熱かった頃のMMOの楽しさを再び。プロジェクトプロデューサー大河内氏が語る『リネージュM』の魅力

2019年春配信予定の『リネージュM』。本作のプロジェクトプロデューサーを務めるエヌ・シー・ジャパン株式会社(以下、エヌシージャパン)大河内卓哉氏のインタビューをお届けします。

世界を席巻している『リネージュM』がついに日本へ!

2002年に日本にてサービスを開始し、世界各国で名高いPC向けMMORPG『リネージュ』を元としたスマートフォンMMORPG『リネージュM』。2017年夏に配信が開始されたグローバル版はすでに世界を席巻し、新たな伝説として存在感を放っています。


この春、満を持して日本版も配信となる本作。プロジェクトプロデューサーを務める大河内氏に、本作をリリースすることになったきっかけや魅力、さらには『リネージュ』への愛までも熱く語っていただきました。(文:ユート)

▼日本版『リネージュM』プロジェクトプロデューサー・大河内卓哉氏。


物語を紡ぐのは自分自身

——はじめに、大河内さんが務めるプロジェクトプロデューサーとはどういった立場なのでしょうか?

大河内氏:『リネージュM』は海外も含め、多くの人や部署によって作られているタイトルですから、その中で差が発生しないよう、足並みをそろえられるよう管理していくのが私の仕事になります。

簡単に言うと、『リネージュ』としての楽しさを無くさないこと、そして海外で楽しまれた『リネージュM』が持つメッセージ性をブレさせないように『リネージュM』を作っていくお仕事ですね。

——ありがとうございます。では『リネージュM』についてお伺いしていきます。まずは、本作の日本版がリリースされることになった経緯やきっかけを教えてください。

大河内氏:『リネージュM』の世界的な大ヒットを受けて日本でも、と言う声はもちろん出たのですが、日本はハイエンドなグラフィックがかなり好かれる傾向があり、2002年前後のグラフィックをあえて残しているゲームが受け入れられるのかどうかの検討など、様々な面で難航する部分がありました。

私自身も日本でリリースして数値的にマーケティングで大ヒットまで行くのかだろうか、悩んでいた時期もありました。そんな時に、日本からグローバル版にアクセスして遊んでいる方が、自分以外にもいることを知ったんです。しかもごく少数といったわけではなく、それこそ血盟(クラン)を組んで運営している方がいるほど、結構な数の方が遊ばれていて。

海外の言語を自分たちで翻訳しつつ遊ぶぐらいの熱と行動力を持つ人が一定数以上日本にいる。しかも他の日本人プレイヤーのために攻略wikiまで作っている方すらいました。本当に感動しますよね。

と言うことは、日本版の『リネージュM』が配信されたら遊ぶ人もたくさんいるのではないか、と仮説が立ちました。


そこで、身分を隠してですけど、グローバル版を遊んでいる日本の『リネージュM』ユーザーの方に会いにいったこともあるんですよ。つまりオフ会に同席したんです。その時に皆さん、『リネージュM』だからこそ味わえる、長く続いているMMOだからこその仕様や今のゲームでは味わうことが難しい体験などをすごく語ってくださって。これがやりたいんだ! と。

私もかつてのMMOが大好きですごく熱くなっていた人間なので、彼らの気持ちが大変よくわかりましたし、同じ考えの人も出てきたおかげで、覚悟を決めて後押しすることができました。結果、約2年遅れにはなりましたが、日本版もリリースできることになりました。

——ユーザーの熱量がきっかけの1つになっているのはすごいことですね。

大河内氏:『リネージュ』愛を持つ同士がいるということは、本当にありがたいことです。日本版を出してもいけると確信を持ったのは、日本からグローバル版の『リネージュM』を遊んでいる人たちに会ってからですから。彼らの会話をその場だけのもので終わらせたくなかったんです。

ゲームの話ってみんなと楽しくやるものじゃないですか。だからまずは、この人たちが自負を持って『リネージュM』の話ができるようにしてあげたいと思い、社内で企画を進めていきました。ゲームに関わるとはいえシビアな仕事なので辛いときももちろんありますが、その時はだいたい彼らのことを思い出します(笑)。

——本作は『リネージュ』をベースにしたスマホゲームですが、ストーリーも『リネージュ』と同じものになるのでしょうか?

大河内氏:背景はほぼ同じになります。詳細は『リネージュM』事前登録サイトに掲載されていますので、そちらをご覧いただけると楽しいかもしれません。

根底は同じですが、例えばチュートリアルのキャラが少し違っているなど、見せ方が変わっているところはあります。ただ、『リネージュ』プレイヤーも遊んだ時の違和感はないと思いますし、知らない人でもすぐに理解できる世界観になっています。


——17年も続いているタイトルがベースですし、物語のボリューム感もすごそうですね。

大河内氏:中世ファンタジーの世界で、しかも重厚。さらに、いわゆるJRPGのような決められたルート、世界を進んで物語を読んでいくような作風とは違い、1人1人のユーザーが積み上げていく体験こそがストーリーになっているんです。

「前はあの血盟が強かったけど、今はそこのトッププレイヤーが別のところに流れてさ」など、その時々のユーザーの動きが物語を作り、同時に世界も動いていくのが一番の醍醐味です。

——舞台が用意されていて、そこでユーザー自身が物語を紡いでいくと。

大河内氏:そうです。本当の意味で、自分自身が主人公ですよね。日本版の『リネージュM』では、誰がどんな物語を、そして伝説が紡がれていくか、大変楽しみです。

城をどれだけ保有し続けられるかだったり、有利なところに加勢している血盟をどう出し抜くかだったりと、色々あるわけですよ。それってその場にいないと体験できないことなんです。これこそがこの世界で自分が生きている証であり、自分だけの『リネージュ』の物語そのものでもあるんです。

そのサーバーの主人公になるもよし、それを傍観するもよし、助太刀するもよし。私自身は血盟の秩序を第一に考える主義で、皆で楽しむために物語を紡いでいますから。

1人1人スタイルが違い、自分だけの色が出てくると思うので、ぜひ自分自身が物語になるという体験を本作で味わってもらえたらなと思います。

——そういった意味だと、ロールプレイも非常にやりやすそうですね。

大河内氏:むしろロールプレイが行き過ぎて現実になるんですよ。それが『リネージュ』の一つの顔だと思います。私の知り合いで面白い方がいて、現実だとものすごい子煩悩なパパなのに、ゲームでは突然斬りかかってきたりするんですよ(笑)。

でも理解できるところもあって、色々なことが許される自由な世界なだけに、ある種、現実よりも素が出せるんですよね。いつもストレス社会で抑圧されている人ほど、このゲームは楽しめると思います。だからゲーム内が本当の世界になるという人もいるんですが、私はその遊び方は全然いいと思っています。

それだけの魅力があるゲームということですし、本当の世界で生きるためなら現実だって頑張れるじゃないですか。私も若干そっち側の人間です(笑)。

他のゲームでは絶対に味わえない遊びごたえ

——続いてシステムについてなのですが、PC版との違いやスマホならではのものはあるのでしょうか?

大河内氏:基本はPC版の『リネージュ』を踏襲しています。一言で言うと純正のMMORPGですね。ベースは狩りをして自分を成長させつつ、他の人たちと交流して世界を生きるといった感じになります。

世界がすべてつながっていて、初期装備でも行こうと思えばどこまででもいけるけど、当然ながら敵が強くて一瞬で倒されてしまう、この感覚ですよ(笑)。

このゲームは、どちらかと言うと自由を満喫しつつ生活し、仲のいい人たちとともに過ごすことがある意味ゲームをクリアし続けていると言ってもいいと思います。そんな日々が続いたら最高ですよね。


そういった意味で一番わかりやすいのは、血盟を大きくして自分たちのやりたいことや成し遂げたいことを達成していく遊び方でしょうか。仲間と一緒にボスを狩ってレアドロップを狙ったり、「攻城戦」で城を取りに行って城主を目指したり、サーバーを統べることを目指したりとか。

逆に、人に親切に接する、キャラクター育成を手伝うなど、色々なことを含めて楽しんでいただくゲームになります。基本システムについてはもう1度いいますが、純正なMMOだと思っていただければ一番きれいかなと。

特殊仕様だと、現時点でパッと言えるのは「アークセレクター」でしょうか。PC版だとマウスで敵への攻撃を決められるのですが、本作ではその挙動に近い感覚で遊べるよう、複数の敵をなぞるとその順番で攻撃してくれるんです。

オート機能などスマホで遊ぶためにカスタマイズされている部分もあるにはありますが、「これは『リネージュ』じゃない」と感じさせてしまうような世界とバランスではないので、ご安心いただければと思います。懐かしくて遊んでみたところ、100%PC版『リネージュ』そのものじゃないとなという方は、この機会に改めてPC版『リネージュ』の世界に飛び込むのも良いと思います。

——先ほど話に出た「攻城戦」とはどういったものですか?

大河内氏:世界(サーバー)全体を巻き込んだ戦いです。参加する人数もその時々によって変わるなど、常に状況が変化するなかで他のプレイヤーと戦うことになります。

戦いも単なる力比べだけじゃなく、開戦前に血盟同士で話し合って協力関係を結んだり、こういったスローガンだから自分たちに力を貸して欲しいとアピールしたりなど、政治的な面で戦力を整えておくことも非常に重要なんです。


——「攻城戦」は世界が二分された戦いになるのでしょうか? それとも、各地で戦火が巻き起こるのでしょうか?

大河内氏:イメージとしては後者の方が近いかもしれません。例えばPC版『リネージュ』では、いろんな陣地に城があるので、1つの城を目指すだけでなく、あまり攻められていない城を狙うのも策としてありです。

「攻城戦」は本当に深くて、いい意味で何度やっても慣れないものになっています。開戦前の調整もすごく大事だし、ただ強いだけでは難しくて、人格や人望も試されていたりして。

いっそのこと「攻城戦」に参加しないのも選択肢の1つだったりもします。「攻城戦」はゲーム内資産を消費しますので、「お〜やってるな〜」と少し見て狩りに戻る、という生き方だって正しいんです。

「攻城戦」だけでなく本作全体に言えることですが、優しくて道が示されているから誰でも遊べるという作風とは逆で、すべてが自由でなんでもできるから誰でも遊び続けられる、というゲームですね。

——公式サイトでは5種類の職業が紹介されていますが、今後増えることはありますか?

大河内氏:海外リリース時『リネージュM』のスタートは初期4職業でした。日本では人気ある職業、かつ思い入れがあるユーザーが多いことも加味して、ダークエルフを5番目の職業として初期実装に向けて準備しております。

さすがに最新の職業などは、いきなり実装はされませんが、韓国にて実装されている銃士なども、どこかのタイミングで日本版でも遊べるようにしたいと考えています。


——『リネージュ』では君主だけが血盟を作れましたが、本作でも同じでしょうか?

大河内氏:そうですね、血盟の創設は君主のみが行えます。君主は血盟を組もうと思ったら専用のステータスにポイントを振り分ける必要がある、特殊な職業なんです。君主の見た目が好きだけど血盟の創設を見送ろうと考えている方は、戦闘に関わるステータスにポイントを振り分けるといいでしょう。

でも血盟の中でもトップクラスの君主はすごいと思いますよ。よく大勢の血盟員をまとめ切れるなと(笑)。『リネージュ』のユーザーからは血盟は会社、企業の歩き方と同じとよく言われますが、まさにその通りだと思います。いい君主は現実でもリーダーシップがきちんとあって、他の人をまとめている方が多かったりします。あと、人に興味があって、きちんと愛せる方が多いですね。君主をしっかり続けられる方は、純粋に尊敬します。

——他のMMOなどでも言えることですが、色々なプレイヤーがいますもんね。

大河内氏:そうですね。個性が強い方とかも中にはいらっしゃるじゃないですか。MMOは多種多様な人と交流できることがいいんですが、そういった人たちをまとめているのは本当に尊敬します。血盟を運営するために、それぞれに適切な役割を与えることも必要になりますからね。

あと血盟自体で言えば、ムードメーカーというか、マスコット的な方がいるのがすごく重要だと思っています。トークの盛り上がりはもちろんですが、経験上血盟の維持率もマスコットがいるかいないかでかなり変わるんですよ。ある意味、君主と同じくらい重要な存在かもしれません。

なかには、「戦わなくてもいいからずっと喋ってて」なんて役を任される例もありますからね。我こそはという方は是非、マスコットとして血盟に参加してみてください。

——日本版のリリース時に実装されるコンテンツはどのぐらいの量になりますか?

大河内氏:だいたいですが、グローバル版のリリース〜サービス開始半年後くらいのボリュームを最初に出す予定でいます。ただUIなど改修された部分については、なるべく最新のものに合わせられるよう開発を進めています。

アップデートに関しては、どのタイミングでどんな楽しさが提供できるかというのを考えつつ行っていく予定です。グローバル版で2年間蓄積されたものがあるゲームなので、じっくりみんなと遊べることを目標に、順々に楽しみを届けられたらなと思っています。

——ちなみに、コンテンツの量以外にグローバル版との違いはありますか?

大河内氏:日本版なので言語や声優さんなどは当然ですが、チュートリアルにも違いがあります。『リネージュ』は海外だとものすごく大きなIPなので、グローバル版はある程度知っている前提で作られているんです。ただ日本では、他国に比べて『リネージュ』というIPを知らないユーザーも一定数いらっしゃるので、初めてでもわかりやすいようにしています。

でもそれ以外、例えばモンスターや装備の強さ、変身やマジックドールの性能などは、原則グローバル版と同じです。つまり、難易度の高さは全く同じになります。

日本の今の作風に合わせてもっと優しくしよう、もっとわかりやすくしようとしたら、途端に『リネージュ』の魅力が下がってしまうと考えています。

世界はこんなに硬派でこんなに骨太なゲームを遊んでるんだと、逆に目新しく映ってくれたら嬉しいですね。本当に、他のゲームではあり得ないと言われるぐらいに違うと思いますよ。


——それだけ骨太のゲームなだけに、初心者は戸惑いそうな気がします。気をつけた方がいいところやポイントなどがあれば教えてください。

大河内氏:グローバル版『リネージュM』をプレイした経験で言うと、レベルが上がると1段上の狩場に行きたくなりますが、焦らなくて大丈夫です。格下を相手にすると経験値が入らなくなる、ドロップがなくなるといったゲームもありますが、本作ではそのような心配は不要です。

自分が倒せる敵を狩り続けて、お金をためて、キャラクターを強くして、それから「そろそろいくか」と挑み、倒されかけて戻る勇気。自分は弱いのかなと思ってしまうかもしれませんが、安心してください。みんながそうやって成長していくゲームです。

背伸びをせず少しずつ強くなっていくのが醍醐味でもあるので、自分のペースで遊んで世界を楽しんでほしいですね。

あとは、血盟には必ず入ってほしいです。日本のユーザーは怖がりがちなんですけど、まずは飛び込んでみてください。合わないと思ったら抜けることもできますから。

本作は1人での努力も当然大事なのですが、いわゆるJRPGのように1人で最後まで行くようなゲームではありません。人との繋がりがすごく重要で、そのために血盟があります。

MMO慣れしている方々が各々血盟を創設していると思いますので、まずはそこに飛び込み、わからないことを聞いたりゲームの話をしたりして、『リネージュM』での生活を充実させていってもらえたらと思います。

——最後に、日本版『リネージュM』の配信を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

大河内氏:グローバル版がリリースされた時から『リネージュM』を知っているという方には、大変お待たせいたしました。ようやく日本版がお届けできる準備の目処がたったので、期待しつつもう少しだけお待ちいただけたらと思います。

長くずっと遊べるゲームをお探しの方にはぜひ遊んでいただきたいですし、あとは今のゲームに熱くなれない方! そんな方も絶対に満足できる作品を届けたくて、我々も本気で開発しています。

グローバル版をプレイしている1ユーザーとしてコメントするとしたら、余裕がある今のうちに睡眠、休養、あえていうと体力づくり、その他もろもろのネゴシエーションをしておいていただけると嬉しいですね。

本作は2017年の夏から世界を震撼させ続けているゲームなので、その魅力を損なわせないよう、日本でもしっかり開発、運営を進めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。


コアな『リネージュ』ファン必見! 気になるシステムのミニQ&A

Q:キャラが倒されると装備を地面に落としますか?

A:『リネージュM』でも装備は落としますが、地面ではないです。落とした装備は教会でゲーム内通貨などを使って取り戻せます。

Q:「地獄」(※)はありますか?

A:本作にはありません。ただし、ペナルティはあります。詳細は今後お伝えできると思いますので、楽しみにしていてください。

※PC版『リネージュ』ではPK(PlayerKill)をし過ぎるとキャラクターが強制的に連れて行かれる特別なマップがありました。

Q:ペットは実装されていますか?

A:グローバル版でもまだ実装していないので、日本版リリース時の実装は予定しておりません。もし今後グローバル版で実装されることがあれば、日本にも持ってきたいですね。

▼リリースされました▼
Lineage M(リネージュM) ・販売元: NC Japan K.K.
・掲載時のDL価格: 無料
・カテゴリ: ゲーム
・容量: 3,589.2 MB
・バージョン: 1.0.1
※容量は最大時のもの。機種などの条件により小さくなる場合があります。

© NCSOFT Corporation. Licensed to NC Japan K.K. All Rights Reserved.

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