【個人開発者インタビュー:syou007】週に◯十万円の利益を生む『人食い惑星』はなぜ生まれたのか
皆さんは、先月25日にリリースされた個人開発の放置ゲー『人食い惑星』を知っていますか?
Twitterなどでも面白いと話題なので、まだ遊んだことがない方はまずインストールして遊んでみてください。
この記事の主役は人食い惑星ではありません。1人で人食い惑星を作った開発者のsyou007(@syou007)さんです!流行りの個人開発ゲームを世に放つ開発者さんをフィーチャーします!
今回は、そのsyou007さんにインタビューする機会をいただけたので、「ぶっちゃけどれくらい儲かっているのか」「アプリ開発でこだわっている点」「開発にどれくらい時間をかけるのか」などを聞いてきちゃいました!
現在個人でゲームを作っている方、これから作ろうと考えている方にはかなり気になるが詰まっているはずです!
それではまずsyou007さんの最新作、人食い惑星を簡単に紹介します。
人食い惑星は誰にでも手軽に遊べる放置ゲー!
人食い惑星は、地球が滅亡してしまう直前に宇宙船で他の星へ移り住んだ人々の物語です。
主人公が降り立った星を冒険していきます。
冒険する時間はユーザーが任意で設定でき、放置をしておくと、主人公が勝手に冒険を進めてくれます。
冒険中に主人公はたくさんの敵と戦っています。
戦った敵は自分の味方になることも。
主人公だけでこの星を冒険しきるのは不可能です。自分だけのパーティを組んで、この星の全て冒険し切りましょう!
ざっとこんなところでしょうか!個人でiPhoneアプリを開発している方なら知ってる方も多かったですよね(笑)。
しかしここからは特別。人食い惑星を作ったsyou007さんへのインタビューパートです!
今かなり成功している開発者さんのお話です!気になりますよね!
syou007さん本人のお話から、ゲーム開発について、人食い惑星について、かなりボリュームのあるインタビューになりましたので、ぜひ読んでみてください!
syou007さん本人について
ーー個人開発でアプリを作ろうと思ったきっかけはなんですか?
syou007さん:
もともとフリーランスで仕事を請け負っていたのですが、将来を考えると請負の仕事だけでは不安だったので、「個人で」ゲームを作り始めました。
また、小学校の頃からゲームを作っていたのでそれを仕事にできないかと思い2010年10月に初めてMacBookを買いました。
それまではWindowsしか使った事がありませんでしたので、しばらくMacとの戦いでしたね・・・。
余談ですが、小学校6年生の頃に友達の家に遊びに行ったら、NECの「PC-9801」というパソコンがありました。
私は毎日のように友達の家に通って、分厚いマニュアルを読みながらプログラムを作っていたことがあります。
その経験が今になってもゲームを作りたいという欲求に繋がっている気がします。
その後も「神経衰弱」や「ブロック崩しゲーム」などを作って友達に遊んでもらった経験があります。
ーーすごい・・・!本当に小さい頃と仕事が繋がっているんですね。ちなみに今は、開発したゲームでいくらくらい儲かっていますか?
syou007さん:
人食い惑星は配信したばかりなので今後どうなるかわかりませんが、現時点では一週間に約20万円くらい儲かっています。
ただ、他のゲームは散々でした。
はじめに出したのは『FlickShooting』というiPhoneゲームで、初めて買ったMacbook airを使い悪戦苦闘しながら作りました。
勉強+開発で約1年かけたのですが、収益は8千円程度でしたね。
それから『FlickRPG』や『FlickRPG2』、『進撃の魔城』などのゲームを作りましたが全部の収益を合わせても1万円くらいでした。
そのあとに出した『偽りの物語』が月に8万円の利益を出したので、このUIを使って放置ゲームを作れば面白いのではと思い『勇者の冒険』を作りました。
偽りの物語は初月は8万ほど利益が上がりましたが、その次の月からは2万、1万と減っていったんですけどね。
一方で『勇者の冒険』は月に15万程度の利益をコンスタントに出し続けました。
左上:勇者の冒険
中央上:フリックRPG2
右上:進撃の魔城
左下:偽りの物語
右下:人食い惑星
ーー僕が知っている中では、かなりすごい数字です!人食い惑星の開発で最も苦労したところはどこですか?
syou007さん:
カードバランスです。
4月頃にはゲームシステムはほとんど出来上がっていたのですが、バランステストを行ったらかゆいところに手が届かないバランスでした。
特定のカードを育てるととても強かったり、お金が余ってしまったり・・・。逆に変なカードを育てると金欠に陥ったり、モンスターカードが弱すぎてデッキに組み込むメリットがないとか・・・。
とにかく酷いバランスだったので4月の後半に1ヶ月かけてゲームバランスの調整とテストをやり直しました。
この期間が一番苦労しましたね。
しかしバランスを整えるのは難しく、今でもバランスの悪さは残ってます。
それも一つの味だと思ってゲームをしてもらえると嬉しいです(苦笑)。
ーー普段はIT業界のフリーランスとして働いているそうですが、毎日どれくらいの時間をゲーム開発に使い、どれくらいの期間で完成しましたか?
syou007さん:
IT業界の仕事は週に4日請け負っているので、あまりの1日を使ってゲームを作ってます。
しかし、それでは時間が足りないためIT業界の仕事の昼休みや夜の時間も費やしてますね。
人喰い惑星は作り始めて約半年でリリースしましたが、基礎部分は勇者の冒険のロジックを使っているのでトータルで考えると約一年ほどの開発期間を費やしています。
ーー確かに、勇者の冒険と大きな枠組みは同じですよね。かなり遊びやすくはなっていますが!では逆に、人食い惑星を作るにあたり、こだわった点を教えてください。
syou007さん:
オフラインで遊べる点です。
これにはふたつ理由があります。
一つは私自身がゲームを行う際に電車とか電波の途切れるところでゲームをする機会が多いため、オフラインでもサクサク動くゲームを作りたかったためです。
もう一つの理由はサーバー構築をして負債になった経験があるため、売れる確証がない時点でサーバーを管理したくなかったためです。
この二つの理由でオフラインで楽しめるゲームを作りました。オフラインゲームをオンラインゲームに見せるため、技術的に色々工夫しましたね。
もちろんですが、前述したカードバランスにもこだわりを持ってます。
ゲームプレイ中に筆者が気になった点についても聞いてみた!
ーーこれ聞いていいのかわからないんですけど、村を冒険したり監視塔を建てたり、資源などはどうしているのでしょうか?ここは宇宙ですよね?
syou007さん:
これは・・・すみません。御都合主義です。
当初は人口とか石とかそういう資源も考えていたのですが、自分のレベルでここまで制御することは難しいと思って・・・
“察してください仕様”でつくりました。
当初の仕様書には「人口」「石」「木」という言葉が残ってます・・・。
なお、この神殿や鉱山などの仕様を入れた理由は前作の「勇者の冒険」でログインボーナスが欲しいという意見が多かったためです。
ログインボーナスをどのように取り入れようか考えた末の結論が神殿などになりました。
もともとは信長の野望のように手に入れたエリア全てを開拓できるように考えており、開拓が進むと視界が広がる予定だったんです。
ーー先に行った“戦闘に優れたメンバー”はどうなったのでしょうか?そのメンバーに選ばれていない主人公はガツガツ進んでいるので、さては弱かったのでは・・・笑
syou007さん:
そ、それは・・・。
これもネタバレを少し含むと、昔「偽りの物語」を作った時にシナリオを作り込んだら「ストーリーが変」「感情移入できない」などの意見が相次ぎ、できるだけシナリオに組み込みたくなかったためこのようになりました。
では、先発部隊などいなくてもよかったのかと言われると・・・この点は少し理由があります。
ご都合主義ですが、冒険を進めると仲間を増やしたくてその仲間をどうしようか・・・?
と考えた結果、先発部隊が必要だったのです。
・・・なので、弱いのかと言われると。。。
うーん。リーダーはかなり強いのですが・・・。
歯切れが悪くてすいません。
ーーレアカードなど、高レアリティのカードがかなり低確率な気がしたんですけど、僕だけですか?チープばっかりです!笑 「※ゲームで手に入るカードには、チープ、ノーマル、レア、スーパーレアがある」
syou007さん:
レアカードははじめのうちはまず手に入りません。確率がかなり低いです。
しかし、序盤でも手に入りやすいのが研究所です!ここでは高確率でレアカードが手に入りますよ。
また、中盤に入るとだんだんレアカードが手に入りやすくなっています。
序盤にレアカードを手に入れると、冒険のバランスが一時的に壊れることもあるくらい強力なので、なかなか手に入らないようになってます。
「ボイズンダガー」や「ゴールドアーマー」、「プロテクター」という序盤に手に入れるとしばらく楽になるカードも眠ってます。
ーーお気に入りのカード(敵キャラ)を教えて下さい。ちなみに僕は「ストーンマン」です。
syou007さん:
ストーンマン!!
まさかのカードですねw
このカードは私も愛着があるため、このカードの上位カードを考えているところです。
私のお気に入りは「ゲゴル」ですね。
もともとはローブマンという見たままの名前をつけていたのですが、ある日突然ゲゴルにしようと思ってリリース直前に名前を変えた経緯もあり気に入ってます。
・・・が、いつもハンターに撃ち殺されてしまうため使い所は難しいですね。。。
▼左:ストーンマン 右:ゲゴル
ーームカデとか「絶対に敵!」って感じのカードを手に入れました(仲間になった)が、どうして仲間になってくれたんでしょうか?笑
syou007さん:
ムカデはTwitterでも話題になっていて、びっくりしてました。
このキャラクターに関してはあまり何も考えていなくて、「暗くてじめじめしたところにいる敵は何かな?」と考えた結果生まれたモンスターなので、本当になんで仲間になったのでしょうね?w
ゲームに詰まっている方に向けて攻略法も聞いてみた!
ーー初心者のざっくりとした進め方を教えていただきたいです。あまり放置ゲームというジャンルに慣れていないユーザーに向けたアドバイスがあれば、お願いします。
syou007さん:
ドラクエやFFのレベル上げを思い出してゲームをしてもらえると嬉しいなと思っています。
特にドラクエ2などの古い時代では、一気に洞窟を進むと「毒」におかされたり、多くの敵に囲まれて死んでしまう事が多くありました。最後のロンダルギアなんて一気に進むとキラーマシンに殺されてしまいますw
そのような少しシビアなバランスを楽しんでもらいたいなーと思ってます。
なので、最初は1時間したら戻ってきて、余力がありそうなら次は2時間と冒険時間を少しづつ伸ばしてゲームを進めて欲しいのです。
そして、手に入れた様々なカードを組み合わせて冒険に出て欲しいのです。
例えば「力斬り」は序盤ではほとんど役に立ちません。なので、役に立たない奴につけてみるとか。(後半では役に立つスキルです)。
スピードは素早い奴につけた方が良いのか、力が強いやつにつけた方がいいのかとか。
ヒールは「ゲゴル」につけてみるべきか、「僧侶」につけてみるべきかとか。
考えたカードの組み合わせがどれくらい冒険できるのかを楽しんで欲しく、手に入れたカードが徐々に強くなっていく成長を楽しんでもらいたいです。
ーー最後に個人的な質問を・・・。ハンターの洞窟・クレーターで冒険100%になる前にやられてしまいます!ゲーム攻略のコツをおしえてください!
syou007さん:
ハンターの洞窟は何も考えないで進めるとしばらくクリアできません。
ハンターはHPの低い敵を狙うので、レベル2のゴーストをデッキに組み込むと楽にクリアーできるようになります。
なので、ゲームバランス調整でゴーストはレベル2になるまで手に入りやすくなっているんです。レベル2でもHP10なので、ハンターはゴーストを狙います。ゴーストには物理攻撃がほとんど効かないのでハンターを楽に倒す事ができます。
一方でクレーターは力押しでクリアできるのですが、ヒールや薬草がないと手こずりますね。
薬草は「薬草の村」で手に入れることができ、ヒールは僧侶のレベルを上げると必ず手に入ります。
そして「ハンターの洞窟」で手に入れたファイターを入れるとなんとかクリアーできるバランスを作っているんです。
頑張れば「土偶戦士」や「ゴブリン」でもクリアーできますが。
どちらも3時間の冒険ができるまではカード調整が必要ですが、3時間冒険ができるようになり、そこからは楽に冒険時間を伸ばしていけます。
余談ですが、ファイターは少し特殊なカードで斧と盾を装備できる珍しいカードになっています。
斧は本来、攻撃力が高い代わりに防御力が高い装備が身につけれない場合が多いのですが、ファイターだけは例外です。
なので、前半から中盤以降まで力を発揮するファイターを育てているとしばらく楽に冒険を進められます。
また、土偶戦士も特殊で前衛の強さを兼ね揃えながら槍(後衛武器)が装備できるためあらゆる状況で使えるカードです。
ーーsyou007さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
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・販売元: atsushi ichikawa ・掲載時のDL価格: 無料 ・カテゴリ: ゲーム ・容量: 141.6 MB ・バージョン: 1.3 |
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