米山明日美)/原典「オペラ座の怪人」:脇役ばかりでしたが、音楽の天使に見いだされて一躍ヒロインへと昇りつめます。しかし、その先には惨劇が待っているのでした。


▼ヨリンゲル(声優:中島ヨシキ)/原典「ヨリンデとヨリンゲル」:らぁぶ! 最愛の恋人を探して、流浪を続ける愛の伝道師。本編でも、かなりいい味を出しています。シリアスな物語を和ませてくれた貴重な人物。


▼ヨリンデ(声優:河野ひより)/原典「ヨリンデとヨリンゲル」:行方不明になった恋人・ヨリンゲルを待ち続ける恋人。彼のことになると、周囲が見えなくなるそうで、愛の力ってすごいですね。


▼帽子屋ハッタ(声優:安田陸矢)/原典「不思議の国のアリス」:アリスの訪れを待ちながら、ティータイムを過ごしている人物。独特なデザインの帽子が、何とも印象的です。


▼ゲルダ(声優:岩井映美里)/原典「雪の女王」:姿を消した幼なじみのカイを探して、旅を続けています。彼女の真っ直ぐな心が、凍てついた人の心も解かせるといいのですが……。


▼カイ(声優:田村睦心)/原典「雪の女王」:悪魔の鏡の破片によって世界が醜く見えるようになった少年。彼にとっての美がずっと近くにいた幼なじみのゲルダではなく、冷たい氷の女王だけと言うのが何とも悲劇的です。


▼長靴をはいた猫(声優:濱野大輝)/原典「長靴をはいた猫」:貧乏だった粉ひき屋の主人を、侯爵まで出世させた知恵者。かわいいし、優秀だし、最高ですよね。


▼桃太郎(声優:高橋未奈美)/原典「桃太郎」:誰もが知る鬼退治の英雄で、心優しい性格の持ち主。鬼の姫との秘められた恋物語があるとか……。


▼鬼姫(声優:中島愛)/原典「桃太郎元服姿」:「桃太郎元服姿」は1779年に発行された作品。鬼一族の宿敵・桃太郎を倒すために育てられますが、彼と出会ったことで気持ちに変化が生まれたようです。


ちなみに最初のヒーローは、アラジン、ドロシー、時計ウサギから1人を選択可能です。私は某有名アニメ作品が大好きなのでアラジンにしましたが、それぞれバトルタイプが違うので、自分のスタイルに合ったキャラクターを選ぶのがオススメ。




物語には各エピソードにちなんだヒーローたちが、登場人物としても出演します。彼らは、ゲストとして一緒に戦ってくれることも!!

さらに本作では、別の作品のキャラクターが漂流者として登場することもあります。「ヘンゼルとグレーテル」のお話ではヨリンゲルとチェシャ猫が、それぞれの個性を生かして主人公たちを手助け(?)してくれました。

物語の枠を越えたキャラクター同士の掛け合いが見られるのも、本作の見どころになっています。

▼どんな人物か知ると、より愛着が増しますよね。チェシャ猫やヨリンゲルとの会話を見ていたら、パーティに入れたくなりました。



まとめ:大人も楽しめるストーリーが魅力!

かわいらしく幸せなだけの物語ではなく、その裏で起こっているであろう悲劇、役目を演じなければいけない残酷さをていねいに描く、大人のための童話。遊んでいて、改めて原作を読み直したくなりました。

とてもRPGらしい作品になっていて、1人でマイペースに遊べるのも助かります。育成やアイテム採取など寄り道も楽しいので、配信されたあかつきにはかなりの時間泥棒になりそうな予感(笑)。

童話の世界が好きな方はもちろん、じっくり遊べるRPGを探している方にもぴったりな1本になっていますのでぜひプレイしてみてください。

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