【NASの解説】LS-V1.0TL: 外出先からアクセスできる自分専用オンラインストレージをつくろう。セットアップ編。
3G 回線経由で iPhone からアクセスでき(WebAccess i という専用アプリもあります)、液晶テレビのレグザと連携して番組も録画。さらには PS3 などの DLNA 対応機器に動画をストリーミング配信。ウェブサーバーや FTP サーバーにもなり、TimeMachine 対応。もちろん Mac や PC からもアクセス可能。そんな多機能 NAS の LS-V1.0TL をご紹介します。
あまりにも機能が多いので今後複数回に分けて、LS-V1.0TL の魅力を余す所無くご紹介したいとも思います。そこで、今回は購入後に行うセットアップと iPhone から LS-V1.0TL にアクセスする方法を中心に、この製品の魅力をお伝えします。
LS-V1.0TL は1TB ものオンラインストレージになりますから、Dropbox などのオンラインストレージサービスでは容量が足りない!と感じている方は必見です。
今回ご紹介した製品についてはこちらからどうぞ。
BUFFALO 76MB/s 高速転送 ネットワーク対応HDD(NAS) 1.0TB LS-V1.0TL
NAS って何?
ところで NAS という言葉をご存知でしょうか。NAS とは Network Attached Storage の略称で、5直訳すれば「ネットワークに接続された記憶装置」です。LS-V1.0TL はそんなカテゴリに属する製品で、家庭内や会社内の LAN に接続して利用します。
普通、外付けハードディスクは USB や FireWire などで接続するのが普通ですが、それでは1台のマシンでしか利用できません(もちろん共有は可能ですが)。そして PC の近くに置いておかねばならないという物理的制約もあります。
NAS はそうした制約を無くしてくれる代物です。複数のユーザーが同時に利用することができますし、LAN に接続できて電源も確保できればどこにでも設置できます。
一方で通常の外付けハードディスクとは違って、ユーザーやネットワークの設定を使用者自身で行う必要があり、ちょっとだけ敷居が高くなっています。
それではどんな製品なのか、詳しく見ていきましょう。
LS-V1.0TL を詳しくチェック!
パッケージは BUFFALO らしく赤を基調としています。
パッケージの中身は以下の通り。
1. LS-V1.0TL:外付けハードディスクドライブ。容量は 1TB です。
2. LAN ケーブル:厚みが薄い、いわゆる「きしめん」ケーブル。
3. AC アダプタ:LS-V1.0TL を動かすのに使います。
4. インストールディスク:各種ユーティリティが入っています。
5. マニュアル:セットアップまでの手順を紹介しています。
外付けハードディスク本体はピアノのように黒く、ここまで光沢があると、指紋やホコリがちょっと目立ちます。
早速 AC アダプタと LAN ケーブルを接続してみました。電源を入れるとネットワークを自動で検出し、準備 OK なら筐体上部の LED が青く常時点灯します。
背面。USB ポートには他の LinkStation 製品を接続して容量を追加できます。この他、プリンタやカードリーダー、さらに PTP 接続に対応したデジカメなどが接続可能です。
USB で接続するタイプの外付けハードディスクと違ってネットワークを介して接続するため、すぐに使い始めることはできません。まず LS-V1.0TL をルーターあるいはそれよりも下位にあるハブに接続させましょう。
初期設定を済ませる
電源を入れてから、筐体上部にある青色の LED が常時点灯すればひとまずセットアップは終了です。次は PC 側の設定を行います。
付属のインストールディスクから専用のユーティリティソフトをインストールします。
もし「かんたんスタート」でセットアップが続行できない場合は「NAS Navigator のインストール」を実行しましょう。とりあえずこれがあれば何とかなります。
NAS Navigator をインストール後、起動したところ。セットアップ済みの LS-V1.0TL が表示されるはずです。これを右クリックし「Web設定を開く」を選びます。
するとウェブブラウザが起動し、LS-V1.0TL のウェブ設定画面が表示されます。
マニュアルに記載されているユーザー名とパスワードを入力してログインしましょう。
まずは「admin」ユーザーのパスワードを初期値から変更します。「ユーザー/グループ」をクリックし、「admin」を選択。そして「ユーザーの編集」をクリックします。
新しいパスワードを決めて「パスワード」と「確認用パスワード」に入力。
保存をクリックします。
さらに自分が日常的に使うユーザーを作っておきましょう。「admin」ユーザーでも LS-V1.0TL にアクセスできますが、それではセキュリティに不安が残ります。
「ユーザー/グループ」画面で「ユーザーの作成」をクリックし、ユーザー名とパスワードを決めればひとまずは OK です。クオータ容量等は必要に応じて後から設定します。
Webアクセス機能の設定
それでは、外出先からも LS-V1.0TL にアクセスできるように「Webアクセス」機能の設定を行いましょう。これで iPhone や iPad からもアクセスできるようになります。
「その他」画面に移動して「webアクセス簡単設定」をクリックします。
「使用する」のラジオボタンをクリックし、英数字で「BuffaloNAS.com ネーム」を決めます。これは他のユーザーと被らない限り、自由に設定できます。
もし UPnP に関するエラーが表示されたら「webアクセス詳細設定」から Web アクセスを有効にし、UPnP 機能を無効にします。ルーターの外部ポート番号を指定して LS-V1.0TL の設定は完了です。
次にルーターの設定画面にアクセスして先ほど指定した番号のポートを開放します。詳しい方法についてはルーター毎に異なるのでマニュアルを参照されるか、ルーターの製造・販売元が設けているサポートセンターにお問い合わせください。
iPhone から LS-V1.0TL にアクセス!
iPhone から LS-V1.0TL にアクセスするには2通りの方法があります。1つ目は Safari からアクセス、2つ目は WebAccess i を使ってアクセスする。この2つです。今回は専用アプリの WebAccess i を使ってアクセスしてみましょう。
左:まずは LS-V1.0TL を WebAccess i に登録します。右上の+ボタンをタップして…
右:先ほど設定した BuffaloNAS.com ネームを入れ、適当な名称を入力して完了です。


赤枠で囲っているボタンをタップするとメニューが表示されるのでその中から「ログイン」をタップ。そして LS-V1.0TL の設定画面で作成したユーザー名とパスワードを入力してログインします。
ログインが成功すると LS-V1.0TL 内にあるファイルが一覧で表示されます。他のファイラーアプリと同じようにタップすると…
iOS が再生・表示できるコンテンツであれば、その内容が表示されます。


残念ながら他アプリとの連携機能がないので、強引に連携させて他アプリで動画や書類を表示させる方法をご紹介します。
左:プレビュー画面の右下にある「共有」をタップします。
右:有効期限を1日にします。


するとしばらくしてメールの作成画面が表示され、赤枠で囲っている URL を含む本文が表示されます。この URL をコピーして Safari で開けば GoodReader や BUZZ Player など連携機能に対応したアプリで、LS-V1.0TL 上のファイルを開けます。
ただし、この方法ではファイルへとアクセスできる URL が生成されるために URL さえ知っていればアクセスできるようになりますので、公開したくないファイルでは使えません。その場合は別の方法を用いれば他アプリで開けるようになるのですが、その方法については次回ご紹介します。
この他、同一ディレクトリ内に入っている音声ファイルをプレイリストに追加して再生できるモードもあります。バックグラウンド再生にも対応しています。
iPod アプリの代わりにはなりませんが、出先で同期していない曲を聴きたくなった時には活躍してくれそうです。
なお、iTunes Store で購入した楽曲については再生できませんのでご注意ください。
この他、写真やビデオを撮影してアップロードする機能も搭載されています。
以上でざっと LS-V1.0TL の設定方法と iPhone アプリの使い方をご紹介しました。
次回は iPad 版アプリの使い心地や Mac や PC からの利用方法、本格的に GoodReader と連携させる方法などをご紹介していきますので、ご期待下さい!
今回ご紹介した製品についてはこちらからどうぞ。
BUFFALO 76MB/s 高速転送 ネットワーク対応HDD(NAS) 1.0TB LS-V1.0TL
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