【あおガルシナリオ集】現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」
2019年1月31日にサービス終了を迎えるスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」を紹介します。
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第1話「サヨナラは突然に」
ーープロダクション室
――ピピピッ ピピピッ
●プロデューサー
(目覚ましを止める)
――ピピピッ ピピピッ
●プロデューサー
(目覚ましを止める)
●プロデューサー
(目覚ましを止める)
●プロデューサー
(目覚ましを止める)
●???(萌)
プロデューサーさん、そっちじゃないですよ。
●萌
鳴っているのは、私のスマホのアラームでした♪
●プロデューサー
……おはよう。
●萌
おはようございます。
昨日はプロダクション室に泊まったんですね。
朝から申し訳ないのですが、学園長に頼まれまして。
なんでも、プロデューサーさんに大事な連絡があるらしく、
朝一で呼んで来てくれって。
●プロデューサー
どうして?
●萌
さあ。私もそこまでは。
もしかしたら、敗者復活戦で勝ち残ったお祝いに、ボーナスが支給されるとか?
……あ、でもそれなら、経験者としてアイドルたちに多大なる恩恵をもたらしたこの私にも、
何かしかるべき対応があるべきですよね。
となると、昨日私が学園長室に行ったときに何も言われなかったのは
おかしいです。
まったくの別件でしょうか?
何にしても、よろしくお願いしますね。
ーー学園長室
●学園長
……プロデューサー、おはようございます♪
●プロデューサー
何か御用ですか?
●学園長
んー、そうね。用事があると言えばそうなのだけど、
むしろ逆に何も用事がなくなってしまったというか……。
……あー、そうね。単刀直入に言うとね。
いますぐ、荷物をまとめて宿舎から出て行ってもらえるかしら?
●プロデューサー
……え?
●学園長
学園にも立ち入り禁止よぉ。
……ごめんなさいねぇ。私も、まったくもって本意ではないのだけど。
●プロデューサー
どういうことですか?
●学園長
それも言えないの。本当にごめんなさい。
ただ1つだけ言えるのは……。
路上生活の経験も、きっとプロデューサーとしての糧になる。
……ということよ♪
風邪、ひかないように気をつけてね。
ーー公園
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第2話「捨てられちまった悲しみに」
ーー公園
●プロデューサー
(途方に暮れる)
――3日後。
●プロデューサー
(途方に暮れる)
●アリス
…………。
……貴方、黒瀬麗華の学プロの。
こんなところで何をしていますの?
ベンチに座ったまま、ぴくりとも動かないで。
櫻花ひなたの使う鳩でも調達に来ましたの?
●プロデューサー
ひなた……。
●アリス
なんですの、そんな情けない声をだして……。
……と、というか! どうしたんですかその格好は!
服は汚れて、頭もボサボサですわ!
プロデューサーなら、恥ずかしくない格好をなさって!
まるで、仕事を失って途方に暮れてるみたいな顔をしてからに!
●プロデューサー
その通り。
●アリス
……え? まさか本当に?
クビになったんですの? プロデューサーを?
……本当に?
ーー校外レッスン場
どうぞ、お入りになって。
あのまま放っておくのも夢見が悪いですわ。
しばらくはここで生活してくださって、結構です。
学園長にはワタクシから連絡して真意を問いただしてみます。
……まあ、貴方の話を聞くにワケありのようですし、
素直に白状するとは思えませんが。
あ、生活してよいとはいっても、最低限の家賃はいただきますわ。
お金ではなく、働いて払っていただきます。
それでよろしいですか?
●プロデューサー
ありがとう。
●アリス
ふ、ふん。黒瀬麗華のプロデューサーに、礼を言われる筋合いはありませんわ。
まずはシャワーを浴びていらして。
新しい着替えも必要ですわね。
あと貴方、肌が弱いなどということはありませんの?
もしそうなら、浴室に備え付けてあるボディソープとは、
違うのを用意しますわ。
それから、どうせしばらくろくな物を食べていないのでしょう。
シャワー後、すぐに食事にしましょう。
苦手なものがあれば、先に言ってくださいね。
●プロデューサー
ありがとう。
●アリス
だ、だから! お礼を言われる筋合いはありません!
……困っているひとがいたら、できるだけのことはする。
当たり前ですわ。
●プロデューサー
ここはどこ?
●アリス
……そうでしたわね。まだ説明していませんでしたわね。
ここはワタクシたち専用のレッスン場ですわ。
学園とはあえて離れた場所にしておりますの。
ヴァルプロが独自に契約している施設ですから、
学園とはなんの関係もありませんわ。
だから、安心してくださいな。
……近々、他のメンバーも来ます。
またそのときに、詳しくお話しします。
……ああでも、カノンさんになんて説明すればいいのかしら。
いまから気が重いですわ……。
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第3話「四面楚歌」
ーー校外レッスン場
●輝音
…………。
●栞歩
…………。
●律
…………。
●響香
…………。
●プロデューサー
……こんにちは。
●輝音
なぜここに、櫻花ひなたのプロデューサーが?
……アリス。
●アリス
ああっ、はい! なんですの、カノンさん?
●輝音
説明しろ。
●アリス
え、ええと! 公園に捨てられていたので、
うっかり餌をあげたら懐いてしまったというか……。
●律
意味が分からないのだけど。
●アリス
だけど、割とそのままなんですのよね……。
●プロデューサー
(事情を説明する)
●輝音
……なるほど。そういうことか。
●律
あの学園長が、自分の意志でそんなことをするとは思えないわね。
●響香
ていうか、
そんな面白そうなイベントがあったなら、アタシも混じりたかったなぁ。
●律
面白い? 冗談でしょ。
こんな手の回しかたするのは、あの人しかいない。
面倒でしかたないわ……。
●アリス
相変わらず、リツさんはあの人が嫌いなんですのね。
考え方とか、すごく近いものを感じますのに。
●律
あの人のやりかたは実力主義とは言わない。放置主義っていうのよ。
……適当なこと、言わないでもらえる?
●アリス
い、いえ! ワタクシ、そんなつもりは!
あはは……。
●律
シホには悪いけど、あの人と私はどうしてもあわない。
●栞歩
いいよ。相性は、ひとそれぞれだから。
●輝音
まあいい。それよりも時間が惜しい。
今日のレッスンを始めよう。
プロデューサーの話は、またじっくりとな。
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第4話「センパイの独り言」
ーー校外レッスン場
●響香
うふふ、プロデューサー、驚いた?
アタシたち、放課後はここで自主的にレッスンしてるんだよね。
学内にいすぎると、何かと目立っちゃうから。
もちろん、お仕事ある人もいるから、全員集まれないこともあるんだけど。
●輝音
いち、にっ! いち、にっ!
アリス! ターンが0.2秒遅れている! 腕もあがってないぞ!
●アリス
は、はいっ!
●響香
……知ってると思うけど、アリリン……アリスちゃんはね、
麗華ちゃんが抜けてからヴァルキュリアのNo.5になったのよ。
才能ある子だし、少なくともアタシは、
アリリンが麗華ちゃんに劣ってるなんて思ってないわ。
だけど、本人は違うんだよねぇ。もうコンプレックスでガチガチ!
だもんだから、アタシらの顔色をいつもうかがっててさ。
アタシとしては、そんなんじゃ困るんだけどね。
いつまでも対等になれないし、対等でないとチームとして成立しないでしょ?
うちのユニットは学園ナンバーワンなんて言われてるけど、
アタシから言わせれば問題は多くてね~。
それがアリリンが入ったことによって、
如実に浮き彫りになったと思ってんのよね。
●プロデューサー
どういうこと?
●響香
うふっ!
ひなたちゃんや、アナタみたいなプロデューサーがいないことよ~。
もし2人みたいなアイドルとプロデューサーがいれば、
本当の意味でアリリンを、アタシたちの仲間にしてくれる。
これ実際、きれい事でなくて深刻な問題だと思うのよね~。
『ヴァルキュリア』は……いや、ヴァルプロは、才能があるけど
まだ開花しきっていないひとを育てるのには、向いてないと思うの。
でもだからって、アリリンの才能は切り捨てていいものじゃないわ。
きちんと心の問題も含めて、支えてあげられる仲間がいればって、
いつも思ってるの。
どうにか、してあげたいんだけどなぁ~?
……チラチラッ。
●プロデューサー
……どうしたの?
●響香
うふふ、別に?
ただプロデューサーはアリリンに助けられたわけだし、
噂に違わずお節介さんなら、アリリンのことも面倒見てくれないかな~……って。
●プロデューサー
分かった。
●響香
あっはっは! 冗談よ、冗談!
仮にアナタの手を借りたとしても、
アナタはひなたちゃんたちのところに戻っちゃう。
それじゃ意味ないのよね~。
アタシたちが、考えていかなきゃいけない問題なのよ。
●輝音
プロデューサー、ちょっといいかい?
●響香
……おっとっと、いまの話はご内密に。
アタシも立場ってもんがあるからね~♪
●輝音
少し、折り入って頼みがある。
●プロデューサー
どうしたの?
●輝音
お前はいま、学園をクビになって暇になっている身だろ?
だったら……。
これからは、私たちのプロデューサーになってくれないか?
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第5話「悪戯だらけの歓迎会」
ーー校外レッスン場
●栞歩
え、えっと……ではみなさん、グラスはもちましたでしょうか?
カノンがやれというので、『ヴァルキュリア』を代表して、
プロデューサーさんの歓迎会の乾杯をさせてもらいます。
●響香
ひひひっ……。そーっと、そーっと。
●アリス
あら? キョーカさん、何をして……。
●響香
しぃっ、よ! アリリン。
●アリス
は、はいっ。
●律
…………。
●栞歩
正式な学園のプロデューサーとしてではありませんが、
私たちの自主レッスンのプロデューサーさんとして、
今後私たちを支えてくれることになりました。
あの、これからよろしくお願いしますね。
●プロデューサー
よろしく。
●栞歩
それでは! プロデューサーさんの歓迎と、
『ヴァルキュリア』のさらなる発展を祈願して――
●響香
うりゃあっ!
●栞歩
――乾杯。
●一同
かんぱーい!
●栞歩
こ、こら! メガネを返しやがれ!
コソコソやってると思ったら、そういうことか!
●響香
あははははっ! そ、その声やめっ――! 苦しー!
●栞歩
文句あるのか! 親からもらった大切な声だ!
い、いい加減にしないと、流石に怒るぞ!
●輝音
すまないな、いきなり騒がしくして。
みんなお前が来てくれたことで、少々はしゃいでいるんだ。
●プロデューサー
どうして?
●輝音
もちろん、嬉しいからだ。
それ以外にないだろう。
●律
……カノンの言うことには語弊があるけど、
でも、おおむねはその通りよ。
私たち、あなたお抱えのアイドルたちはともかく、
あなたのことは高く評価しているもの。
●輝音
そういうことだ。
初めて櫻花ひなたやお前にあったとき、私は心底失望したよ。
なんの輝きも感じない。泥臭くて、脆くて、
少し力を入れると、ボロボロと手を汚しながら砕け散るような、
そんな、なんの価値もないものだと思った。
●プロデューサー
そんなことない。
●輝音
そうだな。
お前はそれを見事証明してみせた。
だがそれでも、私はやはり『Twinkle☆Star』やお前の学プロの要は
お前自身だと思っている。
●律
同意。
あなたのプロデューサーとしての能力、私はとても興味があるわ。
●輝音
リツは特に、プロデューサー志望だからな。
胸を貸してあげて欲しい。
とにかく、今日は固いことは抜きだ。
存分に食べて、楽しんでくれ。
●栞歩
そういうことです。
これからもよろしくお願いしますね、プロデューサーさん。
●輝音
なんだシホ。もうメガネを取り返したのか。
●栞歩
はい。
キョーカったら、身体さばきがなってませんから。
●響香
シホの動体視力がすごすぎるんだって~。
●栞歩
というかカノン、キョーカはあなたの差し金よね?
……ちょっとお話、いいかしら?
●輝音
……キョーカ、売ったのか。
●響香
売らなくても、分かるでしょ?
●栞歩
カノン?
●輝音
……分かった。
……No.1はカノカノだけど、学年的にはシホが一番上だからね~。
実質、『ヴァルキュリア』をとりまとめてるのはシホなのよ。
●響香
それに、カノカノはアタシと一緒で意外とイタズラ好きなのよ。
……アタシたちはよく説教されるわ。あの声で。
●律
私は怒られたことないわよ。
カノンとキョーカだけでしょ。
●響香
そうとも言う。
●アリス
…………。
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第6話「チョロい少女の献身」
ーー校外レッスン場
●アリス
ちょっとプロデューサー!
水で濡らしたタオルは、まだですの!?
というか、1つ1つ濡らして運んでいては効率がよくありません。
氷水をタライに入れてもってくればいいんですわ!
●プロデューサー
ごめん。
●アリス
まったく、貴方はこの学園でどのようなことを学んで来ましたの?
プロデューサーとは、常にアイドルの側にいるもの!
レッスンが終われば濡れタオルとドリンクをそっと差し出す。
基本ですわよ!
●プロデューサー
ごめん。
●アリス
本当にもう!
……あ、カノンさんレッスンおつかれさまですわ♪
はい、これどうぞ。
●輝音
ああ、ありがとうアリス。助かる。
●アリス
シホさんも、どうぞ♪
●栞歩
ありがとう、アリスちゃん♪
●アリス
どう! 見まして!?
これが一流のプロデューサーですわ!
●プロデューサー
部活のマネージャー?
●アリス
ジャーマネじゃねーですの!
ま、まあ、言いたいことは分かりますわ。
ですが仲間のケアをすることは、プロデューサーだろうがアイドルだろうが、
関係なく大切なことで……。
●輝音
アリス、プロデューサーにはそんなことをさせなくていい。
そいつには、私たちのレッスンを見ていてもらいたいんだ。
●アリス
そ、そうですわよね~!
カノンさんの言うとおりですわ!
ほ、ほら! 何ぼさっとしてますの!?
早くカノンさんたちのところへ行くべきですわ!
そんな金ダライなんてワタクシが持ちますから!
ほら、早く!
……まったく、世話が焼けますわね。
……ふぅ。
今日も一日、レッスンが終わりましたわ。
なんだか、ずっと雑務ばかりで、
あまりレッスンになっていないような気がしますが。
……このままでは、他のメンバーに置いていかれるだけですわ。
とはいえ、仲間のケアはとても大切なことですし……どうしたら。
●プロデューサー
おつかれ。
●アリス
ひゃわっ!? ぷ、プロデューサーさん!?
驚かせないでいただけますか!?
そ、それにワタクシにはまだ仕事が残っていますの。
明日のために、レッスン場の掃除をしないと……。
……はぁ。
そうやって、どんどんレッスンの時間が減っていくのですけどね。
●プロデューサー
手伝うよ。
●アリス
え? 手伝うって、掃除をですの? プロデューサーさんが?
●プロデューサー
うん。
●アリス
た、たしかに手伝っていただければ早く終わりますし、
その分レッスンに割ける時間も増えますが……。
…………。
……も、もしかして貴方、実はとてもいいひと、ですの?
…………。
あ、ありがとうですわ!
本当にもう、なんとお礼を言ったらいいか!
これでみなさんに置いていかれないですみます!
ああ、よかったですわ!
感謝のしるしに、プロデューサーさんの夕食は、
今日からワタクシが作って差し上げますわ!
大丈夫です! プロデューサーさんが掃除を手伝ってくれる分、
時間ができますから!
●プロデューサー
それじゃ意味ない。
●アリス
え? ……あ、ああ。たしかにそうでしたわね。
空いた時間をレッスンにあてる、ということですものね。
ですが、それだとプロデューサーさんに申しわけが……。
●アリス
ああもう! どうしたらいいんですの!?
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第7話「人の振りより我が振り直せ」
ーー校外レッスン場
●響香
おっはー! プロデューサー!
さっそく、アリリンのこと助けてくれたみたいね~?
他の子たちの代わりに感謝しておくわ。ありがと。
●プロデューサー
大したことはしてない。
●響香
おぉ、謙遜ってやつ? それとも天然?
たしかにプロデューサーが少し雑務を手伝って、レッスン時間が増えたところで、
それがすぐ実力の向上に繋がるわけじゃない。
でも、そうやって誰かが気にして助けてくれてるってのが、
アリリンにとってもすごく支えになるんじゃないかしら~?
もちろん、アタシも気を遣ったりするんだけど、先輩な上にNo.4だからさ。
カノカノたちほどじゃないけど、恐縮されちゃって逆効果なのよね~。
アタシにはその、大したことってのができないから、正直助かるわ。
これをきっかけに、アリリンが本当の意味で仲間になってくれるといいなー。
●プロデューサー
お節介だね。
●響香
そうよぉ? 前にも言わなかったっけ?
アタシ、誰かの世話を焼かずにはいられないタチなんだから♪
●律
……キョーカ、いたわね。
●響香
ん? どうしたの、リッちゃん。
●律
あなた、更衣室に脱いだ服、そのまま散らかしてたでしょ?
見苦しいから、きちんとたたんでもらえる?
●響香
……あ。そういえば。
●律
ありえないわ。少しはアイドルとしての自覚をもって欲しいものね。
しかも、制服はともかく靴下や下着まで――。
●響香
わ、わわわーストップ!
悪かった! 悪かったからプロデューサーの前ではやめて!
●律
だったら、きちんとしてください。……先輩。
●響香
あーびっくりした。
リッちゃん、なんてこと口走っちゃってんのよ~。
……ま、まあ、リッちゃんの言うとおり、
アタシがずぼらなのが悪いんだけどね~。
他人に世話焼く前に、自分の世話をしましょうってオチでした。
あはは……。
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第8話「哀翼のチャレンジャー」
ーー校外レッスン場
●律
プロデューサー、ちょっといい?
聞きたいことがあるのだけど。
●プロデューサー
何?
●律
『Twinkle☆Star』に野々宮琴音っているでしょう?
彼女のことを聞かせて欲しいの。
●プロデューサー
どうして?
●律
ライバルだからよ。……このPCの画面を見て。
この前の中間テストの結果よ。
……当然、私が芸能科1位。そして2位が、野々宮琴音よ。
だけど……数学だけは野々宮琴音に負けてるの、私。
1教科だろうと、誰かに負けるのは初めてのことよ。
教えて。野々宮琴音はどんな人物なの?
●プロデューサー
(琴音のことを教える)
●律
……そう。
広い視点をもっていて『Twinkle☆Star』のなかでは参謀的立ち位置……ね。
野々宮琴音……。
『Twinkle☆Star』として『ヴァルキュリア』に迫ってきているうえ、
学内テストにおいても私を脅かす存在……。油断ならないわ。
何気に、あなたの学プロには優秀な人材が多いわよね。
黒瀬麗華も当然そうだし、私が一度は目をつけた渡辺晴海もいる。
私はね、すべてにおいて負けることが大嫌いなの。
どんな些細なことでもよ。
だから、強力なライバルを運んでくるあなたは、私にとって敵よ。
……だけどね、同時に感謝もしてるわ。
負けたくないけど、戦うのは好き。
それも、相手が強ければ強いほどいいわ。
それから……。
……チッ。また来たのね。
ちょっと待って。
いま、高度なサイバー攻撃を受けているの。
こいつがなかなか手強くて、正直、決着が見えないわ。
何々……?
『グランドゥスツヤクワガタの産卵に、ホダ木を使ってるような
トーシローに言われたくない。少し検索すれば分かること。
初心者はノコギリクワガタでも飼ってろ(*^_^*)』
……うるさいわね。
『そんなこと知ってるわw
シイタケ菌で朽ちたホダ木を使ったのは、ワイの話やない。
ワイはちゃんと菌糸カワラ材を使っとるわw』
『当たり前の常識をひけらかしてマウントとりたいんやろうけど、
こっちはトーシローじゃないんや。
お前こそホムセンでアトラスカブトでも買って満足しとけw』
送信、っと。……ふぅ。
えっ、もうレスが返ってきたの!?
ほ、本当に何者よこいつ……! 『天使』なんてふざけた名前つけて……。
こんな日中からパソコンにかじりついてるなんて、
暇な学生かニートに違いないわ!
●プロデューサー
…………。
●律
どうしたのかしら、プロデューサー?
●プロデューサー
なんでもない。
●律
こんなに手強い相手は久しぶりよ……!
いいわ、徹底的につきあってあげる……!
やっぱり、あなたといると強力なライバルが
引き寄せられてくる気がするわ……!
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第9話「混沌の魔王」
ーー公園
●輝音
奇遇だな、こんなところで。
……隣、いいかな?
●プロデューサー
どうぞ。
●輝音
失礼する。
こんな場所で何をしていた?
古巣が懐かしくて、1人で泣いていたのか?
……冗談だ。
だが心配なのは本当だろう。
気が気でない、ってところだろうな。
だけど心配はしなくていい。
今回のお前の追放は、あの人の意志によるものなら、きっと一時的なものだ。
すぐに戻れるさ。
●プロデューサー
あの人……?
●輝音
……そうだったな。
お前にはまだ話していなかったか。
あの人、と呼んでいるが、実のところ私たちも素性を知らない。
名前は……知っているが、口にしたくない。
そのひとの名前を呼ぶことで、恐ろしいことが起きると言われているからだ。
●プロデューサー
恐ろしいこと?
●輝音
それは私にも分からない。
だが、あの人の力は本物だ。
元々は、人々に英雄としてもてはやされていたが、
時代があの人を必要としなくなると、みなあの人のことを忘れていった。
しかし、再び世界に混沌が訪れたとき、
人々は都合良くあの人のことを思い出した。
そしてあの人は帰ってきた。……闇の力をもった、魔王として!
あの人は人類を憎んだのだ……。
同じく復活した、妹と共に、人間に復讐し世界を黒い炎に――。
●栞歩
カノン、何をしてるの?
――ビクッ。
●輝音
…………シホか。
●栞歩
またどうしようもない嘘をついているの?
まったく、カノンのイタズラ好きにも困ったものね。
●輝音
ふふふ、いまハマっているRPGがそんな話でね。
●栞歩
現実とゲームを一緒にしない。
……没収するよ?
●輝音
……正直、すまなかった。
プロデューサー、あの人のことは冗談だ。
彼女の素性に関しては、焦らなくてもすぐに分かるだろう。
ではまた、放課後にな。
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第10話「シュレディンガーの乙女」
ーー校外レッスン場
●栞歩
おつかれさまです、プロデューサーさん。
いつもレッスンを見てくださって、助かっています。
プロデューサーさんの指摘、とても的確なのですね。
そして、個人個人をよく見ている……。
敏腕プロデューサーというのも、納得です。
ですが私、今日はちょっと喉の調子が悪くてですね……。
気付きませんでした? であれば、うまくできたみたいですね♪
●プロデューサー
…………。
●栞歩
どうしたんですか? 私のことじっと見て……。
あ、もしかして私の声のこと、気になってます?
メガネを外すと周りが見えなくなって、
なんていうんでしょうか……恐いものがなくなるっていうか。
だから思ったことをストレートに言えるんです。
声も……ほら、低く作ったほうが、迫力あるじゃないですか♪ うふふっ♪
●輝音
作ってるのは普段の声だぞ。
メガネを外したときのほうが、地声だ。
●栞歩
…………。
カノン?
●輝音
…………私はこれからキョーカと約束があるのでな。失礼する。
●栞歩
…………。
……あとで覚えておきなさいね。
あ、ごめんなさいね、プロデューサーさん。
カノンの言ったことはあまり気にしないでくださいね。
ということで、これからもよろしくお願いしますね♪
●プロデューサー
…………。
●栞歩
……なんですか、その何かを期待するような目は。
…………。
…………ダメですよっ。
メガネはそう簡単に外しません。
私、安売りはしない女なんです♪ うふふっ♪
現世(エイドス)サイド:第19章「振り払われた光」第11話「解き放たれた暴虐の封印」
ーー公園
●響香
あープロデューサー!
おつかれ~!
この公園でよく会うな。
他に行く場所がないのか?
●プロデューサー
そのメガネは?
●響香
シホのよ。
本当はシホと3人で買い物に来ていたんだ。
しかしこの公園を通った際、シホのファンに会ってな。
これは面白いと思って、キョーカにシホのメガネを奪わせたのだ。
●響香
シホ、メガネ取ってると言いたいこと言っちゃうからねぇ~。
ファンの前だと何言うかわからないから、トイレにこもって出てこれないみたいよ?
●輝音
この前、私のゲームのセーブデータを上書き保存した仕返しだ。
……武器の熟練度、MAXまで鍛えたのに。
●響香
じゃ、そういうことで!
アタシたち、いつものレッスン場で待ってるから!
●栞歩
……許さん、あいつら。
いつまでこんな児戯を続けるつもりだ。
いい加減、オレも我慢の限界が近い……。
……自害しろ、2人とも。
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