コンテンツブロック『Crystal』が一部の広告を表示できるように、その理由は?
アプリを開発した人物が明らかにしました。
iOS 9の新機能『コンテンツブロッカー』はSafariで読み込むコンテンツを制限できる機能。対応アプリを介して、読み込みたくないコンテンツを設定できます。
対応アプリの中でも人気なのが『Crystal』です。ウェブサイトの広告や、ユーザーの動向を追う機能などをSafariが読み込まないようにします。
そのアプリ開発者によると、次のアップデートで一部の広告を表示できる機能が追加されます。なぜでしょうか。
2つの新機能
次のアップデートで追加されるのは、広告などをブロックしないウェブサイトを指定できるホワイトリストと、一部の広告を表示できる機能です。
一部の広告を表示できる機能は、ユーザーが自由にオン/オフを切り替えられます。
この2つの機能は、6〜10週間後くらいにリリースする予定だとしています。
なぜ一部の広告を表示するのか?
ウェブページに掲載されている広告を表示したりタップ・クリックしたりすると、その広告を掲載した人や広告を扱う企業に広告料が支払われます。多くのウェブサイトは、その広告料で運営されています。
Crystalの開発者が調査したところによれば、好ましい広告であれば、50%以上の人が広告を表示してウェブサイトの運営を支えたいと回答しています。
そこで、ユーザーが受け入れられるような広告であれば、Crystalをオンにしていても表示できる機能を追加することにしたようです。
好ましい広告とは?
表示する広告を決める基準となっているのが、「好ましい広告」です。
海外では『Acceptable Ads』というグループがあり、ウェブページに掲載する広告をより良いものにしようと活動しています。
このグループが、好ましい広告の条件を定めています。
- 腹立たしい広告ではないこと
- ユーザーが読もうとしているコンテンツを邪魔したり歪めたりしないこと
- 広告であることが明らかであること
- 大げさな表現や効果を使わなくても効果的な広告であること
- ウェブサイトに合った、適切な広告であること
誰が広告を審査するのか?
まず、広告を配信する企業や広告を載せたいウェブサイトが審査を申し込みます。審査は27,000以上のメンバーが参加する公開フォーラムで行われ、参加もできるようです。
好ましい広告と認められれば、その広告はリストに追加されます。
Crystalはこのリストを読み込み、一部の広告を表示する機能をオンにしている場合に限って、好ましい広告を表示するようになります。
審査をサポートする企業から支払いも
好ましい広告の審査をサポートしている『Eyeo』社は、企業から金銭的な支援を受けています。ただし支援企業だからといって、審査が優遇されることはないようです。
こうした支援金の一部は、Crystalの開発者にも支払われます。これにより、Crystalの開発・サポートを長期的に続けられるものと思われます。
今回の機能は強制的なものではなく、ユーザーが使うか否かを決められます。ウェブサイトや広告に対する考えに基づいて、「広告をすべて表示」・「一部の広告を表示」・「広告をすべて非表示」から選べるので、選択肢が広まることになります。
参考
![]() |
・販売元: Dean Murphy ・掲載時のDL価格: ¥120 ・カテゴリ: ユーティリティ ・容量: 2.6 MB ・バージョン: 1.0.1 |