15年続く老舗シリーズ最新作『アルテイルNEO』インタビュー。ゲームテンポはCBTの2〜3倍に!
約15年におよぶ歴史を持つ老舗デジタルカードゲーム『アルテイル』。
「ドローがない」「フェイズが対戦相手と同時進行」など他のカードゲームにはない戦略性の高いシステムが特徴の本シリーズのスマートフォン版『アルテイルNEO』の配信が迫ってきました。
本作の開発ディレクターで、本シリーズでの名物ゲームマスターでもある「GMクロスオーヴァー」さんに、開発秘話やクローズドβテスト(以下CBT)の反響、リリース後の展開などをお聞きしました。(文:マギマギ)
▼PC版時代からゲームに携わってきたGMクロスオーヴァーさん。

コンセプトは、PC版『アルテイル』をスマートフォン版で完全再現すること
ーーまずはGMクロスオーヴァーさんの役職などを教えてください。
私の役職は開発ディレクターで、具体的には進捗管理やゲームバランス、カードイラストのチェックなど総合的な監修をしています。
あとは運営のサポートですね。開発と運営のチームは別なのですが、『アルテイルネット』のときからGMとして運営も行っていましたので、そのノウハウを活かして運営リーダーにアドバイスをしています。
ーー『アルテイルネット』時代から開発・運営に関わられているのですね。『アルテイル』シリーズはPC版カードゲームではかなり長いタイトルだと思うのですが。
そうですね。2003年の11月からCBTが始まって2004年の7月から正式サービスしましたので、もうすぐ15年になります。
PC版で遊んでいるユーザーの方からもスマートフォン版の『アルテイル』を期待しているという要望が出てくるようになりました。
ユーザーの方の声に後押しされたこともあり、開発に着手したのがちょうど2年前になります。
ーー開発はかなり前から始まっていたのですね。
ええ。本シリーズのユーザーの方にとって期待の大きいタイトルだと思っていたので、失敗はできないというプレッシャーから開発には時間をかけました。
スマートフォン版にするにあたって、もっとカジュアルにした方がいいのではないかと一時期試行錯誤したのですが、弊社代表取締役の宮本から「一度PC版を完全再現してみよう」という意見が出て、そこから現在の『アルテイルNEO』の本格的な開発がスタートしたという感じですね。

ーーPC版の完全再現となると、新規ユーザーにとってはルールが難しく感じる可能性がありますよね。
確かにそうですね。ですが、ユーザーの方が『アルテイル』に求めていることは、簡略化することではないのではないかと。
やはり本作の面白さは戦略性にあるのだから、複雑なルールですがあえて完全再現する形をとりました。
ただ、ルール説明などを充実させて新規ユーザーの方もプレイしやすいようにする、という点は念頭に置いて開発は進めました。
ーーなるほど。PC版の完全再現ということですが、PC版のシステムは全部プレイできるようになっているのでしょうか?
おかげさまでPC版の要素はリリース時で7~8割は組み込めています。
まだ組み込んでいない主なシステムは、観戦とリプレイ機能ですね。CBT時の改善を最優先にしたいと思っていたので、この2つの機能はリリース後にすることにしました。
数ヶ月以内にはアップデートで実装させて頂く予定なので、楽しみにしていただければと思います。

ーーあとギルドなどは実装されるのでしょうか?
リリース前にギルドを実装しようという案もあったのですが、メッセージが送れるなどコミュニケーションがしっかり取れるツールを作りたいと思っていたので、リリース版には組み込まれていません。
こちらもリリース後、遠くないうちに実装したいなと考えており、今は詳しく言えないのですが、変わったギルド機能を入れたいと思っています。
実装当初には入っていない機能ですが、将来的にはギルド間の大会とかもできたらいいですね。
CBTの最大の課題はバトルのテンポ!
ーーCBTの反響はいかがでしたか?
概ね好評でしたが、さまざまなご意見もいただきました。主なご意見・ご要望に関するフィードバックは公式サイトに掲載していますが、その中で一番多かったのがバトルの部分ですね。
いわゆる一般的なスマホ版のカードゲームに比べてルールが複雑な分、テンポが少し悪かったという点が、頂いた意見の半数を占めていました。

残りはデッキ編集のユーザーインターフェイス、カードバランス、 そしてチュートリアルですね。

ーーやはりPC時代からの本シリーズのユーザーが多く参加していた感じでしょうか?
SNSを見ているときは、継続してプレイしているユーザーの方だけではなく、昔遊んでいたけど離れてしまったユーザーの方なども多く参加している感想を受けました。
実際の参加数を見てみると、新規ユーザーの方も多く参加していただいており、「アルテイルを完全再現する」という方向性に手ごたえを感じております。
リリース版はCBTの意見を最大限に大幅改善!
ーーCBT版とリリース版ではどのような点を変更されたのでしょうか?
CBTのご意見でいただいたバトルのテンポに関しては、リリース版ではエフェクトのスピードを縮めたり、ユーザーの方が見ているだけだった「リバイブフェイズ」を減らしてフェイズを3つにしたりすることで、CBT版よりも2~3倍早くなっていて、PC版と遜色ないくらいの速さで遊べるようになっています。
具体的にはワンゲーム20分くらいかかっていたのが10分ほどぐらいにはなりました。私も初めて見たときは感動しましたよ!

ーーCBTのチュートリアルはかなり短かったのですが、こちらも変更されるのでしょうか?
チュートリアルについては、どうするのか開発でもかなり議論になりました。
本作はルールが複雑なので全部説明してしまうとボリュームが膨大になり、新規ユーザーの方がその時点で離れてしまうという懸念がありました。
ですので、あえてチュートリアルは短くして各ルールを詳しく説明する「プラクティスモード」をプレイして覚えてもらおうと考えていました。
今回のCBTではプラクティスモードが実装されないまま、簡素なチュートリアルのみでしたので、ルールが良くわからないまま遊ぶことになってしまったのは良くなかったと反省しています。
リリース版では、チュートリアルをCBTのもとより1.5~2倍のボリュームにして、プラクティスモードも実装しますので、よりルールが分かりやすくなるかと思います。
また、プラクティスモードをすべてクリアしたあとに、バトルを一通り見られるオートプレイのようなものを追加したいなと考えています。こちらはリリース後の実装になる予定です。

カードのスキルやルールなどの難しい箇所に関しては、ツイッターなどのSNSを上手く使って、運営側でもしっかり解説できたらいいなとも考えています。
リリース後は公認大会やリアルイベントなども充実予定
ーーリリース後にゲーム内で大会などは開催されるのでしょうか?
ゲーム内では3ヶ月ごとにポイントを集計するランキングバトルを実施します。それ以外にもユーザーの方がどなたでも気軽に参加できる企画も年に2回くらい開催する予定です。
ーーさっそくながら、10月28日にはリアルイベントを開催予定ですよね。
そうです。「アルテイルネット」の頃からリアルイベントではユーザーの方が予期しないゲストをお呼びしたりしておりましたが、『アルテイルNEO』でもその路線で、リアルイベントを行っていく予定です。
リアルと言えば、私たちGMとの対戦も考えています。『アルテイル』時代にも耐久バトルなども開催していたので、生放送で24時間耐久バトルなどをやれたらおもしろいかなと思っています。
ただ、いろいろと調整が必要ですし、自分ももうベテランの年齢ですので、体力が持つか分かりませんが(笑)。
ーー『アルテイル』シリーズでは、よくユーザー主催の公認大会を開催されていたそうですが、今作でもそういった大会はできるのでしょうか?
『アルテイル』は、「みんなで創るアルテイルプロジェクト」を実施しているように、「ユーザーの方と一緒に創っていく」というコンセプトのもとで開発・運営をしているので、今作もユーザーの方が主催する大会を公認大会にすることは主軸の1つと考えています。
ゲーム内には組み込めなかったのですが、外部サイトを通じてトーナメントなどを申請していただければ、公式の方で公認大会として認定して賞品などを提供させていただくシステムを今企画している最中です。リリース後、近いうちに開始できると思います。

『アルテイルネット』時代でも、実際クリスタルトロフィーやマグカップなどよく賞品としてお渡ししてきました。
リアルで手に入るノベルティというのは例えゲームがなくなってしまったとしても楽しい思い出として残ります。ゲームだけでなく、リアルでも楽しんでもらうことも大事にしたいですね。
近いうちに海外のユーザーとも対戦できる!
ーー『アルテイル』は海外でもプレイできたそうですが、スマートフォン版でも海外での配信をお考えなのでしょうか?
日本版がリリース後に繁体字版、英語での北米版がリリース予定です。PC版ではサーバーが海外とは別で、カードの内容も若干異なっていたました。
ですが『アルテイルNEO』では、日本と同じ環境で海外のユーザーの方とも一緒に遊べるということを目指していまして、将来的には1つのサーバー上で日本語版、繁体字版、英語版と、それぞれのユーザーの方が同時にプレイするようにしたいと考えています。
さまざまなユーザーが参加して『アルテイル』を一緒に創って欲しい
ーー続いて、「みんなで創るアルテイルプロジェクト」についてお聞きします。公式サイトでもユーザー参加型の企画がたくさん記載されていますよね。例えば、「シーズンチャンピオンになるとカードをデザインする権利が与えられる」可能性もあるという部分は、個人的にかなりユニークだと思ったのですが。
3ヶ月に及ぶバトルで優勝するなら夢のある賞品にしたいと思って提案させていただきました。
なにより「みんなで創るアルテイル」という名前の通り、ユーザーの方とともに『アルテイルNEO』を作っていく、という姿勢の表れでもあります。
もちろんゲームが上手くなくても例えばイラストが描けるなら「イラストコンテスト」、世界観が面白いので自分の手で創ってみたいと思うなら「フレーバーコンテスト」みたいに、ユーザーの方が参加できる範囲を広げて一緒に創っていきたいと考えています。
二次創作が公式になるような、そんなコンセプトでゲーム中に反映できればいいなと。
ちなみに二次創作については最低限のガイドラインは設けさせていただきますが、こちらとしては大歓迎です! むしろ『アルテイル』を知らない方々にどんどん広めていっていただけると、とてもうれしいですね。
ーー声優オーディションにもツイッターで簡単に参加できるので、参加者も多いと思いますが、いかがですか?
今回は2回目なのですが、1回目の声優オーディションはかなり盛況で、最終的には数百名の肩に参加いただきました。多分今回はもっとご参加いただけるのではないかなと。
今後も声優オーディションはエキスパンションが追加されるごとに開催していこうと思いますので、ぜひ幅広いユーザーの方のご参加をお待ちしております!
▼10月16日が締め切りとなる、Twitterでの声優オーディション。今後も第3回、第4回と、定期的に行うことを検討しているそうです。
第二回声優オーディション開催
オーディション用セリフはこちらです‼️
お一人様1回までの投稿で、どちらかまたは両方のセリフを動画で送ってください
ご質問ある方はDMでお願いします
詳しくはこちらhttps://t.co/aysNYos8JF#第二回アルネオCVオーディション #みんなで創るアルテイル pic.twitter.com/CO1ue4Habe— アルテイルNEO公式 (@alteilneo) 2018年10月2日
『アルテイル』の魅力は「あたたかいコミュニティ」
ーーGMクロスオーヴァーさんが考える『アルテイルNEO』の魅力について教えてください。
『アルテイルNEO』 は、ドローがなくデッキがすべて手札であるということ、また、ププレイヤーのフェイズが同時進行するなど運に左右されないシステムを採用することで、非常に戦略性の高いカードゲームとなっています。
どのカードを使うか、あらかじめ決めてデッキが組める本作において、自分はどういった戦略を取るのか、相手の考えた戦略をどう返していくのか。他のカードゲームにはない楽しみ方をご提供できると思います。

なにより『アルテイルNEO』ではユーザーの方を大切にしたいと考えています。本作自体、ユーザーの方からのスマートフォン版を出して欲しいという強い要望から生まれたもので、個人的には「アルテイルネット」のバージョンアップとして考えていますね(笑)。
「アルテイルネット」の運営の時と同じく、『アルテイルNEO』でもつねにユーザーライクに開発・運用していきたいと考えています。
ネット対戦のカードゲームは対人戦がメインとなるため、勝ち負けがはっきり着き、どうしてもギスギスしやすい面があるとは思います。
負けが続いたり、嫌な思いが重なればすぐにユーザーの方は離れてしまうと思いますので、『アルテイル』は、コンテストやイベントなどさまざまなユーザーの方が参加しやすい「あたたかいコミュニティ作り」に力を入れて、「プレイして良かったな」「これからも遊びたいな」と思えるような遊びやすい環境を提供していこうと努力していく次第です。
ーー最後に、配信を楽しみにしているユーザーにメッセージをお願いします。
CBTではさまざまな意見をいただきましてありがとうございました。長らくお待たせしてしまったぶん、ユーザーの方のご意見を反映できたアプリになったと思います。

昔から『アルテイル』シリーズを遊んでくれているユーザーの方のみならず、『アルテイルNEO』から始めるユーザーの方も同じく楽しめるように開発しておりますので、リリースされた際にはぜひ1度プレイしていただければと思います。
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・販売元: Coreedge Inc. ・掲載時のDL価格: 無料 ・カテゴリ: ゲーム ・容量: 297.3 MB ・バージョン: 1.0.1 ※容量は最大時のもの。機種などの条件により小さくなる場合があります。 |
※この記事の情報はCBT時点のもので、正式サービス時には仕様・バランスなどが変更となっている場合があります。
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