100年以上変わらない「黒板」の歴史をスマホで変える! 開発者にインタビュー
スマホで画像や動画、その場で撮った写真などをリアルタイムで黒板に映し出し、さらにその上にチョークで書き込める。
そんな、スマホと黒板のいいところを掛け合わせた、次世代の黒板を知っていますか?
株式会社サカワと面白法人カヤックが共同開発したハイブリッド黒板アプリ「Kocri」は、IT化がまったく進んでいない学校現場に新しいデジタルの風を送り込もうとしています。
現状の学校を変えたいと語る「Kocri」の開発担当者の方に、インタビューしてきました。
「黒板」が今も昔も変わらない理由、それは・・・
ー「Kocri」を作ろうと思ったきっかけを教えてください。
開発担当者様(以下、敬称略):
スマホが世の中の人々の生活に定着したのに、学校ではスマホはおろか、IT化もまだまだ進んでいません。
スマホを学校でも自由に使えると便利になり、学びの可能性も増えると思い、開発しました。
ーたしかに。学校の現場ってずっとアナログですよね。
その中でも特に「黒板」は、昔も今もまったく変わっていないように思えます。
開発担当者:
そうなんです。黒板は100年以上変わっていません。
チョークで手が汚れ粉も出る黒板がずっと学校で使われている理由を先生に聞いたことがあるのですが、
「日本語特有の文字の”とめはね”が黒板とチョークでないと再現できない」という答えを複数もらいました。
実際、高校・大学にいくにつれホワイトボードの導入数は増えていくのですが、小・中学校ではホワイトボードの導入数がかなり少なく、ほとんどが黒板です。
文字を習っている過程である小・中学校では、”とめはね”がきちんと再現された正しい日本語を日頃から見せる必要があるということだと思います。
ーだからこそ、「Kocri」は黒板という形態はそのままに、デジタルならではの便利な点を追加したんですね!
「Kocri」の反応、実際どうなの?
ー「Kocri」を実際に使った教員の反応はどのような感じですか?
開発担当者:
「Kocri」は無線でApple TVに繋ぐだけで簡単に使えるので、10分しかない業間休みに準備がしやすいところが良いと言っていました。
画像や動画を手軽に表示でき、授業中の板書の時間も減らせるところが便利だという声もいただいています。
開発担当者:
また、カメラ機能で生徒のプリントなどを写し、それをすぐ黒板に表示させることで、リアルタイムでみんなに見せられるのが画期的です。
ほかの生徒がノートに書いている回答や意見の共有が一瞬で済みます。
黒板に映した画像の上から、生徒とやり取りをしながらチョークで書き加えられるのも良いとのことでした。
ー生徒の反応はどのような感じですか?
開発担当者:
細かい画像の拡大なども手軽にすぐできるので、画像を表示した時に「見やすい」と言っておりました。
また、ExcelやWebの検索結果などをプロジェクターで黒板に表示してると、「これ知ってる!見たことある!」といったような騒ぎになることがあります。
「Kocri」を使えば、画像の選択中に余計なアイコンが黒板に表示されないため、生徒が騒ぐことはありません。
ー準備も簡単で画期的で、授業が効率的に進められそうですね!
早く学校への普及が広がって欲しいです。
開発担当者:
そうですね。しかし・・・
「たとえ授業のツールでも生徒の前でスマホを出すのはNG。」
「個人の端末を授業で使うのはNG。だからと言って端末は手軽に買ってもらえない。」
といった学校の規則により、導入が難しいといった声も多いんです。
ー学校の規則や資金事情によって導入が難しい場合もあるのですね・・・。
現在「Kocri」はどれくらいの学校に採用されているのですか?
開発担当者:
学校への導入数は把握できていませんが、2015年7月にリリースし、現在までに10,000ダウンロードを達成しました。
現在は、学校がまとめて採用というよりは教員個人レベルで使われているケースの方が多いです。
ー小学校、中学校、高校、大学と、どの学校で使われていることが多いですか?
開発担当者:
小・中・高校それぞれが同じくらいで、大学ではあまり使われていません。
その他、塾や予備校での使用例もあります。
ー「Kocri」を使った教室の理想イメージなどはありますか?
開発担当者:
デジタルばかりではうまくいかないと思いますので、「Kocri」のコンセプトである「片手にチョーク、片手にスマホ」というデジタルとアナログのいいところを組み合わせた授業が理想の形だと思います。
そしてさらに、「Kocri」を使うと先生がカッコイイ、というイメージがつくんじゃないかと期待しています。
黒板とスマホのいいところを掛け合わせた次世代黒板アプリ「Kocri」
現在、世の中はどんどんIT化が進んでいます。しかし学校は昔と同じまま、まったく変わっていないように感じます。
黒板という形態をなくしてしまうわけではなく、黒板のよさはそのままに、スマホの技術を追加してより便利にするという発想がすばらしいですよね。
学校の規則や資金事情に左右されるという解決が難しい部分もありますが、
先生にも生徒にもメリットがあるこの次世代黒板アプリ「Kocri」を使った授業がメジャーになる未来は近いかもしれませんね。
参考サイト
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・販売元: SAKAWA CO.,LTD. ・掲載時のDL価格: 無料 ・カテゴリ: 教育 ・容量: 35.3 MB ・バージョン: 1.4.0 |