【あおガルシナリオ集】アイドルストーリー「Twinkle☆Star(トゥインクルスター)」編
2019年1月31日にサービス終了を迎えるスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、アイドルストーリー「Twinkle☆Star(トゥインクルスター)」編を紹介します。
なお、Twinkle☆Star(トゥインクルスター)のユニット&キャラクターは別記事で詳しく紹介しています。
櫻花 ひなた:第1話「友情もあるよ!手品師ひなた」
ーーレッスン場
●ひなた
ねぇねぇ和歌!
あたしの手品、見ててくれない!?
●和歌
もちろんいいわよ。
何を見せてくれるの?
●ひなた
ふっふっふ……ほら、見て見て! スカートの下から、するするする~!
●和歌
へぇ! 万国旗ね!
でも、それって普通じゃない?
ハイパー・アイドル・エンターテイナーとしては、
もっとあっと驚くような……。
●ひなた
するするする~!
●和歌
……って、まだ出てくるの? い、一体いつまで……。
●ひなた
150カ国だよ!
●和歌
150!?
●ひなた
でも、万国旗の数が足りなくて、最後の一枚だけ和歌のを借りたんだぁ。
●和歌
借りた? 何を?
●ひなた
それはね……ほら、これが最後の1枚だよ!
●和歌
それって……わ、私の下着!?
●ひなた
かたちとか似てるし、結びやすかったんだ~!
●和歌
ひ、ひひひひひひひなた……な、何を……。
●晴海
って、コラー! 何やってるの!
●ひなた
あ、晴海ちゃん!
●晴海
女の子なんだから、そういうことしちゃダメ!
ほら、早くしまって!
●ひなた
えー、ちょうどいいと思ったのになぁ。
●和歌
ひ、ひなたが私の下着を……。
は、恥ずかしいけど……大切に使ってくださいね……。
●晴海
いや。お客さんに見せられないんじゃないかなぁ~……。
櫻花 ひなた:第2話「マス・こみゅにけーしょん」
ーー図書室
●琴音
ほら、ひなたちゃん。
ここ、分かる?
●ひなた
ん、んん~……。
●琴音
まず、いちばん前の数字の2乗があって、
次にこの後ろの数字同士と、さらに2をかけて……。
●ひなた
う~……。
わ、分からない……。
●琴音
そ、そう……。
この因数分解、初歩の初歩なんだけどなぁ……。
●ひなた
あたし、数学とか苦手なんだよぉ~……。
そうだ! あたしでも分かるように、アイドルに例えて欲しいな!
●琴音
あ、アイドルに!?
●ひなた
うん! そうしたら、イメージできると思うんだ!
●琴音
じゃ、じゃあ……。
因数分解っていうのは……。
●ひなた
うん!
●琴音
『Twinkle☆Star』のメンバーがそうだったように、
いろんなアイドルとユニットを組んで、より大きくなったり……。
●ひなた
うんうん!
●琴音
逆にメンバーの不仲とかで、
ユニットを解散してバラバラになったりすること、かな。
●ひなた
……え? か、解散!?
●琴音
い、いえ。ただの例えだよ?
●ひなた
解散……そうか、分かった!
●琴音
はい?
●ひなた
『Twinkle☆Star』は解散しない!
●琴音
……答えになってないですからね?
櫻花 ひなた:第3話「センター合同戦線〜キャッチコピーとは〜」
ーープロダクション室
●ひなた
さて、今日は週に1回のセンター会議だよ~! やったね!
●晴海
どうしてセンター会議で、「やったね!」なのかな?
●茜
アカネはむしろ、こういう堅苦しいのって苦手なんだけどぉ。
●ひなた
堅苦しくないよ? 今日の議題は、
うちの学プロのキャッチコピーを決めよう! だから!
●麗華
たしかに、そういうのは大切かもしれないわ。
お客さんが最初に目にするものの1つだもの。
●セリア
うぃ! ではあちきは、
『情けはヒットマンのためにあらず!』
を提案するでありんす!
●晴海
ちょっと意味がわからないのだけれど……。
●セリア
『情に囚われるとなんだかんだで最後に裏切られて死ぬ』……
そんなニンジャの教訓でありんす!
●麗華
……そうね、分かりやすく、それでいて目をひくものがいいと思うわ。
『天地創造 ~アイドル・フロンティア~』
なんて、どうかしら?
●茜
……なんて?
●晴海
……えっと……あの……。
●茜
もしかして、麗華さんって中二病ってやつ?
●麗華
……そ、そんなにおかしいかしら。
●茜
仕方ないわねぇ。
だったら、このアカネちゃんが、ズバッと決めてあげるわ!
ずばり! 週休3日制! 各種保険完備、正社員雇用制度有り!
とかどーよ!?
●麗華
ただの願望ね。
●晴海
アイドルに正社員って、あるのかなぁ?
●茜
何よ~! そんなに言うなら、晴海ちゃんは何かあるわけ!?
●晴海
私? 私は……。
じゃ、じゃあ、アイドルであり、学生らしさも出るように……。
さ……『サイン・コサイン・ラブサイン!』
……な、なんて! どう……かな?
●全員
…………。
●晴海
う、うぅ……。
殺して……誰か私を殺して……。
●茜
恥ずかしいなら言わなきゃいいのに……。
●セリア
介錯なら任せるデース!
●麗華
結局決まらないわね。
●ひなた
あたしはみんなの案、どれもいいと思うけどなぁ。
●晴海
ひなたちゃんは何かないの?
●ひなた
あたし? うーん、そうだね。それじゃあ……。
『あいさつは大事にしましょう!』
……とか!
●茜
……フツーね。
●晴海
うん。
なんだか、小学校の廊下の掲示板に貼ってそうな……。
●麗華
キャッチコピーとしてはちょっと……。
●セリア
うーん、結局決まらないでありんすねぇ。
●ひなた
ダメかぁ~!
あいさつは……大事だと思うんだけどなぁ……。
水科 和歌:第1話「カラダを作る食事の理論」
ーー学食
●和歌
ち、千尋さん……。それ、お昼ご飯ですか?
●千尋
そうだよぉ?
●和歌
ハンバーグ定食大盛りに、たぬきうどん……。
それからフルーツサラダと、デザートのミルフィーユ……。
●千尋
今日はちょっと調子が悪いの。だから、少なめだよ?
●和歌
少なめ!? これで!?
●千尋
んー? アイドルは身体が資本だよぉ?
たっくさん動くんだし、これでも足りないくらいだよ~。
●和歌
……私は、オクラと納豆のねばねばうどん1杯で、
お腹いっぱいになるのに。
でもたしかに、私はもう少し食べたほうがいいいのかもしれませんね。
最近よくスタミナ切れが起こるのは、食事が原因かも?
●千尋
そうそう。和歌ちゃんは小食なんだよ~。
●和歌
では、千尋さんを見習って、私ももう少し……。
●愛美
おっつー。千尋に和歌。
私もここで食べていい?
●千尋
愛美ちゃん、いらっしゃ~い。
●和歌
ええ。もちろん構いませんよ。
愛美さんも練習量すごいですし、さぞかしたくさんの昼食を……。
…………。
●愛美
どしたの?
●和歌
愛美さんのお昼、そのバナナ1本と牛乳だけですか?
●愛美
そうだけど? 1日3食食べるときは、私は昼はこんなものだけど……。
●和歌
…………。
千尋さんも愛美さんも、極論過ぎですよね。
やっぱり、私ぐらいが普通なんだと思います。
●千尋
えー、そうかなぁ。
●愛美
……一体、なんの話?
水科 和歌:第2話「甘いママの関係」
ーーレッスン場
●愛美
ねぇ和歌。
アンタちょっと、ひなたを甘やかし過ぎじゃない?
●和歌
え? そんなことないですよ?
私ほど、ひなたのダメなところを熟知している人間はいないと思います。
●愛美
熟知した上で受け入れてない??
●和歌
そうですけど。
●愛美
だから、受け入れないで指摘しなさいよ!
●和歌
指摘しますよ? 指摘した上で、受け入れるんです。
●愛美
つまりそれって、指摘しても治らないから、諦めてるってことでしょ?
●和歌
指摘して治らないのは、ひなたの個性なんです。
大事にしてあげないと……。
●愛美
……この親にして、あの子ありって感じね。
●琴音
なんだか楽しそうなお話をしてますね。
●愛美
楽しそうに見える?
今後の『Twinkle☆Star』の方針に関わる、大切な問題なんだけど。
●琴音
娘の教育方針で話し合ってる、
お父さんとお母さんみたいでしたよ?
●愛美
勘弁してちょうだいよ……。
この年にして、子育ての苦労なんて分かりたくないわ……。
水科 和歌:第3話「未知との遭遇」
ーーレッスン場
●和歌
悠、くるみ、こんにちは。
●くるみ
あ、和歌さんですー! こんにちはー!
●悠
どうも! 晴海先輩に御用ですか!?
●和歌
そういうわけじゃないの。
ただ近くを通りかかったから。
最近、晴海の調子はどう?
●悠
いつも通りですよ。
●くるみ
いつも通り、壁に向かって1人で何か喋ってるですー。
●和歌
え? 壁……?
●くるみ
はいです!
晴海さんの教室に遊びに行ったら、
くるみに気付いていなかったみたいで、1人で何か喋ってたです。
●和歌
…………。
●悠
くるみ、それは違う。
あれは壁に喋ってるんじゃなくて、
飼ってるペットに話しかけてるんだって。
●くるみ
ふぇ? 晴海さん、ペットを飼ってるですか?
●悠
うん。
晴海先輩は、アリを飼ってるんだよ。
●くるみ
へー! そうなんですか!
くるみ、全然知らなかったですー!
●和歌
あ、アリ……。
…………。
それは大丈夫っていうの?
●悠
大丈夫かどうかは分からないけど、いつも通りですよ!
●和歌
そ、そう……。
……今度、晴海の部屋に行ってみましょう。
1人じゃ恐いから、ひなたも連れて……。
望月 愛美:第1話「裏表のない先生」
ーーレッスン場
●琴音
はぁ……。また愛美さんに迷惑かけちゃいましたね……。
私に意気地がないから……。
●愛美
接触が恐くて、動きが縮こまってたものね。
たしかに、あれじゃかえって危ないわ。
●琴音
ごめんなさい。私がもうちょっとうまくできれば……。
やっぱり、アイドルに向いてませんよね。
●愛美
もう、何言ってるのよ琴音は。
そんなことでいちいち落ち込まないの!
●琴音
で、ですけど……!
●愛美
そもそも、琴音は気にしすぎなのよ。
もちろん、反省するなって意味じゃないけど。
過度な反省は、ただの卑屈よ。
琴音ってば、勉強はできるのにこんな簡単なこと、
どうして分からないのよ。
●琴音
えっ……。
●愛美
……あっ。
……え、ええと、違うの。
ひとは誰しも得意不得意があるんだから、
それぞれの得意分野で頑張ればいいって話で……。
●琴音
でも、アイドルに勉強は関係ないですし……。
●愛美
そんなことないわよ!
琴音は実際、ステージの構成考えるの上手じゃない。
●琴音
…………。
●愛美
実際、琴音がいなかったら、
私もここまでやってこれなかったと思うし、その……。
…………。
って、ごめん。私ひどいわよね。
琴音を落ち込ませたかったわけじゃないのに……。
●琴音
え?
●愛美
こんなの、リーダー失格よね。
……と、思ったけど、もう実際に『ラブ・ビューティー』は
無くなったわけだから、とっくに失格してたわね。
ああ、なんてダメなアイドル。うふふ……。
●琴音
え、愛美さん!? 大丈夫です伝わってます!
私を励まそうとしてくれたんですよね!?
というか、なんだか立場が変わってません!?
落ち込んでたのは私のはずなのに!
●愛美
ふふふっ。うふふ……。
望月 愛美:第2話「人のふり見て我がふり直せ」
ーーレッスン場
●愛美
ねぇ千尋。ちょっと言いにくい話なんだけど……。
●千尋
ん? どうしたの、愛美ちゃん?
●愛美
千尋、ちょっとやせた方がいいんじゃない?
●千尋
んんー!?
●愛美
あー、ごめん。私、言葉選ぶの下手くそだから……。
本当に悪気はないのよ?
でも、やっぱりアイドルだし、身体は資本でしょ?
少し食事制限とかしたほうがいいんじゃ……。
●千尋
大丈夫。
私、夜はだいたい鶏肉しか食べないんだよ?
●愛美
鶏肉?
●千尋
うん。
鶏の胸肉はタンパク質が豊富で炭水化物が入っていないから、
全然太らないんだよ~。
●愛美
でも千尋、昨日はジュースとかも飲んでたし。
●千尋
あれは100パーセント果汁だから大丈夫。
それも、濃縮還元でなくて、きちんとストレートだよ?
それにやせるにしても、食事を極端に減らすのはよくないと思うなぁ。
きちんと食べて、きちんと運動する!
それがいちばん健康だし、丈夫な身体になると思うの。
あ、それから、夜はきちんと寝ることだね。
愛美ちゃんは、ちゃんと寝てる?
●愛美
……き、昨日は録りためたドラマを観てて、あんまり。
●千尋
もう、ダメだよ~?
愛美ちゃんかわいいんだから、身体は大事にね?
●愛美
……ご、ごめんなさい。
私が完全に悪かったわ……。
望月 愛美:第3話「深淵のヴィーナス」
ーー教室
●ハツラツとしたアイドル
愛美ちゃん、またね!
明日の家庭科、一緒に頑張ろうね!
●愛美
ええ、また明日。
家庭科は朝一だから、寝坊しないでよね。
……さて、じゃあ今日もレッスンに行こうかしらね。
●瑠璃花
……あ、ヴィーナスさん。
●愛美
んなっ!!!??
●瑠璃花
こんにちは、ヴィーナスさん。
今日のいいお天気ですね、ヴィーナスさん。
●愛美
る、瑠璃花……!
アンタ人前で何を……!
ちょ、ちょっと来なさい!
ーー廊下
●愛美
どーいうつもりよ!?
ていうか、なんでアンタがそれを!?
●瑠璃花
ネットの闇は深い、とだけ言っておく。
●愛美
ま、まさか……!
●瑠璃花
ヴィーナスさん、小学校のときは自分の名前、自分で言いふらしてた。
外国人みたいでカッコイイって。
●愛美
アンタ、私の小学時代のオーディションビデオ、観たわね!
どーしてそういうの見つけて来るかなぁ!?
●瑠璃花
ネットの闇をのぞき込むとき、闇もまたこちらをのぞき込んでいる。
●愛美
意味分からないわよ!
●瑠璃花
でも、私は好き、ヴィーナスって名前。
本名なのにHNみたいで憧れる。
●愛美
え……っ?
●瑠璃花
ヴィーナスさん自体も、小さくてかわいい。
……ただ、身長151cmっていうのが、唯一の欠点かも。
●愛美
……いつも思うけど、よく2人でユニット続けていけてるわね。
●瑠璃花
大丈夫。誰にも言わない。
これは、私とヴィーナスさんだけの秘密だから。
●愛美
そ、そう……。ありがとう。
●瑠璃花
それじゃあ。
●愛美
……瑠璃花、なんだったのかしら。
この名前、カッコイイなんて言われたの初めてよ。
あの子も変わってるわね。
……ちょっと、嬉しいじゃない。
嘉陽 千尋:第1話「グルメ旅、はじめます」
ーーハンバーガー屋
●琴音
千尋さん、何読んでるんですか?
●千尋
あ、琴音ちゃん。一緒にどーぞ。
●琴音
えーと、古今東西、日本グルメマップ??
●千尋
うん~。ご当地名物の食べ物をまとめた、ナイスな本だよ~。
●琴音
あー、よくありますよね、そういう本!
見てるだけで楽しくなりますよね!
あ、この赤いボールみたいなお菓子はなんですか?
●千尋
ふふふっ、これはお菓子じゃないんだよ?
たしかに、見た目はかわいいけどねぇ。
●琴音
……へぇ、お寿司なんですね!
しかも種類もたくさん!
すごい! 色んな味があって楽しそうです!
●千尋
食べてみたい?
●琴音
え? あ、はい。食べてみたいですけど……。
●千尋
じゃあ、行こう~。
日付はいつがいい?
●琴音
で、でも、これってすごく遠いんじゃ……。
●千尋
はぃぃ?
●琴音
…………。
そう、ですね。いつ行きましょうか。
来月の連休なんていいんじゃないですか?
●千尋
そうだね~。
ひなたちゃん、愛美ちゃん、和歌ちゃんも誘って、
みんなで行こうね~!
嘉陽 千尋:第2話「私たちの無人島談義」
ーープロダクション室
●ひなた
じゃーん! 心理テストだよ!
●琴音
心理テスト?
●ひなた
うん! 無人島に1つだけ持って行けるとしたら、何がいい?
●愛美
まーたひなたは。誰も参加するなんて言ってないのに。
●ひなた
しないの?
●愛美
……するけど。
●千尋
人が生きて行くには、食べ物は絶対に必要よねぇ。
●ひなた
だったら、食料?
●琴音
いいえ。無人島には食料になるものは豊富にあります。
むしろ、食料を確保するための道具が必要かと。
だからここは、アーミーナイフです。
●ひなた
あーみーないふ?
●琴音
折りたたみ式のナイフのことです。
ナイフ以外にも缶切りとかハサミとか、たくさんついてて便利なんですよ。
●千尋
だけど、野生動物と戦うには、ちょっと心許ないかなぁ。
●琴音
だったら、ミリタリーナイフでしょうか?
●愛美
……ちょっとアンタたち、心理テストに何真剣に考えてるのよ。
というか、ナイフがどうとか、野生生物と戦うとか、
アイドルなんだからもうちょっと考えなさいよね。
うふふっ☆ エミわぁ、仲良しのうさちゃんのぬいぐるみがいないとぉ、
夜は恐くて眠れないんですぅ~☆
とか、かわいいこと言えないの?
●千尋
うーん、そうだねぇ。
それじゃあ……。
わたしは、コロッケかなぁ。
●和歌
コロッケ?
●琴音
コロッケ、ですか?
●愛美
コロッケ……コロッケって……。
●千尋
うふふ。だって、こんがりきつね色だよ?
とってもキュートだって思うなぁ。
●和歌
かわいい……ですかね?
●愛美
心理テストどうこうより、アイドルとしての
千尋の感性に疑問を感じるわね……。
嘉陽 千尋:第3話「お菓子こわい」
ーー控室
●千尋
……あれ?
●理子
おっ? なんだ、千尋じゃないか。
●更菜
あっ、ど、どうしたんでしょうか?
ここって、『GE:NESiS』の控室ですけど。
●美雪
もしかして、控室を間違えましたの?
うふふ、分かりますわ。
同じような部屋が並んでいて、迷路みたいですものね。
●千尋
あー……どうやらそうみたいねぇ。
わたしったら、おっちょこちょいでごめんなさい。
●理子
でもまあ、ちょうどいい。
時間があるなら、混ざっていかないか?
●千尋
混ざる?
●更菜
ババ抜きをやってるんです。
でも3人だと、すぐにババが回って来ちゃって……。
●更菜
勝った方には、お菓子が贈呈されるんですよ?
●千尋
まぁ。それはまぁまぁ、お菓子が贈呈!
じゃあせっかくだし、少しだけお邪魔しようかなぁ~。
(何勝負か終えて)
●千尋
うふふ。また勝っちゃったぁ。
●理子
つ、強すぎる……。
●更菜
ここまで負けなしですからね……。
●千尋
情け容赦はしないよぉ?
ふふっ、お菓子もたくさん集まったねぇ。
●美雪
あら? しかし、賞品のお菓子がもうありませんわ。
どういたしましょう……?
●更菜
あ、もう1つだけありあますよ。
これ、なんですが……。
●理子
酢昆布?
●千尋
えっ!?
●理子
なるほど……。お菓子かと言われると微妙な気がするが、
まあこの際致し方ない。
千尋に一度も勝てないまま終わるは癪だからな。
次こそ、勝つ!
(勝負を終えて)
●理子
……勝った。あっさりと。
●更菜
どうしたんでしょう? 千尋さん、今回はずっと
ババを持ちっぱなしだったような気がするんですが。
●理子
まさか、手を抜いたのか!
●千尋
んー、そんなことはしてないよぉ。
●更菜
ババ抜きでわざと負けるって、むしろすごく難しいと思います。
●理子
それもそうか……。
●千尋
私、昆布が大の苦手なのぉ。
●美雪
そうなのですか?
●千尋
うん~……。だからどうにも力が沸いてこなくて……。
正直、こうして目の前にあるだけでも、
身体がふにゃ~ってなっちゃうんだぁ。
●理子
それは意外だな。
うちは父親が好きだから、昆布はいつも家にあったぞ。
味噌汁には必ずはいる。
それに、軒先にはよくぶら下がっていたし。
●千尋
の、軒先に……。
もし、そんなことを、わたしの部屋の前でやられたら、
一生部屋に入れないわぁ……。
それだけは勘弁してぇ~……。うぅ……。
●更菜
だ、大丈夫ですよ千尋さん!
誰もそんな不思議なイタズラしませんから!
●美雪
昆布のせいで力が出ない……。
そのような奇妙なことがあるのですね……。
野々宮 琴音:第1話「名探偵琴音ちゃん」
ーープロダクション室
●ひなた
あ、あれ?
●和歌
どうしたの、ひなた?
●ひなた
ない……。あたしの携帯が……。
●和歌
え? カバンの中じゃない?
●ひなた
うーん、違うみたい。
ポケットにもないし、床にも落ちてないよ~……。
●愛美
……いま、アンタの携帯にかけてるけど、
どうやらこの部屋にはなさそうね。
●ひなた
そんなぁ……。
●千尋
あら、どこに行っちゃったのかなぁ。
●琴音
……ひなたちゃん、さっきジュースを買いに行ったよね?
●ひなた
あ、うん。行ったよ。
●琴音
それにひなたちゃん、ジュースを買う前に、
小銭がなくてお札使えるかなぁって心配してたよね?
●ひなた
う、うん……。
●琴音
だったら、もしかしたら自販機の前に落ちてるかも……。
●ひなた
……ちょっと見てくるね!
(自動販売機を見て、戻ってくるひなた)
●ひなた
あったよ! 自動販売機の前に落ちてた!
●和歌
えぇ!? 本当に!?
●千尋
すごいねぇ! 琴音ちゃん、どうして分かったのぉ?
●琴音
ひなたちゃん、制服のポケットに携帯入れてたよね?
●ひなた
うん。
●琴音
それで財布の中には小銭もなかった。
つまり、お札でジュースを買うと、お釣りを回収しないといけない。
お釣りを回収するには、上体を屈ませないといけないから、
そのとき、制服のポケットから滑り落ちたんじゃないかなって。
●ひなた
う、うん……そう、なのかな?
●和歌
すごいよ琴音!
まるで安楽椅子探偵みたい!
●琴音
お、大げさですよ。
●愛美
ホント、琴音の観察眼と洞察力には舌を巻くわね。
私も何かなくしたら、琴音に聞いてみようかしら。
●千尋
あ、それなら、わたしも、
琴音ちゃんに相談したいことがあるんだけどぉ……。
●琴音
なんですか?
●千尋
もってきたはずのお菓子が、楽屋の中で消えちゃってぇ……。
どこにあるか知らないかなぁ?
●琴音
え?
えっと……そ、それは……。
●愛美
……千尋、それは私にも分かるわ。
●千尋
えっ?
●愛美
答えは……アンタのお腹の中よ。
さっき、嬉しそうに食べてたじゃない。
●千尋
そ、そうだった?
●琴音
あはは……。
それは場所が分かっても、どうしようもありませんね。
野々宮 琴音:第2話「ドキドキをもとめて」
ーー教室
●琴音
…………。
――ぺらっ
●琴音
…………。
●ひなた
琴音ちゃんっ。
●琴音
っ!?
――パタンッ!
●ひなた
何の本を読んでるの?
●琴音
ひ、ひなたちゃん!?
え、えっと、そんな大したものじゃ……。
●ひなた
ん?
●琴音
……これ、です。
●ひなた
え、これって……小説?
なんだか、ピンク色でかわいい表紙だね。
●琴音
れ、恋愛小説だから……。
●ひなた
恋愛小説……?
へー! 琴音ちゃんって、そういうの読むんだ!
●琴音
は、恥ずかしいのであまり大きな声で言わないで~!
●ひなた
いいと思うけどなぁ。
あたしは、文字だけの本って読めないけど。
●琴音
……すごく、素敵なの。
現実にはありえないし、いざ自分がってなると
まだよく分からないけど……。
でも、王子様みたいな人が、いつか私を迎えに来てくれるって思うと……。
●ひなた
思うと?
●琴音
……ドキドキ、しちゃう。
●ひなた
琴音ちゃんって……。
●琴音
な、なに……?
●ひなた
かわいいねっ!
●琴音
っ!?
ほ、他の本だって読むんだよ!?
冒険活劇とか!
●ひなた
それはどうして好きなの?
●琴音
えっと、ドキドキするから、かな。
恋愛とは違うドキドキですけどね。
●ひなた
ふーん、そっか。
つまり琴音ちゃんは、ドキドキしたいんだね。
●琴音
そう……かもしれないけど、そういう言い方やめて~!
なんか恥ずかしい~!
野々宮 琴音:第3話「瑠璃花専門家庭教師」
ーー図書室
●琴音
はい、じゃあルリちゃん、この英単語の意味は?
●瑠璃花
……分からない。
●琴音
分からないときは、どうすればいい?
●瑠璃花
調べる。
●琴音
そうだね。じゃあ、辞書ひいてみようか。
●瑠璃花
…………。
●琴音
って、どうしてスマホを取り出すの?
●瑠璃花
だって、辞書を引くにはこれが一番早い。
●琴音
ダメだよ。ちゃんと紙の辞書を使わなきゃ。
●瑠璃花
どうして、スマホじゃダメなの?
●琴音
え? うーん、そう言われると難しいけど……。
私は、辞書のこの重さがいいんだと思うな。
●瑠璃花
重さ?
●琴音
うん。これだけ分厚いと、意味を調べるのも大変でしょう?
だから、苦労して見つけた単語は、なかなか忘れないんだよ。
●瑠璃花
そんな前時代的な考え方……。
そもそも、英語なんてできなくても、
いまの時代スマホがあればなんとかなる。
●琴音
でも、試験はスマホ使えないよ?
私も、側にいてあげられないし。
●瑠璃花
…………。
●琴音
はい、英和辞書。
●瑠璃花
……。
●琴音
あ、そうだ。
一応、漢字辞典と国語辞典も渡しておくね。
●瑠璃花
……う。
●琴音
あと、何があるかわからないから、
これと……これと……これも。
●瑠璃花
うっ、うっ、うっ……。
●琴音
これだけあれば、安心だね!
●瑠璃花
……お、重い。
む、無理、こんな重量、歩けない……。
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