スティーブ・ジョブズ: 「テルマエ・ロマエ」作者・ヤマザキマリが描く漫画的すぎる21世紀の偉人。

今回、ダ・ヴィンチ電子ナビよりご紹介頂く「今週はこの一冊!」はスティーブ・ジョブズです!この記事の執筆者は「遠藤京子」さんです。

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 ネットではすでに祭りになっているKISS連載作品の単行本。飛びつきました。描いているのは『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリ。急逝したアップル創業者の自伝がコミック化されたとのニュースは、連載開始の3月の段階で英高級紙『ガーディアン』までもがとりあげたほどの話題(しかも、テルマエがマンガ大賞受賞したときの英語記事にリンクする丁寧な仕事ぶり)。画力とストーリーテリングに定評のある漫画家が、IT業界&米財界きっての奇人でもあった現代の偉人の公認伝記をコミカライズしたら、一体どういうことになるのでしょうか。

※単体アプリではなく「Kindleストア」「紀伊國屋書店kinoppy」「BookLive!」等で取り扱われている電子書籍です。

内容はまったく原作に忠実で、アイザックソンの回想から始まります。この1巻では、少年時代から、スティーブ・ウォズニアック(すげーいい奴!)との出会い、大学からのドロップアウト、そしてアタリ入社とインド放浪までが描かれています。もちろんジョブズの「現実歪曲フィールド」については冒頭で書かれているし、「オレ以外はみんなバカ」発言も。有名なエピソードばかりですが、ご本人があまりにも極端なキャラなので、非常にマンガ的というか、コミックとの親和性が高く、ノンフィクションであることを忘れそうになるほど。この企画を立ち上げた編集者のプロデュース力は荒巻太一以上だと思いました。

巻末インタビューで、ヤマザキさんがジョブズについて最初に抱いていた印象として「威圧的でイヤな奴という印象でしょうか。独裁的で、自分のやり方に従わない奴は容赦なく排除していく……超資本主義的ですよね。」と語っているのも客観的に信用が置ける感じ。ジョブズを神のように崇めている作家が描いたらきっと新興宗教のパンフレットみたいになっちゃって、こんなに面白くはならなかったと思います。また「○○社の○○を参考にジョブズは機械を作った」と原作では一文で書かれているところもこだわって絵に起こしたという話も。原作を読んだ方にも面白く読める作品ではないでしょうか。今後、ゲイツやマードックも出てくるはずで、彼らがどのように描かれるかも楽しみです。

コミックならではの工夫が満載

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コミック化に当たり挿入したというシーン。しかし、実際彼らはPCの前ばかりじゃなく、散歩しながら屋外で会話することも多かったに違いない。


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『ビー・ヒア・ナウ』はジョブズがインドまで尋ねて行った導師ラム・ダスの名著。日本語版は平河出版社から同じタイトルで発売されている。訳者も凄い面子。


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第4話のあとの一コママンガ。だが、内容は実話…というところがジョブズってやっぱり凄い。凡人が真似すると痛い目見ますよ。


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