【あおガルシナリオ集】現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」
2019年1月31日にサービス終了を迎えるスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」を紹介します。
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第1話「隣人への理解」
ーープロダクション室
●萌
プロデューサー、こっちの書類もチェックしてください。
あとこっちにハンコ。こっちはサイン、こっちは……。
●ひなた
プロデューサー! 萌ちゃん!
お菓子もらったから一緒に食べよー。
……って、あれ。なにしてるの?
●萌
スタフェス用の提出資料を作ってるんです。
ほら、最近ウチの学プロ、ユニットがかなり増えましたから。
あ、お菓子はあり難くいただきますのでそこ座ってください。
今お茶淹れますので。
●ひなた
はーい!
そっかぁ。
スタフェス予選ってもうすぐなんだね。
●和歌
月日が流れるのは早いわよね……まぁ、色々あったし。
●ひなた
そうだね。
沢山友達が増えて、賑やかになったよね!
●萌
えーっと、ひぅふぃみぃ……21人?
この学プロも随分と大所帯になってきましたね。
●ひなた
だよねだよね!
あたし、たくさんの人と友達になれてすっごく楽しいんだ!
●和歌
へ、へぇ……そう。
●ひなた
和歌もそう思わない?
●和歌
わっ、私はひなたがいれば楽しいし……。
それに、友達が増えたのはいいことだけど、
ひなたは最近学プロに入った子のこと、どれくらい知ってる?
●ひなた
どれくらいって?
●和歌
例えば、寝る時間とか起きる時間とか、ご飯を食べる時間とか。
誕生日、生年月日、身長体重……。
好きなものや、嫌いなもの。趣味や特技。
人生で一番うれしかったこととか、悲しかったこととか……。
●ひなた
えっと……うぅ……。
●和歌
何も知らない?
●ひなた
ほ、ほとんど知らない……かも。
●和歌
でしょう。同じ学プロメンバーではあるけれど、
友達と呼ぶには少し知らなすぎるんじゃないかしら?
●萌
もしや、今あげたプロフィール条項って……。
ひなたさんと和歌さんは、お互いのものを
把握しているのですか?
●ひなた
うん! 知ってるよ!
だって起きるのも寝るのもご飯も、
全部和歌と一緒だもん!
●和歌
そうです。悲しいことも嬉しいことも、
私とひなたはずっと一緒ですから。
……ふふっ。
●萌
……そ、そうですか。
●ひなた
でも、改めて考えるとあたしって、
みんなのことよく知らないんだなぁ。
●和歌
そうね。でも私は、ひなたのことよく知ってるから。
ひなたは私がいないとダメダメだってことも、ね?
●ひなた
うぅ、ごめんなさい……。
改めて考えると、あたしって和歌がいないとダメダメだなぁ……
うぅ……和歌がいなくなったら、どうなっちゃうんだろ。
●萌
そんなにダメダメなんですか?
……って、聞くまでもないですね。
●ひなた
和歌、これからもずっと一緒にいてね?
●和歌
もう、仕方ないわね。
大丈夫、ずっと一緒よ。
ふふっ、ふふふふっ……。
●萌
えっと……お茶入りましたよ。
●ひなた
ありがとう!
じゃあ、さっそくお菓子食べよう!
●和歌
ひなた、お菓子ボロボロこぼれてるわよ。
もう、仕方ないわねぇ。
●プロデューサー
和歌はひなたが大好きなんだね。
●和歌
なにを今さらなことを言うんですか?
もしかしてプロデューサー、お疲れですか?
●ひなた
疲れた時は甘い物!
はい、プロデューサー。あーん!
●和歌
あっ、プロデューサーさんだけずるいっ!
●萌
この状況でずるいって言葉が出てくるの、
なんかおかしくないですか!?
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第2話「強化合宿 in 神楽ヶ丘」
ーープロダクション室
●???(学園長)
失礼しま~す。
少々よろしいですか?
●萌
おや、誰ですかね?
はーい、どうぞー。
●学園長
お邪魔しますね~♪
●萌
がっ、学園長!?
なぜこのような場所に……?
●学園長
うふふ、ちょっと聞きたいことがあって……。
あら、櫻花さんと水科さん。
●ひなた
学園長先生、こんにちはーっ!
●和歌
……こんにちは。
●学園長
あなたたちがここにいるということは……
やっぱりこの学プロは、誰も合宿に行ってないのね。
●和歌
合宿、ですか?
●プロデューサー
なんのことでしょうか?
●学園長
やっぱり……
吉永さん、合宿のこと言ってなかったのね。
●萌
いっ、いえっ!
そういうことではなく……!
その、ですね……
合宿が迫ってるギリギリ段階で人が増えたので……。
●ひなた
あの、すみません!
合宿って、なんのことですか?
●学園長
この時期は大体、どこの学プロも学園の外で
強化合宿を行うのよ~。
合宿を通して学プロメンバーの技術と連帯感を育むの!
ただ、義務というではないけどね。
でも、合宿の予定を提出していないのは
あなたたちの学プロだけだったから……、
こうして、様子を見にきたわけなのよっ。
●和歌
……萌さん?
●萌
ぎくぅっ!
だ、だってこの学プロ、気が付いたら人が増えて……現状21人?
そんな大人数を受け入れてくれる場所なんて、
大体他の学プロが押さえてますし……。
このプロデューサー、合宿前日に所属する子が増えた~
なんて言い出しかねませんし。
そもそも予算がありませんし……。
●学園長
最後のが本音ね……まぁ、予算申請から実際に
予算が下りるまでのタイムラグは問題ね。
来年はなんとかするわ。
●萌
こ、今年は……む、無理ですよね。
はは、あははは……はぁ。
……はぁ。
●和歌
なんだか妙に芸能科が静かだと思ったら、
そういうことだったんですね。
●ひなた
みんな合宿に行っちゃったんだね。
それにしても、合宿かぁ……。
ねぇ、和歌。
合宿ってなにをするの?
●和歌
そうね、私も行ったことはないけど……
一緒にご飯食べて、1日中レッスンして、
お風呂入って、一緒の部屋で寝るとか?
●ひなた
ふーん……。
それって、学園の中じゃ出来ないのかな?
●学園長
どういうこと?
●ひなた
ご飯は食堂、レッスンはレッスン室、
みんなで一緒にお風呂は……ちょっと無理かな?
でも、体育館にお布団を持ち込んだらみんなで眠れるよね!
●萌
この学園全体を使って、合宿をしようってことですか?
●ひなた
うん! だってみんな外に行ってて、
学園にいないんだよね?
だったら、学園中の施設を使い放題じゃないかなっ?
●プロデューサー
いいアイデアだね。
●ひなた
えへへへ~
●萌
そ、それなら必要な経費は食費と少々で済みます!
布団もおそらく調達できますし……。
学園長! 学園を使用しての合宿を許可してください!
●学園長
……そうねぇ。
いいでしょう、許可しちゃいます。
●ひなた
やったぁ! ありがとうございます、学園長先生!
●学園長
ただし、条件があります!
●和歌
条件、ですか……どのような?
●学園長
使用する施設は、事前に申請しておくこと!
そして、使用後はきちんとあなたたちで清掃すること!
それが条件!
どう、出来る?
●ひなた
もちろんですっ!
ありがとうございます、合宿がんばりますっ!!
よーし!
合宿のこと、みんなに知らせてくるねっ!!
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第3話「ぐだぐだ合宿の手引き」
ーーレッスン場
●萌
……ということで!
当学プロはこの神楽ヶ丘学園を使って合宿を行います!
●彩
合宿かぁ。
●希
私、てっきりこの学プロは合宿しない方針だと思ってたんだけど……。
●和歌
いえ、単純に予算がなかったらしいです。
●楓李
世知辛い世の中やなぁ。
●佳奈恵
でもお金は大事じゃん。
世の中全部お金ってわけじゃないけど、
お金ないと出来ないことも多いし。
●悠
言葉に重みがありますね!
せっかく設けてもらった合宿……
この機を活かしてボイストレーニングに励みます!
●ひなた
あたしはダンストレーニングを頑張ろうかなぁ。
あ、体力作りも!
●琴音
私は、どうしようかな……
頑張らなきゃいけないことは多いんですが……。
ルリちゃんはどうする?
●瑠璃花
私、合宿パスしたい。
●琴音
ルリちゃん!?
●茜
ちょっと、何を言い出すのよ。
●瑠璃花
だって、合宿ってみんなで共同生活するんでしょ?
修学旅行みたいなものだよね。
●美雪
修学旅行は楽しむことが目的だと聞いています。
合宿、とは逆に、苦しい修行の中に身を置き、
新しい必殺技を身につけるものだそうですわね?
●理子
美雪の言うことは極端だが……
まあ、楽しいだけでは許されないのは本当だ。
●セリア
昔はナガヤという場所で共同生活を営んでいたそうで!
つまり合宿とは隣組!
みんなで力を合わせて一揆の準備を整えるのでありんす!
●麻里紗
前から思っていたのだけど、セリアちゃんの知識は
色々と間違ってるんじゃないかしら?
●瑠璃花
前に修学旅行で、携帯取り上げられた……。
だから参加したくない。
●晴海
確かにそういう所は多いって聞くよね。
余計なモノは持ち込み禁止、みたいな。
●瑠璃花
余計なモノじゃない。携帯電話は私の命にも等しい。
●愛美
ちょっと大げさすぎない?
いや、携帯が大切なのはわかるけど……。
●くるみ
そんなことないのです。
人の大切なものを、余計なモノなんてひどいのです!
くるみも昔、遠足の前に仲良くなった鳩さんも
遠足に連れて行こうとしたら、
先生に怒られてしまったのです。
●更菜
それは……止められるんじゃないですかね……。
●理子
鳩と携帯電話は、比べるものではないと思うが。
●プロデューサー
携帯を取り上げたりしない。
●瑠璃花
じゃあ参加する。
●茜
変わり身はやっ!?
●彩
そう、持ち込みOKなの……。
じゃ、じゃあスナック菓子も持ち込んでいいわよね?
別に、私が食べたいわけじゃないわよ!
ただ、その……みんなで仲良くなるためには、
おいしいお菓子があった方がいいと思って。
●千尋
お菓子……!
●セリア
オォー! 同じ釜の飯を食べるということでやんすな!
●寧々
じゃっ、じゃあ……お菓子のお供に、映画とか……見ながら……なんて。
体育館なら上映機器ありますし……!
●美雪
まぁ、ステキですわ!
どのような映画を見ましょうか?
●寧々
ホ、ホラーとか……アイドルの登竜門ですから。
●セリア
時代劇ー! 時代劇ーっ!!
●茜
やっぱりトップアイドルのライブでしょ。
一番勉強になるし。
●愛美
そうね、一番アイドルらしいと思うわ。
●茜
……愛美さんって、意外に話わかる?
●愛美
茜もね。
●萌
あのー、これ合宿の打ち合わせですから。
お菓子食べながら映画見る会の
打ち合わせじゃありませんから。
●セリア
やはり時代劇がいいでありんす!
アクションの勉強に!
●寧々
あの、ホラー映画を……。
●茜
トップアイドルのライブに決まってんでしょ!
ぶっつづけで見るわよ! 夜なんて寝かせないんだから!!
●愛美
先人の技を盗むのよ!!
寝てる暇なんて無いんだからっ!
●萌
だからお菓子映画会じゃないんです!
●和歌
すごく、グダグダですね……。
●麗華
えぇ……でも、これくらいの方が
この学プロは丁度いいと思うわ。
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第4話「はじまりのシャッフルユニット」
ーープロダクション室
●萌
とりあえず、何の映画を見るかで揉めてる子たちは
放っておいて……各ユニットのセンターに
来ていただいた理由をこれより説明します。
●茜
センターと言っても、『プリティ→プリンセス』は
アカネと瑠璃花だけだけどね。
●麗華
でも、どちらにするのかは決めておいた方がいいわ。
組織的にアイドル活動をスムーズにするためにもね。
●晴海
それで、説明って?
色々取り決めをするというのならわかるけれど……。
●セリア
なにやら、インボーの香りがするでありんすね!
わくわく!
●ひなた
い、陰謀っ!?
●萌
違います。陰謀とかありません。
今この時期にしかできない提案をしたいだけです。
●麗華
提案って?
●萌
みなさん、自分たちのチーム以外のメンバーのこと、
どれくらい知ってます?
●晴海
……そうね。顔と名前は一致するけれど、
あまり詳しく知らない人の方が多いかな。
●麗華
わたしも似たり寄ったりね。ひなたは?
●ひなた
うっ、あたしも……。
●茜
まぁ、21人もいれば仲が悪いとまではいかずとも、
話す人は偏るわよね。
●萌
ですから、今回の合宿でシャッフルユニットを作りませんか?
くじ引きでもあみだくじでもなんでもいいですけど、
他のユニットメンバーとチームを組むんです。
それまで話したことはなくても、実は相性いいかもですし。
ほら、今の各ユニットってみんな仲がいいけれど
裏を返せばそれだけじゃないですか。
状況を見て、本格的に学プロ内で
ユニットを再編成するのもアリかと……。
●ひなた
えーっ!?
みんなバラバラになっちゃうの!?
●萌
そんな大げさな。
同じチームじゃなくなっても、
同じ学プロのメンバーであることは変わりませんよ。
●麗華
だとしても、反対よ。
わたしはあの子たちと一緒のユニットだから、
この学プロに参加したの。
わたしはユニットのメンバーを、
ただ仲がいいだけの友達とは思ってないわ。
各々が持つ技術に惚れこんで、一緒にいるの。
●晴海
私もです。今のメンバーと離れ離れになるのは、
正直に言って嫌……です。
●茜
ちょっと萌!
アカネのスター人生は潰させないわよ!?
●萌
お、思った以上のブーイングですね……。
ある程度はくるかなと思っていましたが、
まさかこれほどとは……。
ごめんなさい、その……軽率な提案でした。
みなさんの気持ちを考えていなくて……。
●麗華
そんなに落ち込まなくてもいいわ。
そのシャッフル案自体はいい物だと思うから。
●セリア
そうなんデスか?
●麗華
だって、お互い別のチームのメンバーのことを
詳しく知らないのは確かだもの。
同じ学プロのメンバーなら、多少なり知っておくべきよ。
●晴海
そうですね。本格的な編成には反対ですけど……
この合宿の間だけのシャッフルなら……。
灯台下暗しじゃないけれど、
同じメンバーだと近すぎて見えないものもあるでしょうし。
●萌
あ、ありがとうございます。
プロデューサーはどうですか?
●プロデューサー
いいと思う。
●萌
いいと思うって……
というか、この合宿の責任者はあなたなんですからね?
もっと色々提案してくださいよ!
●麗華
じゃあ、シャッフルに関しては
プロデューサーが決める、ということでどうかしら。
●晴海
プロデューサーさんが決めたことなら、
きっとみなさん従うと思います。
例えそれが、くじ引きだとしても。
●ひなた
わー、じゃああたしたちの命運は
プロデューサーが握ってるんだね!
ちょっとドキドキするかも……。
合宿、いろんな意味で楽しみだねっ!
●セリア
おろっ?
●茜
どうしたの?
●セリア
今、廊下から何やら物音が……気のせいデスかね?
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第5話「不穏なくじびき協奏曲」
ーー体育館
●ひなた
……ということで、
プロデューサーがくじ引きでユニットを決めてくれたよ!
●麗華
意外な組み合わせになったけれど、なかなかどうして、
くじ引きならではといったところかしら……面白いと思うわ。
●茜
これを機会に、いつもとは違うユニットのメンバーと
交流を深めましょう、ってことで!
●晴海
仲良くなるのはいいですけど、今回の合宿の目的は技術の強化。
その辺りは忘れないようにしないと。
●セリア
公明正大な判断のモトに決められた、合宿限定チーム。
楽しむでありんすよー!
●萌
21人だから、基本は2人1組。
で、1チームだけ3人の、10組に分かれてレッスンを行います。
自分の技術向上はもちろんですが、
組み合わせ相手のレッスンもよく観察してください。
●麗華
仲間とはいえ、気になる点はしっかりと指摘するべきよ。
指摘された方は、受け止める努力を忘れずにね。
喧嘩にならないように、伝え方には気をつけましょう。
レッスン中はプロデューサーが
監督責任者としてみんなの練習を見て回るわ。
困ったことがあったら、早めに相談するように。
●萌
以上!
みなさん、各自レッスンに励んでください!!
●悠
ええっと、組み合わせ相手は……あ、理子先輩!
●理子
悠か。よろしくな。
●悠
はい! こちらこそよろしくお願いします!
●希
あたしは3人チームか。
相手は、ええっと……愛美さんと晴海ね。
●愛美
あ、ここにいたのね。探したわよ。
さ、レッスンしましょ!
●晴海
よろしくお願いします。
●茜
へ~、麻里紗さんがアカネのパートナー?
●麻里紗
ええ。お手やわらかにね。
●茜
こちらこそ、よろしくお願いしますね~☆
ふふふ、麻里紗さんはアカネの動きに
ちゃーんとついてこられるかなぁ?
●麻里紗
そうねぇ。茜ちゃんは本当に元気いっぱいだから、
置いて行かれないようにしないとね。
●晴海
だ、大丈夫かなぁ、麻里紗さん……。
●希
あっちのチームが気になってるみたいね。
まぁ、茜の性格は結構強烈だし……仕方ないか。
●晴海
あ、でも、麻里紗さん、穏やかそうに見えるけど、
実は根性とか体力とかあって、かなりタフですから……。
●希
そうなの? ……ふーん、それはちょっと気になるわね。
なんなら、一緒にレッスンしよって誘ってみる?
●晴海
一緒に、ですか?
●希
プロデューサー! 萌ー!
別のチームと組んで合同レッスンするのってOK?
●萌
ということですけど、プロデューサー的にいかがです?
●プロデューサー
問題ない。
●希
ありがとうござーまーす!
よっし、んじゃ、誘ってみよっか!
●麗華
あ、千尋。
探したわ、ここにいたのね。
●千尋
麗華ちゃん、そこにいたんだね~。
一緒のチーム、よろしくね。
●麗華
こちらこそ。とりあえず、準備運動から始めましょうか。
●千尋
はぁい。
●琴音
私の相手は……えっと、あ、楓李さんですね。
……楓李さん、ですか。
●楓李
あ、琴音はん、ラッキーやな。
うちと一緒にチームを組めるなんて、
もうこの勝負は勝ったも同然やで。
●琴音
い、一体何に勝つ気なんですか……?
と、とにかくよろしくお願いしますね。
●楓李
よろしくなー。
●萌
うんうん、なごやかな雰囲気ですね。
これは幸先のいいスタートではないのでしょうか?
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第6話「隠された気持ちの向き先」
ーー体育館
●和歌
あのプロデューサー! 提案があります!!
●ひなた
和歌、どうしたの?
●和歌
私、ひなたと組みたいです。
いえ、ひなたと組まなければいけないんです!!
●茜
急にどうしたわけ?
組み合わせ、もう決まってるじゃん。
●麗華
他チームのメンバーと組むことが今回の目的だから、
同チームで組むことはあまり賛成できないんだけど。
●萌
そうですそうです!
もしや、プロデューサーの決めたこと……といってもくじ引きですが、
それにケチをつけるつもりですか?
●和歌
そ、それは分かってますけど~……。
●麗華
そこまで……?
ひなたの相手は更菜のはずだけど。
●更菜
わ、私がダメダメで頼りにならないから……?
あう……。
●くるみ
更菜さんが倒れたのです!?
●希
わーっ! 更菜、しっかり!!
誰か、水持ってきてーっ!!
●和歌
ちっ、違います!
更菜さんが問題じゃないんです!
●更菜
えっ……私とひなたさんを組ませるのが生理的に無理、
とかじゃないんですか?
●和歌
誰もそんなこと言ってませんっ!
私が問題にしているのは、ひなたです!
●ひなた
えっ、あたし!?
●和歌
ひなたは私がいないとダメなんです。
人間として最低限は健康的で、文化的な生活が送れるとは、
到底思えなくて……。
●悠
とか言われてますけど、ひなた先輩。
実際のところ、どうなんですか?
●ひなた
ノ、ノーコメントは……あは、あはは。
ダメかな?
●佳奈恵
はぁ……もう素直に認めた方が楽じゃない?
●ひなた
……ううぅっ。
●和歌
更菜さんは当然、この学プロはみんな優しい人ばかりです。
ですが……いえ、だからこそ私は不安なんです。
ひなたのケアやサポートに時間を割かれて、
自分のレッスン時間を犠牲にしてしまうのでは、と。
●希
それは、まぁ……うん。納得できなくもないかも。
●美雪
そうですわね。更菜さんの性格を考えると、
自分のことよりも困っているひなたさんの方を
優先しそうですし……。
●理子
とはいえ更菜に、ひなたが困ってても放っておけ、
なんていう方が無理だな。
●和歌
ですよね!?
ですが、私ならレッスンとひなたのお世話を
なんの無理もなく、両立できます。
なぜなら、私にとってはそれが日常だからです!
ですから、お願いです!
私をひなたと組ませてください!!
●麗華
……和歌、あなたの気持ちはわかったわ。
●和歌
じゃあ……!!
●麗華
でも、それは無理よ。
合宿の意味がないし、レッスンにならないわ。
●和歌
そんなぁ……!!
●麗華
でも、あなたがひなたと更菜のことを
心配してくれているのは、十分伝わってきたわ。
●更菜
……私、和歌さんやひなたさんを始めとして、
みんなに迷惑をかけてしまってばかりですから。
不安に思われるのも、無理はないですよ……。
●麗華
そうじゃないわ。
ただ、ひなたと更菜だとテンションの差が
あまりにも大きすぎるのも事実よね。
●萌
お散歩でテンションがあがった犬に、
思いっきり引きずられる飼い主みたいになりそうですね。
ひなたさんと更菜さん見てると。
●ひなた
あたし犬!? 犬なのっ!?
●晴海
くじ引きでプロデューサーさんが決めたことだけど、
なにかあった時に責任を取るのは
プロデューサーさんでもあることだし……。
●麗華
和歌、あなたのパートナーはセリアよね?
●セリア
呼ばれて飛び出てジャジャジャーン!!
そうでありんす!
●麗華
なら、ひなたとセリア。
更菜と和歌で組むというのはどう?
●和歌
はぃっ?!
●セリア
おぉ、ヒナタとでありんすか!
よろしく頼むのだぜ!
●ひなた
うん! よろしくねっ!
●麗華
どうかしら、プロデューサー。
セリアならひなたに引きずられることはないと思うし、
お互いテンションが似てると思うのだけど。
●プロデューサー
それでいこう。
●和歌
……そ、そんなぁ。
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第7話「深夜のスーパースター」
ーー体育館
●萌
とりあえず、無事に合宿始まりましたね。
……約1名、色々ありましたけど。まぁそれはそれとして。
食事や布団の手配は出来ています。
私たちの主な仕事は、みんなを監督することですね。
くれぐれも、事故とか怪我の無いように気を付けましょう。
もうすぐ大切な大会が控えてるのですから。
●プロデューサー
任せて。
●萌
不安ですね……
まぁいいです。とりあえず、みんなの様子を見て回りましょうか。
●佳奈恵
美雪、アンタそのレッスンシューズどうしたの?
●美雪
私の靴、ですか?
●萌
ええっと、あれは美雪さんと佳奈恵さんのチームですね。
生粋のお嬢さまの美雪さんと、大家族長女の佳奈恵さん……
また真逆な組み合わせになりましたね。
●佳奈恵
アンタのレッスンシューズ、つま先くすんでるじゃん。
結構使いこんでるの?
●美雪
ええ。ですがこれならば、まだまだ使えますわ。
ですが、合宿前に丹念に洗ったつもりだったのですが……。
このレッスンが終わったら、
また手入れしないといけませんね。
●佳奈恵
ふーん……美雪ってそういうのを家の人に任せたりしないんだ。
結構、物を大切にするタイプなんだね……
ちょっとだけ、意外かも。
●美雪
ふふっ、希たちにもよく言われますわ。
ですが、どんな物にも役割を終える時がやってきますわ。
どれだけ大切にしていても、この靴でさえ、
いつかは使えなくなってしまうでしょう。
使えなくなる時が必ずやってくるのであれば、
その分も精一杯、大切にしてあげませんと。
それが使用する私の責任だと思いますので。
●佳奈恵
へぇ……ごめんね。アンタのこと、誤解してたかも。
お詫びに、っていうのはおかしいかもしれないけど、
そのレッスンシューズ貸してもらえる?
●美雪
え? えぇ、かまいませんが……なにをされるんですか?
●佳奈恵
シューズの先を綺麗にするだけなら、洗う必要はないよ。
これを使えばいい。
●美雪
その布は……?
●佳奈恵
まぁ見ててよ。
これで磨けば……。
●美雪
まぁ! あっという間にピカピカに!!
そ、その布はまさか、最新技術を集結したという
便利グッズ、ではありませんかっ?
●佳奈恵
あはは、そんなすごい物じゃないよ。
これは、ただの使い古したストッキングを
使いやすいように小さく切ったやつだし。
●美雪
ストッキングで先端を磨いただけで、
これほど綺麗になるのですか……!?
●佳奈恵
そうそう。寿命が来てダメになっちゃったものにも、
こういう風に役に立つ使い方があるんだよ。
最後の最後まで使いきってこそでしょ。
……よし、できた。
どうよ、この光沢! いい感じっしょ?
●美雪
まぁ、ステキ……!
すばらしいですわ!!
ありがとうございます、佳奈恵さん。
では早速レッスンに戻りましょうか。
●佳奈恵
そうね。なにかやりたいことある?
●美雪
そうですね……あら?
●佳奈恵
なに? どうかしたの?
●美雪
いえ、今体育館の床で何かが光ったような……
たしか、この辺り……。
●佳奈恵
んー……あ、もしかしてこの床に刺さった画鋲?
●美雪
まぁ、大変。このままだと、誰かがつまづいてしまいますわ。
今のうちになんとかしませんと……。
●佳奈恵
結構お人よしだね。しっかし、結構深々突き刺さってんね。
誰かが落とした上で踏んだな、こりゃ。
●美雪
んん……これは、硬すぎて素手では無理ですね……爪を痛めてしまいます。
何か、道具は……。
●佳奈恵
あぁ、いいよいいよ。
多分、これでなんとかなるから。
●美雪
それは……また魔法のアイテムですか?
●佳奈恵
いや、どっからどう見てもただの輪ゴムじゃん。
まぁ、見てなって。
輪ゴムをこうやって、刺さってる画鋲と床の間に押し込んで、
ぐるぐると……。
●美雪
輪ゴムを画鋲の針に巻き付けて……どうされるのですか?
●佳奈恵
こうするんだ、よっと!
●美雪
抜けました!
綺麗に抜けましたわ!!
素晴らしいですわ! こんなに簡単に画鋲が抜けてしまうなんて……!
●萌
……なんでしょうか、このテンション。
深夜の通販番組?
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第8話「美雪の不思議ワールド」
ーー体育館
●佳奈恵
はい、画鋲捨ててきたよ。
まったく、どこの誰だか知らないけど
尖ったモノの扱いには気を付けてほしいよね。
●美雪
…………。
●佳奈恵
な、なに?
人の顔じーっと見て。
●美雪
佳奈恵さん。
私、今とても感激しております。
物を大切にし、知恵に富み、思慮深く気遣いができて優しい。
そんな方とチームを組むことが出来たことを、
私、心より誇りに思っておりますの。
●佳奈恵
ちょ、ちょっと。
そこまで褒められるとなんか怖いんだけど……。
●美雪
ですが私、先ほどから佳奈恵さんに対して、
奇妙な既視感のようなものがあるのです……。
●佳奈恵
既視感?
●美雪
えぇ……昔、どこかで佳奈恵さんと
お会いしたような気がしてならないのです……。
●佳奈恵
うーん……そりゃあ同じ学園なんだし、
どこかで会っててもおかしくないじゃん?
●美雪
いえ、そうではなく。
学園に入るよりもずっと前のことなのですわ……。
そして気づいたのです。
私がお会いしたのは、佳奈恵さんではなく、
佳奈恵さんによく似た方だということに。
●佳奈恵
アタシに似た人?
●美雪
はい……そしてたった今、ようやく思い出しましたわっ。
佳奈恵さんは、似ているのです……。
私のおばあさまに!!
●佳奈恵
誰がおばあちゃんだ! 誰が!!
●美雪
その、少しばかりツンとした物腰、しかし実は思慮深く、
人の扱いにも貴賤なく、物の扱いも丁寧。
なにより、沢山の知恵と用途を的確に見分ける判断力……。
まさにおばあさま! おばあさまがここに!!
●佳奈恵
違うって言ってんでしょーが! 誰がおばあちゃんよ!!
そりゃ、確かにお母さんとは言われたことあるよ。
というか、結構頻繁に言われてるよ。
でもね、さすがにおばあちゃんは初めてだわ!
この年でおばあちゃんはないでしょ、いくらなんでも!!
●美雪
あぁ、その青筋……懐かしゅうございます、おばあさまっ!
●佳奈恵
この子まだ言うかっ!
●萌
わぁ、盛り上がってますね。
どういう盛り上がりなのかよくわかりませんが……。
●佳奈恵
あっ、プロデューサー!
ちょうどいい所に!
●萌
やばっ、見つかった。めんどくさい気配を感知。
●佳奈恵
美雪が私のことおばあちゃん呼ばわりするんだけど、
プロデューサー的にどうよ!?
お母さんは、まぁ……ギリッギリ許す。でもギリッギリよ。
なのにお母さん通り越しておばあちゃんはなくない?
●美雪
あ……失礼いたしました。
佳奈恵さんの立ち居振る舞いがおばあさまにそっくりで……。
とても、懐かしくて……舞い上がってしまったのです。
不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。
●佳奈恵
うっ……そんな思いつめたような顔で謝んないでいいよ……。
そりゃ、急におばあちゃんとか言われて、怒りはしたけどさ。
亡くなったおばあちゃんを思い出して、
思わず嬉しくなっちゃったんでしょ。
私にも、そういう経験あるし……。
うん……まぁ、気にしてないから。
●美雪
佳奈恵さん……ありがとうございます。
ですが、勘違いをされては困りますわ。
私のおばあさまは、まだ健在ですので!
●佳奈恵
…………は?
●美雪
おばあさまは寒い気候が大変苦手な方なので、
家の者からは、今はハワイの別荘で過ごされていると聞きました。
最近のマイブームは……そうそう、サーフィンでしたっ。
こちらが先週、おばあさまから届いた写真なのですが……。
●萌
わー、ものすごく荒波を乗りこなしていらっしゃる……
なんてファンキーなおばあさま。
●佳奈恵
ぐっ、ぐぬぬっ……!
●萌
あと、髪型が佳奈恵さんそっくりですね。
●美雪
えぇ。それもあって、ついおばあさまのことを
思い出してしまいまして……ぽっ。
●佳奈恵
生きてんじゃないの、あんたのおばあさま!
紛らわしい言い回しないでよっ!
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第9話「純情少女と天使の円舞曲」
ーー体育館
●萌
はぁ……なんというか、1組見ただけなのに随分疲れました。
まぁ、疲労度は確実に佳奈恵さんの方が上でしょうけど。
あの2人を結びつけるとは、プロデューサーのくじ運は
いいんだか悪いんだか……。
とりあえず、ほかの組を見てみましょうか。
ええっと、あれは……。
●瑠璃花
……ワンツ、ワンツー。
●くるみ
ワン、ツー! スリーッ!!
●萌
瑠璃花さんとくるみさんみたいですね。
また真逆なテンションの2人……。
でも、黙々とレッスンしてますね。
さっきの組み合わせはレッスンにすらなっていませんでしたから、
こっちは問題なさそうですね。
●くるみ
ふぅ! 準備体操おわりなのです!
瑠璃花さん、次は何をしましょうか?
●瑠璃花
いや、一緒に活動するのはここまで。
●くるみ
えっ?
でも、くるみたちペアですよ、ペア!
●瑠璃花
そうだけど、所詮この場限りのペアだから。
基本的には、個別にレッスンしよう。
そっちの方が、お互い集中できると思うし。
●くるみ
でも、この合宿の目的は、お互いの技術を高める? と同時に、
仲を深める? という目的が……。
●瑠璃花
何か用事があるなら、普通に話しかけてもらっていい。
私もそうする。
私に話しかけにくいな、って感じるようなら、
その時は茜か、プロデューサーに言ってもらえればいいから。
●くるみ
うぅ、そういう意味ではないのです……。
●萌
ありゃ。こっちはこっちで、
さっきとは別のところに問題があるみたいですね。
マイペースにレッスンしたい瑠璃花さんに、仲良くなりたいくるみさん。
こりゃ、どっちかが折れるまでまともなレッスンになりませんね。
で、プロデューサーはどっちが折れると思います?
どっちが折れるか賭けません?
●くるみ
くるみは、瑠璃花さんと一緒にレッスンしたいのです!
●瑠璃花
なんで?
●くるみ
なんで、ですか……くるみ、その方がいいと思ったんです。
●瑠璃花
私とレッスンするよりも、くるみはくるみでレッスンした方がいい。
……私と一緒にレッスンしても、得るものはない。
●くるみ
そんなことはないのです。
くるみ、瑠璃花さんのお歌好きなのです!
●瑠璃花
……え?
●くるみ
瑠璃花さんのお歌、ネットでよく聞かせてもらってたのです。
とってもあったかくて、優しくて……
ふわふわして、綿あめみたいで!
悲しい時や、失敗して落ち込んでる時に聞くと、
しゅみみみみ~って! とっても元気になれるのです!
●瑠璃花
そ、そんなの、口から出まかせに決まってる……。
●くるみ
出まかせではないのです!
なんでしたら、くるみのお気に入り再生リスト見ますか?
●瑠璃花
……私の動画、全部入ってる。
日付もずいぶん前……。
●くるみ
これで、信じてもらえたですか?
●萌
前から思ってましたけど、くるみさんの視線って純粋ですよね。
あんな目で見つめられたら、普通の人間なら耐えられませんよ。
●瑠璃花
……気持ちはわかった。
●くるみ
では! 一緒にレッスンを……。
●瑠璃花
でも、好きと参考になるは関係ない。
私の歌が好きだからといって、
くるみのレッスンの参考になるとは思えない。
●くるみ
あ……。
……ごめんなさい、なのです。
お邪魔して……。
●瑠璃花
わかってくれたならいい。
レッスンに集中しよう。
私は自分のやりたいことをやる。
くるみも自分のやりたいことをやればいい。
もしなにか気になることがあったら、指摘して。
私も指摘するから。
●くるみ
……はい。
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第10話「純情戦隊エンジェルナイト」
ーー体育館
●くるみ
っ、う……うっ…………。
●瑠璃花
なっ、なんで泣く!?
●くるみ
くるみ、瑠璃花さんと一緒にレッスンできるの、
嬉しかったのです……
でも、瑠璃花さんにくるみは要らなかったのですね……。
気づかなくて、ごめんなさい……
迷惑かけて、ごめんなさいなのです……っ!
●瑠璃花
じゃ、邪魔じゃない……!
邪魔じゃないから、泣かないでっ……!!
●くるみ
えっ? でも、邪魔だって……。
●瑠璃花
あ、あれは言葉のアヤ的な何かで……つまりその、
照れ隠し……?
●くるみ
そうだったのですか……
じゃあじゃあ、くるみとレッスンしてくれますか?
●瑠璃花
う、うん。一緒にレッスンしよう。
●くるみ
やったぁ! ありがとうなのです!!
一緒に頑張りましょう!
●萌
とうとう、あの瑠璃花さんが折れましたよ。
さすがくるみさん……というか、純粋無垢な涙。
ですが、もしあの涙が計算済みだったら怖くないですか?
正直怖いですね……裏が無いことを祈りましょう。なもなも。
●瑠璃花
くるみはどのレッスンがしたい?
歌? ダンス? それとも基礎的なトレーニング?
●くるみ
はいはいっ!
くるみ、やってみたいことがあるのです!
ライブに自分の好きなモノを取り入れたいのです!
●瑠璃花
好きな物を取り入れるのは、モチベーションアップにつながる。
いいことだとは思うけど……なにを入れたいの。
●くるみ
くるみの大好きな戦隊モノの決めポーズなのです!
●瑠璃花
は?
●くるみ
ラストの決めポーズに、このビシッ!!と決まったポーズを取り入れて、
カッコよくシメる……そんなダンスをしたいのです。
なので、ダンスのアレンジ方法を瑠璃花さんも
一緒に考えてほしいのです!
●瑠璃花
しょ、正気……?
●くるみ
はいっ!
……あの、ダメですか?
●瑠璃花
だ、ダメ………じゃない。
●くるみ
わぁい! ありがとうございます!
それでは、さっそく練習しましょう!
●萌
プロデューサーさん、そっとしておいてあげましょう。
なんだかこのまま見ているのが気の毒になってきました。
●瑠璃花
どうしてこうなった……。
●萌
さて、あれからどうなったんでしょうかね?
●くるみ
こうして、こうして……決まった!
いけます! 瑠璃花さん、ばっちりなのです!
あっ、プロデューサーさんと萌さん!
今、瑠璃花さんと一緒に凄い技を考えたのでぜひ見てほしいのです!!
●萌
わぁ、なんだろー。楽しみだなー。
●くるみ
楽しみにしてくださいね!
では、行きます……!
この世にはびこる悪を討ち、正義の光で地平を照らす!
●瑠璃花
闇夜に潜む者共よ! 今その身、この灯篭の下に現せ!!
●くるみ
我ら雷鳴団の名のもとに、大人しく縛についてもらおうか!
●瑠璃花
従わなければ斬るだけよ! 命惜しくば、降伏せよ!!
●くるみ
……決まった。
決まりました! とってもかっこいいです!
プロデューサーさん、どうですか? かっこよかったですか?
●プロデューサー
かっこよかった!
●くるみ
わぁ、やっぱりですかっ?
瑠璃花さん、一緒にやってくれて、
ありがとうございますです!
●瑠璃花
……私、もうだめ……
ハードな特訓とかガラじゃないのに、
なぜ……付き合ってしまったのか。
●萌
おつかれさまです……えぇ、本当に。
●くるみ
瑠璃花さん、瑠璃花さん!
くるみ、特訓して決めポーズを活かせるダンスを習得したいのです!
一緒に考えてくださいのです!
お願いなのです!!
●瑠璃花
も、もう勘弁して……。
現世(エイドス)サイド:第11章「強くなるための条件」第11話「見透かすタネと裏腹」
ーー合宿所
●ひなた
センターアイドル親睦会! ……というわけで、手品やるね?
●晴海
開幕から不安になるよっ!?
●麗華
……いきなりユニットの代表を集めるから何事かと思ったけど、
深刻な内容じゃないみたいね。
●茜
手品やるって言っても、なにができるのよー。
すっごいの見せてもらえるんでしょ?
●セリア
ハイハーイ! ワタシはトランプの手品がみたいデース!
●ひなた
んー、まずはあいさつ代わりに……それじゃあ晴海ちゃん!
●晴海
ふぇ!? あ、あの、ホントに手品やるの……?
●ひなた
まぁまぁ、それよりカードを1枚引いて、その絵柄を覚えててね。
●晴海
(もっと真面目にやらなくていいのかな……、
んっ……これ、ハートのエースね)
●ひなた
ふむふむ、晴海ちゃんの選んだカードはそれかぁ。
●セリア
ドキドキ……緊張するデスね。
●ひなた
それじゃあカードを戻したらよく切って……っと、
えっと、誰か手鏡とか持ってないかな?
●茜
んー? だったらアカネのがあるから使っていいよ。
●ひなた
ありがと! それじゃあ今からこの鏡に、晴海ちゃんがとった
とあるカードが貼りついちゃうからねー……いくよっ!
バラバラバラバラ!!
●セリア
シュペー! ヒナタの手から、ニンジャ手裏剣みたいに、
鏡に向かってカードが飛び出したでありんすっ。
●麗華
手際がいいわね。自然に手品を進める手腕もあるし、
ひなたは相当、この手品をやりこんでいるみたい。
●茜
カードが全部弾けて……あっ、ホントに1枚、鏡にくっついてる。
●ひなた
晴海ちゃん、貼ってあるカードを手に取ってたしかめてくれない?
●晴海
わ、わかった。それじゃあ……えいっ。
●セリア
ゴクリ……ここがテンノーザンぜよっ……。
●茜
晴海ちゃんどうだったの? くっついたのなんてたまたまで、
ホントは間違ってたんでしょ?
●晴海
あわっ、あわわ……!
●茜
……な、なによ? なんでそんな、泣きそうな顔してるの。
●晴海
わたっ、私、普段は全然運とかないのにっ……
あっ、当たってるー!!
●茜&セリア
えええええええええええっ!?
●ひなた
へへぇ……これがあたしのオンリーワン手品だよっ。
●セリア
すっ、すごいでありんすっ!
ヒナタは本物のニンジャでありんすなっ!
●茜
たしかにすごい! ……けど、アイドルっぽいかは微妙なところね。
●麗華
ハートのエース……これが晴海の選んだカードだったのね。
カードにはクセも、目立つ傷もないみたい。
これはイカサマじゃないわ。
●ひなた
そりゃあもう! あたしは晴海ちゃんの心を覗いて、
選んだカードを見抜いたからねっ。
●晴海
ええっ!? のっ、覗かないでよぉ!
●ひなた
……あれ? なんで怖がられてるんだろ?
●茜
それより、そろそろ手品のタネを教えてくれても
いいんじゃないのー?
アイドルっぽくないけど、可愛いアカネが使う分には
申し分なさそうな感じだったし!
●セリア
ノン! 一子相伝のワザ、アカネになんか教えちゃダメでありんすっ。
●ひなた
別にタネも仕掛けも……あっ、あったりなかったり……。
●晴海
ううっ……ひ、ひなたちゃんと目を見て話せなくなっちゃう……。
●麗華
これがうちの学プロのセンターたち……。
まぁ、らしいといえばらしいのかもしれないわね。
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