第2回「これこそ電子書籍!」- 電子書籍をめぐる対談。ダ・ヴィンチ電子ナビ編集長横里隆さん

ダ・ヴィンチ


としずむです。
電子書籍元年から1年。米国では Kindle Fire も発売され、ますます身近なものになりつつある電子書籍。そんな電子書籍について、ダ・ヴィンチの編集人兼ダ・ヴィンチ電子ナビ編集長、横里隆さんからお話を伺う機会を頂きました。

テーマは「電子書籍について教えてください。」です。

AppBank氏との対談をお届けします。

第1回はこちらです
第1回「電子書籍に足りないものとは?」- 電子書籍をめぐる対談。ダ・ヴィンチ電子ナビ編集長横里隆さん


これこそ電子書籍!と思えた物に出会えましたか?

——AppBank:アメリカは電子書籍市場が成り立っています。書籍の売り上げを電子書籍の売り上げが超えるほどと言われています。でも、日本ではそうなっていませんし、そうなるとも思えません。

なぜこのような違いがあるのでしょうか。端末もコンテンツもあるのに、突き抜けていません。すごくおもしろくて革命的な電子書籍が生まれる可能性はあるのでしょうか?素晴らしい電子書籍が生まれたとして、市場は生まれるのでしょうか。

横里隆:可能性は絶対にあります。デバイスは不動産、土地であり、枠。その中のお店がコンテンツ。そこがまだまだなだけです。


——iPhoneアプリの場合、書籍はゲームやツールと一緒に「アプリとして」並べられてしまいます。本屋に行ったら本を買おうと思うのとは大きく違います。同じ場所に陳列されて、そこで注意を引く強さがまだまだです。
電子書籍のこれが良かった!という声に勢いが足りません。

横: 何かが足りないのだと思います。


——これこそが電子書籍。というものは何かありますか。

ダ・ヴィンチ電子書籍アワード2011で個人的に印象に残っていたのは、オトバンクエキサイトのママ、読んで!シリーズです。両親が朗読したものを子供が再生することができるアプリです。

——どの点がすごかったのでしょうか。

横: 親が声を録音して子供に与える点。そこを発明だと思いました。


——もう少し詳しく教えてください。

横: 親が子に読み聞かせする期間は、実際には短い期間です。その、ある一瞬の親と子のきらきらした関係を、パッケージングして永遠にとっておける点がすごいなと。


——子どもが本に触れる最初の瞬間でもありますね。本に触れるちょうどその時。

横: 言葉はコミュニケーションの基本です。母親の愛情がこもった言葉。それがパッケージングされた商品になります。今までに、この個別の愛情を商品の機能であり価値にしているものはありませんでした。

子どもにしてみれば、大人になったときにふと思い出して再生したときに、母親がこんなふうに読んでくれたんだと感じることができるわけです。それは代えがたいものになるんじゃないかなぁと。


——それは面白いですね。

横: 愛情がパッケージングされたことで、子どもにとっての嗜好品になります。かけがえのない「私の」本になります。ずっと抱きしめていたいくらい。

だからその、機能性と嗜好性がセットになっているので発明だと感じました。


——なるほど。

横: 電子書籍には便利な機能を追求しがちです。音楽や映像などのリッチコンテンツが追加されたアプリがたくさんあります。でも、それってリッチなの?と思います。スパイスにはなっていますが、紙の本に負けない嗜好性がそこにあるかは微妙です。

ただ、ママ読んでにはそれができていた。


(続きます)

第1回はこちらです
第1回「電子書籍に足りないものとは?」- 電子書籍をめぐる対談。ダ・ヴィンチ電子ナビ編集長横里隆さん

第3回はこちらです
第3回「理想の電子書籍を想像する」- ダ・ヴィンチ電子ナビ編集長横里隆さん、電子書籍の話

第4回はこちらです
最終回「電子書籍の売り場にも嗜好性を」ダ・ヴィンチ電子ナビ編集長横里隆さん、電子書籍の話

全体まとめです
【対談まとめ】電子書籍をめぐる対談全4回。ダ・ヴィンチ電子ナビ編集長横里隆さん


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