アプリ『ヴァルキリープロファイル -レナス-』レビュー。PSPよりも美しく、スマホ用コントローラで遊びたい名作

スクウェア・エニックスより1999年にPS用ソフトとして発売され、2006年にPSPでリメイク版も発売された大人気作『ヴァルキリープロファイル』。

そんなPSP版『ヴァルキリープロファイル -レナス-』をベースとした買い切りのスマホアプリが、3月22日に配信されました。価格は2,200円(4月8日までは1,800円!)。

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あらかじめ強調しておきますが、圧倒的な解像度の高さは、スマホ版の大きな魅力です。タブレットの大きな画面でも楽しめるのはもちろん、高解像度のモニタに外部出力して遊んでも遜色ないレベルだと感じました。

そんなスマホ版『VP』を、『ヴァルキリープロファイル』シリーズの大ファンであるライターが、美しき戦乙女との思い出とともに作品の見どころや魅力を紹介していこうと思います。(文:唐傘)

神と人の思惑が入り混じる壮大な神話ファンタジー

物語は、ヴァルキリー・レナスが目覚めるところから始まります。

ユーミルの首の予言により、神々の黄昏が近いことを知ったアース神族の王・オーディン。その予言がアース神族とヴァン神族の最終決戦を表していると考えたオーディンは、レナスに戦いの戦力となる英雄たち・エインフェリアの魂を集めて、神界に送るように命じます。

▼本作のモチーフは、北欧神話。オーディンやロキなど有名な神々がたくさん登場します。私はこの作品で、北欧神話の知識を身につけました。フレイの性別や神々の設定など、本作独自のアレンジが加えられているのもポイントです。



命じられるままに、己の役割を全うするレナス。

しかしプレイヤーの行動次第で、彼女は自身の役目や神々の目的に疑問を持つようになっていきます。

本当に神は正しいのか。それを考えさせられるシナリオ展開が、本当に素晴らしいです。

用意されている結末は3つ。どれも見応えがあるものなので、絶対に全部見ていただきたいですね!

▼『ヴァルキリープロファイル -レナス-』には、美麗なムービーも追加。PS版しか遊んだことがない方は、新鮮な気持ちでプレイできると思いますよ。



決められた期限内に英雄たちの魂を収集&育成

プレイヤーはレナスになって、物語の舞台となるミッドガルドに降り立ちます。

本作の物語は、全部で8つのチャプターに区切られています。さらに各チャプターはピリオドと呼ばれる時間単位が設定されており、都市やダンジョンに入ることで消費。

すべてのピリオドを使い切るチャプター終了です。

▼メニュー画面で、チャプターを任意で終わらせることも可能です。



まずはレナスの力を使ってエインフェリア候補のいる街の名前や、ダンジョンの情報をゲットしましょう。

ミッドガルドの上空を移動して特定の街に行くと、エインフェリアごとのイベントが発生。イベント終了後、そのキャラクターを仲間に加えることができます。

▼街に入ると、すぐにイベントに。エインフェリアがいないときは、街の様子を見ることができます。



最終決戦と言うだけあって、神界での戦いはかなりシビアなもの。

加入したままの状態のエインフェリアを送っても、活躍するどころか死んでしまうことも……。

肉体も死に、神界で魂も死ぬなんて過酷すぎますよね。

それを阻止すべく、ダンジョンでレベルを上げたり、装備を整えたり、強化してから送り出す必要があるのです。

▼エインフェリアを探す、鍛える、神界に送るというのがピリオドごとの流れとなります。



本作の特徴の一つとして、ショップという概念がありません。

必要な回復アイテムや防具などは、道具生成で全て作っていくことになります。道具生成には「マテリアライズポイント」が必要になり、強力なものほど必要なポイントも多くなっていきますよ。

加入したばかりのころは何も装備していないなんてこともあるので、きっちり装備は見直してあげてください。

▼「マテリアライズポイント」は不要なアイテムを交換したり、神界に貢献したりすると入手できます。



英雄の死が教えてくれる生きる意味

仲間になるエインフェリアたちとは、みんな死ぬ間際に出会うことになります。レナスはそれを見守ったり、ときに願いを叶える助力をしたりしつつ、魂を集めていくことに……。

▼チャプターごとに登場するエインフェリアやダンジョンは、難易度や出現パターンによって変化します。特定の難易度出なければ、たどり着けないエンディングも……。



彼らは強い願いや譲れない信念を持っていて、最期の瞬間はどれもグッと来るものばかり

もっと長生きしてほしいと思う良い子も、自分に正直に生きた人も、死んでいく命をただ見ているしかできないヴァルキリーの宿命を追体験できるのです。

レナス自身は淡々と任務をこなしていますが、見ているプレイヤーは彼らを通して生きることの意味を見つめ直せる気がします。

▼エインフェリアの出身地はさまざま。中世ヨーロッパ風の国もあれば、日本に似た国もあります。



ちなみに仲間のモーションは凝っていて、よく動くのもポイント!個人的に最初に仲間になるジェラードの動きがかわいくて、終盤までずっとパーティに入れてしまいます。

性格も生い立ちも個性的なメンバーが多く、お気に入りのエインフェリアがきっと見つかると思います。

声優陣も東地宏樹さん、佐々木望さん、子安武人さんなど、とっても豪華!

彼らの名演技が、エインフェリアたちの生き様をよりドラマチックなものにしていますよ。

▼作中で聴いたボイスは、ライブラリのボイスコレクションに追加。ジェラードの「万死に値するぞ」のセリフが好きすぎて、何度も聞いてしまいます。



ダンジョンに潜む悪しき者たちに挑め

バトルに参加できるのは、レナスも含めて4人まで。前衛3人、後衛1人という配置になり、後衛は弓または魔法タイプしか攻撃できないので注意しましょう。

▼ひし形に配列され左と真ん中の3人が前衛、右の1名が後衛になります。タイプや特技によって、一定時間攻撃できなくなるキャラクターも。バランスよく、パーティを組みましょう。



ダンジョンは、横スクロールタイプ。しかし奥行きがあって、扉の奥に進んだり、手前のフィールドに戻ったり、いろいろなエリアを探索しながら進んでいくことになります。

ダンジョンにはさまざまなギミックがあり、剣を振るってものを壊す、晶石(氷柱)を出して足場を作る、ジャンプで障害を乗り越えるなどのアクションが必要!

アプリ版はタップやスワイプだけで移動やアクションができてとっても手軽なのですが、二段ジャンプなどシビアな動きが求められる場面では操作に苦戦することも

正直なところ、シビアなシーンではスマホ用のコントローラを使うことをおすすめします!

いっそ、大きめのタブレットを使って、コンシューマ感覚で遊ぶのもよいと思います。

さすがは2018年のスマホゲームということで、PS版は言わずもがな、2006年に発売されたPSP版よりも圧倒的に高解像度できれいなゲーム画面を楽しめますから!

▼通常では進めないような場所も晶石を使うと、進めるようになります。また晶石を直接的に当てれば、一定時間足止めさせることも可能です。



ダンジョンには、さまざまな敵が待ち受けています。シンボルエンカウント式で、剣を振って攻撃をすれば確実に先制攻撃ができ戦闘が有利に! 

敵と味方のターンが交互に訪れます。画面下に表示されるパーティメンバーの名前をタップすると、そのキャラクターが敵に攻撃。全員の攻撃が終わったら、ターン終了です。

操作に不自由は感じませんが、ここでもスマホ用コントローラがあると、よりオリジナル版のプレイ感覚に近い遊び方ができますよ。

さて、本作には仲間全体が共有する「テクニカルアーツ・エナジー」という要素があります。これは仲間の攻撃を途切れさせることなくコンボを繋いでいき、100まで貯めるとコンボ参加者1名の必殺技を使えるというシステム。

必殺技はどれも強力で、キャラクターの決め台詞も印象的なものばかり。パーティ編成でコンボの練習もできるので、ベストの組み合わせを見つけ出してください。

▼「テクニカルアーツ・エナジー」は、コンボが途切れると0に戻ってしまいます。次のターンに持ち越せないので、しっかり100までコンボを伸ばせるようにしていきたいところ。



各ダンジョンには、神々と敵対する邪悪な存在が潜んでいます。それらを倒すと、アーティファクトと呼ばれる秘宝を入手することが可能です。アーティファクトは強力な武器やアイテムなのですが、実はオーディンの所有物。

神界に返却するか、そのまま自分のものにしてしまうか任意で選ぶことができます。

自分のものにしてしまった場合、レナス専用のパラメータである「評価値」が減少。

この「評価値」が一定以下になってしまうと、女神・フレイ様からキツイお仕置きを受けることに……。

この「評価値」はほかのエンディングにも関わってくるので、数値に気を配る必要があります。

▼ダンジョンのボスのセリフには、考えさせられるものも。ちなみに「評価値」は挽回のチャンスがあるので、アーティファクトは全部いただいてしまっても何とかなったりします。



誰を神界に転送すべきか……。気分は中間管理職

強くなったエインフェリアは、各チャプターで2人まで神界転送することができます。

ただし一度送ってしまったキャラクターは、どの後パーティに加えられなくなるのでご注意を!

各キャラクターには「戦闘スキル」、「技術スキル」、「人間特性」という3つの能力があります。

これらの能力は、レベルアップ時に使用できるCP(キャパシティポイント)によって強化可能。

「戦闘スキル」はその名前の通り、バトルで使用できるスキルのこと。修得すると、キャラクター固有の行動もできるようになります。

「技術スキル」は交渉や戦術理解など、神界で活躍できる能力。チャプターが進むと特定の技術スキルを持つエインフェリアを派遣するように依頼されるので、ここで能力を強化しましょう。

ちなみに、戦闘にはあまり効果はありません。

「人物特性」は、各キャラクターの性格にかかわる要素。神界に転送するには決まった「勇者適正値」を満たす必要があり、「博愛」や「俊敏」などの長所を伸ばし、「冷徹」、「心配性」などの短所を減らすことで適正値を高めていくことができます。

何を伸ばし、誰を神界に送るのか……。自分の趣味と神界の事情の板挟みになり、気分は中間管理職です。

▼CPは限りがあります。メインパーティで使いたいキャラは戦闘スキル、エインフェリアとして送り出すキャラクターは技術スキル&人物特性など使いどころが大事。



各チャプター終了後、神界フェイズとなります。そこでフレイアからレナスの評価を聞いたり、エインフェリアたちの活躍を確認したりすることが可能です。

神界フェイズで神々の戦況を把握しつつ、最終決戦に備えていきましょう。

▼レナスの行動によって、神々の戦いの行方が変化します。



アプリ版にはプレイに役立つ追加コンテンツが用意されており、これまでの機種では難易度的に詰まってしまった人でもクリアしやすくなっています。

まだ遊んだことがない方はもちろん、久々にレナスに会いたくなったという人にもオススメですよ。

▼有料コンテンツとして、「獲得経験値3倍」や「敵への最終ダメージ2倍」、「状態異常防止」などを購入できるので、とても遊びやすくなっています。
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ヴァルキリープロファイル VALKYRIE PROFILE ・販売元: SQUARE ENIX Co., Ltd.
・掲載時のDL価格: ¥1,800
・カテゴリ: ゲーム
・容量: 1,044.6 MB
・バージョン: 1.0.1

©1999, 2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
Original version developed by tri-Ace Inc./Character design : PRODUCTION I.G

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