【あおガルシナリオ集】想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」
2019年1月31日にサービス終了を迎えるスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」を紹介します。
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第1話「ひなたの提案」
ーーレッスン場
●ナレーション
想世<アンダー>から抜け出し、
現世<エイドス>へと戻ってきた。
こちらでは変わらず、セリアは仲間たちとはしゃいでいる。
今日はその様子を『Twinkle☆Star』と一緒にのぞきにきた。
●佳奈恵
彩、ポテトチップスそれ何味?
●彩
……ジビエパンチ。
●佳奈恵
ジビエ? 一口もらえたりする?
●彩
一口なら……。
●楓李
なんや美味しそうやなぁ、彩はん。
ちょっともらうで~。
●彩
あ。
●楓李
ああ、これ、美味しいなぁっ!
●彩
え!? あっ!! そんなにたくさんっ!
●佳奈恵
へぇ、イケるじゃん、もうちょっとちょうだいよ。
●彩
ええええええ!?
●楓李
え、鹿肉粉末ってなんやそれ。
あかんわー、可哀想やわ……。
食べへんかったらよかったわ。
●彩
ひとつかみも食べといて……!
●セリア
ちょっとアナタら!
やる気はあるデスか!?
今日はアイドルにとって必須の
ドヤ顔! 変顔! 寄り目! を勉強するデスよ!
●佳奈恵
鹿肉かぁ、奈良行きたいなぁ。
●楓李
大仏しかないやん。
鹿せんべえは食べてみたいけど。
●セリア
奈良!? 奈良へ行くデスか!?
ワタシも行きたい!
●佳奈恵
寄り目の練習は?
●セリア
そんなわけの分からないもの、どうでもいいデス!
●愛美
…………。
……私、レッスンしてくるわ。
●琴音
ああっ! 待ってください愛美さんっ!
●和歌
気持ちはわかる。痛いほど……。
●ひなた
愛美ちゃん、真面目だもんね。
……和歌は、セリアちゃんたちと仲良くしたい?
●和歌
仲良く……うーん、そうね。仲良くはしたいかな。
なんだか、セリアさんはひなたに似てるとこあると思うし……。
●ひなた
そうかな?
●和歌
そうだよ。不思議とひとをひきつけるところとか。
●千尋
なんだか、クラブ活動みたいねぇ。
ーープロダクション室●ひなた
セリアちゃんはきっと、本当はすごく
アイドルに真剣なんだと思うなぁ。
きっと本心では学プロに入りたくて……。
それで、道場破りとか……。
だからプロデューサー。
あたしたちの学プロに入れてあげるってのはどうかな?
●ナレーション
そうしてひなたは『Remuage』のメンバー
ひとりひとりと話すことにしたのだった……。
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第2話「ネコの気まぐれ」
ーー彩の教室
●彩
え? 学プロ?
興味ないけど。
ーー佳奈恵の教室
●佳奈恵
アタシ、卒業したら普通に就職するんだ。
ーー楓李の教室
●楓李
ええっ……学ぷろって、
そんなアイドルみたいなこと……。
ーープロダクション室
●ひなた
セリアちゃんたち……何ていうのかな、
みんなアイドルが好きだとは思うんだけど。
変わってたり、事情があったりして、
学プロに入らないって……。
●琴音
つまり、本当は学プロに入りたい?
もっと本格的にアイドルしたいと思ってる、ってことですか?
●ひなた
そうだと思う。
●琴音
そうですね……。
佳奈恵さんのお話はちょっと可哀想かなって思いました。
●千尋
学プロで忙しくなると、家族とご飯食べられないかも?
●ひなた
でも、家族のために働きたいとか、
お世話になったから、支えたいって気持ちは、あたしわかるんだ。
だって……家族のことだもん。
すごい重要だよ。
●和歌
ひなた……。
●愛美
まあ、覚悟が足りないってだけに聞こえるけどね私は。
佳奈恵って子がいう通り、半端なのよ。
歌を人前で歌うのも、努力するのも恥ずかしいとか。
卒業後普通に就職するから、学プロに入って
本気でアイドル目指してる子の迷惑になりたくないとか。
結局、本気じゃないのよね。
●ひなた
本気じゃ……ない?
●愛美
そうよ。好きなのに本気になれない。それは環境だったり
プライドだったり、色んなものが邪魔するせい。
でも、好きって気持ちは消せないの。
どれだけ遠回りしても、ごまかしても、
このままじゃいつか絶対後悔することになる。
必ず、向き合わなきゃいけない気持ちよ。
●琴音
……厳しい意見だと思いますけどね。
●千尋
みんなが愛美ちゃんみたいに、強くはないのよね。残念だけど。
●ひなた
…………。
●和歌
ええとつまり……私たちはどうしましょう?
●愛美
それはまあ、決まってるんじゃない。最初から。
うちの超お節介なセンターが勧誘するって言ってんのよ。
じゃあ、そうするしかないじゃない。
●ひなた
愛美ちゃん……!
●愛美
でもやっぱり、決めるのはあくまで向こうよ。
自分の意志で学プロに入る、つまり、アイドルに本気になれるか。
それは、本人たち次第ね。
●ナレーション
そしてひなたが学プロに誘いをかけようと、
セリアに会いに行くと……。
ーー食堂
●響香
ねぇセリアちゃん、
ちょっとおもしろいことを思いついたんだけど。
聞いてくれるかしら?
できればそう、プロデューサーのアナタも!
●セリア
おぅ、おもしろいことデスか!?
いいデスねやりましょう! して、その内容は!?
●響香
セリアちゃんとアタシでさ、『Twinkle☆Star』に入らない?
●セリア
うぃ! ヒナタたちのユニットに入るデスか!?
いいデスねー! ニンジャマスターがセンターのユニット!
是非入れてくれでありんす!
●愛美
……え?
●全員
えぇ~!?
●ナレーション
こうしてセリアは『ヴァルプロ』の響香とともに、
他メンバーを置いて学プロへと仮加入した。
現時点で、セリアの意図は分からない。
彼女の本音と関係しているのかもと思う。
だがそのことによって、1つ問題が起こった。
それは、彩の瘴念人<ミアノイジー>が発生したこと。
明確な理由は分からない。
だがセリアの学プロ仮加入と因果関係があることは明白だった。
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第3話「震える少女」
ーー廊下
●アリス
日比野彩の瘴念人<ミアノイジー>が……?
●律
私達には関係ないわね。
●アリス
そ、そこまでは言いませんが……。
●プロデューサー
冷たい。
●アリス
前回、ワタクシなんて人質になってましたのよ!
●律
無様だったわ。
あの程度、1人で何とかしなさいよ。
●アリス
そ、そんなこと言われましても……。
あそこまでガッチガチに固められますと……。
●律
しっ、静かにしなさい。
……何か聞こえるわ。
●アリス
さ、さり気なく盾にしないでくださいまし!
ーーレッスン場
●彩
うぅ~ひっくっ、うっ、こわいよぉ……。
ひっくっ、なんか変なのたくさんいるよぉ……。
●アリス
あら、ただの泣いている
女の子じゃないですか。
●プロデューサー
あれが彩。
●律
ふむ……アレが……。
●彩
うぅ~、セリア、佳奈恵……助けて……。
●律
……もっとクールな人って聞いてたけど。
●アリス
……何故だか親近感を覚えますわ。
●彩
もう、最悪楓李でも良いからっ!
……誰か来てよぉ~!
……いや、やっぱり楓李はいいや。
●アリス
どなたか知りませんけど、
楓李って方はちょっと可哀想ですわ……。
●プロデューサー
(声をかける)
●彩
……キャァァアアァアァアアア~!
変態! コスプレイヤー! 痴漢! 来ないでっ!
●プロデューサー
説明する
●彩
あなたが、プロデューサーって……え?
信じない!
●律
まあ、落ち着きなさいよ。
あなたも今の異常事態が分かってるんでしょ?
●彩
……あなた、誰?
●アリス
まあ、そうなりますわよね。
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第4話「夢のようなリアル」
ーーレッスン場
●彩
ドッキリじゃなくて?
セリアとか、楓李とか楓李とかの仕込みとか……。
前もそうだったんだから。
廃墟探検とかいって、いつの間にかみんないなくなって……。
●律
ドッキリじゃないわ。
瘴念<ノイジー>とか、あんなものが現実にいると思う?
●アリス
夢だったらと、何度も思いましたけど……。
●彩
…………。
……止めて、聞きたくない!
うぅ……もう、やだ……。
お外怖い……もう帰りたい……ぐす……。
そう、これは夢、夢なのよ……。
きっと目が覚めたら、いつもの一日が始まるの。
●律
……プロデューサー、何とかしなさいよ。
●プロデューサー
うーん。
●アリス
たいていのことは、プロデューサーが
どうにかしてくれますわ。
●プロデューサー
…………。
●律
悪い夢から覚めたいなら、
協力しなさいって言ってるのよ、分かる?
●彩
……ぐす。……ふぇ。
●律
……こういうの苦手だわ。
泣く子なんて、いつもは放っといてるから……。
●アリス
そ、それはちょっと……。
助けてあげてくださいまし……。
●彩
フェンリルバーガー。
●律
え?
●彩
フェンリルバーガーの
夕闇セットが食べたい……。
●律
…………。
訂正。
あのニンジャの友達なだけあって、やっぱりどっか大味よね……。
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第5話「友のためにも」
ーーハンバーガー屋
●彩
むぐっ、むぐっ、むぐっ、むぐっ♪
んぅぅ! おいしぃ~っ!
フェンリルバーガー☆ナンバーアオーン!
●アリス
CMでやってるやつですわ……。
●律
……ああ、私も見たことあるわ。
オオカミがお客食べちゃうやつ。
●アリス
フェンリルバーガーさんって、
広告とかいろいろ独特ですわよね。
●律
……それであなたの瘴念人<ミアノイジー>の
ことなのだけど、なにか心当たりがある?
●アリス
放っておくと襲いにきますわよ。
●彩
……し、知らない。
●アリス
知らないって……。
本当に放っておくと、貴方の命が危ないのですわよ。
●彩
き、聞こえない! 聞こえないもん……っ!
そんなオカルト、し、信じないんだからっ!
●律
お、落ち着いて。
……こういうの、どうすれば良いのかしら。
●プロデューサー
(代わりに彩を落ち着かせる)
●彩
……わ、分かった。
悩みを話せば良いのね!?
ええっと、ジャンクフードがやめられなくて、
体重が増えちゃったとか!?
●アリス
重い悩みってそういうことじゃないですわよ。
●律
……ひょっとして、あのニンジャの仲間には
同類傾向の人しかいないのかしら……。
●彩
真剣に悩んでるのよ!
体重がじわじわ増えてるんだから!?
●アリス
気持ちは分かりますけど……。
●律
セリアが、このプロデューサーの
学内プロダクションに入ったのが原因ではなくて?
●彩
…………。
●アリス
た、単刀直入すぎではありません?
●律
だらだら話してどうするのよ。
原因らしいことが、もう分かってるのに。
●彩
私は、セリアが……
『Remuage』をやめて出て行きたいなら。
セリアが学プロに入りたいなら。
……そうすべき、だと思う。
●アリス
引き止めようとは思わないのですか?
●彩
『Remuage』じゃないと、
セリアができないことってないと思うから。
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第6話「走ることの難しさ」
ーーハンバーガー屋
●彩
だってしょうがないよ。
セリアはスゴイけど、私達はスゴくないもん。
たまに感じるんだ。
セリアが私達に期待してるの。
一緒に走って行ける
仲間が欲しいんだなって……。
●律
それなら、そうすればいいんじゃない?
●彩
……そう、かもだけど。
●彩の瘴念人
だけど、無理なんでしょう?
あなたはセリアみたいに特別じゃないから。
●彩
えっ!? わ、私!?
●アリス
これがニセモノ……瘴念人<ミアノイジー>ですわ。
●彩の瘴念人
セリアがいなくなるのはイヤだし、一緒にいたいけど、
それが自分にふさわしくないってのも分かってるんでしょ?
●彩
……あはは、うん。
流石私だね、よく分かってるなぁ。
……うん、私はセリアにはなれない。
特別なんかには、なれない……。
●アリス
ちょ、ちょっと!
セリア・ウエスギを特別視しすぎではありませんこと?
●律
まあ、特殊な子ではあるとは思うけど。
●アリス
ま、待ってくださいまし!
きっと、セリア・ウエスギは貴方を必要としています!
●彩
……セリアが?
●アリス
え、えっと、彼女のニセモノは、
貴方たちにやる気を出して欲しいと願ってましたわ!
●律
……オブラートに包んだわね。
●彩
セリアは特別だから。
半端者の私たちなんて必要ないはずなのに……。
●アリス
そ、そうではなくて! セリア・ウエスギも
同じように悩んでるから、特別ではないって……。
●彩
特別よ。セリアはセリアのまま、アイドルに成ろうとしてる。
生き方そのものに、アイドル性があるから。
人間の姿をして女神の心をもっているひとがいたら
医者なり指導者なり、誰かを助ける道を選ぶじゃない?
それと同じ。彼女は生まれながらのアイドルよ。
きっと抱えている悩みも、私たちとは次元が違うの。
●アリス
す、すごい惚れ込みようですわね。
●律
そこまで思っているということは
きっかけみたいなものがあったの?
●彩
……まあ。そうね。
セリアと出会ったときから、私はセリアのことが好きだった。
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第7話「日比野彩の過去」
ーーハンバーガー屋
●彩
セリアは初めて会った時から特別なの。
ダンスのいちばん最初の授業で、
先生が言ったの「好きに踊ってみなさい」って……。
ダンスを勉強したことない人が多かったから。
みんな恥ずかしくて踊ろうとしなくて。
私は学園に入る前からレッスンを受けてた。
先生が私を前に呼び出して、踊れって言って……。
●彩の瘴念人
でも、あなたは上手く踊れなかった。
●彩
だって、怖かった……。
みんな踊ってないのに、
調子に乗ってるって思われたらイヤだった。
下手だって、みんなの前で言われるのもイヤだった。
だから、集中して踊ることができなくて……。
●彩の瘴念人
そしたら先生に怒られて、泣いちゃったのよね。
泣きながらまた踊らされて、
それを先生にもみんなに笑われたわよね。
●和歌
……酷い。
●彩の瘴念人
あなたは言ったのよ「もう、辞めます」って。
そうしたら先生が「甘えるな」って。それで……。
●セリア
タノモー!
●彩
!?
●セリア
アナタはとってもキュートデスね。
よければ、ワタシのお友達になってくれますか?
●彩
……だ、誰?
●セリア
ワタシはセリア・ウエスギでありんす。
お近づきの印にダンスしましょう!
●彩
……は?
●セリア
さあ、お手を拝借でありんす。
●彩
気がついたらレッスンルームは拍手の渦だった。
経験もないのに、セリアはみんなを感動させた。
私はずっと積み上げてたことを否定された気分だった。
でもね、セリアを嫌いにならなかった。
●セリア
レディを無理矢理踊らせて、
笑いものにするのがこの学校の流儀なのデスね。
あちきが笑顔にしたかったのは、
アヤだけありんす……この悪代官がっ!
●アリス
ま、まさか、先生を殴ったのですか……!?
●彩
ううん。一部始終を後で
アイドルチャンネルにアップしたの。
●アリス
思ったよりも陰湿な仕返しでしたわ……。
●彩
セリアは危うく退学になるところだった。
……学園長が事情を聞いて取りなしてくれたけど。
セリアは辞めされられても良かったのにって言ってた。
でも私はホッとした。
セリアには、ちゃんとアイドルになって欲しいって思ったから。
その想いはいまも変わってない。
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第8話「消えるための舞台」
ーーハンバーガー屋
●彩
私ね、あの時から変わってないよ。
『Remuage』ではレッスンしてる方だけど。
……あの時から先生とか、トレーナーさんが
ダメになって自主練ばっかなんだ。
●アリス
……甘いですわね。
●彩
……分かってる。
●律
アリスの言う通りよ、メンタルが弱すぎるわ。
あなた、アイドル向いてないんじゃない?
●彩
…………。
●アリス
そ、そこまでは言いませんけど。
好きだけで続けられるものでもないですわ。
あなたは自主練だけとはいえ、
レッスンを続けているのでしょう?
アイドルを目指すのは諦めてないのですね?
●彩
ううん……どうかな。
アイドルに成りたいから学園に入ったけど。
今は分かんない、ダンスは好きだけど……。
別に、アイドルにならなくても
ダンスは続けられるしね。
●彩の瘴念人
そうそう、アイドルになってどうするの?
もっとスゴイ人も、ステキな人もいるのに。
●彩
……うん。
●彩の瘴念人
セリアだけじゃない。
アイドルに相応しい人はたくさんいる。
だったら、私がアイドルにならなくてもいいわよね?
覚悟のない弱虫なんて、舞台に上がらなくていいのよ。
出たとしてもどうせ失望されるだけなんだから。
●彩
そうだよ、アリスさん。
ニセモノの私の言うとおりだよ、あはは……。
セリアみたいな本物のために舞台はあるんだよ。
私が出ても、みんなを失望させるだけだし……。
●彩の瘴念人
何よりも、自分自身ががっかりするわよね。
ああ、私って本当に……ダメなんだって。
●アリス
…………。
●彩の瘴念人
それどころか、いるだけで迷惑だよ。
セリアをいつまでも付き合わせていいの?
●彩
うん……。
●彩の瘴念人
あのことが無ければセリアは、
アイドルを普通に目指してがんばれてたかも。
私の足踏みのせいで、
あの子の時間をたくさん無駄にしたわね。
●彩
うん…………。
●彩の瘴念人
じゃあいなくなっちゃいましょうよ。
大丈夫、セリアは強いから、何も困らないわ。
ーーライブ会場
●彩
!?
●律
……いきなり場所が変わった!?
●アリス
何でもありですわね……。
●彩の瘴念人
ほら、ステージに上がることだけは簡単でしょ?
でもお客さんを満足させられるの……?
●彩
え、あっ、わ、私……!
私の足が……勝手に……!
●彩の瘴念人
不細工なダンスねぇ、
それじゃ誰も感動させられないわ。
●彩
…………っ!
●彩の瘴念人
ほら、聞こえるでしょ?
みんなの笑い声が!
●彩
いやっ! いやぁっ……!
●彩の瘴念人
この広い会場に私のファンなんて1人も居ない。
今までも、これからもよ! アイドルなんて諦めなさい!
●彩
…………っ!
●???(セリア)そいつはどうでありんすかねぇ!
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第9話「踊るということ」
ーーライブ会場
●彩
……セリア?
●セリア
……ふっ、ノンノンノン!
つまりはぶっぶー!
●彩
ぶっぶー!?
●律
このタイミング、出待ちしてたんじゃないでしょうね……。
●彩の瘴念人
邪魔しないで! セリアだって
私が居なくなった方がいいでしょ!?
足手まといに思ってるんでしょ!?
私たちが煮え切らないの、イライラしてるんでしょ!?
分かってるんだから! 気づいてるよ!
セリアが私達に失望してることぐらい!
●彩
ダメ! 言わないでっ!
●セリア
……うるせぇー!!!!!!!
●彩
ひぁう!?
●セリア
友達に期待して何が悪いのデスか!!
アヤもあちきも無罪! はい! 言い訳終わり!
●彩の瘴念人
その期待が重いって言ってるの!
●セリア
はっきり言ってアヤのあちきに対する
期待の方が10万パスカル重いんでありんすよ!
●彩
で、でもだって……!
セリアは本当に、特別じゃない!
●セリア
パスカルはフランス人!
●彩
!?
●セリア
……余りにも照れくさいので、つい。
●律
照れ隠しだったの、今の……。
●セリア
あちきが特別なら、アヤも特別でありんす。
●彩
……私のどこが? 適当言わないでよ。
●セリア
まず、あちきの友達でありんすし。
●彩の瘴念人
もっと良い友達がセリアにはいるわよ。
●セリア
『Remuage』の貴重なツンデレ枠でありんすし!
●彩
……私、ツンデレじゃないもん。
●セリア
……アヤ、お手を拝借。
●彩
えっ……?
●セリア
あの時もこうやってステージで
2人で手を取り合って踊ったでありんすね。
●彩
う、うん。
●セリア
みんな拍手してて、
正直あちきは気分が良かったのデス。
●彩
……うん。
●セリア
あの先生は嫌いデスが、
1つ良いことを教えてくれました。
アヤとステージで踊ると楽しい。
一緒に拍手を受けるとうれしい。
アイドルは楽しいのかもしれない。
もし、ユニットを組むなら……。
●彩
……セリア。
●セリア
この子みたいな、優しそうな子がいいと。
『Remuage』にアヤを誘ったのはあちきでありんす。
アヤのファン一号はあちきでありんす。
ワガママだけど、会場のファンのためとは言わないデス。
あちきのために、舞台に上がってほしいでありんす。
●彩
……バカ、それ。私の意思を完全に無視じゃん。
●セリア
あちきが今までアヤたちの
意見を聞いたことがありますか?
●彩
それは胸を張ることじゃないわよ!
●彩の瘴念人
認めない! セリアが私のことが必要だなんて!
ぜったい嘘! 信じられない……!
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第10話「親愛なるヒーロー」
ーーライブ会場
●彩の瘴念人
どうして置いていってくれないの!?
絶対無理だよ、ついて行けないよ!
●彩
…………。
●彩の瘴念人
だって、アイドルって大変だもん!
セリアが私のこと好きって言ってくれても。
アイドルはみんなのためにいるんだよ!
私は、私はそんな子にはなれない……!
●彩
ご、ごめんセリア。
これも、嘘じゃないの。
●セリア
まあ、アヤはちょっと割り切りが下手デスよね。
●彩
ごめんー!
●律
……結局、覚悟は決まらなかったの?
このままだとあいつは倒せないわ。
●彩
…………。
●彩の瘴念人
セリア、どいて!
私を消したいだけなの!
そうすればあなたは解放される!
●セリア
……いや、やっぱ。
アヤはちょっとあちきにべったり過ぎ……。
●彩
いやあの、あれは、その!
あそこまでじゃない! ないから!
●彩の瘴念人
セリアは1人の方がきっと上手くいく!
●セリア
アヤたち以外とアイドルやる気はないのデス。
アヤ、お願いなのデス。
あんまり寂しいこと言わないでください。
●彩の瘴念人
そんな普通のこと言わないで!
●セリア
…………。
……あちきだって、普通の女の子デス。
●彩
……そうだよね。ごめん。
●彩の瘴念人
セリアが普通なんてありえない!
●彩
ううん、そんなことない。
それだけは嘘……ていうか、勝手な期待だよね。
長いつきあいだもん、
セリアだって悩んだり傷ついたりしてるの知ってるよ。
●彩の瘴念人
知らない! 知らない!
●彩
……正直、最初はちょっとがっかりしたけど。
今は違うもん、セリアがなんだか近く感じて。
ちょっとうれしいことの方が多いかな。
●彩の瘴念人
……お、お前!
●彩
ごめん。私ね、あなたの言うこと分かるよ。
だって私のことだもん、だけど……。
言い訳していいなら、
セリアが私を必要としてくれてるなら。
私はとってもうれしいの。
●彩の瘴念人
オマエオマエオマエー!
そんなに尊敬してるなら、なんでっ!
●彩
私もただのワガママな女の子だから。
……そこだけ、セリアと同じだと、思うから。
●彩の瘴念人
お前を消すんだ! セリアの! セリアのために!
あの子は特別な、私のヒーローなんだからー!
●プロデューサー
させない!!
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第11話「純情な感情」
ーーライブ会場
●彩の瘴念人
どうして、セリア……。
あなたのために、言ってるのに……。
●彩
……ごめん。
●彩の瘴念人
許さない。私のセリアの邪魔して。
私なんて、消えてしまえば良いんだ……。
みんなそうだ、セリアのこと
もっと認めてほしいのに……。
●セリア
……メルシー、アヤ。
でも、ここまでなのデス。
●彩の瘴念人
セリアのためだったのに……。
●彩
それは嘘だよ。
……いつだって私は自分のためだもん。
●セリア
愛しのミミ、泣かないで。
●彩
泣いてない……!
●セリア
大丈夫、何とかなるでありんすよ。
●彩
うん……うん……。
●アリス
…………。
●律
……羨ましいの?
●アリス
ち、違いますわ!?
なんですの、急に!
●律
なんとなくよ。私には、さっぱり理解できない結末。
ニセモノの言っていること、正しいって思ったから。
●アリス
リツさん……。
●律
…………。
●アリス
いえ、そうですね。
●律
ん?
●アリス
羨ましいのかも、しれませんわ。
あの、美しいチームワークが……。
●律
…………そう。
●彩
ええっ!? 私達が追いかけて
学プロに入るのを狙ってるの!?
●セリア
あっはっはっはっは!
こっちの世界ではネタバレしても良いのが最高デスね!
●彩
聞いてないわよ! セリアのバカ!
またそんな適当なことして! もう知らないんだからー!
どうするのよ!
現実の私、プロデューサーを問い詰めに行ってたわよ!
●セリア
あはは、ドンマイでありんす。
●彩
ちょ、そのプロデューサー!?
上手くやってよね!? もーなんで記憶消えるのよぉー!
想世(アンダー)サイド:第7章「Dear My Hero」第12話「思惑のままに」
ーープロダクション室
●彩
ど、どういうこと!?
セリアが『Twinkle☆Star』に入るなんて!
あなたが許可したんでしょ?
学プロのプロデューサーなんだから!
●プロデューサー
落ち着いて。
●彩
落ち着くなんて!
噂だとヴァルプロNo.4も一緒にとか!
どういうことなのか説明してよ!
セリアは……『Remuage』をやめたってこと!?
●佳奈恵
ストップ! ちょっと落ち着きなよ、彩。
●彩
佳奈恵……。
●佳奈恵
悪いね、プロデューサー。
アタシらも急に聞いて驚いててさ。
ほら彩、落ち着きなよ。
……って、もしかして泣いてんの?
●彩
だって、セリアが……。
●楓李
うち泣いてる人にハンカチあげるの夢やったんや~。
ほら、ハンカチ、洗濯したてやで!
●彩
いらない……。
●楓李
もうダメや、夢破れ故郷に帰るで。
●佳奈恵
いつものセリアの暴走でしょ、彩は気にしすぎだよ。
●彩
でも、仲のいい響香さんと一緒だし。
ユニット抜けるなんてこと、これまで一度も言い出さなかったし。
このままどっかいっちゃうかも……。
●佳奈恵
それは……わかんないけど。
●彩
……どうしよう。
でも引き止めるのも……変だよね。
だって、別に『Remuage』で何してたってわけじゃないもん。
●佳奈恵
…………。
●楓李
毎日遊んどっただけやからなぁ。
●彩
遊ぶのは、どこででもできるし。
……セリアの遊びに毎回つきあえたわけじゃないし。
●佳奈恵
いや、ニンジャコスで綱渡りとかは断って良かったと思うけど。
ま、ほっといたらひょっこり戻ってくるんじゃね?
……実際、引き止めるのも変な話だからね。
●楓李
せやなぁ。
●彩
でも一言も相談もないなんて……。
●楓李
なあなあ。
プロデューサーはんの学プロってまだ空きあるん?
●彩
……楓李?
●楓李
それやったら、彩はん佳奈恵はんも入ったらええんちゃう?
●佳奈恵
は? え、どういうこと?
●楓李
それでええなら、集まる場所変わるだけやと思うけど、ちゃうの?
●彩
いや、そんなの無理でしょ…。
●プロデューサー
いいよ。
●佳奈恵
い、いいよって、そんなあっさり。
加入条件とか……。
●楓李
うちはさびしーなるけど、
セリアはんと一緒に遊ぶなら追いかければええ話やし。
●彩
…………。
●楓李
ふふっ、これで『Remuage』はソロユニット。
センターは当然うちやな、ふっふふっふっふ。
●佳奈恵
どうする?
●彩
私はセリアがどうしたかったのか、知りたい。
でも、いきなり学プロに入るのはちょっと……。
だから……。
しばらくの間、『Twinkle☆Star』のレッスンに、
『Remuage』も参加させてください!
●プロデューサー
いいよ。
●楓李
……って、あれ? うちも?
え、なんで佳奈恵はん手握っとるん?
彩はん、ちょ、襟首掴まんといて、締まるっ! 締まってまう!
●佳奈恵
はいはい、じゃあ行くよー。
はぁ、悩んでたのがバカみたいじゃん。
●彩
……なんだ、佳奈恵もショックだったんだ。
●佳奈恵
当たり前でしょ、友達なんだよ?
でもまぁ、楓李の言う通り、どっか行ったら追いかければいい。
……まったく手間がかかるんだから、アタシの友達たちは……。
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・販売元: SQUARE ENIX Co., Ltd. ・掲載時のDL価格: 無料 ・カテゴリ: ゲーム ・容量: 155.7 MB ・バージョン: 2.0.6 ※容量は最大時のもの。機種などの条件により小さくなる場合があります。 |
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