日本と欧米のゲームデザインの違いをアメリカのゲーム会社に聞いてみた
点と点をつなげて消すパズルゲーム『Dots & Co』。
先日リリースされたばかりですが、App Storeの「おすすめ新着ゲーム」に取り上げられるなど徐々に人気が出始めています。
今回、開発会社であるPlaydots社に、ゲームのデザインや、課金のこと、今後のことについてインタビューしてみました。
Playdots社とは?
インタビューさせていただいたPlaydots社は、『Two Dots』や『Dots & Co』など点と点をつなげるパズルゲームを出しているニューヨークのゲーム開発会社です。
最新作の『Dots & Co』を軸に、日本と欧米の市場の違いやPlaydos社のゲーム作りの考え方などをプロダクトマネージャーの和島康多(@kohtawajima)さんに聞いてみました。
デザインの違いは、ターゲット層の違い
Playdots社の最新作『Dots & Co』を遊んでいてまず気になったのが、デザインの違い。
日本でパズルゲームといえば『パズル&ドラゴンズ』や『ぷよぷよ』などが頭に出てくると思いますが、それらに比べて『Dots & Co』はもっとシンプルで色味が抑えられたデザインをしています。
© (C)2012 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved. / © Playdots Inc.
―――日本のパズルゲームのデザインはキャラをメインにしているものが多いですが、『Dots & Co』のデザインはどうやって作られているのですか?
和島氏:
『Dots & Co』は10代後半から20代の、比較的若い女性をターゲットにデザインされています。
日本で人気の「パズドラ」のようなゲームはどちらかというRPG色が強いのですが、欧米では日本ほどRPGものの人気がありません。
複雑なゲームシステムにユーザーがそこまで惹かれないようです。
欧米では中毒性が高く、通勤中や寝る前のちょっとした時間に遊べるカジュアルゲームが人気が出やすいというのもあり、弊社のモットーである「ミニマリズム」を元に、シンプルかつオシャレなものを目指してアプリを開発しています。
―――なるほど。ユーザーや遊ぶ時間などターゲットを絞っているからこそのデザインなのですね。
和島氏:
ただ、キャラに関しては「あまりにも子供っぽい」と意見をいただいたので、渋めの表情を入れたりしてターゲットからブレないように調整はしましたね。
課金要素は最小限に
―――『Dots & Co』は課金要素がすごく薄いですよね。日本ではキャラを増やす「ガチャ」をメインに課金システムが作られていますが、課金に関してはどのようにデザインされたのですか?
和島氏:
課金要素はあまり全面に出したくないと思っていて、抑えめに作っています。
開発当初は「キャラのスキルをレベルアップできる」とか「色んなキャラを出してステージ攻略の幅を広げる」などのアイデアがありましたが、話し合った結果ゲームのバランスを保つために「1ステージ1キャラ」を選びました。
あとは単純に欧米では「ガチャ」のシステムが日本ほど流行っていないというのもあります。
―――自分が見た限り体力回復とキャラのスキルブーストくらいしか課金要素ないですけど、大丈夫なのですか?
和島氏:
ほかにも、プレイ延長とプレイを助けるアイテムも用意してあります。
今後はキャラに深みを持たせるためにカスタマイズができたり、追加ステージを通して得られる報酬を増やしたりして課金要素の幅を広げていこうと考えています。
『Dots & Co』は、一人あたりの課金はガチャをメインに据えたゲームよりは多くないのですが、ユーザー数を増やすことでビジネスとして成り立たせていきたいと思っています。
▲体力回復やスキルを使うタイミングを短くするなどプレイを助ける課金が多い
前作と同じ「点と点をつなげて消すゲーム」なのに新アプリにした理由
―――前作の『Two Dots』と新作『Dots & Co』は点と点をつなげて消すシステムは同じですよね。アップデートではなく新しくアプリを出した理由はなんですか?
和島氏:
キャラとスキルを実装することで新しい「Dots」の遊び方を提供したいというのと、システムが似ていても雰囲気を変えることでまだ遊んでいない人へリーチできるのではないかというのが理由です。
あとは、『Two Dots』になかったゲーム内通貨や新ギミックなどの要素を入れようとすると、時間と労力がかなりかかってしまうという点もあり、新しく『Dots & Co』を作りました。
『Two Dots』での経験を元に、マップ制作やゲームシステム構築において開発のスピードを上げられたことは開発側にとって新作を作る大きなメリットになったのです。

「Dots」をブランドとして育てていきたい
和島氏:
『Two Dots』を出したとき、友人などから「次に出すアプリはThree Dotsなんでしょ?」と冗談交じりで言われることがありましたが、今後「Dots」をブランドとして打ち出していきたいという思いがあり「Dots」を先に持ってきた『Dots & Co』というタイトルにしました。
日本のスマホゲーム市場は世界的に見ても特殊ですが、大事な市場でもあります。
『Dots』シリーズは日本ユーザーに刺さりやすいゲームだと思っているので、力を入れてプロモーション展開をしていく予定です。
元々「Dots」は弊社の代表が日本のアーティスト「草間彌生」さんの水玉模様に感銘を受けて生み出したものです。
なので、ぜひ日本の皆さんにも遊んでもらいたいです。
―――本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
日本と欧米のユーザーの感覚の違いや、「ミニマリズム」をモットーとしたデザインなど興味深い話を聞けたインタビューでした。
和島康多(@kohtawajima)さん、ありがとうございました。
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・販売元: Playdots, Inc. ・掲載時のDL価格: 無料 ・カテゴリ: ゲーム ・容量: 80.9 MB ・バージョン: 1.2.0 |