【インタビュー】「王国の道具屋さん」開発者に聞く。長く遊んでもらえるゲーム作りとフリー素材のネタ元
「脳力+ 支払い技術検定」や「王国の道具屋さん」というゲームアプリをプレイしたことはありますか?

これまで6本のゲームアプリをリリースしており、累計150万ダウンロードを突破しています。
Come-Come Catさんのリリースしているアプリには、ある特徴があります。それは、「放置ゲームを中心にリリースされていること」と「アプリのデザインにフリー素材を多く利用している」という点です。この2点について詳しくCome-Come Catの赤羽様にお話をお伺い致しました。
インタビューは、アプリに広告をご提供し、収益化のお手伝いをする「AppBank Network」の運営を担当しているAppBankのしょーざが担当しました。それではインタビューをどうぞ!
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ゲームバランスの調整が大切
– アプリのアイデアはどこから発想していますか。
Come-Come Cat 赤羽:AppStoreを眺めていて「こんなゲームあったらいいのに、無いなあ。じゃあ作ろう」という感じで、基本的に自分が遊びたいゲームを作っています。妻が元ゲーム会社の企画をしておりまして、最近では妻のアイディアを元に制作することも多いです。
– アプリを作る際に参考にしたアプリはありますか。参考になった点も教えてください。
王国の道具屋さんというアプリを作る際、同じく放置ゲーの「なめこ栽培キット」をとても参考にしました。王国の道具屋さんでは、商品が売れて飛び出たコインをスワイプで回収します。あれはなめこの収穫の気持よさをなんとか取り入れられないかと考えた結果、導入したものです。
– 他にも参考になったアプリはありますか。
もともと、王国の道具屋さんは、経営シミュレーションゲームというイメージで開発をしていました。ただ、開発している時に「ゆけ!勇者」というゲームアプリをプレイして、こういうゲームスタイルもあるのかと衝撃を受けました。このゲームシステムを参考にして、今の王国の道具屋さんの形になりました。
– 放置系ゲームを中心にリリースしている理由を教えてください。
やはり”長く遊んで頂ける”ということが一番ですね。自分がこの手のゲームが好きだという理由も大きいです。
– なるほど。王国の道具屋さんは2も出されていますよね。長く遊んでもらうのであれば、2をリリースするのではなくアップデートする方が良いのではないでしょうか。
元々2をリリースする予定はなく、王国の道具屋さんのアップデートを作っていました。ただ、いろいろと盛り込んで行くうちに、アップデートのボリュームがあまりにも大きくなりすぎてしまい、2としてリリースしました。既に王国の道具屋さんをガッツリプレイされているユーザーさんがかなりいたので、王国の道具屋さん2へデータ移行ができるように配慮しました。
– 長く遊んでもらうためにどのような工夫をしていますか。
主にゲームのバランス調整ですね。ここで失敗するとすぐに飽きられてしまうので、かなり試行錯誤しています。アプリを気に入ってくれた方がさらにやり込めるように、図鑑や称号などの要素も入れるようにしています。
– ゲームのバランス調整はどのように行っていますか。
王国の道具屋さんの例で言うと、このゲームは作業をしてほっといて、戻ってまた作業するという繰り返しになります。最初は商品の消費を早く設定して、サクサクと先に進めるようにしています。
ランクアップまでの売上なども、できるだけ長く遊んでもらえるような設定にしています。例えば、前半はランクを1つ上げるのに1分程度しかかかりませんが、後半になると2、3日かかるように調整しています。
また、ゲームを作る際は、最後までゲームをプレイしてもらいたいと考えて開発しています。そのためランクの上がりやすさなどのゲームバランスは、ゲームをクリアできるように設定しています。あと、周りの人にひたすらゲームをやってもらってゲームバランスの調整をしています。
– 放置系ゲームでは繰り返し起動してもらうかが重要だと思いますが、そのための工夫を教えてください。
基本的なことですがローカル通知をしています。正確にデータを取ったわけではないのですが、これがあるのとないのでは繰り返し起動してくれるユーザー数はだいぶ違うかと思います。王国の道具屋さんでは、商品が売り切れた際とスタミナが回復した際の2パターンで通知をしています。起動回数が確実にアップするので通知することは大切です。
あと、バッジを付けるようにしています。バッジがあると気になって起動してしまいますよね。ローカル通知の場合、通知がスルーされてしまう可能性が高いです。バッジであれば、起動するまで消えずに残るので気になって起動してくれたり、思い出してプレイしてくれます。
– アプリをヒットさせるコツはありますか。
あったら知りたいです(笑)。ただ、宣伝にお金をかけられない個人開発では、アプリの質が結果につながっている実感はあります。ヒットまで行くかどうかは、また別の話ですが…。
– アプリの質を決めるポイントはどこだと思いますか。
自分の納得行くところまで作りこんだゲームでぼちぼちの結果が出ているので、自分の納得できるところまで作りこむことが質につながっていると思います。
– アプリの質を高めるためにどのようなことをされていますか。
アプリの質を高めるためには、ゲームバランスの調整が大切だと思います。デザイン面でいうと、とにかくチープさを感じさせないということですね。チープさを感じさせないためにゲーム全体のイメージを統一させるようにしています。また、フリー素材を使うことでデザイン面でチープさを感じさせないようにしています。
– どのアプリでもダウンロード数を増やせている理由はどこだと思いますか。
プロモーションはレビュー依頼をすること以外は特にしていません。おそらく、ダウンロード数が一定以上出せている理由は、リリースしている自分のアプリ内で自社広告を利用して、ある程度のダウンロード数が初動で見込めることが大きいです。
フリー素材で費用・工数を大幅に削減
– 赤羽さんのアプリはフリー素材を利用してデザイン部分を作っていると伺ったのですが、フリー素材について教えてください。
フリー素材には、大きく画像素材と音素材というものがあります。下記のような素材が無料で使えます。
・画像素材:キャラクター / マップ・背景 / フォント
・音素材:BGM / 効果音
素材の提供元によって、利用規約などがあるので注意して利用する必要があります。フリー素材にもジャンルがあって、私はRPG系の素材を中心に利用しています。
– フリー素材はどのように見つけているのでしょうか。
過去に利用したサイトを利用することが多いです。これまでリリースしたアプリで何度か素材をお借りしたサイトを少しだけご紹介させて頂きます。
First Seed Material:マップと背景 / キャラ
ユウラボ8bitサウンド工房:BGM / SE
PANICPUMPKIN:BGM / SE
この他にも、リリースしているアプリの「情報」画面に著作権等載せています。こちらも参考にして頂けるとたくさんのフリー素材を見つけることができると思います。
– アプリのキャラクターやデザインにフリー素材を利用するメリット、デメリットを教えてください。
デザインやサウンドに関する費用・工数を大幅に削減できることが一番のメリットです。デメリットは、うまく組み合わせないと全体のイメージがちぐはぐになってしまうことですね。また、種類が有限なので、いずれ新しいものを使い果たしたときにどうするのかという問題もあります。
– フリー素材となると種類が有限なので、自分の表現したい素材がない場合はどうされていますか。
フリー素材が多く提供されているものに合わせてアプリを作っています。自分の作りたいアプリのストーリーだと素材がなくて作れないという時は、素材に合わせて表現を変更することもあります。自分の作っているアプリで、素材が一部足りないという時は、自分で作ったりもしています。実際、再建神社の主人公の巫女は、女性キャラの素材を少しいじって作成しました。
– フリー素材はどのような方へ利用をおすすめしますか?
素晴らしいクオリティの素材を無償で提供されているサイトがたくさんあります。「プログラムはできるけど絵が描けない」「音が作れない」といったエンジニアの方はそういったサイトを探してみることをオススメします。
最後に一言
– AppBank Networkは10点評価で何点になりますか。またその理由を教えてください。
9点です。収益的にもほぼ安定していますし、AppBankでの露出機会の増加も個人開発者にはありがたいです。iOSでの新作が出るたびに利用させて頂いています。あとは、管理画面で毎月の振込額の詳細を閲覧できるようになると嬉しいです。(注:こちら、9月中に対応を予定しております!)
– ご自身のアプリの自慢を一つして下さい!
初めて作ったアプリ”脳力+ 支払い技術検定”はリリースから2年半ほど経ちますが、いまだに多くの方に遊んで頂いています。「王様のブランチ」等のテレビ番組やアプリ情報誌等にも何度か取り上げて頂き、こんなことってあるんだなーと驚きました。
– アプリを利用しているユーザーさんへ一言お願いします。
いつもCome-Come Catのゲームをプレイして頂き、ありがとうございます!
熱い感想のメール等頂くことがあり、とても励みになります。
今後も皆様のご期待に添えるよう頑張りますので、よろしくお願い致します!
開発者情報
開発者名:
Come-Come Cat(カムカムキャット)
最もダウンロードされたアプリ:
脳力+ 支払い技術検定
リリースしている総アプリ数:
6本
開発体制:
代表兼プログラマ(本人)と企画(妻)の2人
平均開発期間(アイディアの着想からリリースまで):
3〜4ヶ月程度
開発に利用しているツールやソフトウェア:
Xcode, AppCode, Photoshop等
脳力+ 支払い技術検定
王国の道具屋さん2
再建! ボロボロ神社
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