「DL数の少ないアプリで収益を増やす方法を学ぶ」AppBank Fello主催勉強会レポート。
3月30日(日)、AppBank Fello主催の勉強会が、新宿のgumiセミナールームにて行われました。
今回のテーマは「DL数の少ないアプリで収益を増やす方法を学ぶ」。App Storeの総合ランキング入りは非常に難しく、ダウンロード数を伸ばしにくい状況です。そこで、ダウンロード数が少ない中でも収益を出し、増やしていく方法についての勉強会を行いました。
アプリ開発者支援プラットフォーム「AppBank Fello」
今回の勉強会は、3月4日にリリースした「AppBank Fello」のサービス開始を記念して行われました。
AppBank Felloは、アプリのアクティブユーザーを増やしたい開発者・企業様向けのサービスです。プッシュ通知やメッセンジャーといったアクティブユーザー数を増やせるツールが手軽にアプリへ実装でき、全て無料で利用できます。
AppBank Felloのご参加はこちらからどうぞ!
→ iOS・Androidアプリの アクティブユーザー数を増やす 「AppBank Fello」
それでは貴重な講演の内容を、ピックアップしてレポートします。全部聞きたい!と思われた方、ぜひ次回の勉強会にご参加下さい。
Marnishi 中西氏 「複数のアプリをリリースする事によるシナジー効果と収益化」
今年に入ってからリリースしているアプリは既に8本!そんな中西氏より、「複数のアプリをリリースする事によるシナジー効果と収益化」をテーマに講演していただきました。
中西さんのアプリはAppBankでも紹介しています。ぜひダウンロード下さい!!
中西氏は、収益について「ベースの底上げ」を意識しながら、日々の開発を行っているそうです。
収益には「谷」があり(画像内の赤線)、おおよそ2〜3ヶ月周期でそれが訪れるとのこと。この「谷」を底上げするために、数多くのアプリを作り、自分たちのアプリのアクティブユーザー数を増やしていくことを狙っているとのこと。時間はかかるものの、アプリを数多く作っていくことで、確実に成果は出てきているそう。
特に、アクティブユーザーを増やす方法として、「数多くのアプリをリリースすること」が重要とのこと。
新作アプリBがリリースされることで、過去にリリースしたアプリAのダウンロード数も増えるそう。そして、過去にリリースしたアプリが多いほど、また、前作からのブランクが短いほど、ダウンロードへの反応は大きくなり、収益につながるそうです。
今回の講演では、特に「自社広告のやり方」について、非常に多くの示唆を頂きました。
一例として、「アプリタイトル画面の上部」に比べて「ゲームのリザルト画面」の方が、アプリへの送客効果が2.5倍もあったそう。このように、「良い場所」を探す工夫は非常に重要だそうです。
最近急増している「アイコン型」の自社広告についても研究結果を披露頂きました。
単にアイコンを置くのではなく、「NEW」といれたり、アイコン内にジャンルを文字で記入したり、「ピックアップ」として1つのアプリだけ場所を変えたりしているとのこと。その結果、CTRが倍になるなどの効果があったそうです。
そしてアプリの「ジャンル」も重要とのことでした。
例えば「アクションゲーム」のあとに「脱出ゲーム」をだしたり、「脱出ゲーム」のあとに「放置系ゲーム」を出しても、ユーザーは全く移行してくれないそうです。アプリを次々とリリースするなら、同じジャンルのアプリを出し続け、メーカーのファンを作ることを意識すべき!とのことでした。
ご登壇頂いたMarnishiさんの最新アプリ、「どんぞこ回転寿司」。以下のリンクよりダウンロードして、アプリの設計など参考にしてみてください!
Come-Come Cat 中尾氏 「100万DLアプリと同じ利益を1/6のDL数で稼ぐ!放置ゲームで収益を出す3つのコツ」
「王国の道具屋さん」でも有名なCome-Come Catの中尾氏には、「100万DLアプリと同じ利益を1/6のDL数で稼ぐ!放置ゲームで収益を出す3つのコツ」をテーマに講演していただきました。
Come-Come CatさんのアプリはAppBankでも紹介しています。ぜひダウンロード下さい!!
Come-Come Catさん、実は100万ダウンロードを突破した「脳力+ 支払い技術検定」と、「王国の道具屋さん」で、同じぐらいの収益があがったそうです。そこで、今回の勉強会では、その秘訣を教えて頂きました。
中尾氏が語る開発の重要ポイントは3つ。これらについて、王国の道具屋さんの事例を元に、じっくり語って頂きました。
- プレイ時間の長さ
- 頻繁に起動させること
- 課金でも収入を増やすこと
「プレイ時間の長さ」を実現するための要素として「バランス調整」「機能開放」「アチーブメント」「ストーリー」に気を配っているそうです。
バランス調整
バランス調整で特に意識しているのは、序盤の「つかみ」とのこと。ゲームを遊びはじめた段階で「このゲームはここがすごくきもちいいなあ、楽しいなあ」とわかってもらえれば、アプリに帰ってきてくれるそう。そのために、「達成感」や「テンポ」を非常に重視されたそうです。
機能開放
たくさんの機能を一気に伝えると、「このゲームは何が楽しいのかわからない→つまらない→消しちゃおう」となってしまうそうです。そうならないよう、ゲームの核の部分を理解したころに次の機能を開放していく、というスタイルを採用しているそうです。ゲームに対して、ユーザーが単調に感じず、新しい気持ちやモチベーションを感じながら遊んでもらえるようになるのを目指しているとのことでした。
アチーブメント
ゲーム中の小さな目標としての「アチーブメント」も重要視されているのとこと。特に、「自前で実装すること」をおオススメされていました。というのも、例えばiOSのGameCenterでも、5割程度のユーザーは使っていないそう。とても重要な要素なので、自前で作って、全ユーザーが使うようにすべきとのことでした。
ストーリー
放置型ゲームは単純。それゆれに飽きられやすいそうです。そこで、簡単なストーリーを加えることで、飽きを防いでいるそうです。
例えば、ただ単に「薬草を10個あつめる」でなく、「お客さんに売ると風邪が治る」といったストーリーを付加するそうです。こういうストーリーを混ぜ込んでいくことで、ユーザーが世界観に浸ってゲームを楽しむようになります。
最後に「通知」と「アプリ内課金」の話をして頂きました。なんと、「王国の道具屋さん2」はアプリ内課金が収益の4割を占めているそうです。なお、アプリ内通貨など、「消費型」のアイテムについては、ユーザー様からの問い合わせにすぐに対応できるよう、サーバーを用意しておくと吉、だそうです。
そんなCome-Come Catさんの最新作は「スライムの星」!!なんかめっちゃ楽しそう!!!ぜひ遊んでみてください。そして、
ユニコン船木氏 AppBank Felloを選ぶ5つの理由
AppBank Felloのシステムを提供頂いているユニコンの船木氏より、AppBank Felloのいいところを紹介頂きました。
AppBank Felloには、全画面広告の表示機能があるのですが、その全画面広告に「クロスプロモーション機能」が実装されました!自社広告や、相互送客に使うことができます。
AppBank Felloでは、「プッシュ通知」を手軽に使えるサービスを提供しています。そのプッシュ通知をいつ打つのがよいのか、について教えて頂きました。
打つべき時間帯は「8時」「14時」「22時」だそうです。他の時間帯に比べて、アプリの起動率が高めとのこと。
その他、詳細なレポート機能や、A/Bテスト機能など、数多くの「アプリのアクティブユーザーを増やす」ための機能が盛りだくさんです。
他の機能も気になる方は、ぜひこちらより詳細をご確認下さい!
→ iOS・Androidアプリの アクティブユーザー数を増やす 「AppBank Fello」
アプリ開発のお悩み解決コーナー!
最後に、アプリ開発に関するお悩みにお答えするコーナーを行いました。
Marnishiの中西さん、Come-Come Catの赤羽さんと中尾さん、AppBankアプリチームからスプリングまおと@rakuishiがお答えしました。いくつか抜粋してお届けします!
質問:お金も知名度もない個人開発者が、自身のアプリを広める効果的なプロモーション方法を教えてください
中西氏
レビューサイトに、レビュー依頼をするのが一番効果があります。そして案外大きいのは、こういった勉強会の場で多くの方とtwitterなどでつながり、新作を出したタイミングで連絡することです。リリース告知のツイートをRT頂くのは効果として大きいです。
中尾氏
ユーザーに、AppStoreのレビューを書いて頂くことです。クリアした時など、ゲーム内でユーザーの満足度が高い時に、「レビューしませんか?」のポップアップを出すようにしています。
あとは、ゲーム内に「誰かに話したくなるような小ネタ」をいれることです。例えば謎解きとかの要素をいれています。そうすると、ツイッターでのつぶやきが増えます。
「一回ツイートすると課金アイテムを得られる」という仕様をいれて見たところ、今までにない回数ツイートされました。こちらもオススメです。
質問:リリースするバージョン1の時点で、アプリの機能やユーザビリティの完成度が高いものを作るべきでしょうか
中西氏
リリース時のクオリティはできる限りあげるべきと考えます。最初にくじけると、もう復活できないこともあります。もちろんアップデートにも効果はあります。ただ、リリース時が一番の勝負どころと思います。
中尾氏
結果的には、自分たちがやりたい仕様を全ていれてリリースしています。一番大事にしているのは、作っている自分たちが面白いかどうかです。作っている間に色んなアイデアが沸いてきて、スケジュールはたいてい伸びます(笑)。
大々的に告知するチャンスがある時にのみ、スケジュールを優先することがあります。
赤羽氏
脳力+ 支払い技術検定は、最初から一気にヒットしてDLがふえたわけではなく、1ヶ月後のアップデートで急に伸びました。理由は、アイコンを変えたのが大きかったと考えています。アップデートで大きな変化があるケースもあるので、リリース直後にうまくいかなくても、その後うまくいく可能性はあると思います。
AppBankがリリースするアプリの場合、デザインも含めて、納得できる状態になってからリリースしています。機能面に関しては、ユーザーにとって「こう使うアプリなのね」とわかるようになっているかを大事にしています。デザイン面に関しては、記事で告知した時に、「このアプリの見た目も好きだし使ってみたい」と思ってもらうことを目標にしています。
アップデートに関しては、補足的なものを追加で入れていくという発想で考えています。見た目については、大幅な追加は考えていません。
プライベートでユーティリティアプリを7本ぐらい出しています。その時の考え方をご紹介できればと思います。
アプリのリリースについては、「アプリの最低限の機能が完成しているか」「ユーザビリティが満足できるものか」の2点について満足したタイミングで出しています。機能については「母親にこれはこういうアプリと伝えられるようになっているか」を重要視しています。ユーザビリティは、iOSの流儀、レスポンス、操作性で考えています。
アップデートは、ユーザーさんの要望に応える形で行っています。自分としては、当初考えていた機能ではない「余計なもの」を追加しているという感覚です。ただ、バージョンアップのことを考えて、機能に余白を作っておくようにはしています。
ユーザーさんの要望に応えることで、ブログやツイッターに「機能をつけてくれてありがとう」と書いてくれることも多く、その結果、ランキングが伸びると感じています。
以上です!
講演後は、ユニコン様より軽食が提供され、ご参加頂いた開発者様同士で盛り上がっていました。もぐもぐ!
今回、ご講演いただいた方々、そして参加していただた皆様、本当にありがとうございました。AppBank Fello主催の勉強会は、今後も開催する予定です。気になった方はぜひ次回ご参加ください!