【あおガルシナリオ集】想世(アンダー)サイド:第1章「出会いと不和」
2019年1月31日にサービス終了を迎えるスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、想世(アンダー)サイド:第1章「出会いと不和」を紹介します。
想世(アンダー)サイド:第1章「出会いと不和」第1話「輝きのはじまり」
ーー学園長室
●萌
では、さっそくですが行きましょうか。
●プロデューサー
どこに?
●萌
どこって……捜すんじゃないですか?
プロデューサーが気になってる、2人組のユニット。
もちろん、仕事はてんこ盛りなのですが、
まずはその気になる2人をすっきりさせないと、
集中できませんよね?
ふふん♪ 経験者の余裕っていうんですか?
私がいれば、仕事なんてちょっぱやで片付きますから♪
●ナレーション
2人でひなたとその相方を探す。
すると、彼女たちが中庭でゲリラライブをしているのを見つけた。
ーー学園内広場
●お嬢様結びのアイドル(和歌)
行きますよー!
3……2……1……はい!
――バタバタバタ!
●萌
……え? は、鳩?
いま、足元に置いた帽子から、鳩がでてきましたよね?
●お嬢様結びのアイドル(和歌)
ふふふっ、こんなの、まだまだ余興ですから!
本番は、これからですよ!
●萌
……ああ、余興でしたか。 ちょっと変わってますけど、
ステージの演出としてはありなんじゃないですか?
●リボンのアイドル(ひなた)
今度は……じゃじゃん!
なんと、ここに取り出したるマイクが……!
●萌
ついに歌うんですね!
●リボンのアイドル(ひなた)
はいっ! 一瞬で消えて……そこのひと!
きみの胸ポケットに瞬間移動したよ!
●萌
結局マジックじゃないですか!
……一体、どうなってるんです?
(ゲリラライブが終わって)あんなの、ライブじゃないです!
ただのマジックショーじゃないですか!
●リボンのアイドル(ひなた)
そうだよ?
●萌
あっさり認めました!
●リボンのアイドル(ひなた)
あたしたち『Twinkle☆Star』は、
ナンバーワンじゃなくてオンリーワンを目指すユニットなの!
大切なのは、どうしたらお客さんが喜んでくれるか。
だからライブでもマジックでも、関係ないんだよ!
●萌
そ、そんな無茶苦茶な……。
●お嬢様結びのアイドル(和歌)
ちゃんとライブもやりますよ。
そこの馬のボーンのひとは、知ってると思いますけど。
つまり私たちは、既存のアイドルという枠に囚われない、
ハイパー・アイドル・エンターテイナーなのです!
想世(アンダー)サイド:第1章「出会いと不和」第2話「知るも知らぬもご一緒に」
ーー学園内広場
●和歌
それで、あなたは新任のプロデューサーで、
私たちを学プロに勧誘したいと。
●ひなた
賛成! よくわからないけど、あなたとならすごく楽しそう!
●和歌
またそんな適当なこと言って……。
●ひなた
ところで和歌。
●和歌
何?
●ひなた
学プロって、何?
●和歌
…………。
……え?
●ひなた
ん?
●和歌
ひなた、あなた……。
そんなことも知らないの?
●ひなた
うん。だって、和歌から聞いたことないし。
●和歌
そう、だったかしら……。
●萌
……プロデューサー。
やっぱりこのひとたち、やめておきません?
歌わない、踊らない、学プロのことを知らない……。
経験者の私じゃなくても、これはヤバイと素直に思うのですが……。
●プロデューサー
学園のこと、教えてあげよう。
●萌
マジですか……。
まあ、プロデューサーがそういうなら……。
ひなたさん、いいですか?
●ひなた
ふぇ?
●萌
『学プロ』……正式名称『学内プロダクション』というのは、
アイドルたちが所属する芸能事務所みたいなものです。
学園は学プロに活動予算をふりわけますが、所属アイドルが
有名になれば、その評価として仕事も予算も増える仕組みです。
●ひなた
わかった……ような?
●和歌
私たちみたいな、どこの学プロにも入っていないユニットは、
フリーと呼ばれるのよ。
●萌
そうです。ここまではいいですか?
●ひなた
なんとなく!
●萌
では続けます。
この学園では、通常の学業以外にも、アイドルとしてのレッスンの
カリキュラムやシステムも充実させています。
ライブバトルで仕事や評価を勝ち取り、自身のアイドルランクを
上げていくのが、この学園でのやりかたですね。
●ひなた
えーっと、アイドルランクってなに??
●萌
そこからですか……。
アイドルランクとは、アイドルごとのランク付けのことです。
最低が『E』から始まり、最高が『S』になります。
●和歌
ちなみに、私たちは一番下の『E』だからね、ひなた。
●ひなた
そ、そうだったんだ……!
あたし、ランクEだったんだ……!
●萌
……ここまではいいですか?
●ひなた
たぶん!
●萌
……プロデューサー、このひと、本当に大丈夫なんですか?
●プロデューサー
たぶん……。
●萌
…………。
想世(アンダー)サイド:第1章「出会いと不和」第3話「非常な現実」
ーー学園内広場
●萌
最後に、もう1つだけ。
スターライトフェスティバル、通称『スタフェス』について。
これは、数々の名だたるアイドル学園に所属する学プロから、
頂点を決めるための……いわばアイドル甲子園です。
生徒たちの目標はもちろん、
プロのアイドルとしてデビューすることですが……。
そのためには、このスタフェスに出場して良い成績をおさめるのが
セオリーなんです。
出場するためには、
まず各学園での代表に選ばれる必要があります。
うちの場合は、スタフェス選抜大会のことを、
『スターライトフェスティバル学内予選』と呼んでいます。
スタフェス学内予選へ出場する学プロは、学園側が選びます。
正直、1年目の学プロが選ばれる可能性は、かなり低いですね。
と、こんなところですかね。
●ひなた
はーい! ありがとう、萌ちゃん!
●和歌
ひなたがすみません。私の教育不足です……。
●ひなた
それで、プロデューサーさんは私をその、がくぷろ?
に誘ってくれてるんだよね?
●萌
そうですよ。
プロデューサーも必死なんです。
なんせ、とあるフリーの3人組ユニットを、承認ライブに合格させ
学プロに入れる、という使命がありますから。
そのために、少しでも学プロ力を強めておきたいんでしょうね。
●プロデューサー
なんのこと?
●萌
は? なんのって……プロデューサーこそ何を言ってるんですか?
今日、このあと、学園長からプロデューサーの担当する
フリーのユニットを紹介されるじゃないですか。
もし承認ライブを合格させられなければ、
プロデューサーはクビになるっていう話……。
●プロデューサー
聞いてない。
●萌
…………。
いま、言いましたから!
ち、違いますよ!
学園長からプロデューサーに説明するように言われていて、
私がうっかり伝えていなかっただなんて!
そんなことあるわけないじゃないですか!
なんせ私は、経験者なんですよ!
●和歌
……なんだか行き違いがあったみたいですが、まあいいです。
私たちも所属する学プロを探していたのは事実です。
どういうわけか、どこもなかなか受け入れてくれなくて……。
●萌
そうでしょうね……。
●和歌
なので、こちらこそよろしくお願いします!
●プロデューサー
よろしく!
●和歌
私は水科和歌。1年です。
●ひなた
あたしは櫻花ひなた。同じく1年だよ!
えへへ~♪ よろしくね、プロデューサー♪
想世(アンダー)サイド:第1章「出会いと不和」第4話「でこぼこ三人娘」
ーー学園長室
●ナレーション
ひなた、和歌と出会った、その次の日。
今日は自分が担当するアイドルたちを
学園長に紹介してもらう手はずになっていた。
●ツインテールのアイドル(愛美)
きゃはっ☆ キミがエミのプロデューサー?
『ラブ・ビューティー』の望月愛美で~す☆
●愛美
これから元気元気♪ で頑張るから、
どうぞよろしくねー?
●おっとりしたアイドル(千尋)
はーい、じゃあ次はわたしかな?
嘉陽千尋です~。
一応、このユニットのダンス番長ってことになってるみたいよ?
●プロデューサー
ダンス番長?
●千尋
愛美ちゃんがそうしろって言うから。
でもわたし、ダンスとか苦手で、
いっつも愛美ちゃんに怒られてばっかりなの。
●愛美
ちょ、ち、千尋!
なんでそれ、いま言っちゃうのよ……!
●千尋
???
●愛美
……あ、ち、違うんですぅ~。
エミ、ひとにコラ~って怒ったりするの、すっごく苦手でー。
番長っていうのも、よく意味がわからないままつけちゃって、
エミも困ったさんなんです~……。テヘッ☆
●萌
プロデューサー、このコはアレですね。
いわゆる、ぶりっ娘……。
●愛美
だからちっがーう!
●大人しそうなアイドル(琴音)
愛美さん、この方は私たちのプロデューサーさんです。
ネコ被る相手ではないと思いますけど……。
●愛美
…………。
……まあ、それもそうね。
ぶっちゃけ、疲れるし。
●大人しそうなアイドル(琴音)
だ、だからってそんな、足組んでイスに座らなくても……。
●学園長
もう、愛美ちゃんったら。びじねすらいく~。
●大人しそうなアイドル(琴音)
あ、えっと、あいさつが遅れました。
『ラブ・ビューティー』の野々宮琴音です。
●琴音
アイドルとかは、実はそんなに得意じゃなくて……。
ごめんなさい、特にできることとかもないです……。
●千尋
琴音ちゃんは、お勉強が得意なんだよ~。
●琴音
千尋さん……!
●愛美
この前も学年トップだったのよね。
3年の私より勉強できるんじゃない?
●琴音
そ、そんなことは~!
というか、1位じゃないですよ~!
私よりも成績いいひとがいて……
そのひと、ヴァルプロだからアイドルとしてもすごくて!
だから私なんて、本当に全然……。
●萌
つまり、芸能科で2位ってことですね……。
ま、まあ、勉強とアイドルは関係ありませんし?
そういう意味では、まだ私の方が、
アイドルとしても経験者ですし?
●学園長
とまあ、彼女たちがプロデューサーにお願いしたいアイドルよ♪
吉永さんに聞いていると思うけどぉ、
彼女たちを承認ライブに合格させないと……。
プロデューサーのクビをえい!
って切り落としちゃうから♪
そのつもりで、頑張ってねぇ~。
●プロデューサー
よろしく!
●愛美&千尋&琴音
よろしくお願いしまーす!
想世(アンダー)サイド:第1章「出会いと不和」第5話「振るう言葉の刃」
ーープロダクション室
●ナレーション
『Twinkle☆Star』、そして『ラブ・ビューティー』に出会い
それぞれを合併させることを思いついた。
自由と規律。重んじているものが違う2つのユニットは、
足りないものを補ってうまくやっていけると思ったからだ。
あつらえ向きに、ふたつのユニットが同じオーディションを
受ける機会もあり、すでに面識もある状態だ。
そう思い、さっそく2つのユニットを引き合わせた。
●愛美
……あ。
●和歌
あなたたちは……この前のオーディションの。
●プロデューサー
会ったこと、あるよね。
●ひなた
うん。
●愛美
覚えてるわ。
●ひなた
あんまり、楽しそうじゃなかったひとたちだ。
●愛美
すごく、不真面目な2人組じゃない。
●ひなた&愛美
え?
●萌
あー、そっちのパターンですか。
自分たちに足りていない部分じゃなくて、
相手の足りていない部分に目がいっちゃった感じですね……。
ま、まあ。想定内ですけどね。
●和歌
ちょっと、不真面目ってどういうことですか!?
私たちは、審査員を楽しませようと色々工夫したんですよ!
●愛美
あんなの工夫って言わないわよ。
たしかに予測できない動きだったけど、
トリッキーなだけでいいなら太極拳でもすればいいじゃない。
●和歌
な、なんで太極拳!?
……だったら言わせてもらいますけど! そちらこそ、
最初から最後まで見所のない、退屈なライブでしたよ!?
そんなにきれいに踊りたいなら、機械にでもなればいいんです!
この、機械人間!
●愛美
な、なんですってー!
太極拳!
●和歌
機械人間!
●琴音
お、落ち着いてください愛美さん~!
●ひなた
和歌も、ね? ケンカはダメだよ~。
●愛美
…………。
ねぇ、アンタ、櫻花ひなたでしょ?
●ひなた
え? ……あ、うん。
そうだけど?
●琴音
えっ!? 櫻花って、もしかして……。
●愛美
伝説のアイドル、櫻花すばるの妹よ。
●ひなた
…………。
●和歌
ちょっと! お姉さんは関係ないでしょ!
ひなたはひなたなんですから!
●愛美
ふん! どうかしらね。
アンタ、姉の七光りで慢心してるんじゃない?
そんな半端な気持ちで、アイドルを目指さないで欲しいわ。
●ひなた
あたしは、そんな……。
●和歌
はぁ!? なんですか、何も知らないくせにそんな言い方……!
●愛美
ええ知らないわよ。
でも、どんな事情があるにしろ、あのステージは
アイドルを舐めてるようにしか見えなかった。
ただの率直な感想よ。
アンタたちと、組むのは無理だわ。
想世(アンダー)サイド:第1章「出会いと不和」第6話「友の告白」
ーー廊下
●ナレーション
うまく、いかなかった。
すべてが順調に進むとは思っていなかったが、
ここまで真正面から反発するとも思っていなかった。
あの愛美という子、過剰にひなたに反発していた。
一体、何が彼女にあそこまで言わせたのだろうか?
●琴音
あの、プロデューサーさん、ちょっといいですか?
ちょっとお話したいことが……。
●プロデューサー
どうしたの?
●琴音
愛美さんのことです。
ひなたちゃんにひどいこと言っちゃいましたけど、
実はそれにはわけがあって……。
愛美さん、実はああ見えて……
と、言っていいのか分かりませんが、かなりの努力家なんです。
自分に才能がないのは分かっているから、
その分努力でカバーするんだって……。
学園が終わったあとも毎日自主レッスンしてるんです。
でも普段は、努力をひとに見せたがらなくて……。
だから、勘違いされやすいんです。
●プロデューサー
何かあったの?
●琴音
……プロデューサーさんだから、お話します。
必要なことだと思うので。
昔、愛美さんには、
一緒にアイドルを目指していた友達がいました。
でも友達には才能というものがありまして……。
あまり努力をしないで、デビューしてしまったんです。
愛美さんはそれが悔しくて、
たっくさんレッスンしたって言ってました。
おかげで、愛美さんはこの学園に入学できました。
一方、才能はあったけどあまり努力しなかったお友達は、
次第に仕事が減っていって、すぐに引退しました。
そのときから愛美さんは、
アイドルは努力してなるものだと考えるようになったんです。
だからひなたちゃんのような、才能はあるけど……。
真剣にアイドルをやっていない……ように見えるひとが、
どうしても許せないんです。
悪気はないんです、愛美さんも。
●プロデューサー
分かってるよ。
●琴音
ありがとうございます。
プロデューサーさん、とてもお優しい方なんですね。
……ひなたちゃんも、すごくいい子だと思います。
一緒にいると、こっちまで元気がもらえるっていうか。
ひなたちゃんは、アイドルを楽しむことに本気なんですよね。
だから、ふざけてるわけじゃないっていうのはよく分かってます。
……愛美さんは、いまアイドルやってて楽しいのかな?
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