【あおガルシナリオ集】現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」
2019年1月31日にサービス終了を迎えるスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」を紹介します。
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第1話「破られる平穏の時」
ーーレッスン場
●麗華
ワン、ツー。ワン、ツー……!
はい、ストップ。
愛美、動きが大振り。
琴音は動きをもう少しはっきりと。
●琴音
は、はいっ……。
●麗華
千尋、フラフラしない。
ひなた、転びかけてたでしょ、気を付けて。
●ひなた
は、はいっ!
●千尋
や、やっぱりバレてたかあ……。
●麗華
あと、和歌はひなたの方ばかり見ない。
●和歌
そ、そんなに見てたわけじゃ……
いえ、見てました。すみません。
●愛美
ぜぇ、ぜぇ……さすが、元ヴァルプロメンバー。
スパルタね……。
●琴音
はぁ、はぁ……そうだねえ。
でもなんだかちょっとだけ、上手になった気がするかも。
●ひなた
うん! あたしもそう思う!
やっぱり麗華さんにレッスン見てもらうと上達が早いよね!
●千尋
でも、麗華ちゃんはいいの?
わたしたち5人を一度に見るの、大変じゃない?
●麗華
自分の練習ついでに見てるだけよ。気にしないで。
●プロデューサー
ありがとう。
●麗華
お礼を言うより、あのギャラリーをどうにかしてもらえない?
気が散ってしょうがないんだけど。
●生徒A
うわ……やっぱり、黒瀬麗華だ!
●生徒B
『Twinkle☆Star』が、
黒瀬麗華のプロデュースユニットって本当だったんだ……。
●ひなた
すごい人だかりだね……!
この人たち、みんなあたしたちの練習を見に来たのかな?
●琴音
目的は私たちじゃなくて、麗華さんだと思うけど……。
●和歌
流石にこう何度もお願いしていると、
噂が広がっちゃったわね……。
●ひなた
でも、なんでわざわざ練習に?
麗華さんが目的ならライブを見ればいいのに……。
●麗華
わたし、ここしばらくライブしてないの。
現状、どの学プロにも属してないから。
●ひなた
えっ、そうなの?
どうして?
●麗華
え、いや……それは……。
●ひなた
あっ! じゃあうちの学プロはどうかな?
麗華さん、あたしたちと一緒にやろうよ!
●麗華
わたしが……?
●愛美
ヴァルプロ元メンバー所属となれば、話題性は十分……。
まぁ、私はそれ以上にもっと輝いてみせるけど?
●琴音
麗華さんのレッスン、とっても大変ですけどわかりやすいですし……。
●千尋
麗華ちゃんが来てくれたら嬉しいなぁ。
ケーキ、5等分より6等分の方が分けやすいもんね。
●和歌
いや、それはアイドル関係ないでしょ。
●麗華
……ありがとう。
お世辞だとしても嬉しいわ。
でも、ごめんなさい。
私は学プロに所属する気は無いの。
●ひなた
え? それこそ、なんで……。
●???(アリス)
呆れましたわ。
あの噂、本当だったのですわね。
●ひなた
えっ、誰?
●???(アリス)
こんなところで赤の他人の面倒を見ているなんて……。
何様のつもりなのです、黒瀬麗華。
●麗華
…………。
●千尋
あの子、誰かな?
麗華ちゃんのお友達?
●和歌
そういう雰囲気には見えないですけど……。
●琴音
あ、あの人凄く怒ってるみたいですね……。
●愛美
……やっぱりあの人、間違いない。
●ひなた
愛美ちゃん、知ってるの?
●愛美
土方アリス……現ヴァルプロのNo.5よ。
●ひなた
ええっ!?
●和歌
……このパターン、前にもなかった?
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第2話「胡散のかおり」
ーーレッスン場
●麗華
……ところで、なんの用なの?
●アリス
ヴァルプロを辞めた後、どの学プロにも入らなかった野良アイドルが、
どうしてるのかなって思いましたのよ。
そうしたら、格下のアイドルグループをプロデュースしてるって
噂を聞きつけたものですから、からかいに来てあげたのですわ。
●麗華
……あいにくだけど、プロデューサーはこの人よ。
わたしには何を言ってもいいけど、この子たちを巻き込むのは止めて。
●アリス
あら、随分優しいのですわね。
……勝者の余裕というものかしら?
悪いですけど、今の貴方ではワタクシには勝てませんわ。
ヴァルプロの重圧から逃げた貴方には。
●麗華
だとしたら、わざわざ会いに来る必要なんてないでしょう。
あなたはあなたのところで、実力を発揮すればいい。
●アリス
いちいち勘に触りますわね……。
あれでワタクシに勝ったと思わないことですわよ!
●千尋
あれが、麗華ちゃんに代わってNo.5になった子……?
●和歌
なんか、麗華さんに対抗意識むき出しね。
どうしてなんだろう。
●琴音
さ、さぁ……。
●ひなた
でも、会いにきたってことは麗華さんを探してたんじゃないかな?
きっと、麗華さんが好きなんだよ!
●アリス
好きじゃありませんわ! 勘違いしないで!!
●ひなた
ひゃぁっ!?
●アリス
フンッ、今日のところはもういいですわ。
だけど……。
●麗華
だけど……?
●アリス
やっと新しく活動を始めたのかと思ってたのですけれど、
まだ引きずってるみたいですわね。
もういい加減割り切って、忘れたらどうですの?
●麗華
…………。
●アリス
前のユニットを見捨てて出ていったのは、貴方自身なのに。
心残りのままこの子たちの面倒を見るなんて、
かえって失礼ではないかしら。
●麗華
あなたには関係ないわ。
●アリス
そうね、確かに関係ないことですわ。
……余計な口出しでしたわね。
それじゃ、失礼しますわ。
●麗華
……はぁ。
ごめんなさい、みんなの邪魔をして。
●ひなた
あの……麗華さん。
あの人とどういう関係なの?
●麗華
……あの子とわたしは、ずっとライバルだったの。
わたしがヴァルプロでNo.5だった頃、
あの子とNo.5の座を争っていたから。
わたしがヴァルプロを辞めた後、あの子がNo.5になったわ。
だけど、彼女はそれが気に入らないみたい。
●ひなた
気に入らないって……どうして?
●麗華
さぁ。
顔を合わせても、いつもこんな感じになってしまうの。
●愛美
それって、繰り上げでNo.5になったのが
気に入らないってことなの……?
●麗華
あの子にも、十分な実力があるわ。
……だけどそういうと、いつもなぜか怒ってしまって。
●千尋
褒めるのに怒るの?
不思議だねぇ……お腹空いてるのかな?
●和歌
そういうことじゃないと思いますけど……。
●ひなた
そういえば……
あのNo.5の人が「前のユニット」って言ってたけど、
それって、麗華さんが以前に所属してたユニットのこと?
●麗華
……ええ、そうよ。
●ひなた
麗華さん、前のユニットで何かあったの?
……ひょっとして、メガネのお友達と話してたことと関係あるの?
●麗華
それは……。
●千尋
……ひなたちゃん、そのへんで。
●ひなた
あっ、……ご、ごめんね。
あたしつい、変なこと聞いちゃって……。
●麗華
いいわ。
気にしてないから。
●和歌
……あの、今日はそろそろ解散にしませんか?
さっきよりギャラリーも増えて、
もう練習できる雰囲気じゃなくなってますし。
●愛美
私も賛成。
あのさ、また今度もレッスンつけてもらえる?
●麗華
……ええ、都合が合うようならね。
それじゃあ。
●ひなた
……あたし、失礼なこと聞いちゃったかな。
前にいたユニットで何かあったの、なんて……。
ーー選択肢1
●プロデューサー
大丈夫だよ。
●ひなた
……今度会った時に、ちゃんと謝らなくちゃ。
ーー選択肢2
●プロデューサー
ちょっと失礼だったかな
●ひなた
……今度会った時に、ちゃんと謝らなくちゃ。
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第3話「誠心と現実」
ーー廊下
●ひなた
プロデューサー、おはようっ!
あ!
あそこにいるの麗華さんだよね? 麗華さーん!
●麗華
……おはよう。
●ひなた
あの……えっと。
昨日は失礼なことを聞いて、ごめんね。
●麗華
いいのよ、気にしなくて。
でも……。
●ひなた
……どうしたの?
●麗華
…………。
今日からは、別々に練習しない?
●ひなた
えっ……ええっ!?
どうして、急に……?
あっ! もしかしてあたしが失礼なことを聞いたから……!?
●麗華
違うわ。
ひなたも、ひなたの友達も悪くない。
昨日は、わたしのせいでレッスンにならなかったでしょう。
これ以上一緒にいると、あなたたちの活動に支障が出るかもしれない。
これ以上、迷惑をかけたくないの。
……でも、一緒にレッスンできて楽しかったわ。
今までありがとう。
それじゃあ、頑張ってね。
●ひなた
あっ……!
どうしよう……行っちゃった……。
ーーレッスン場
●愛美
もー、ひなたもプロデューサーも遅いじゃない。
麗華がもうすぐ来ちゃうでしょ……って、なによ陰気な顔は。
●和歌
どうしたんですか?
2人とも、顔色が悪いみたいですけど。
●ひなた
うん……。
さっき、麗華さんに会ったんだけど……。
●萌
今日からは、別々にレッスンをしたいとのことでした。
●琴音
えっ……?
どうしたんでしょうか?
●千尋
なにかあったのかな?
●アリス
あら、黒瀬麗華はいらっしゃらないのですわね。……ふーん。
●和歌
土方アリス……さん。
●アリス
ようやく自分の立場がわかったみたいですわね。
悪いこと言わないから、放っておけばいいのですわよ。
●千尋
んー、わたしたちのレッスン、邪魔をするはやめて欲しいかも。
●琴音
そうです。
せっかく私たち、麗華さんのおかげで少しずつレベルアップしてきたのに。
●アリス
……下とばかり馴れ合ってても、それは逃げてるだけですわよ。
才能というものは、磨き上げてこそ意味があるのですから。
●愛美
ちょっと! それって私たちが格下ってこと?
教えても無駄だって言うの!?
●琴音
ちょっ……愛美さん、落ち着いて!
ーー選択肢1
●プロデューサー
麗華は、逃げてなんかいない。
●アリス
フン。……なら、貴方にも尋ねますが、
今の状況が黒瀬麗華にとって適切だと言えるのですか?
ーー選択肢2
●プロデューサー
今のは失礼だ、謝ってくれ。
●アリス
フン。……なら、貴方にも尋ねますが、
今の状況が黒瀬麗華にとって適切だと言えるのですか?
……それに、黒瀬麗華にはもっとケアをしなければならない相手がいますわ。
それを放り出してるから、逃げてるって言ってるのですよ。
●ひなた
え……?
それっていったい、誰のことを……?
●委員長っぽい生徒
はい、そこの子たち。
悪いけど、邪魔させてもらうわよ。
●ひなた
えっ……?
●男らしい生徒
時間いいかな。
聞きたいことがあるんだ。
●愛美
誰?
●お嬢様っぽい生徒
申し訳ございません。
黒瀬麗華さんがこちらにいらっしゃるとお聞きしまして……。
私は白拍子美雪。
『GE:NESiS』というユニットで活動しておりますわ。
●男らしい生徒
同じく、霧島理子だ。
●委員長っぽい生徒
相原希よ。
●愛美
ああ、これはどうも丁寧に。
●和歌
麗華さんならいませんよ。
……多分、もう来ないと思います。
●希
来ない……ってことは、最近まで来てたんだ。
●美雪
噂は、本当だったようですね……。
●理子
アンタたち、麗華とどういう関係?
●愛美
……私たちは、麗華さんにレッスンしてもらっただけですけど?
●美雪
レッスン……って、あなたたちをですか?
●理子
何考えてるんだ、あいつ……?
まさか本当に、アイドル活動の一線から身を引くつもりなのか?
●希
ふんっ!
こんなオママゴトみたいな学プロ相手なら、
今の麗華にはお似合いかもね!
●愛美
な、なんですって!?
●琴音
愛美さん、落ち着いてっ。
●愛美
いくらなんでも、言っていいことと悪いことがあるでしょう!
●理子
……なら、ここはライブバトルといこうじゃないか。
お互いの実力を知ってもらうためにもさ。
●愛美
望むところよ!
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第4話「裏切者」
ーーレッスン場
●理子
……この勝負、アタシたちの勝ちだ。
●希
ふん……思った通り、口ほどにもないわね。
準備運動にもなりやしない。
●愛美
す……少し、油断しただけよ……。
も、もう一度っ……!
●琴音
だ……だめだよ、愛美さん!
もう脚ガクガクで、力入ってないじゃない!
●希
言い忘れてたけど、あたしはこれでもBランクなのよ。
美雪と理子はCランク。……あんたたちには負ける気がしないわ。
●理子
意気込みだけは買うけどね。
……気合と根性だけじゃ、どうにもならないことがある。
●愛美
くっ……!
●希
なのに……
なんで麗華はあたしたちを裏切って、こんなヤツらに……!
●ひなた
裏切って……?
●和歌
すみません。
……アリスさんも昨日言ってましたが、
裏切りってどういう意味ですか?
●希
言葉通りの意味よ。
麗華と更菜は、卑怯な裏切り者……絶対、許さない……!
●琴音
そんな言い方って……。
●千尋
麗華ちゃんは、とっても優しい人だよ。
更菜ちゃん?って子のことは、あまり知らないけど……
悪い人じゃないと思う。なんとなく。
●理子
アンタたちにとって、麗華が優しい人ってことは否定しない。
ただ、アタシたちにとってもそうだとは限らないってことだ。
●美雪
……レッスン中にお邪魔してすみませんでした。
でも私たち、どうしても麗華さんにお会いしたかったんです。
●ひなた
みんな、麗華さんとどういう関係なの?
●希
あんたには関係ないでしょ。
これは、あたしたちと麗華の問題なの。
●理子
アンタ……ひなただっけ。
麗華と仲いいのか?
●ひなた
……わかんない。
でも、あたしは麗華さんのこと尊敬してるよ。
●希
麗華が元ヴァルプロだからでしょ?
あんまりブランドで人柄を測らない方がいいわよ。
後でガッカリするから。
●和歌
違います。
麗華さんがヴァルプロの元メンバーだということを、
ひなたは後から知ったんです。
●希
……なに言ってるのよ。ヴァルプロよ、ヴァルプロ。
ここの生徒なのに、ヴァルプロのメンバーを
知らないはずがないじゃない。
●アリス
頭が痛いですけど、たぶん知らなかったってのは
本当だと思いますわ。
●理子
っ? アンタ……土方アリス?
どうしてここに?
●アリス
ほら見てごらんなさい。普通はこういう反応なのですわよ。
なのに、馬鹿っぽいのとぽわーんとしてるのは、
ワタクシのこと、全然知らなかったのですから。
●ひなた
馬鹿っぽいのって……誰のことかわからないけど、
そんな言い方しなくても!!
●和歌
ひなた……多分、あなたのことよ……。
他にいないでしょ……。
●ひなた
え!? 馬鹿っぽいって、あたしのこと!?
●千尋
じゃあ、ぽわーんは私かなぁ?
●希
だったら、ますますわかんない。
なんであんたは、麗華にレッスンを頼もうって思ったのよ?
●ひなた
だって、……麗華さんのダンスが、とっても素敵だったから。
●希
はぁ……?
●ひなた
まるで、光が集まってくるみたいに眩しくて、綺麗で……。
本当にダンスが大好きなんだなって、思わず見とれちゃったんだ。
それに、アドバイスも真面目で、わかりやすくて……。
もっとあの人のことが知りたい、お友だちになりたいって思ったの。
●希
……なによ。
バカのくせに、よくわかってんじゃない……。
●ひなた
えっ……?
●希
はぁ……バカバカしい。
なんであたしたち、こんなのにムキになっちゃったんだろ。
美雪、理子、帰ろう。
麗華が来ないんだったら、こんな所にいても仕方がないし。
●理子
……そうだね。帰ろうか。
ごめん、邪魔したね。
●美雪
はい。
みなさん、大変失礼いたしました。
練習、頑張ってくださいませ。
●琴音
あ、いえ。ご丁寧にありがとうございます……。
●愛美
ちょ、ちょっと待ちなさい!
勝手に話を終わらせてんじゃないわよっ!
●琴音
あぁ……行っちゃった。
●ひなた
なんだったんだろう、あの人たち……。
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第5話「憂愁の美」
ーーレッスン場
●和歌
……あ、やっと来た。
どうだった、ひなた?
●ひなた
うん……ごめんね。
あっちこっち捜してみたけど……
麗華さん、どこにもいなかった。
●愛美
どこに行ったのかしらね。
確かに学園の敷地は広いけど、
レッスンができるところなんて限られてるのに。
●琴音
たぶん、空き教室とかを使ってるんじゃないかな。
スタジオにいたら、ひなたちゃんが捜しに来ると思って……。
●ひなた
…………。
あたし、麗華さんに嫌われちゃった……?
●千尋
ううん、むしろ逆じゃないかな。
きっと麗華ちゃん、ひなたちゃんと顔を合わせたら
断りきれないって思ったのよ。
●和歌
ひなたを嫌いになるなんて、絶対にありえないから。
元気出して、ね?
●ひなた
う、うん……。
●悠
そうです!
それに、落ち込むのはむしろ自分たちですよ!
●くるみ
ヴァルプロのサイコー指導を受けられるって
『Remuage』のみなさんから話を聞いて、
すごく楽しみにしてたんですよ……。
●寧々
が、がっかり、です……。
●晴海
うぅ……せっかくレッスンの時間割やりくりして、
一緒のタイミングにしたのに……。
やっぱり私、運がない? 神に見放されてる……?
●和歌
ちょっと……そんな落ち込まないでってば。
晴海が悪いわけじゃないんだから。
●麻里紗
千載一遇……とは昔の偉い人も言っていたけど、まさにそのとおりね。
噂を聞いた時に、すぐ駆けつけるべきだったわ。
●ひなた
…………。
●和歌
どうしたの、ひなた?
●ひなた
やっぱりもうちょっとだけ、捜してみる!
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第6話「臣下でなく、友として」
ーープロダクション室
●ひなた
麗華さん……。あれから捜したけど、
やっぱり見つからなかった……。
あの人たち……麗華さんのこと、裏切り者って言ってた。
でも、麗華さんがそんなひどい人だったなんて、
とても信じられない。
●和歌
うん、私もそう思う。
なんだかんだで麗華さん、私たちのレッスンに
ずっと付き合ってくれてたもんね。
●琴音
……でも、あの人たちも嘘を言ってるとも思えなかったよね。
3人とも、すごく怒ってたから。
●千尋
きっと、何かがあったんだろうねえ。
麗華ちゃんが会うのをためらうほどの、辛いことが……。
●萌
みなさん、そのへんで。
……あまり深入りするのは、私としてはお勧めしません。
●和歌
萌さん、でも……。
●萌
麗華さんから距離を置くと言った以上、
こちらもそうすべきではありませんか?
過剰なお節介は、相手の心を傷つけるだけかと。
●琴音
……萌さんのおっしゃることも、そのとおりだと思います。
ただ、このまま他人事のように捉えるのも、違うと思うんです。
●愛美
そうね。……奇特なきっかけで知り合ったとはいえ、
黙って見過ごすのも、変な話よね。
●萌
はぁ……まったく。
プロデューサーからも、何か言ってあげてください。
●ひなた
……どうしよう、プロデューサー。
あたしたち、どうすればいいの?
ーー選択肢1
●プロデューサー
ひなたはどうしたい?
●ひなた
…………。
あたしは、麗華さんにもっと色々教わりたい。
それから、いっぱい教えてもらった分、
あたしも麗華さんの力になりたい。
ーー選択肢2
●プロデューサー
素直な気持ちで言ってごらん
●ひなた
…………。
あたしは、麗華さんにもっと色々教わりたい。
それから、いっぱい教えてもらった分、
あたしも麗華さんの力になりたい。
●和歌
うん。麗華さんはどう思ってるかわからないけど……。
私も、彼女のことは学プロのメンバーの1人だと思ってるから。
●愛美
色々教わったしね。
貸し借りは残しておくと、なんとなく目覚めが悪いわ。
●千尋
力になれるなら、なりたいよね。
……私たちに、出来ることがあるかはわからないけど。
●萌
……ほんと、いろんなトラブルに顔を突っ込んでいく人たちですね。
巻き込まれて自分たちの活動に支障をきたすようなことがあったら、
どうするんですか。
●和歌
後悔先に立たず、ってことですよね。
でも……。
●ひなた
今、こうして麗華さんたちのために何かやろうって考えるの……
萌ちゃんの言うとおり、あとになって後悔するかもしれない。
でも、ここで何にもしなかった時のほうが、絶対後悔する。
だから今は、動きたいの。
●萌
…………。
どうなっても、知りませんよ。
●ひなた
えへへ。
心配してくれてありがとう、萌ちゃん。
●千尋
それにしても……麗華ちゃんとあの人たちに、
何があったんだろうね?
●和歌
うん、そのことを知ってて私たちが聞けそうな人は、
今のところ1人だけかな。
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第7話「アイドル『黒瀬麗華』」
ーー廊下
●ひなた
というわけでアリスさん、何かご存知ですか?
●アリス
……貴方、ワタクシのこと、
生き字引か何かと勘違いしてませんこと?
●愛美
でも、前の話しぶりだと何か知ってるのよね?
●千尋
アリスちゃん、何か知らない?
●アリス
無論、知ってますわ。
でも教えません。
●ひなた
なんで? どうして?
●アリス
ワタクシは門外漢ですもの。
ワタクシが話していいことなんて、あれ以上はありませんわ。
●愛美
この前、散々麗華のことを挑発してたじゃない。
●アリス
お互いに本気じゃないですわよ。
伊達に長い間、No.5の座を張り合っていたわけじゃないのですから。
●ひなた
やっぱりアリスさんって、麗華さんのことが大好きなんだね。
●アリス
だから好きじゃないですわ! 勘違いしないでっ!!
●ひなた
うひゃいっ!?
●アリス
ワタクシは、長年のライバルがふぬけてるのを見たくないだけですわ。
あんなのがライバルだったなんて知られたら、
ワタクシの質まで落ちてしまいますわ。
●和歌
素直じゃないですね。
●アリス
どういう意味ですの!?
……まぁ、いいですわ。
ちょっとだけヒントをあげますわよ。
●ひなた
本当っ!?
●アリス
前に来たあの3人は『GE:NESiS』ってユニットを組んでいますが……
元々は麗華を含めた5人組だったのですわ。
●愛美
それって麗華が、以前所属していたユニットよね?
でも、ヴァルプロに加入するために辞めたはず……。
●和歌
自分のユニットからヴァルプロに入るって、普通は栄転ですよね。
同じユニットのメンバーなら、歓迎するべきことだと思いますけど。
●アリス
それだけなら、あの子たちのヒガミってことですわよね。
でも、話はそう単純じゃないんですわ。
●千尋
他になにかあるの?
●アリス
気になるなら、ワタクシより詳しい人を教えてあげましょうか?
●ひなた
うんっ! 教えて教えて!!
●アリス
いい返事ですわね……。
貴方たち、今泉更菜という人を知りませんこと?
眼鏡をかけた地味な人ですけど。
●ひなた
更菜ちゃん……って、前に麗華さんと話してた人だよね?
●和歌
その人は、麗華さんとどういう関係なんですか?
●アリス
『GE:NESiS』は、
前の『相原希』『白拍子美雪』『霧島理子』の3人。
それと……『黒瀬麗華』と、『今泉更菜』が
立ち上げたユニットなのですわ。
●ひなた
え……じゃあ、あの3人と更菜ちゃんって、すごい人たちなの?
●アリス
相原希はBランクで、白拍子美雪と霧島理子はCランク……
それは知ってますわよね。
今泉更菜もBランクですわ。
●愛美
あの3人組のうちのうるさいやつは確かにそこそこすごかったけど……。
あの眼鏡の子も、Bランクなの?
●和歌
意外ね……結構どんくさい感じに見えたのに。
●アリス
麗華のことが知りたいなら、今泉更菜に聞くことですわ。
居場所なら教えてあげますから。
●ひなた
うん、ありがとう!
●アリス
ただ、言っておきますが……
会って話が聞けたからといって、
簡単に解決できる話じゃないと思いますわ。
●琴音
それって……どういうことですか?
●アリス
それくらい根が深いってことですわよ。
あの子たちって元々は、ものすごく仲のいいユニットだったんですから。
なのに、今は完全に対立状態……。
下手に首を突っ込むと、余計に波風が立つことになるかもですわ。
●和歌
可愛さ余って、憎さ百倍ってことか……。
●ひなた
でも、今はとにかく動きたいの。
麗華さんのためにも、それに……。
●千尋
ひなたちゃん……?
●ひなた
あの、麗華さんの元ユニットの3人も、きっと悪い子じゃないと思う。
麗華さんのダンスがすごかったって話したら、
一瞬だけど嬉しそうな顔になって……。
ひょっとしたら、仲直りがしたいのかも。
でなきゃ絶対、わざわざ会いに来ようなんて考えないよ。
●琴音
ひなたちゃん……。
●愛美
……ほんと、あんたってそういうとこだけはよく見てるわね。
でもだったら、私たちのやることはひとつよ。
●和歌
あたって砕けろよね、ひなた?
●ひなた
そういうこと!
●アリス
…………。
ホントこの子、変わってますわ……。
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第8話「もう一度出会うために」
ーー教室
●ひなた
ここが更菜さんの教室かぁ。
でもいるかなぁ?
●和歌
確か眼鏡をかけたショートカットの地味めな方だったよね。
今泉更菜さんって
●更菜
……?
●千尋
あっ、あそこにいる人がそうじゃない?
●更菜
えっ?
●愛美
あっ……ああっ! あの時の!!
●更菜
えっ、あっ……
す、すみませんすみません!!
●愛美
えっ? えっ?
●更菜
もしかして1カ月前にすれ違った際に肩がぶつかっちゃった人ですか!?
っ! それとも、半年前に図書室の鍵をかけて
中に閉じ込めてしまった……!?
あっ……1年前にスカートの裾を踏んでしまった方ですか!?
も、もしくはもっと前に……!?
●愛美
もしかして、この前のこと覚えてない?
●和歌
1年前のことは覚えてるのに……?
●萌
古い記憶から順に思い出してるんじゃないでしょうか。
心あたりが多すぎて。
●更菜
あの……す、すいません、どちら様ですか?
●ひなた
あたしたち、更菜さんに麗華さんのことを聞きにきたんだ。
●更菜
麗華の……?
ど、どうして私に?
●琴音
突然すみません。私たち、麗華さんにレッスンをつけてもらってたんです。
でも、急に辞めたいって言われて……。
●千尋
麗華ちゃん、あなたと会ってから様子がおかしかったの。
前のユニットで一緒だったあなたなら、
何か知ってるんじゃないかと思って~。
●更菜
そ、それは……。
●ひなた
あたし、麗華さんにいっぱい、お世話になって。
だから、なんでもいいから力になりたいの!
お願い!
以前のユニットで何があったのか、教えてっ!
●更菜
……そうですか。
あなたたち、麗華のことをそんなに心配してくれて……。
……わかりました。
お役に立てるかわかりませんが、お話しします。
●ひなた
あっ……! ありがとう!
●千尋
いったい、何があったの?
●更菜
麗華と私と、希と美雪と理子……。
中等部の時、私たち5人はユニットを組んでいました。
でも、麗華は高等部に進学と同時に、ヴァルプロに選ばれて……
ユニットを抜けることになったんです。
本当は私たち、麗華とずっと一緒にやっていきたかったんです。
でも、麗華のためだと思って笑顔で見送った……。
でも、麗華はヴァルプロを辞めてしまった。
世界一のアイドルになるって約束したのに、方針が合わなかったらしくて……。
そして、アイドル活動そのものも辞めてしまった。
そのことで、希たちを怒らせてしまったんです。
●和歌
自分たちとの約束を破った……だから、裏切り者。
そういうことね。
●千尋
……そういえば、更菜ちゃんも同じ時期に『GE:NESiS』を辞めたんだよねえ?
それはどうして?
●更菜
それは……。
ごめんなさい、言いたくありません。
●ひなた
でも、アイドルのレッスンは続けてるんだよね?
この前もそんな話をしてたし。
●更菜
い、一応は……。
●ひなた
じゃあ、あたしたちの学プロに入らない?
●更菜
えっ?
●ひなた
あたしたち、麗華さんを自分たちの学プロに誘おうと思ってるの。
一度断られちゃったけど、更菜さんが一緒なら麗華さんもきっと……。
●更菜
そんな、私には……。
●麗華
……更菜?
それにみんなも、どうしてここに?
●和歌
あ、麗華さん?
●更菜
……っ! ごめんなさいっ!!
●愛美
あっ、逃げた!
●ひなた
麗華さん、ちょうどよかった!
一緒に更菜さんを追いかけようっ!!
●麗華
追いかけるって……
そもそも、あなたたちどうしてこんなところに?
●ひなた
早くっ!
ここで逃がしたら、あたしたちも更菜さんも後悔する!
●麗華
わ、わかったわ……?
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第9話「本当の自分と」
ーー廊下
●更菜
こっ、来ないでくださ~い!!
●愛美
ぜぇっぜぇっ、普段あんなにトロそうなのに……っ!
なんで足は速いのよ……!?
●麗華
っ……!!
●ひなた
わぁっ……麗華さんも速い!
距離がだんだん縮んで……。
●麗華
更菜、待ってっ!
●愛美
うわ、すごっ……!
あっという間に追い越して、先回りを……!?
●更菜
麗華、お願い。
そこを通してっ……!
●麗華
……わたしから逃げるなんて、無理よ。
昔からそうだったでしょう?
●更菜
……っ!
●麗華
更菜……っ!
●琴音
あっ……捕まえたっ!
さすがです、麗華さん!
●麗華
……っ、更菜。どうして逃げたの?
わたしと会うのが、そんなに嫌だった?
●更菜
……だって、私はあなたに会う資格がない。
合わせる顔がないの……。
●麗華
どうして?
『GE:NESiS』を脱退してヴァルプロに行ったわたしが許せないから?
●更菜
違う。許せないのは私自身。
私、麗華が脱退するって聞いた時……ほっとしたの。
●麗華
ほっとしたって……。
●更菜
あなたとのアイドル活動、あんなに楽しかったのに……
これで麗華と比べられなくなるって思った時、
なんだか力が抜けたみたいになって……。
違う場所でもお互い頑張ろうって約束したのに、
麗華をそんなふうに見ていた自分にがっかりした……。
だから、こんな私が麗華と同じ目標を目指すなんて、
情けなくて、悲しくなって……それで……。
●麗華
……更菜。
●更菜
ごめんなさい……こんなことを考えてしまった私に、
あなたや、希たちと一緒にいる資格なんてない。
だってあの子たちは、麗華に負けないよう頑張ってたのに……。
私は、私は……っ!!
●麗華
…………。
じゃあ、更菜はわたしと一緒にいたくないわけじゃないのよね?
●更菜
えっ……?
●麗華
資格がないなんて言わないで。
だから、またわたしと一緒にステージに立ってくれない?
●更菜
どうして……どうしてそんなこと……?
●麗華
わたしは、また更菜と同じステージに立ちたい。
自分の欠点をまっすぐ見つめて、努力し続けることが出来る
更菜と一緒がいい。
更菜がわたしに悪いと思っているなら……
いつかその罪悪感を、わたしが自尊心に変えてみせるわ。
「わたしがいるから、黒瀬麗華は輝ける」……って。
更菜が自己嫌悪で辛くて押しつぶされそうになっているなら……。
……わたしのそばにいて。
更菜が、自分を好きになれる時まで……
一緒に頑張りましょう?
●更菜
……あり、がと……。
ありがとう、麗華……ぅう、私のこと、認めてくれて……
私、他の人の目ばかり気にして……
麗華の気持ち、全然気づいてなかった。
ごめんなさい、麗華っ……!
●麗華
もう、だから謝らないで。
それと、もしお礼を言うなら……ひなたに言って?
●ひなた
えっ、私?
あたし、何もしてないけど……
●麗華
更菜を追いかける勇気をくれたのは、あなただもの。
あなたの強引さに、わたしは救われた。
初対面で、ユニットのコーチをさせるなんてさすがに驚いたけど……
その強引さがなければ、わたしはもう一度アイドル活動を
やろうって思わなかった。
ひなたはただ強引なだけじゃない。
人の気持ちを汲み取って、素直になるきっかけを与えてくれる。
それは、大切な力よ。
●ひなた
麗華さん……。
●麗華
もし……もしも今からでも遅くなければ、
わたしと更菜を、学プロに入れてもらえないかしら?
●ひなた
うんっ! もちろん!!
よろしくお願いします、麗華さん! 更菜さん!
●更菜
えっ……そ、そんな簡単に決めていいの……?
●ひなた
ね? プロデューサー?
●プロデューサー
もちろん。
●麗華
ね? こういうひとたちなのよ。
●更菜
……ふふっ。うん。
麗華が面倒を見るようになった気持ちが、わかる気がする。
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第10話「強い意志」
ーーレッスン場
●ひなた
よーっし! 今日から麗華さんと更菜さんが仲間になったことだし、
もっともーっと練習頑張ろうねっ!!
●更菜
せっ、正式な加入はまだ先ですが……
あと、私がいて迷惑をかけてしまうと思いますが……
よろしくお願いいたします。
●和歌
そ、そんなネガティブに思わなくても……。
●麗華
わたしもよろしく……と言っても、
わたしがやることはいつも通りだと思うけど。
……それで、どうしてあなたまでいるの?
●アリス
あら、野良アイドルの黒瀬麗華がようやく復帰するって聞きましたから、
お祝いに来たのですわよ。
なにか問題でも?
●千尋
自分の練習をサボタージュしてるのでは……?
●愛美
これぐらいの図太さがないと、ヴァルプロじゃ
やっていけないんでしょうね。
●琴音
アリスさんって、心が強いんですねぇ。
●アリス
聞こえてますわよそこっ!!
ーー選択肢1
●プロデューサー
一緒に練習する?
●ひなた
わぁ、それいいね!
一緒に練習しよう!!
●アリス
しませんわよ!
ワタクシは黒瀬麗華を冷やかしにきただけなのですからっ!!
ーー選択肢2
●プロデューサー
レッスンに集中しよう。
●アリス
ちょ、ちょっと!
プロデューサーまでワタクシを邪魔者扱いするんですの!?
●萌
だってあなたの担当プロデューサーじゃありませんから。
●ひなた
あ、じゃあアリスさんも学プロに入る?
麗華さんもいるし、きっと楽しいよ!
●アリス
入りませんわよ!
黒瀬麗華と同じ学プロなんてっ!
●麗華
あなた、本当になにしに来たの……?
●希
ちょっと! 黒瀬麗華、いるっ!?
●和歌
あなたたち……!?
●希
やっと……やっと、見つけた!
●更菜
希……美雪、理子。
●愛美
アンタたち、なんの用?
練習中なんだから、邪魔しないでほしいんだけど。
●希
そっちこそ関係ないでしょ。他人は黙ってて。
●和歌
あります!
だって麗華さんと更菜さんは、私たちの仲間だから!
●希
は……?
●美雪
それは……本当なのですか?
●麗華
本当よ。正式な加入はまだだけど。
●希
そんな……なんでっ?
なんでそんなこと、勝手に……!!
●理子
……希。2人が別のとこに入ったのなら、仕方ないよ。
アタシたちが口を出すことじゃない。
●希
理子はそれでいいのっ!?
なんでそんなにあっさり許せちゃうの!?
『GE:NESiS』をめちゃくちゃにしておいて、
自分たちは別のところでアイドル続けます?
そんなの許せるわけないでしょっ!! ルール違反よ!!
●麗華
……そう。だったら、決着つけるしかないわね。
●美雪
決着とは、どういうことでしょうか?
●更菜
言葉で伝えるよりも……
私たちの覚悟を知ってもらったほうがいいと思います。
●ひなた
麗華さん……更菜ちゃん?
●麗華
わたしたちに納得できないのは仕方ない。
でも、関係ない仲間の練習をこれ以上
邪魔されるわけにはいかないの。
●理子
本気みたいだね……で、決着のつけ方は?
●麗華
なんでもかまわないわ。そっちで勝手に決めて。
あなたたち3人に、わたしと更菜が勝負を挑む。
負けたらわたしたちはこっちの学プロをやめる。
でもわたしたちが勝ったら、二度とこっちの活動に関わらないで。
●希
更菜の意見も聞かずに、勝手にそんなこと決めて……!
●更菜
ううん。私は、麗華についていくって決めたの。
迷惑をかけてごめんなさい……でも、これ以上は謝れない。
●希
ッ……! そう。本気なんだ。
じゃあ、あたしたちも本気であんたたちを倒すから。
絶対……絶対、後悔させてやるんだからっ!
●美雪
あ、待って、希っ。
●アリス
な、なんですの、この重い空気……。
●ひなた
……あの、あたしちょっと飲み物買って来ます!
プロデューサーも一緒にいこっ!
●萌
ちょっと、ひなたさん。
どこへ行くんですか!?
ーー廊下
●ひなた
プロデューサー、萌ちゃん。あたし、希さんと話がしたいの。
レッスン室を出る時……すごく悲しそうな顔してたから。
だから、希さんを捜すの手伝ってっ!
お願いっ!!
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第11話「大切なものの在り処」
ーー学園内広場
●ひなた
希さーん!!
●希
ぐすっ……っ!
あなた、『Twinkle☆Star』の……何しに来たのよ?
●ひなた
話を聞きたくて来たの。麗華さんたち抜きで。
●希
……なに。対決をやめさせたいの?
悪いけど、あなたには関係ない。
これはあたしたちの問題なの。
●ひなた
対決を止めるつもりはないよ。
ただ、確かめたいことがあって。
希さん、麗華さんたちのこと……嫌いじゃないよね?
●希
嫌いじゃないって、なにを根拠にそんなことを……。
●ひなた
バトルが決まった後……希さん、悲しそうだったから。
麗華さんたちと勝負がしたいわけじゃないのかなって。
だって、麗華さんたちをあたしたちの学プロから抜けさせたいなら……
勝負が決まったら嬉しいと思って。
●希
たったそれだけで?
……呆れた。あんた、ホントお節介よね。
●ひなた
えへへ……うん、よく言われる。
●希
そっちのプロデューサーとマネージャーも、付き合いがいいわね。
その子と一緒にあたしを追いかけるなんて。
●萌
私はそうでもありませんが……。
●希
……そ、そう。
……あたしだって、そっちの活動を邪魔するつもりなんてないわよ。
あたしたちが勝っても、2人が『GE:NESiS』に
戻ってくるわけじゃないし……。
昔は、あんなに仲良くて……楽しかったのに。
どうしてこんなことになっちゃったのかな……。
っ、なんであたしこんなこと話してんのよ。
もう帰って。勝負の内容は、あとで伝えるから。
●ひなた
うんっ!
●希
なんで笑ってるのよ……
あなた、本当に変わった子ね。
現世(エイドス)サイド:第9章「頂点の証」第12話「明日は指さす方に」
ーー学園内広場
●希
それじゃあ2人とも! 麗華と更菜、2人との勝負内容を決めるわよっ。
●理子
……希、アンタ本当に大丈夫なの?
別に無理して勝負する必要ないと思うけど。
●希
やるのっ! じゃないとまっすぐ、あの子たちに向き合えないし……。
●理子
……アンタらしいね。
●美雪
はい! 私も希と同じく、勝負はしたほうがいいと思いますわっ。
麗華さん、『Twinkle☆Star』さんたちばかりを構っていて、
ちょっとヤキモチやいてしまいましたので!
私たちだって、麗華さんや更菜さんと一緒に
レッスンしたいですもの! ねぇ、希?
●希
ちっ、ちがっ……! 別に、あの子たちのことなんか……。
●理子
はいはい、そのくだりは長くなりそうだからストップ。
●希
うぐっ……な、長くなりそうって、ずいぶんバッサリ斬るわね……。
●理子
やるならさっさと勝負の内容決めて、すぐにでもやっちゃおうよ。
こういうのは期日を延ばしても、いいことなんてないし。
●美雪
私は、『あっちむいてホイ!』がしたいですわっ。
この勝負の奥深いところは、じゃんけんの勝ち負けの後に行う、
『あっちむいてホイ!』に全てが集約されていて……。
●希
……理子、ひょっとして、美雪に何か吹き込んだ?
●理子
……ごめん。
この前、教えてあげたらハマったみたいで。
●希
美雪、それってあっさり勝敗が決まるようなことでしょ?
達成感がないから、すぐ決着して、結果に納得できないかもね。
●美雪
そうですか、面白い競技だと思ったのですが……。
●理子
……いっそ体力勝負とかで全力出しあったほうがいいかもな。
●希
いいわね、それ!
全力でやればそれだけ、結果にも納得できるはずだし。
●美雪
それでしたら、『あっちむいてホイ!』は
希と2人でやりますね。
●希
やらないわよっ!
というか、『あっちむいてホイ!』って言うたびに
そんなに力こめなくていいから!
●美雪
私たちアイドルには、時としてやらねばならぬことがあるのですよ。
●希
やりたくて仕方がないだけでしょ!
●理子
……というか、なんで美雪はキメ顔なのさ。
●美雪
きっと希への熱い想いがあふれ出てしまったんですね……ぽっ。
●希
今、頬を染めるようなところなかったでしょ!?
●理子
……とりあえず、体力勝負で行くとしようか。
アタシも美雪も、希の意見には従うから。
●希
従うって、2人はそれでよかったの?
●理子
アタシたちは、希が納得できる答えが出せるならそれでいいよ。
最初はライブバトルのほうが手っ取り早いと思ったけど、
それだとユニットのカタチ、変わっていくのが目に見えてわかるからね。
●希
……う、うん。
●理子
希はいつでも正しくあろうとしてる。
それをつらぬくのは大変なことだし、よくやってると思うよ。
美雪だって、そう思うでしょ?
●美雪
はい。それに私、希には涙は似合わないと思うんですのよ?
なにがあっても、私たちは希と一緒にいるつもりです。
だから恐れる必要なんて、ありませんことよ?
●希
理子、美雪……うん、ありがと。
2人がいてくれて、あたしホントに……。
●美雪
と、いうわけで……『あっちむいてホイ!』
●希
はうあっ!?
●美雪
やったー! 私の勝ちですわー!
●希
こっ、このっ……美雪! あんたのその曲がった根性、
勝負の前にキッチリ正してあげる……!
●美雪
きゃー! 希が怒っちゃいましたわー!
●理子
……はぁ。
麗華と更菜、早く帰ってきてくれないかなぁ。
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