[映画] 百万円と苦虫女: 自分探しなんてしたくないと思ってるあなたなら、きっと涙する。

傲慢な年寄りの話ほどつまらないものはない。特に、成功した人間の「人生ってのはなぁ」「世の中ってこういうものなんだよ」といった言葉の醜さといったらない。青々しい、若さや未熟さの美しさと比べたらなおさら。

「百万円と苦虫女」は2008年7月公開の映画。蒼井優が演じる主人公の鈴子が、しょーもないことで前科持ちになり、その後、実家を離れて各地を転々としながら生活していく姿を描いた青春映画。

青春といえば、ダサくて、下らなくて、バカなものだと僕は思っているのだけれど、まさにそれを描いていて、振り返ると思い当たるところもあり、観ているとちょっとグサっとくる。苦虫を噛み潰したような表情ばかりする蒼井優や、パッとしない・はっきりしない森山未来の演技を見ていても、やっぱりグサっと来る。ああ、こういうのあったよな。。。

とはいえ、それだけで終わっていない所がこの映画のエラいところで、青春が本来持っている美しさとか、わくわく感とかも、(しっとりとだけど)感じられるようになっている。

蒼井優がストーリー内でちょっと恋した時に発する、「乙女かよ。」というセリフと、その時の、(基本的には「アタシ、バカ?」という表情をしつつも)ちょっとニヤけてる表情で、結構もってかれる。この場面でこのセリフとその演技かよ!にくいぜ。

(それにしても蒼井優の演技を心ゆくまで堪能できる作品。特に「表情」が見所。映画のタイトルにもなっている「苦虫」を噛み潰したような表情は、さすが!の一言。いやぁ、よかった。もうすっかり、蒼井優のファンです。)

やっぱり最大の見所は、蒼井優と森山未来の恋愛模様。これ以上書くとネタバレになるので言わないけれど、青春の不器用さに加えて、前向きな美しさ、明るさを思い出させてくれる。映画の後半、森山未来が登場した瞬間に「ああ、この映画観て良かった」と思うと思いますよ。

というわけで、「自分探しなんてしたくない」「目の前の現実からちょっとだけ逃げたい」といったことを感じている方こそ、感じられるものが多いのではないかと思う。「私のことかな?」と思った人がいらっしゃったら、ぜひ観てみて欲しい。今の自分はダメダメだけど、それもよし、ちょっとがんばろー、くらいは思えるようになるかもしれない。

あ、昨日の飲み会での「人生ってのはなぁ」「世の中ってこういうものなんだよ」とか偉そうに講釈しちゃったあなたも、反省がてら観てみては?


百万円と苦虫女

参考:
[映画] イヴの時間 劇場版: 近未来の人間とロボットの心のやりとりを描いた秀逸アニメ! – iPhoneアプリのAppBank

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