【FGO】謎特異点Iにはリアル脱出ゲーム初の大仕掛けが。塩川氏×加藤氏の対談をレポート

アプリFate/Grand Order×リアル脱出ゲーム「謎特異点I ベーカー街からの脱出」のメディア向け体験会が東京公演の前日となる5月10日(木)に開催されました。

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メディア体験会終了後、FGO PROJECTクリエイティブプロデューサー・塩川洋介さんとSCRAP・加藤隆生さんによる座談会が実施。

この記事では、「謎特異点Ⅰ」の誕生経緯やお2人の本作にかける思い、裏話などが語られた座談会の模様をお届けします。

▼塩川洋介さん(写真右)と加藤隆生さん(写真中央)。
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公演開始直前まで内容をブラッシュアップ

塩川さんが好きで始めたという本プロジェクト。塩川さんは、どれだけの人に脱出ゲームに興味を持ってもらえるか不安があったそうですが、公式サイトで公開されている「お試し謎」の反響や東京公演のチケットが完売したことを受けて、とても安心したと公演直前の心境を明かしました。

▼通常、プレゼントキャンペーンなどを達成した後は回答数が伸びないそうですが、『FGO』の場合は目標正解者数51,100に対して5月10日時点で92,120まで増えています。
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リアル脱出ゲームは「1つの空間をお客さんと一緒に作っていくもの」と加藤さんは表現。初日に最高のものを提供しつつも、その場の空気によって変化を見せ、スタッフの立ち居振る舞いも日々変わっていくといった例を挙げ、どこかアプリゲームに似ている部分があると指摘します。

塩川さんは何度も公演を体験したそうですが、日々のブラッシュアップを実際に体感したとのこと。加藤さんによると、メディア体験会の直前にも、スタッフ間で「もっとこうしたほうがよくなる!」と議論が行われていたそうです。

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お客さんが来場した後、開演のギリギリまでもっとよくしていこうとするチームが作成した本脱出ゲーム。筆者もすでに体験しましたが、本当に素晴らしい内容でした。『FGO』もイベント開催のギリギリまでクオリティアップのための調整が行われていますが、このエピソードを聞いて、脱出ゲームも間違いなく『FGO』の一部なのだと感じました。

『FGO』×リアル脱出ゲームの成り立ち

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2017年夏に初めてリアル脱出ゲームを体験したという塩川さん。

実際に体験する前は、「クイズ的なものなのだろう」と若干甘くみていたそうですが、ストーリーと空間演出と謎解きの一体感、謎の落ちとストーリーの落ちのリンクに感動。それをきっかけに今回のコラボレーションが動き出しました。

初体験以降、キットを使うものや赤い部屋に閉じ込められるもの、遊園地で行うものなど、さまざまなリアル脱出ゲームを体験しながら、『FGO』であればどんな形に落とし込むのがいいかと考えたそうです。

コラボの話が出てきた当時、加藤さんはまだ『FGO』を遊んでおらず、社内で遊んでいる人がいた関係で名前だけは知っている状態でした。

コラボをきっかけにダウンロードをしてみたそうですが、単なるソーシャルゲームではなく、インタラクティブな物語をデジタルで楽しむ新しい形態なのではないか、その体験を脱出ゲームの空間に落とし込んだ時にどのようなものが生まれるか、ワクワクしたそうです。

ちなみに加藤さんは、ゲーム開始後の最初の10連召喚で「マーリン」を当てたとのこと。そのことを周りに報告したら、途端にざわざわしだし「それはつぶやかないほうがいいですよ」と社内のプレイヤーに指摘されたそうです。

その後、次の日にもう一度10連召喚を回したらまたマーリンが出たエピソードも語ってくれました。

『FGO』の現実世界とのリンクはリアル脱出ゲームを参考に

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リアル脱出ゲームのおもしろさの本質は、『FGO』であれば制限時間の60分の間、ロンドンで自身がマスターになって謎を解く、そういったシチュエーションに放り込まれるところ、物語の体験に謎がツールとして使われているところだと塩川さんは語ります。

加藤さんは、新しい体験には感情がつきまとうとコメント。大人になってから謎を解くために走り回る、謎が解けなくて憤る、そのような感情が生まれる体験は宝物であると表現しました。

その構図は『FGO』と近いと塩川さん。2017年末にカルデアのWebサイトにアクセスできなくなった事件について触れ、現実世界で生きている我々が現実も含めて『FGO』をどう楽しむか。

『FGO』を遊んでいるすべての人をその空間にいざなうやり方など、リアル脱出ゲームを参考に考えられたそうです。

リアル脱出ゲーム初となる大きな仕掛けも

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塩川さんは、『FGO』を知らない人、もともと好きな人、謎解きゲーム初体験の人、多数プレイしたことがある人、そんな人たち全員が楽しめるか、そして『FGO』が好きな人に「マスターになれた」と感じてもらえるか気にしていたそうです。

しかし、本脱出ゲームの見どころについて問われると、「マスター体験をして帰っていただけるところ」とコメント。前述の気になっていた部分すべてが満たされているという自信をのぞかせました。

▼『FGO』を知らない人にも、リアル脱出ゲームで必要な知識が事前に説明されるので安心。
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加藤さんは本作の魅力と特徴について、ギリギリまでバランスを調整した結果による絶妙なバランスとコメント。謎解きが好きな人でも楽しめて、『FGO』好きはただただ楽しめると表現しました。

さらに、ネタバレになるので詳しく書けませんが、リアル脱出ゲーム初の大きな仕掛けが用意されていることも説明。実際に体験した筆者の感想をお伝えしておくと、「そうきたかー」とただただ脱帽する次第です。

この大きな仕掛けに気づけていたら、もっともっと感動できただろうなぁ……と、一歩及ばなかったことを嘆くばかりです。

ちなみに、大仕掛けのアイデアを思いついたのは公演の二週間前だったとのこと。加藤さんは、大きな変更に対応したスタッフを賛賞しつつ、苦労するに値する内容になったと満足な様子でした。

謎特異点IIなど、気になる今後の展開は?

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トークテーマは「この先目指したいこと」に移行。塩川さんは、II、IIIと続けて作りたい意思を明かしました。

塩川さんの頭の中では、キットを使ったり、街の中で開催したりとSCRAPと一緒にやりたいことがすでにいろいろあるようです。さらに「ベーカー街からの脱出」になる前の案が50個あった裏話を公開し、あと50回できると冗談を交える場面も。

それを受けた加藤さんは、「そんなことを急に言われても」と苦笑い。

可能性と高い期待度を感じているそうですが、空間に落とし込む時には新しい発明が必要だと冷静に分析。街を歩く場合は、『FGO』と街を歩く行動をどう組みわせるか。80点の期待値に対して100点、200点をとって満足してもらわなければいけないと、そう簡単には生み出せないことを説明していました。

脱出ゲームも『FGO』の1つのゲームプロジェクト

最後に加藤さんと塩川さんから、これからリアル脱出ゲームを体験するマスターにメッセージが送られました。

加藤さん:開演直前まで本気の痴話喧嘩(内容をよくするための議論)がおこっていました。最後の最後までよくしようと作ってきたので、ぜひ遊んでほしいです。

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塩川さん:今回のタイトルは自分が言い出して、多くの人の力を借りて進めてきたものなので、今日を迎えられてうれしいです。『FGO』の1つのゲームプロジェクトと思い、TYPE-MOONさん含めて『FGO』のコンテンツを作る時と同じ気持ちで作りました。

『FGO』を未プレイの人は、これが『FGO』だと思ってスマートフォンでも遊んでほしいですし、アプリをプレイしている人は、リアルの世界でも『FGO』を楽しめることをぜひ体験してほしいです。

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先行体験のプチ感想

リアル脱出ゲームがどう素晴らしかったかは別の記事で述べられているので省略しますが、本作にはとあるサーヴァントの内面に深くかかわる場面もあるので、全『FGO』ユーザーに体験してほしい内容だと強く感じました。

▼ちなみに筆者のパートナーサーヴァントはエリちゃんでした。裏面にもいろいろ書いてありますよ。
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おざなりなコラボレーションではまったくなく、間違いなく出会いと別れの物語である『FGO』の新作でした。エンドロールが流れたあとは自然と心からの拍手をしている自分がいます。

▼上映されるストーリーはすべてフルボイスで展開!
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6人1チームということで知らない人と組むのに若干の抵抗がありましたが、そこは『FGO』やリアル脱出ゲーム好きが集まる場。ひとたび言葉を交わせば、昔からの知り合いのように話題が途切れることはありません。

筆者と同じように少人数や1人での参加に抵抗がある人は、ぜひ気軽に参加してみてください。好きなサーヴァントは誰か、脱出ゲームはよくプレイするのか、そんな質問を投げかければ、すぐに打ち解けあえるはずです!


そして最後に、本作は謎の性質上、絶対に一度きりの体験となります。どうか真剣に、どんな小さな違和感も見逃さず、謎を解明してください。絶妙なバランスなので、ゲームをクリアできないと本当に……本当にくやしいですから!

謎特異点IIが開催されるまで、仕事用のPCに「証明失敗」ステッカーを貼って謎を解けなかった自分を戒めたいと思います。

60分間でこんなに一喜一憂したのはいつ以来でしょう。控えめに言って、最高の体験でした。

▼会場で販売されているステッカーに「証明失敗」が収録されています。さっそくペタリ。

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Fate/Grand Order ・販売元: Aniplex Inc.
・掲載時のDL価格: 無料
・カテゴリ: ゲーム
・容量: 199.2 MB
・バージョン: 1.39.2

(C)TYPE-MOON / FGO PROJECT

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