【あおガルシナリオ集】想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」
2019年1月31日にサービス終了を迎えるスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」を紹介します。
想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」第1話「折れない意思」
ーーレッスン場
●律
そこ、一拍遅いわ。
腕の振りも、もっと大きく。
●晴海
は、はい……。
●律
それも違う……もっと全体を包み込むように体を動かして。
●晴海
はいっ!
……はぁ、は……。
●律
……あまり、練習に身が入ってないようね。
●晴海
え? いえ、そんな。
●律
あなたのダンスを見てれば、分かる。
……未練が断ち切れない、そう言っているわ。
●晴海
わ、私は……!
●律
私があなたを招いたのは、才能を見出したからよ。
あなたの、努力する才能を。
●晴海
私の、才能?
●律
あなたのことを知ったのは、
あの『銀河歌劇団』解散が決まってから。
他のメンバーがやる気をなくしていく中、
あなたはひとりでレッスンを受け続けていた。
どんな状況であろうと、表面上はどうあれ芯が決して揺らがず、
己のなすべきことをあきらめない。そんな才能が私は欲しかった。
●晴海
……私は、そんな立派な人間じゃ。
●律
……そうね、見込み違いだったわ。
あなたのあの努力は、あなた自身のためでは、なかったのね。
●晴海
…………。
●律
渡辺さん、あなたをこの学プロから外します。
私が欲しかったのは『どんな状況でも折れない意志』という才能。
特定の状況でしか発揮されない強さは、
私のフレプロでは使い道がないわ。
●晴海
……は、い……。
……そっか、私、本当は誰にも必要とされてなかったんだ。
想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」第2話「パーペチュアルドリーム」
ーーライブ会場
●ナレーション
――そこは、ステージだった。
学プロに所属するたくさんのアイドルたちがしのぎを削り、
夢を目指して立った場所。
だがそこには、彼の知る華やかさも。
彼女の願った未来もない。
ただただ、すべてが暗く観客のいないステージで、
少女はひとりリハーサルを繰り返していた。
●プロデューサー
……晴海?
●晴海の瘴念人<ミアノイジー>
プロデューサーさん?
奇遇ですね、こんなところで。
●悠
晴海先輩……!?
あの、こんなところで何をしてるんですか?
●くるみ
そ、そうです! 夢を叶えるためにフレプロに行って、
いまも一所懸命に頑張ってて……。
想世<アンダー>は、そんな晴海さんの
来るところじゃないはずです……!
●晴海の瘴念人
……うん、実はね?
フレプロ、クビになっちゃったの。
●くるみ
え? そんな、どうして……。
●晴海の瘴念人
私はね、やっぱり必要のない人材だったんだって。
なら、しょうがないよね。
●悠
……だったら。
だったら帰ってきてくださいよ、晴海先輩!
自分たち、ずっと待って――!
●晴海の瘴念人
それは、ダメ。
●悠
なんでっ!?
●晴海の瘴念人
私はね、悠ちゃん。卑怯者なの。
自分1人だけのことしか考えない、悪い女。
自分勝手に『銀河歌劇団』を再建しようとして、
自分勝手に夢のためにメンバーを見捨てたヤツなの。
●悠
そんなこと!
●晴海の瘴念人
だってね? 結果的にクビにはなったけど――
私、後悔だけはしてないの。
私はトップアイドルになりたかった。
悩んだ末、そのためにみんなを捨てることにした。
ほら、最低でしょ?
そしていまも。
独りよがりに、まだ何とかなるはずだって。
どうにか出来るはずだって足掻いてるの。
●くるみ
それ、悪いことです?
●晴海の瘴念人
……え?
●くるみ
頑張るのは悪くないです。
夢を目指して頑張るのだって、悪くないです。
●悠
そうです! 大体、『銀河歌劇団』が立ち行かなくなった理由に、
晴海先輩は全然関係ないじゃないですか!
自分たちだって、他の場所を探してた……
だから晴海先輩がそれをしたって、責められないです。
●晴海の瘴念人
えっと、つまり……どういうこと?
●悠
簡単に言うとですね……なんにも後ろ暗いところのない
『普通』の悩みだなって。
●晴海の瘴念人
グフッ……!
●くるみ
あ、あれ? どうして胸を押さえてるです?
ま、まさか心臓に持病とかそういう悲劇のヒロイン的な!?
●晴海の瘴念人
……ううん、そんなドラマチックな設定はありません。
こう、心が痛くて……。
●悠
瘴念人<ミアノイジー>になっても、良心が残ってるんですね!
いつも通りの『普通』のわた……晴海先輩で、安心しました!
●晴海の瘴念人
……ッ、……ッ!
●プロデューサー
そのくらいで。
●晴海の瘴念人
と、とにかく!
私はこのままオリジナルの私と入れ替わるつもり。
そしてもっとわがままに、自分勝手に――
夢を追いかけるの。
●悠
あ、はい。頑張ってください!
●くるみ
晴海さんのこと、くるみたちも応援してるです!
●晴海の瘴念人
……えっ、あの、いいの?
私が入れ替わっちゃうと、オリジナルが消えちゃうんだけど。
●くるみ
え? だって普段の晴海さんそのものです?
●悠
というか、いまの暴露は現世<エイドス>で一度聞いてるので。
まだ引き摺ってたんだなぁって。
●晴海の瘴念人
あっれー!? 私の悲壮な覚悟がなんというかこう、
すごく緩い感じに受け止められてないコレ!?
そっか……また空回りだったんだ……。
ふふ、いつもそう……。
やっぱり私の心を癒してくれるのは、
蟻さんだけ……。
うふ……うふふ……。
蟻さん、たくさんいるといいなぁ……。
●くるみ
へ? な、なんだか変な音がするです……。
●悠
アリだー!
●悠
し、しかも……で、デカっ! そしてキモいです!
●くるみ
うひぃ! 晴海さん、ヘンなの呼ばないでくださいですー!
●晴海の瘴念人
わ、私は心を癒すことも許されないの!?
●???
――……晴……さん
●悠
……いま、蟻の最後列から声が?
寧々?
ケケッ。
●くるみ
ね、寧々先輩!? どうしてそんなところに!?
●悠
ちょ、ちょっと待ってくるみ!
なんだか様子が……。
●寧々の瘴念人
ああ、ミツ、ミツ……ミツ……。
ケタケタケタケタケタケタケタケタ!
●晴海の瘴念人
ひっ!? な、何!?
●悠
よ、四つん這いですごいスピードで迫ってきます!
●くるみ
ぎゃー! 嫌です逃げるですー!
想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」第3話「悪夢と踊れ」
ーーステージ裏
●寧々の瘴念人<ミアノイジー>
アァ……やっとミツケタ! 晴海お姉ちゃん!
待ってよ! よよよよよよよよよよ!
●晴海の瘴念人<ミアノイジー>
お、お姉ちゃん!?
●くるみ
ふぇぇ……! 追いかけてくるですー!
●悠
自分、アレ見たことあるっす……。
なんかの映画で、悪い霊に取り憑かれた女の子があんな風に……。
●くるみ
ほ、ホラーですぅ……。
くるみ、今晩トイレ行く時困っちゃうですぅ……。
●薊禰
どうやら、あの瘴念人<ミアノイジー>には
オリジナルの子の趣味が強く反映されているようだね。
●プロデューサー
いつの間に?
●薊禰
やあ、久しぶり。神蔵は別の瘴念<ノイジー>に対応していてね。
代わりに僕がサポートをに来たというわけさ。
……なんだけど。
●寧々の瘴念人
一緒に……一緒にいましょう。
晴海お姉ちゃん……。
お姉ちゃんの夢はわかります……応援もしたいです……。
でも、でも……お別れは、嫌です……ッ!
●晴海の瘴念人
寧々ちゃん……。
●寧々の瘴念人
嗚呼、だから――捕まえて、閉じ込めて。誰も邪魔のしない
ところでズットズットズット! 一緒にいましょうね?
●晴海の瘴念人
寧々ちゃぁん!?
●薊禰
これはどうしたらいいかなぁ……。
●くるみ
くるみ、知ってます……。
アレ、ヤンデレっていうです……。
●悠
ああいう汚れ役は、晴海先輩の役目だと思ってました。
●晴海の瘴念人
(悠たちを追いかけてきて)
悠ちゃん!? 汚れって何かな!?
●薊禰
とにかく、彼女は君たちを現世<エイドス>に帰す気は
ないようだね。いまは逃げた方がいいんじゃないかい?
●くるみ
逃げてるです! これ以上早く走れないです!
●悠
と、なれば……晴海先輩、後は頼みます!
●晴海の瘴念人
は!? 待って!?
アレ私に押し付けるつもり!?
●悠
元々先輩のお客さんのようなので……!
●晴海の瘴念人
冗談……! このまま監禁されたら、
現世に出てオリジナルと入れ替われないじゃない……!
●寧々の瘴念人
待って……マッテマッテマッテマッテ――!
●悠
と、とにかくここは逃げるが勝ち……!
想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」第4話「フールズメイト」
ーーステージ裏
●寧々の瘴念人<ミアノイジー>
チャーン……晴海オネエチャーン……ドコ?
ーー控室
●晴海の瘴念人<ミアノイジー>
静かにっ! しーだよ、しーっ!
●悠
これ、どうするんですか?
このまま逃げ続けてもいずれ……。
●晴海の瘴念人
か、考えたくない……!
●薊禰
なかなか面白い展開だけど、やることは変わらないと思うよ?
オリジナルをこちらに招いて、瘴念人<ミアノイジー>を
具現化させて倒す。それ以外に彼女たちを止める術はない。
●悠
寧々先輩には寧々先輩をぶつけるんですね!?
●くるみ
アレはダメ……ダメです! もはやゾンビとかじゃなくて、
悪魔が取り憑いてる系のムーブです!
くるみはちょっと、あの寧々さんはノーセンキューです!
●悠
さすがに、四足歩行はね……。
●プロデューサー
寧々を連れてくる。
●薊禰
その間、彼なしで耐えるしかないね。
●くるみ&悠
えっ。
●悠
……まあ、よく考えたらあの寧々先輩の狙いは晴海先輩なわけで。
囮にしつつ逃げれば、自分たちは安全なのでは……?
●くるみ
悠くんナイスアイディ~アですよソレ!
●晴海の瘴念人
えっ、えっ!?
ちょっと待って悠ちゃん! 冷静になろ?
●悠
拒んだところで無駄っすよ。
なぜならヤツの狙いは晴海先輩なんですから。
●くるみ
さすが『銀河歌劇団』のセンターですぅ!
頼りになりますっ!
●晴海の瘴念人
いやいや! 私もう、『銀河歌劇団』のメンバーじゃないよ!?
●プロデューサー
頑張って。
●晴海の瘴念人
あっ、ちょっと! まだ話は終わって……。
●寧々の瘴念人
そこにいるんですね? 晴海お姉ちゃん……。
●晴海の瘴念人
ヒィッ!?
●寧々の瘴念人
大丈夫、大丈夫、大丈夫ですよ……。
もう絶対に、離しません。
私が、ずうっと一緒にいてあげますから……。
●晴海の瘴念人
ゆ、悠ちゃんバリア!
●悠
わひゃっ!?
く、くるみバリア!
●くるみ
はーぁ!? 何2人してくるみを盾にしてるです!?
盾役は晴海さんですぅ!
●寧々の瘴念人
そうなんですね? そっか、そっか、そうなんだぁ。
●晴海の瘴念人
……寧々ちゃん?
●寧々の瘴念人
大丈夫ですよ、お姉ちゃん。
お姉ちゃんが望むなら、みんな一緒に閉じ込めてあげますから!
●晴海の瘴念人&悠&くるみ
ひゃぁぁぁぁっ!!?
想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」第5話「春海の行方」
ーー晴海の家前
●ナレーション
一度、現世<エイドス>へと戻ってくる。
フレプロをクビになったという晴海を連れ戻すため、
ひなたや麻里紗と共に、部屋の前までやってきていた。
●麻里紗
晴海が、学校を休んでるって聞いて。
『銀河歌劇団』のみんなも心配してるわよ。
●晴海
…………。
●麻里紗
もうっ、だんまり?
古巣の先輩には顔を見せられないってことかしら。
●晴海
そうじゃ、ないです……。
でも、合わせる顔……。
●麻里紗
そうは言ってもね、顔も見ずに帰ったんじゃ
私もあの子たちに合わせる顔がないの。
ね、顔だけでも、見せてくれる?
●晴海
……はい。
●麻里紗
ふっ、隙あり!
●晴海
え? きゃっ!?
●ひなた
お、押し入っちゃった……。
●和歌
とんでもない早業だったわね……。
●晴海
ひ、ひどい……。
麻里紗さんが、こんなだまし討ちするなんて……。
●麻里紗
だからこそ、いい奇襲になったでしょう?
『兵法は拙速を尊ぶ』よ。
●和歌
それ、用法が間違ってる気がしますけど……。
●麻里紗
さあ、聞かせてちょうだい。
なにがあったの?
●晴海
……私、フレプロをクビになっちゃいました。
●ひなた
えぇ!? そんな! 自分でスカウトしたのに……!
●晴海
ううん、ひなたちゃん。私も、納得はしてるの。
だって、気付いちゃったから。
私……あそこでなにをやっても、全然楽しくなかった。
私のなりたかったアイドルは、あそこじゃなくて……。
●麻里紗
そう……。
●晴海
もう……このまま、アイドル、やめようかって。
●麻里紗
私たちになんの相談もなしに?
●晴海
……え?
●麻里紗
あのね、あなた勝手すぎるわよ。
はじめにスカウトされた時から話してくれてれば、
こんなにこじれなかったはずだもの。
私ね、晴海。ようやく目標が見つかったの。
●晴海
目標……?
●麻里紗
今まではなんとなく、ユニットを続けてた。
だから、解散するならそれでもいいと思ってた。
でもね? 悠が言うの。
晴海先輩が帰ってきたくなるようなユニットにしたいです、って。
それってつまり、フレプロよりすごいユニットってことでしょう?
ホント、考えなしなんだから……。
でもね、私もそうしようって思った。
だって私は、私たちは、あなたと一緒にアイドルになりたいから。
みんなみんな、優しくて思いやりのある晴海が大好きなの。
●晴海
あ……!
●麻里紗
一番のアイドルになりたいんでしょう?
それが、叶えたい夢なんでしょう?
なら、立ちなさい。
そして自分で決めるの。
フレプロでもいい。『銀河歌劇団』に帰って来てもいい。
でも、あきらめるのは――まだ早いわ。
私が言いたかったのは、それだけ。
待ってるから。
●ナレーション
一度は麻里紗と共に、その場を離れる。
そして麻里紗が先に帰り、
1人になった頃を見計らって……。
晴海・麻里紗・寧々の3人を、
想世<アンダー>へといざなった……。
想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」第6話「親愛なるあなたへ」
ーー校門前
●寧々
あの……みんながピンチって本当、なんですか?
●麻里紗
この世界にまた来ることになるなんて、ね……。
とにかく、急ぎましょう。
●晴海
……あの、私は。
もう『銀河歌劇団』じゃない……ここにいる資格なんて……。
●麻里紗
……でもいまは、あなたの力が必要なの。
みんなを助けるために、手を貸して?
●晴海
…………。
ーーライブ会場
●プロデューサー
みんな大丈夫?
●晴海の瘴念人<ミアノイジー>
……あはは、逃げなきゃ、逃げなきゃ……。
●寧々の瘴念人<ミアノイジー>
ああ、お姉ちゃんお姉ちゃん! やっと捕まえました!
これでずっと一緒です……!
●晴海
えっと、なんですかコレ!?
●悠
あっ、みんな来てくれたんですね!
●くるみ
危なかったですぅ……最後に晴海さんをパスしなかったら、
くるみたちがどうなっていたか……。
●晴海
あっ、なんとなくどんな状況か分かりました……。
こっちでも私って、そんな感じなんですね……。
●晴海の瘴念人
…………。
●寧々の瘴念人
ずっとずっと大好きでした……初めて『銀河歌劇団』で会って、
気の弱い私をずっと守ってくれて……嬉しかった。
学年は同じだけど、ずっとお姉ちゃんみたいだなって。
一緒にいると胸が温かくて……。
●麻里紗
あっ、寧々ちゃんが晴海を押し倒してるわ……!?
●寧々の瘴念人
お姉ちゃんが夢を諦められないのは知ってた。
ずっと見てたから。分かるの。でも……。
私はイヤ……! 晴海お姉ちゃんと離れるなんて、
私はもっともっと晴海お姉ちゃんと一緒にいたい……!
●寧々
あ、う……。
●麻里紗
ある意味、『銀河歌劇団』で一番情熱的な子だったのね。
寧々ちゃんって。
●寧々
み、見ないで下さ~い……。
●晴海
えっと、その……。
気持ちは嬉しいんだけど……恥ずかしい……。
●寧々
し、親愛! まだ親愛ですから!
セーフですよセーフ!
●くるみ
その受け答えがすでにアウトっぽいです?
●寧々の瘴念人
だから……私たちが一緒にいるのを邪魔するひとは……。
●薊禰
おや、これはやる気だね。
どうする? 手伝おうか?
●プロデューサー
大丈夫。
●薊禰
そうかい? それじゃあ期待して見ているとしようか。
想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」第7話「アイのカタチ」
ーーライブ会場
●寧々
たしかに、私はみんなと――晴海さんと一緒にいたい。
でもそれは、そんな形じゃないはずです!
●寧々の瘴念人<ミアノイジー>
本当に?
心の底ではこうしたいって、望んでいたんじゃないの?
●寧々
絶対ないです! だって――
私は、晴海さんが好きだから。
●寧々の瘴念人
好きだから、独占したいんでしょう?
●寧々
好きだから、お互いを尊重したいんです。
●寧々の瘴念人
好きだから、閉じ込めるんでしょう?
●寧々
好きだから、夢を諦めないでほしいんです!
あなたの言う好きは違う。違います!
自分の気持ちを拒絶されるのが怖いから、
相手をがんじがらめにしているだけ!
あなたが私だというのなら、あなたにも分かるはず!
だって、楽しかったでしょう?
『銀河歌劇団』で、晴海さんがいて、麻里紗さんがいて。
悠くんがいて、くるみちゃんがいて……。
それが、私の幸せだった!
●晴海
寧々ちゃん……。
●寧々
この気持ちがあれば、頑張れる。
晴海さんの夢を手助けすることだって、出来るから!
●寧々の瘴念人
綺麗事ね。だって、できなかった。
その結果、あなたはここにいるの。
もう答えは出ているのよ。
いまから変わるなんて言ったって、納得できない。
なぜなら、私は私に自信がないから。
心のなかでは、いざとなったら逃げ出すかもって思ってるでしょ。
●寧々
そんなこと!
●寧々の瘴念人
否定できる?
●寧々
…………それは。
(寧々の頭のなかに麻里紗の姿が浮かび)
否定、できる。
●寧々の瘴念人
どうして?
●寧々
麻里紗さんが、道は私の後ろにしかないって教えてくれたから。
逃げ続けた結果、この場所にいるとしたのなら……。
それにしては、この場所は居心地が良すぎる。
私が私の道程を信じられないというのは、
晴海さんや麻里紗さん、くるみちゃん、悠くんを否定すること。
みんなと出会えたのは、逃げたからじゃない。
私が、選んで歩いてきたからだ!
それだけは、誰にも否定させない!
それが例え、私であっても……!
●寧々の瘴念人
…………そう。
……そこまで言うのなら、見せて。
本当にできるってことを、私に!
●寧々
分かった。私、もう逃げない。
証明、してみせるから!
●薊禰
よし、瘴念人<ミアノイジー>が具現化を始めたね。
ここが正念場だよ。
想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」第8話「スマザードメイト」
ーーライブ会場
●晴海の瘴念人<ミアノイジー>
私は、ひどいヤツだ。
私は『銀河歌劇団』のみんなを裏切った。
私が勝手に繋ぎ止めたのに。
何もかも、私の身勝手だった。
それなのに、都合のいい言葉で覆い隠して……。
●晴海
そうだ……私は、最低の……。
●寧々
違いますっ!
聞いてください、晴海さん!
みんなが、みんなが晴海さんを応援してます!
『銀河歌劇団』の一員じゃなくたって、ずっと!
嫌なら、戻ってこなくていいです!
私は哀しいけど、我慢できます。
でも、そんな風に自分を追い詰めるのは……。
私の大好きな晴海さんを苛めるのは、我慢できません!
●晴海
寧々、ちゃん……。
●悠
もちろん応援してますよ!
自分は戻ってきてほしいですけど!
●くるみ
くるみも! くるみも応援してるです!
悠くんに後れを取ったと思われるのはシャクです!
●麻里紗
私は……言う必要はないわよね?
まだ立ち止まるには早いわよ、晴海。
●晴海
みん、な……!
●晴海の瘴念人
そうやって、また甘えるの……!?
才能がないって、もう知ってるでしょう。
努力しても届かないって、分ってるでしょう!
たとえ変える場所があったって、一番にはなれない。
あのフレプロにだって、勝てはしないのに!
●晴海
違う……。
●晴海の瘴念人
勝って、勝って勝ち抜いて!
そうして初めてトップに立てる!
それがトップアイドルだって!
それが現実だって、私はそう理解したじゃない!
●晴海
でもそれは、私の目指すアイドルじゃない。
フレプロに行って分かった。私はNo.1になりたいんじゃない。
このメンバーでNo.1になりたいの!
●寧々
晴海さん……!
●晴海の瘴念人
……そう。じゃあ、決別ね。
●薊禰
具現化が始まった! 準備はいいかい?
●プロデューサー
もちろん。
●晴海
はい! 『銀河歌劇団』は自分なんかに負けたりしない!
だって、そんなの楽しくないから!
●薊禰
これは……新たな戦絆衣<フォーム>か!
彼女たち歌姫<ディーヴァ>の
前に進もうとする意志が、君に――!
想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」第9話「キャスリング・バイ・ハンド」
ーーライブ会場
(晴海の瘴念人が消える)
廊下
●晴海
あ、ひなたちゃん。それにプロデューサーさんも。
●ひなた
晴海ちゃん!
……これから、『銀河歌劇団』のところに行くんだね?
●晴海
うん! 私、やっと気付けたの。
自分にとって、何が一番大切だったか。
●ひなた
そっか……ついてくの、野暮?
●晴海
ううん……その、ちょっとまだ怖くて。
できたら、ついて来てほしい……。
●ひなた
まかせて!
ーーレッスン場
●悠
あ……! 晴海先輩!
●くるみ
ほ、ホントです!? ホントですー!
●麻里紗
……決まった?
●晴海
はいっ!
あの、いまさら、虫のいい話ですけど……。
私を、『銀河歌劇団』に入れてください!
私、ここで――みんなで、トップアイドルになりたいです!
●寧々
あ……!
●麻里紗
もちろん。待ってたわよ、リーダー!
●悠
これで『銀河歌劇団』、完全復活だーッ!
●くるみ
これで承認ライブも楽勝ですー!
●晴海
え? あれ? 承認ライブって……。
●萌
そう長い話ではありませんが……。
●晴海
(萌の説明が終わって)
じゃあ、その承認ライブで成功すれば!
●萌
もちろん、相手はフレプロではありませんけどね。
●悠
やりましょう、晴海先輩!
真の実力、みんなに見せてあげるんです!
●晴海
うん!
私たちにできる、最高のパフォーマンスにしようね。
●麻里紗
そうと決まれば、これから猛特訓ね。
さあ、忙しくなるわよ?
●悠&くるみ&寧々
おーっ!
●ひなた
……よかったね、晴海ちゃん。
想世(アンダー)サイド:第13章「ソラに届ける歌」第10話「銀河歌劇団」
ーーステージ裏
●ナレーション
『銀河歌劇団』は、晴海の復活により、再結成を果たした。
そして、正式に学プロ移籍を実現させるために、
承認ライブへと挑む……。
●晴海
……ふぅ。
●麻里紗
緊張してる?
●晴海
あ、はい……。みんなとのライブ、ひさしぶりだから。
●悠
晴海先輩なら大丈夫! いけます!
●くるみ
悠くんにぶっつけセンターが務まったです。
晴海さんなら、余裕なのですよ!
●悠
ちょ、それどういう意味!?
自分、超がんばったよ!
●寧々
いつも通り、行こ?
●晴海
うん、行こう!
銀河の果てまで、私たちの歌を届けようね!
●麻里紗
大きく出たわね。
将来の名言候補として、ストックしておくわ。
●晴海
あ、や! 麻里紗さんイジワル!
●麻里紗
ふふっ、さあ『銀河歌劇団』の新たな一歩よ。
●晴海
はいっ!
ーー控室
●萌
承認ライブの結果……『銀河歌劇団』の移籍、可となりました!
●晴海
やった!
●悠
大勝利ー!!
●くるみ
お祝いです? お祝いしちゃうです!?
●寧々
パーティー……解散回避記念?
●悠
それはそれで嫌なネーミングー!?
●麻里紗
ほらほら、浮かれないの。私たちの挑戦は今はじまったのよ?
●晴海
そう……なりましょう! 私たちで、トップアイドルに!
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