「クリア率0.14%」の鬼畜ゲー。ハマる人続出の理由とは!?
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ほのぼの系のデザインや色味、操作方法はタップのみという、見た目も操作性もいたってシンプルなゲーム『Steps!』。
一見簡単そうに見えるこのゲーム・・・実は、チュートリアルですら約70%のクリア率、さらに最終ステージにもなるとクリア率わずか0.14%の超絶鬼畜ゲーなんです。
(※2016年6月28日時点でのクリア率です / 以下、同じ)
しかし、プレイしてみると鬼畜なのになぜかやめられない。非常に中毒性が高いんです。
「簡単なのに鬼畜、さらに中毒性が高いってどういうこと?」と疑問に思ったので、そのヒミツを探ってみることにしました。
『Steps!』ってどんなゲーム?
『Steps!』は一見ほのぼの系ゲームに見える、可愛らしいデザインのゲームです。
一直線に続く柱を飛び越えたり登ったりして、音符のようなキャラクターをゴールまで導きます。
操作方法は超シンプル。軽快なリズムに合わせて、ジャンプしたいタイミングで画面をタップするだけです。
見た目や操作性から「なんだ、簡単そうじゃん。」と思うかもしれません。しかし・・・
チュートリアルですら約70%のクリア率、チュートリアルの次のステージ「ステージ2」のクリア率でなんとわずか53.73%!!!
・・・と、非常に鬼畜なゲームなのです。
そんな見た目によらず超絶鬼畜ゲーな『Steps!』ですが、クリアに向けて何度もリトライしてしまう謎の中毒性があるんです。
この中毒性の裏には一体どんなヒミツが隠されているのか気になったので、開発者の遠藤さんにインタビューをしてみました。
『Steps!』はどのようにして生まれたのか?
ー音符のように見える可愛らしいメインキャラクターは、一体どのようにして生まれたのですか?
遠藤さん:
『Steps!』はもともと、「遊びの楽しさ」と「音楽の楽しさ」を一体的に体験できるゲームとして構想しました。
そのため、キャラクターのデザインは自然と「音符のようなもの」になりました。

ーリズムに合わせてキャラが柱を飛び越えたり登ったりしていくというゲーム性は、どのようにして思いついたのですか?
遠藤さん:
『Steps!』はスーパーマリオブラザーズに代表される横スクロール型の古典的なプラットフォームゲーム(キャラクターが足場から落ちないようにジャンプさせ、コントロールするゲーム)をベースにしています。
そこに、「リズムゲームの要素」や「音楽を奏でることの楽しさ」を練り合わせ、スマホでのプレイに最適化したゲームです。
ー『Steps!』はゲームジャンルで言うと何ゲーなんでしょうか?
遠藤さん:
自分たちで明確な定義はしていません。
ユーザー様には、激ムズゲー・アクションゲー・リズムゲー・音ゲー・リトライゲー・死にゲー・無理ゲー・鬼畜ゲーなどと言われることが多いです。
個人的には「ポリフォニック・アクション・ゲーム」(多声的・多層的なアクションゲーム)という呼び名を採用していますが、まだ誰にも通じたことがありません(笑)。
ーシンプルながらも中毒性のあるサウンドが魅力的ですよね。音楽作成にあたり、工夫した点はありますか?
遠藤さん:
各パートが、対等かつ独立的に複数の旋律を演奏するタイプの立体的な音楽形式である「対位法」という概念を用いて音楽を作成しています。
プレイヤーが選択するコースやジャンプのタイミングの微妙の違いが、毎回少しずつ異なる音楽体験をもたらすよう設計されているんです。
これにより、シンプルながらもなぜかもう一度聴きたくなる、中毒性のあるサウンドになっているのではないかと思います。
ーシンプルなサウンドの中にそんなヒミツが隠されていたとは・・・驚きです。
タップするだけのシンプルゲームが「簡単なのに激ムズ」な理由
ーチュートリアルからクリア率が低いことに驚きました。
全ステージをクリアした人はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?
遠藤さん:
『Steps!』ではゲーム画面にリアルタイムで計測されたそのステージのクリア率が表示されます。
現時点での最終ステージ、「ステージ27」のクリア率はわずか0.14%ですので、割合的には1,000人に2人もいないくらい・・・という計算になります。
ー遠藤さんはどこまでクリアしましたか?
遠藤さん:
「ステージ26」まではクリアしたものの、「ステージ27」の半ばあたりで悶絶を続けています。
おそらく2,000回以上リトライしています・・・。
ー操作方法はタップだけというシンプルなゲームなのに、なぜこんなにも難しいのでしょうか?
遠藤さん:
開発チームもそれをまだ十分に理解したとは言えない状態なのですが、『Steps!』全体を貫くビートが「変拍的」ということは言えるかもしれません。
人間は2の倍数のビート(2拍子、4拍子、8拍子など)であればどれだけテンポが早くても難なくノッていけますが、そこに3拍子が混ざってくると複雑さが別次元になるんです。
『Steps!』は、このようなビートの混成による複雑性について特に丹念に設計されています。
ーゲームオーバー時、音符のキャラクターがバラバラになってしまう演出にしたのはなぜですか?
遠藤さん:
『Steps!』は、ミシェル・レヴィという映像作家がジョン・コルトレーンの名曲「Giant Steps」をモチーフに制作した映像作品「Giant Steps」に多大な影響を受けています。
この映像の終盤にカラフルな四角がバラバラになるシーンがあり、それを参考にしました。
『Steps!』は、やりこむほどに運動神経がよくなるゲーム!?
ーApp Storeのアプリ説明欄に「やりこむほどに運動神経がよくなる?」とあります。
『Steps!』をプレイすると運動神経がよくなるのですか?
遠藤さん:
明確な科学的根拠がまだないので「?」をつけましたが、『Steps!』に必要なのはボタン操作の上手さではなく、身体的な反射神経と集中力です。
『Steps!』をプレイしているとそういった能力を鍛えることができるのではないかと考えています。
ーでは逆に、運動神経がいい人は『Steps!』が得意な傾向にあるのですか?
遠藤さん:
先ほどの回答と矛盾するようですが、面白いことに必ずしもそうではありません。
スポーツ選手がオリンピックなどの大きな大会で活躍するために精神のコントロールが必須であるのと同様に、『Steps!』でも「冷静に熱くなる」ことが肝心です。
ーまた、App Storeのアプリ説明欄に「子どもの頃のスリルにあふれた外遊びにも似た楽しさ」とあります。
子どもの頃のどのようなシーンを想定してゲームを作ったのでしょうか?
遠藤さん:
子どもの頃に校庭の塀の上を駆け抜けたり、流れの激しい渓流を石飛びして向こう岸に渡ったり、今思い出してもクラクラするようなスリリングな度胸試しのような遊びを想起していました。
簡単なのに激ムズ。その理由は作者の深いこだわりにあった
『Steps!』は一見シンプルなゲームに見えますが、ゲームを構成する1つ1つの要素がとてもよく練られている、非常に奥深いゲームだったことがわかりました。
製作者の「遊び」に対する深い想いが込められ、ゲーム性や音楽など隅々までこだわった、非常に完成度の高いゲームでした。
その1つ1つに込められた想いや深みこそが、「簡単なのに激ムズ」を実現しているのかもしれません。
「普通のゲームにもう飽きた」という人はぜひ一度遊んでみてください。
子どもの時と同じような、夢中になれる「遊びの楽しさ」がこのゲームに詰め込まれています。
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・販売元: Dividual Inc. ・掲載時のDL価格: ¥120 ・カテゴリ: ゲーム ・容量: 67.6 MB ・バージョン: 1.1.1 |