【あおガルシナリオ集】現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」
2019年1月31日にサービス終了を迎えるスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」を紹介します。
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第1話「気がかりの少女」
ーー学園内広場
●和歌
あ、プロデューサーさん。
ひなた、見ませんでしたか?
テスト前日だから、最後の追い込みしようって話だったんですけど……。
放課後になったら、どこにもいなくって。
……やっぱり、蛍さんのことが気になってるんでしょうか?
突っぱねられても、ひなたは……。
●ひなた
あたしがどうかしたの?
●和歌
きゃあ!? ひ、ひなた!?
●ひなた
あははっ、ごめんごめん。
驚かせるつもりはなかったんだけど。
●和歌
もう……どこ行ってたのよ?
放課後はみんなで集まる約束だったでしょ?
●ひなた
あー、うん……ちょっとね。
●麗華
あの子――滝崎蛍のところに行ってたのね。
●ひなた
あ、麗華さん……どうしてわかったんですか!?
●和歌
はぁ……やっぱり、諦めてなかった……。
なんというか、ひなたは分かりやすのよ……。
●ひなた
あれ? そうかな?
●麗華
それで、どうだったの?
あの子の姿がないから、大体の想像はつくけれど。
●ひなた
ダメだったというか、見つからなかったんだぁ。
クラスまで行ったあとに、図書室にも行ったんだけど……。
蛍ちゃん、私から逃げるの上手い……。
●和歌
もう帰った、とか?
●麗華
それはあり得る話ね。
自分の部屋なら静かにやれるはずだし。
色々な誘惑に負けない前提だけどね。
●ひなた
うっ……あたしはその誘惑に負けて……。
いまみたいな状況に……。
●和歌
…………。
●プロデューサー
どうかしたの?
●和歌
あ、いえ……今回ばかりは、ひなたのことは言えないなと……。
●ひなた
和歌も休憩しようとして、横になった瞬間に寝ちゃったりしてたの?
それとも、ちょっと魔が差して、漫画読んで時間潰しちゃったり?
もしくは、壁に変わったかたちのシミを見つけて、
目の凝らし方でブランコに乗ったサラリーマンに見えたり
赤ちゃんの下半身に見えたり?
●和歌
ひなた、そんな変な遊びはやめなさい!
●萌
な、なんかちょっと怖いんですが……。
●ひなた
……?
●和歌
そうじゃなくて……。なんとなく部屋の掃除を始めたら、
止まらなくなっちゃって……最終的には断捨離状態に。
●ひなた
テスト前って、普段は気にならないことがすっごく気になるよね!
●麗華
失敗した時のため、無意識的に言いわけを作ってるという話よ。
実力じゃなく、余計なことをしたからダメだった、なんて言いわけ。
そうすることで、精神的なリスクを軽減させるらしいわ。
●ひなた
無意識?
ということは、あたしたちは本能に従って行動しただけ?
●和歌
だから、仕方ない……。
なんてことにはならないからね?
●ひなた
だよねー。あはは……。
●麗華
こうして立ち話を続けているのも、その1つかしらね。
●ひなた
あっ……。
●麗華
時間になっても来ないものだからね。
捜しに来たのよ。
●ひなた
わわっ、遅刻!?
4人とも、急ごう!
●和歌
あ、ちょっと……ひなた!
そんなに慌てると、転んじゃうから!
●麗華
ふふっ……あの子……。
しれっとプロデューサーもついて来るように言ったわね。
今日はレッスンお休みだけど……。
どうするの?
●プロデューサー
ついていく。
●麗華
言うと思ったわ。
行きましょう。
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第2話「決意を抱き、前を向く」
ーー教室
●悠
しゃあ! これでよしっと!
麻里紗先輩、ここの答え合ってるか見てください!
●麻里紗
ん~……うん、正解よ。
やればできるじゃない。
●悠
あざッス!
●くるみ
くるみもできたです!
●麻里紗
どれどれ……
ふふっ、本当ね。
2人ともはなまるよ。
●くるみ
やった~です! ところてん~!
●悠
イェーイ! ところてん~!
●麻里紗
と、ところてんはもうやめましょうね……。
●セリア
…………。
●彩
今度こそ、あってると思うけど……。
●美雪
セリアさん、いかがでしょう?
●セリア
ユピー! アヤ! ミユキ! やったデスね!
●美雪
わわっ!?
●彩
な、なんで、いきなり頭をなでるのよ?
●セリア
2人とも、今日までよく頑張ったデス!
なんだかあちきまで嬉しいでありんすね!
ふらっと母性に目覚めてしまったデス!
●美雪
うふふ、ありがとうございます。
●彩
本番はまだなのに……まったく……。
●茜
るーりーかっ♪
アカネちゃんもやったげようか?
●瑠璃花
セクハラ。
●茜
セクハラ!? なんで!?
●瑠璃花
…………。
●茜
無視しないでよ!
●ひなた
あはは、なんかいつも通りだね。
●和歌
余裕があることはいいんじゃないかしら?
●楓李
せやな~。
●麗華
……琴音、頃合いよ。
●琴音
あ、はい、そうですね。
●和歌
あの、何かあるんですか?
●麗華
えぇ、テストに向けてのプレゼントがあるわ。
●和歌
プレゼント?
●悠
やったー!
●麗華
わたしと琴音が作った、抜き打ちテストという名のプレゼントがね。
●ひなた
やだー!
●楓李
い、いけずやわぁ……。
●麗華
大丈夫よ。
実際のテストよりも簡単、だから。
●琴音
ソ、ソウデスネ……。
●ひなた
片言だ!?
●麗華
さぁ、始めるわよ。
準備はいいかしら?
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第3話「何人寄れば文殊の知恵?」
ーー教室
●ひなた
はぁ……麗華さんも琴音ちゃんもイジワルだよー……。
抜き打ちテストだなんて……。
●楓李
しかも、実際のテストより簡単言うて……。
めっちゃ難しかったよなぁ……。
●彩
逆にそのほうがよかったんじゃない?
ここで赤点回避できれば、追試本番の不安も減るし。
●くるみ
でもでも、いきなりは焦るです……。
●悠
瑠璃花先輩なんて、電池切れてますよ!
さっきからピクリとも動かないです!
●瑠璃花
…………。
●美雪
瑠璃花さ~ん。
●瑠璃花
…………。
●美雪
反応がありませんわ。
あ、これが省エネモード?
●和歌
多分、そうだと思います。
●琴音
採点、終わりました。
●ひなた
う……な、なんか緊張してきたかも……。
●麗華
そんなに固くならなくても大丈夫よ。
このテストにスタフェスの予選は関係ないんだから。
それに、赤点を取った人は――。
●ひなた
いなかったの!? やったー!
●彩
あ、危なかった……。
これでダメだったら、セリアに半径5キロ圏内のフェンリルバーガーの店舗に
火を放つって脅されてたから……。
●和歌
ど、どんな脅迫よ……。
●悠
これは胴上げですね、胴上げ!
まずは誰からいきましょう!?
●美雪
で、では私が! 私からあげてくださいまし!
●瑠璃花
本番じゃないのに気が早い……。
●くるみ
ですです!
●琴音
あ、あの……みなさん、麗華さんの話を最後まで……。
●和歌
えーと……もしかして、何かあるの?
●麗華
……赤点を取った人はいたわ。残念ながら。
●悠
そ、そんな……! さっきの流れだと完全に、
赤点はいないみたいな感じだったじゃないですかー!
●麗華
赤点をとったひとはいたわ。でも、本番では十分に戦えそう。
そう言おうと思ったの。
●楓李
えぇ、誰なん?
そんなん、情けないのは。
●琴音
あの……楓李さん……。
●楓李
何?
●琴音
赤点を取ったのは……楓李さんです……。
●楓李
……………………。
●麗華
全教科、25~29点で赤点だったわ。
●楓李
…………ホンマに?
●ひなた
だ、大丈夫だよ! あと全部1~5点あげればいいんだから!
そんなの誤差の範囲だよ誤差!
●楓李
誤差やったら、四捨五入して合格にしてくれへんかなぁ。
●麗華
本番よりは難しめに作っているから、
大丈夫じゃないかなとは思ってるけど……。
●くるみ
やっぱり、簡単に作ってるって嘘だったですー!
●麗華
…………。
●セリア
なんにしてもギリギリすぎデス。
ちょびっとでも足を滑らせたら、それすなわち死っ! はっ!
●琴音
本当はあんまりよくないんですが……。
こうなったら、最後の手段を使います。
●楓李
さ、最後の手段?
な、なんなん、それ?
●セリア
一夜干しデス!
●楓李
乾き物?
●琴音
違います。一夜漬けです。
●麗華
わたし、琴音、茜、麻里紗、セリアの5人体制で勉強を教える……。
必ずあなたを追試に合格させてみせるわ。
●麻里紗
人事を尽くして天命を待つ。
……まだ、尽くすべき人事が残っているわ。
●茜
まあ、仕方ないわね……。
こっちも覚悟を決めてつきあうわよ。
●麗華
これだけのメンバーが本気で教えれば、負けはないわ。
●セリア
ちなみに、追試に落ちたら本当に、
フェンリルバーガーを焼き払いに行くデス。
●琴音
ちょうどルリちゃんの家で勉強合宿しようと思ってたんです。
……楓李さん、覚悟を決めてください。
●楓李
…………。
……嘘やん。
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第4話「一夜漬けは大福と共に」
ーー校門前
●悠
おはようございます、プロデューサー!
今日はいよいよ勝負の日ですね!
●くるみ
昨日、緊張して寝つけないかなーって思ってたんですけど……。
気がついたら朝までぐっすりだったです。
●プロデューサー
良かったね。
●くるみ
はいっ! 絶対に合格するです!
●ひなた
やっほー! みんなー!
●悠
あ、ひなた先輩と和歌先輩!
おはようございます!
●くるみ
おはようございますです!
●和歌
おはよう、2人とも。
その様子だと、昨日はよく眠れたみたいね。
●くるみ
昨日はしっかり休むようにって、麻里紗さんに言われてたのです!
●和歌
なら、追試中に眠くなるってことはなさそうね。
楓李以外は……。
●ひなた
一夜漬けだからね~……。
●悠
なんか、昨日の琴音先輩は超気合い入ってました!
いつもより、頼もしい感じでした!
●ひなた
うーん……たしかに……。
●瑠璃花
そんなに珍しくない。
コトちゃんは昔からそう。
普段は遠慮したりして、控えめな行動が多いけど……。
こうと決めたら、ムダな行動力を発揮する。
●和歌
よく分かってるわね。さすが幼なじみ。
●瑠璃花
うん。
●ひなた
そうなると……麗華さんも一緒だったし……。
結構なスパルタになったんじゃ……。
●瑠璃花
今回はスタフェスの予選もかかってるから、
茜もめんどくさい感じだったと思う。
●和歌
麻里紗さんとセリアさんが飴役になってればいいけど……。
●くるみ
あっ! みなさん!
見てください! 楓李さんです!
●楓李
…………。
●くるみ
ふらふらしてるです……。
●悠
顔色も悪い気が……。
●瑠璃花
髪もぼさぼさ……。
●和歌
これは……かなりガッツリやったみたいね。
●ひなた
……お、おーい、楓李ちゃーん!
おはよー!
●楓李
……あかん。
●ひなた
へ?
●楓李
詰め込んだのが溢れてまう。
ぽろぽろいまにも落ちそうやねん。
●ひなた
そ、そっか……ごめんね。
●楓李
あ、落ちるって言うたな。それはあかんで。
次落ちたら、また琴音はんハウス送りや。
それだけは、阻止せなあかんのや。
琴音はん、かわいい大福みたいなほっぺで、
あんなえげつないこと言うんやなぁ……。
できないはできるって、逆やない? できるはできないやと、うちは思うで。
理解できんのやったら、まるっと覚えろって……。
あんなおいしそうな顔やのに……。
●くるみ
ふぇぇ……。なんだか怖いですぅ……。
●ひなた
……琴音ちゃん、意外とスパルタ?
●琴音
スパルタっていうか……コトちゃん、悪気なく「できるよね?」って言ってくる。
教えてもらってる身としては、ノーといえない。
●和歌
というか、楓李は本当に大丈夫なの?
●悠
自分たちも失敗できないですね……。
琴音はんハウス送りは、嫌ですから……。
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第5話「混迷のリベンジマッチ」
ーー教室
●ひなた
うあー! やっと終わったー!
色々と解放された気分だよ!
●和歌
私も手応えはありました。
赤点は、多分ないかと……。
●ひなた
えへへ、これも麗華さんたちのおかげかな。
プロデューサーさんも、補習ありがとうございました!
●プロデューサー
どういたしまして。
●ひなた
瑠璃花ちゃんはどうだった?
●瑠璃花
問題ない。
というか、私より聞くべき相手がいるでしょ。
●ひなた
それはそうなんだけど……ほら、見て……。
●楓李
はぇ~……。琴音はんの言ったところ、バッチリでたわぁ。
ほんまにすごいわぁ。なんや大福食べたくなってきたわぁ。
●和歌
……まだ少し混乱してるみたい。そっとしておきましょう。
●瑠璃花
でも、ゆるゆるでだらしない幸せそうな顔してる。
●ひなた
きっと、上手くいったんだよ。
●和歌
別の教室で追試受けてるみんなは、どうだったのかしら?
●悠
みなさん! テスト、どうでした!?
自分はバッチリでした!
麻里紗先輩が教えてくれたところ、ぜーんぶ出ましたよ!
●くるみ
くるみもです! 解答用紙が面白いくらい、ずぞぞ~って埋まっていったです!
●ひなた
じゃあ2人とも、大丈夫だったんだね!?
●悠
もちろんです!
●くるみ
はい~!
●和歌
良かった……。
●蛍
…………。
●ひなた
……蛍ちゃんはどうだった?
●蛍
別に。普通。
●ひなた
普通? 平均点ぐらいはとれたってこと?
じゃあ、大丈夫なんだね!?
良かったぁ~! 一緒にスタフェス予選、出られるね!
●蛍
……ホント、理解不能。
ここで私が落ちれば、有利になるのに……。
でも、それが櫻花ひなたという人間なのよね。
●和歌
蛍さんもひなたのこと、分かって来たじゃないですか。
●蛍
ええ。底抜けのお人好しってことはね。
●ひなた
んん?
●蛍
あと言っておくけど、いつもは赤点なんて取らないんだからね。
●和歌
そ、それは私もです!
●悠
自分だって!
●くるみ
くるみもですよ!
●瑠璃花
当然。たまたま、だから。
●蛍
…………。
●萌
赤点とるひとは、みんなそう言うんですよ。
●ひなた
あたしは結構とるよ!
●和歌
それはそれで自慢にならないから。
●萌
ともかく、美雪さんと彩さんも、テスト前の様子だと大丈夫でしょう。
問題は本当に……。
●楓李
はぁ……琴音はんのほっぺた、ほんまにふわふわやなぁ……。
あれに包まれて寝たら、気持ちよさそうやなぁ……。
●萌
……大丈夫、ですよね?
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第6話「敗北者たちの凱旋」
ーー教室
●萌
さて……みなさんに集まってもらったのは、ほかでもありません。
追試の結果が返ってきたかと思いますので、その報告をお願いします。
この結果いかんでは、スタフェスの予選には出られなくなります……。
率直に聞きます。
追試に合格した人!
●ひなた
はーーい!
合格しましたぁー!
●悠
はいはいはい!
自分とくるみもオッケーでした!
●くるみ
大型ほ乳類舐めんなよっ、です!
●彩
私も! 私も合格したわよ!
●美雪
私もです!
●和歌
数学は予習復習の反復が大事だから……。
補習と勉強会でなんとかなったわ……。
●瑠璃花
本気出せば、このくらい余裕。
●萌
えーと……それじゃ、楓李さんは?
●楓李
あんな……そのな……。
うち、言わなあかんことあるんやけどな……。
●ひなた
……え。
●和歌
まさか、楓李……。
●楓李
うち、全教科50点以上とったの初めてやわぁ。
ほんまにありがとな。
●くるみ
……と、ということは?
●プロデューサー
全員、合格。
●ひなた
やったーー!
●悠
これは、今度こそ胴上げじゃないですか!?
●美雪
あ、私……私、胴上げされたいですわ……!
●くるみ
くるみもされてみたいです!
●彩
フェンリルー! うわあああ! よかったよ~!
●ひなた
あっ、そうだ。
他のみんなにも知らせてこないと。
●和歌
そうね。
散々、迷惑と心配かけたわけだし。
●ひなた
あたし、行ってくる!
●和歌
ちょっと、ひなた!
はしゃいだら危ないわよ!
●楓李
すごい勢いやな~。
って、そうや……あの子はどうなったんやろ?
●彩
あぁ、フレプロの。
でも、もし不合格だったら、すごく気まずい空気に……。
●蛍
合格、したわよ。
●悠
うわっ!? いつの間に!?
●蛍
ドア開けっ放しだったから、普通に入ってきただけだけど?
というか、櫻花ひなたは?
●くるみ
他のメンバーのところに行きました!
●蛍
……そう。そっちも全員、合格したのね。
●くるみ
ひなたさんに用事でもあったです?
●蛍
ちょっとね……。
●和歌
待ってれば帰ってくると思うわよ。
●蛍
いや……今度でいいわ。
どうせ、スタフェスの予選で顔を合わせることになるし。
それじゃ、私もレッスンがあるから。
●瑠璃花
……不戦勝じゃなかった。
●悠
それでいいじゃないですか!
アイドルとして白黒つけられるんですから!
●美雪
うふふ、そうですわね。
いわゆる、熱い展開、というやつでしょうか。
●悠
うぅー……ジッとしてられないです!
自分、レッスンまで走ってきます!
●萌
か、解放された途端、妙に元気になりましたね……。
まぁ、燃えてるのはいいことだと思いますけど。
●瑠璃花
燃えるのは相手のSNSだけでよかったのに。
●彩
いや、それはよくないでしょう……。
本当、ブレないわね……。
●萌
とりあえず、スタフェス予選です。
気持ちを切り替えていきましょうか。
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第7話「宣誓」
ーー校門前
●ひなた
……いよいよ、明日が予選本番か。
追試が終わってから、あっという間だったなぁ。
●プロデューサー
おはよう。
●ひなた
あ、プロデューサー、おはよう!
今日はすごく早いんだね!
えと、あたしはなんだか目が冴えちゃって。
えへへ……。
ジッとしてるのもなんだし、
予選前に自主練でもしようかなって。
……緊張とわくわく、半分半分って感じかな。
●蛍
真剣勝負前だっていうのに、ずいぶん呑気ね……。
遠足に行く小学生じゃあるまいし。
●ひなた
あ、蛍ちゃん。
●蛍
やる気がないよりかはマシだとは思うけど……。
やっぱり、リーダーっぽくないわね。
●ひなた
蛍ちゃんは違うの?
●蛍
私は念のために早めに来ただけ。
センターが遅刻したら、メンバーに示しがつかないでしょ。
それに……スタフェスの予選前に……。
どうしても、あなたに言いたいことがあったから。
●ひなた
あたしに?
●蛍
……私が追試に合格できたのは、あなたのおかげでもあるから。
●ひなた
へ? なんのこと?
●蛍
私、やっぱりあなたみたいな人がアイドルだなんて……センターだなんて……。
どうしても認められなかったの。
もっと言えば、あなたをセンターに据えているプロダクション丸ごと……。
だから、どうしてもスタフェスの予選で勝負をしたかった。
アイドルとして戦って、甘い考えじゃダメなんだって。
いままで自分に課してきた、厳しい考えじゃないとダメなんだって
証明したかった。
●ひなた
…………。
●蛍
でも、黒瀬麗華が言った通り……。
1人じゃどうしようもなくって……。
そんな時、メンバーが私のところに来て、
勉強を教えてくれたの。
●ひなた
それは、とっても素敵なことだと思うけど……。
私のおかげではないような……。
●蛍
私を捜して、フレプロのメンバーに声かけたでしょ。
その時に気になったらしいのよ……。
また頼まれごとされて、時間がなくなってるんじゃないか。
それで追試の勉強が進んでないんじゃないかって。
●ひなた
蛍ちゃんの勉強をサポートしてくれたんだね。
●蛍
正直、助かった……メンバーが来なかったら、ダメだったと思う。
だから、あなたには感謝してるわ。
●ひなた
あたしは大したことしてないよ。
でも、少しでも力になれたならよかった。
●蛍
……別に、いまのメンバーは嫌いじゃないの。
けど、実力的に一緒にいても上には行けないと思ってる。
だから、距離をとってたのに……。
黒瀬麗華と同じように、1人で上に行こうとしたのに……。
●ひなた
多分、フレプロの子たちは……蛍ちゃんのこと……。
蛍ちゃんが1人でがんばってたこと、ちゃんと見てたんだよ。
だから、同じプロダクションのメンバーとして助けたかったんだと思う。
●蛍
…………。
●ひなた
きっとそう。
だから、いまからでもフレプロのみんなと、一緒に……。
●蛍
それは無理よ。
●ひなた
え……?
●蛍
やっぱり、私は上に、ヴァルプロに行きたいから。
今回みたいな状況も、1人で切り抜けるべきだった。
力不足で、それはできなかったんだけど……。
だからこそ、1人でなんでもできるようにしたい。
誰かと支え合うなんて、そんな優しい環境じゃダメなのよ。
それじゃ、認めてもらえない。
それじゃ、私が憧れたトップアイドルにはなれない。
だから、私はやり方を変えられないわ。
●ひなた
蛍ちゃん……。
●蛍
ちょっと喋りすぎたわね……もう行くわ。
今日の予選、お互いに手加減なしにしましょう。
●ひなた
……うん、そうだね。
あたしたちも負けるわけにはいかないから。
全力を尽くすよ。
●蛍
……ありがとう。
それじゃ、ステージで。
●ひなた
…………。
プロデューサー……やっぱり蛍ちゃん、
みんなとは一緒にいられないのかな……?
ーー選択肢1
●プロデューサー
哀しいね。
●ひなた
うん……。あたしには蛍ちゃんの考え方、分からないかな……。
ーー選択肢2
●プロデューサー
仕方ないよ。
●ひなた
そうだね。蛍ちゃんもアイドルになるために本気なんだよね。
……どっちが良い悪いじゃ、ないんだよね。
プロデューサー、あたし蛍ちゃんたちに勝つね。
あたしはあたしのやり方が正しいってこと、証明したいから。
……本気で、やるよ。
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第8話「Revelation」
ーー控室
●蛍
結果は……私たちの、負け……。
私のスタフェスは、ここで終わりか……。
●ひなた
蛍ちゃん……。
●蛍
おめでとう……って、なんて顔してるのよ?
勝ったんだから、もっと誇らしくしてよ。
●ひなた
…………。
●蛍
言っておくけど、スタンスを変えるつもりはないわよ。
黒瀬麗華みたいに、ソロでもやれるって前例があるんだから。
●ひなた
うん……わかってる。
●蛍
今日のところは、あなたたちに勝ちは預けておくわ。
けど、いつか取り返す。
その時まで、潰れないでよ……。
●ひなた
…………。
●麗華
……危ういわね。
あの子、昔のわたしに少し似てるわ。
●ひなた
昔の麗華さんのこと、意識してるというか……。
多分、憧れてるんだと思うな。
●麗華
そう……昔のわたしに……。
●ひなた
けど、それにしたって孤独だよ……。
今回はなんとかなったかもしれないけど……。
あんなんじゃ、いつか……。
●麗華
潰れてしまう可能性はあるわね。
誰かが、彼女をコントロールしない限り。
●ひなた
誰か、ですか……。
●麗華
立ち振る舞いや言動から察するに……。
彼女はプライドも高いだろうし、目上の人間のほうがいいわね。
たとえば、私たちにとってのプロデューサーにあたる人間、とか。
●ひなた
あたしたちにとってのプロデューサー……。
フレプロは、たしか……。
●麗華
…………。
●ひなた
……プロデューサー、お願いがあります。
●プロデューサー
なんだい?
●ひなた
あたしを律ちゃんに会わせて!
どうしても話がしたいの!
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第9話「強い意志と代償」
ーー廊下
●麗華
……本当に、ついていかなくて大丈夫なのね?
●ひなた
うん。プロデューサーもいるし。
お話しに行くだけだから。
●麗華
ひなたがそう言うならいいのだけど……。
プロデューサー、何かあったらお願いね。
●プロデューサー
任せて。
●ひなた
それじゃ、行きましょうか。
失礼します!
ーープロダクション室
●律
…………。
●ひなた
櫻花ひなたです。
律ちゃん。今日は話があってきたんだよ。
●律
……普通、こんな飛び入りの面会は受け付けないのよ。
プロデューサーの頼みだから聞いただけ。
話があるなら、手短に終わらせて欲しいわね。
●ひなた
律ちゃん……。
●律
それで、話って?
●ひなた
蛍ちゃんのことだよ。
●律
滝崎さん?
●ひなた
蛍ちゃん、プロダクションのなかで
すごく寂しそうにしてるんだよ。
●律
それが?
●ひなた
誰にも頼れず、ただ追い詰められて……。
1人で苦し思いをしてる……。
多分、ずっとそうだった……。
●律
…………。
●ひなた
いまも1人でなんでもできるようにって……。
無理してる……。
このままじゃ……蛍ちゃん……。
いつか、きっと潰れちゃうよ!
●律
だから、彼女のフォローなりケアをしろと?
●ひなた
うん! それができるのは、きっとプロデューサーである律ちゃんだけだから!
●律
無理ね。
●ひなた
な……なんで……!?
●律
彼女自身が私の助けを望まないからよ。
知っているでしょう?
●ひなた
そう、だけど……。
●律
私は滝崎さんの意志を尊重するわ。
そういう強い意志が、私のプロジェクトには必要だから。
たとえ、その結果……彼女が潰れてしまったとしてもね。
●ひなた
そんな……。
●律
潰れる人間は、潰れるべくして潰れる。
それとは逆に、潰れない人間は決して潰れない。
滝崎さんがどちらなのか、それは分からないけれど……。
潰れたら、その時はその時だわ。
●ひなた
…………。
●律
話は以上?
それなら、私は別件があるから。
失礼。
●ひなた
……待って!
まだ話は終わってないよ!
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第10話「ソンザイノショウメイ」
ーープロダクション室
●ひなた
待って!
●律
……まだ何か?
●ひなた
律ちゃんは、蛍ちゃんが潰れたら、
その時はその時だって言うけど……。
そんなの寂しいって……哀しいって思わないの!?
●律
…………。
●ひなた
蛍ちゃんは……ううん、蛍ちゃんだけじゃない……。
フレプロのみんなは、あなたの人形じゃないんだよ!
●律
はぁ……それなら、私のやり方を認めなければいい。
フレプロに所属しているメンバーにも同じことが言えるわ。
私のやり方が気に入らないのならば、フレプロから抜ければいい。
私が選んだメンバーだから、他の学プロにも入れる実力はある。
けど、滝崎さんをはじめ……。
いま、フレプロにいる人間は抜けようとしていない。
そういう意志があれば、私は抜けることをおススメしている。
あなたのところの渡辺晴美さんのようにね。
●ひなた
…………!
●律
あなたたちは、私に忠告しに来たつもりでしょうけれど……。
逆にこちらから忠告するわ。
●ひなた
……何?
●律
あまり、他のプロダクションの方針に口を出さないことね。
余計な禍根を残すことになる。
それでも、私のやり方を否定し、口を出すのなら……。
その決着はスタフェス予選の決勝で。
おそらく、お話だけでは解決しないから。
●ひなた
……分かった。
私たちが勝って、私たちが正しいってことを証明する。
●律
……楽しみにしておくわ。
●ひなた
…………。
ーー廊下
●麗華
やっぱり、衝突したのね。
●ひなた
ごめんなさい……あたし、勝手に……。
●プロデューサー
構わないよ。
●麗華
そうね……どの道、スタフェス予選を勝ち上がれば戦うことになるわ。
だけどひなた、1つ覚えていて欲しいのはね、
律の言っていることも間違っていないってことよ。
●ひなた
……うん。分かってる。
●麗華
もちろん、ひなただって間違っていない。
どちらが正しい、正しくないという話ではないのよ。
●ひなた
そう、だよね……。律ちゃんに話を聞いて、
あたしってものすごく子供だなって思った。
本当にアイドルになりたいって思ったら、
律ちゃんや蛍ちゃんの考えが正しいのかも、って……。
でもね、あたしは嫌だ。だから、証明したい。
側にいて支えてくれる仲間がいることが、
アイドルになるために大事なことなんだって。
スタフェスで優勝して……ナンバーワンになって……証明したい!
●麗華
ひ、ひなた……。
あなた、いま……。
●ひなた
え? どうしたの?
●麗華
…………。
……なんでもないわ。
とにかく、その前に敗退してしまっては意味がない。
……やれることは、全部やりましょう。
●ひなた
そうだね! それじゃあ補習分を取り戻すためにも、
いまからレッスンに行こう!
●麗華
ええ。私も付き合うわ。
プロデューサーもいいでしょう?
●プロデューサー
もちろん。
●ひなた
えへへ。ありがとう!
それじゃあスタフェス優勝目指して、
みんなで頑張ろー!
現世(エイドス)サイド:第22章「正しさの証明」第11話「名探偵フウリの家宅捜査」
ーー瑠璃花の部屋
●琴音
それじゃあ楓李さん、みなさんが来る前に、
軽く復習か所の復習をしておきましょうか。
●楓李
えぇ……。復習の復習ってなんなん……。
5分前行動の5分前みたいな……。
●琴音
それくらいやらないと間に合いませんよぉ~。
ほら、そこに座ってください。
●楓李
……あ。
●琴音
どうかしました?
●楓李
なんやベッドの上にかわいいぬいぐるみがあるなぁ。
それ、瑠璃花はんのお気に入りなん?
●琴音
え? ……って、きゃあああ!?
み、見ないでください~!
●楓李
え、なんやその驚きよう……。
うちが不埒なことしたみたいや。
●琴音
うぅ……あれ、私のぬいぐるみなんです。
ルリちゃんの家でお泊りだから、持ってきてて……。
おかしいな……見られたらいけないものは、
全部隠したはずなのに……。
●楓李
見られたらあかんもの?
●琴音
い、いちいち反応しないでください~!
普通に干してる洗濯物とかですよ……。
って、こんな恥ずかしいこと言わせないでぇ~!
●楓李
え? いま自分で言わんかった?
●琴音
だ、だって! そうじゃないと楓李さん、変な勘違いしそうじゃないですか!
ほ、ほら。年頃の男の子が学校にもってくると言われてる、そういう本とか……。
●楓李
気のせいやろか……。
琴音はん、勝手に自爆しまくっとるような……。
というか、少なくともぬいぐるみは恥ずかしくないやろ?
●琴音
そ、そうですか?
でも私、昔からこれがないと夜眠れなくて……。
この年にもなって、恥ずかしくないですか?
●楓李
そんなことないやろ。
●琴音
そうですか? ……良かったぁ。
●楓李
……さっきまで、もっと恥ずかしいこと言いまくとったからな。
●琴音
え? なんですか?
●楓李
なんでもないで。
●琴音
この子、小さい頃からずっと一緒なんです。
うさぎなんだけど、ほら見てください、額がトラみたいでしょ?
●楓李
ほんまや。トラみたいな黒い縞模様が入っとるな。
●琴音
はい。それで自分のことをトラだって思い込んでるんです。
本当はうさぎなのに。……かわいくないですか?
●楓李
かわいいと思うで。
●琴音
ですよね、よかったぁ。
●楓李
……なんやろ。このうちが翻弄されとる……!
と思ったら、いきなりむっちゃ普通のこと言うし……。
●琴音
トラぴょん、今日は私のお友達がたくさん来るんだよ?
一緒に寝られないけど、ごめんね。
●楓李
琴音はん……あなどれんひとやでぇ……。
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