【あおガルシナリオ集】想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」
2019年1月31日にサービス終了を迎えるスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」を紹介します。
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第1話「キミだけの君」
ーー駅前
●神蔵
はぁ……はぁ……。しんどっ!
おっさんもう歳なんだよ! 無理させんなって!
●アリス
すごいですわ……。あれだけいたのに、2人だけで
全部やっつけてしまいましたわ……。
●栞歩
…………。
●アリス
っ! シホさん!?
●神蔵
悪い……。いままでやらなかったのは、
火神栞歩にも影響があるから、ってのもあるんだ。
●アリス
というのも? つまり、他にもあるのですの?
●神蔵
もう1つは……あー、なんだ。
火神栞歩が、俺との魂のつながり、ってのを感じちまう。
そういうの、嫌だろ。青春真っ只中のガールが、
おっさんとつながってる、なんてよ。
●栞歩
…………。
……オレは、テメェだったのか……。
●神蔵
そいつは違うぜ。魂の欠片が、一部紛れ込んだだけだ。
生まれ変わりとかじゃねーし、火神栞歩は火神栞歩だ。
●栞歩
そうは思えんがな。テメェが戦っている最中、
テメェの記憶の一部が流れ込んできた。
それをオレは、オレの記憶として受け止めた。
昔は1つだったんじゃないのか?
●神蔵
ほんの一部だけだっての。魂の一部が、俺のものになってる。
だから記憶も少しだけ共有してる、それだけだ。
●栞歩
……そうか。
●神蔵
ほら、眼鏡落ちてるぜ。
●栞歩
……ありがとうございます。
●神蔵
おう。俺は、そっちの声のほうが好きだぜ。
●栞歩
当たり前です。
この声に、何人のファンがついてると思ってるんですか。
●神蔵
へへっ、そうだったな。
――ガサッ
●プロデューサー
いま、何か……。
●神蔵
なんだと? ……想世<アンダー>に人影?
相棒! 逃がすな!
怪しい匂いがプンプンするぜ!
●プロデューサー
分かった!
●神蔵
それから、相棒の相棒も連れて行け!
●アリス
なんでワタクシまで!?
●神蔵
歌姫<ディーバ>が近くにいたほうが、
調停者<プロデューサー>は力が出せる。
それに……俺も力が空っぽだ。もしこれ以上、
瘴念<ノイジー>が襲ってきたら、2人は守れねぇ。
●アリス
わ、分かりましたわよ!
もう! こっちに来てから、ろくなことがありませんわ!
●神蔵
頼んだぜ、2人とも!
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第2話「ホワイトナイト」
ーー学園内広場
●アリス
ここは……学園ですの?
さっきまで駅前にいたのに……。
空間のつながりがメチャクチャってことですのね。
これが、想世<アンダー>……。
…………。
●プロデューサー
どうしたの?
●アリス
適応している自分が悲しいですわ!
●プロデューサー
いいことだよ。
●アリス
ですが……どうせ記憶もなくなるんです。
せめて、向こうの世界での糧になればと思いましたのに。
い、いま何か!?
●プロデューサー
逃さない!
ーー格技場
●巨大な瘴念<ノイジー>
――オオオオオオ……。
●アリス
お、大きいですわ!?
急いでいるときに限って……。
む、無理はなさらないでくださいね。
●プロデューサー
大丈夫。
●アリス
本当ですの? 戦いっぱなしですし、
ワタクシなんか、ただの足手まといですわ。
守ってくれるのは嬉しいですが……
その、邪魔なときは、ちゃんと切り捨ててくださいまし。
自分の力不足で、誰かに迷惑をかける。
……それよりも、みじめで悲しいことってありませんから。
●プロデューサー
分かった。
●アリス
……絶対に、分かってませんわよね?
ワタクシのこと、何があっても守る。
そんな顔をしてますわよ。
●プロデューサー
そんなことない。
●アリス
信じられませんわ。
……不思議な方ですわね。
少なくとも『ヴァルキュリア』にはいないタイプですの。
●巨大な瘴念<ノイジー>
――オオ……オオオオオオ!
●アリス
悠長に話している場合では、ありませんでしたわ!
●プロデューサー
任せて。
●アリス
ほらやっぱり! ちっともワタクシのこと、
見捨てる気がありませんのね!
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第3話「闇に還る」
ーー格技場
●巨大な瘴念<ノイジー>
――オ、オオ、オオオ……。
●アリス
倒、した……。
良かった。本当に、もうダメかと……。
大丈夫ですの? ケガとかしてないかしら?
●プロデューサー
逃げられた。
●アリス
……黒い影、でしたわね。
だけど、無事だったことを、まずは喜びましょう
●神蔵
相棒!
●栞歩
アリスも、良かった……。神蔵さんが、プロデューサーさんが
戦ってる気配がするっていうから、心配していたの。
●アリス
ワタクシは何も……。
プロデューサーさんが、戦ってくれましたから。
●薊禰
……僕がちょっと目を話した隙に
こんなことになるなんてね。悪かった。
だけど、ちょっと問題が起きていてね。
駆けつけたのはいいんだけど……助けになれないかもしれない。
●プロデューサー
どういうこと?
●薊禰
戦絆衣<フォーム>が、出ないんだ。
●プロデューサー
え?
●薊禰
変身、できない。つまり、戦えなくなってしまった……。
本当に申しわけない……。
●神蔵
原因は分からねぇ。
だけど、現状でこの戦力ダウンは痛い……。
●薊禰
でも代わりに、神蔵と彼女が戦ってくれるんだよね?
●神蔵
俺は、もちろん構わねぇが……。
●栞歩
…………はぁ。いいですよ。
●アリス
シホさん!?
●栞歩
だって、見て見ぬふりはできませんし。
元々、私たちの世界を守ってくれているのでしょう?
それに、私はちょっと疲れるだけだし、平気です。
普段から鍛えてますから。
●神蔵
……すまない。ここまで巻き込むつもりは、なかったんだが。
●栞歩
いいですよ。これも芝居や歌の糧になると思えば。
……記憶がなくなっちゃうのは、ちょっと困りますけど。
●神蔵
恩に着るぜ。青春のガールズたちよ。
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第4話「隠されていた仕掛け」
ーー格技場
●薊禰
しかし、謎の黒い影か……。
やはり、裏に何かいるのかもしれないね。
●神蔵
瘴念<ノイジー>は
歌姫<ディーバ>の歌にひかれてやってくる。
それは動物的な反応で、そこになんの意思もない。
だが、それを統率し、操っている者がいるって仮定すると……
目的はなんだ?
●アリス
あの……その瘴念というのは、
現世<エイドス>で歌姫が歌っていると近寄ってくるのですよね?
●神蔵
そうだが?
●栞歩
…………。
……神蔵さん、薊禰さん、ひょっとして、
すばる……櫻花すばるも、その歌姫なんですか?
●神蔵
そうだが?
●アリス
え、えぇ!?
●神蔵
あれ? 言ってなかったか?
●栞歩
初耳ですけど。
●神蔵
そ、そうか悪い……。
別に、秘密にしていたわけじゃないんだ。
特に口にする必要がなかったもんでな。
●薊禰
……でも、それがどうかしたのかい?
●栞歩
実は、今日はすばるのステージがあります。
他のアイドルのステージに、サプライズ出演、というかたちで。
●神蔵
本当か!?
●栞歩
はい。
一般的には公表されていません。
関係者の一部だけに、伝えられている情報です。
●神蔵
それでさっきの瘴念の大群が……。
黒い影はそれを知っていて、狙ってきたのか?
●薊禰
それは分からないね。
でも、タイミングが良すぎる。ありえる話だ。
●神蔵
だが、歌の力が強力であれば、
界門<ゲート>が閉じるのも当然早い。
現世への侵攻が目的なら、わざわざ櫻花すばるにはぶつけまい。
●栞歩
なるほど……。
●アリス
う、うーん。さっきから、分かったような
分からないような……。
●栞歩
じゃあ、敵の目的はなんでしょう?
●薊禰
櫻花すばる、そのものか。
もしくは、強力な歌の力。
●栞歩
待ってください。薊禰さんのときは、それで説明がつきます。
でも、プロデューサーさんのときはなぜでしょう?
●薊禰
あ、そうだね。櫻花すばるがずっと歌っていた、
というわけではないよね?
……となると、いま現世で、他に大きな
アイドルの祭典といえば。
●プロデューサー
スタフェス。
●薊禰
ああ。となると、瘴念たちは櫻花すばるそのものを
狙っているわけではなさそうだ。
つまり、敵の狙いは……。
●プロデューサー
歌の力。
●薊禰
そういうことになる。
……敵の正体が、だんだん絞れてきたね。
●神蔵
そうか、スタフェスかぁ。青春の真っ只中って感じだな。
相棒のとこのは……まあ、残念だったな。
来年もあるし、あんまり気落とすなよ。
●アリス
…………。
なるほど! 歌の力を敵が狙っている、ということですのね!
●栞歩
アリス。
●アリス
あっ! は、はい! なんでしょう?
●栞歩
緊急事態ですし、例のあの話、してもいいわよね?
●アリス
あ、あの話っていうのは……。
ええと、どの?
●神蔵
なんだ? ガールズたち?
●栞歩
ここだけの話にして欲しいのですが……。
今年のスタフェス予選はレベルが高かった。
だから、例年にない処置をとることにしたんです。
●神蔵
例年にない処置?
●栞歩
敗者復活。
再び、返り咲ける可能性があります。
●神蔵
おおー! マジかやったな相棒!
●アリス
あ……その話、でしたのね……。
●薊禰
でも、キミたちも参加者だろ?
どうして知らされているんだい?
●栞歩
立場上、色々と情報は入ってきます。
と言いますか、問題はそこではなくて……。
●神蔵
敗者復活があるってことは、
まだもうしばらく、スタフェス予選は続く。
次に敵が狙ってくるとしたら、そこだな。
●栞歩
そういうことです。
●薊禰
うん、そこでケリをつけよう。
必ず捕まえて、敵の正体を暴くんだ。
●神蔵
ていうことで、悪いな相棒。
本番は相棒のガールズたちとでなく、こっちにいて欲しい。
大丈夫か?
●プロデューサー
仕方ない。
●薊禰
では、それに向けて準備をしよう。
みんな、よろしく頼むよ。
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第5話「タネ明かし」
ーー屋上
●和歌
見つけた……っ!
ひなたを見つけましたっ! プロデューサーさん!
●ひなた
わ、和歌に……プロデューサーも!?
●和歌
なかなか見つからないから、すっごく心配したわよ。
●ひなた
……ごめん、なさい。
あたし……みんなに迷惑かけて、失望させちゃった。
せっかく……期待してくれてたのに。
●栞歩
お前は本当にオンリーワンになりたいなんて思っていない。
そのことに気づけない限り、お前はすべてを台無しにする。
●和歌
そうね……裏切っちゃったかもね。
●ひなた
……うん、だから——。
●和歌
アイドル、辞めたいって?
●ひなた
……っ。
●和歌
ねぇ、ひなた。
私たち、ずいぶんと変わったわね。
2人だけだった時は、何しても困るのは私たちだけだった。
●ひなた
うん。
●和歌
それが、『Twinkle☆Star』が、5人になって。
学プロに入って、他のユニットの仲間もできて……。
責任がどんどん大きくなって、辛かったと思う。
●ひなた
辛くて……怖いよ。
だって、あたしは何も変わってないのに、
みんなの目は変わっていくの。
あたしはもっとスゴいことができるはずだって……。
でも無理だよ……できないよ。
期待には応えたいけど、でも……!
●和歌
……でもね、ひなた。
アイドルってそういうものじゃない?
トンネルを抜けたら、そこにはまた次のトンネル。
そして、何の障害もなしに、先に進むことはできない。
●ひなた
わかってる……わかってるけど……っ!
●和歌
だったら、元の2人に戻る?
●ひなた
え……?
●和歌
あの時は楽しかったなぁ……。
毎日、好きなことを気軽にやって、
いつも明日はもっと楽しいことをしようって。
●ひなた
う、うん……楽しかった。
●和歌
でも……誰も、私たちを気にしてくれなかったね。
●ひなた
……!
●和歌
期待はされなかったから、裏切ることもなかった。
……それって必ずしも悪いことじゃないと思うの。
●ひなた
わ、和歌……。
●和歌
私はひなたが好きだから。
あの時に戻りたいっていうなら、ついていくよ。
(みんなゴメン、これは私の本心だ……)
●ひなた
あたしは……。
●和歌
私はね、ひなたが辛くてしょうがないなら、
その方がいいかもって、思ってる。
●ひなた
……ごめん。少し考えさせて。
●プロデューサー
無理しないでね。
●ひなた
……ふふっ。
プロデューサーはいつでも優しいよね。
大丈夫……ちゃんと考えるよ。
私にとって、大事なことだと思うから。
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第6話「アイドルになること」
ーー学園内広場
●ひなた
和歌、プロデューサー。
●和歌
ひなた……答えは出たの?
●ひなた
うん!……でも、2人とも、
ずっと廊下で待っててくれてたんだ……ごめん。
●プロデューサー
気にしないで。
●ひなた
あのね。
あたし、和歌と2人だった時に帰りたい。
●和歌
そう……じゃあ――。
●ひなた
でもね、それ以上に……今が好きなんだ。
●和歌
……。
●ひなた
どんなに重くて、苦しくても。
この期待と信頼は、好きでいてくれる人がいるってことだから。
だから、逃げたくない。
きっと……戦うより、逃げた時の方が辛いと思うんだ。
楽しいだけじゃダメだった、
面白いだけじゃ……ダメだった。
●和歌
ダメ……なのかな。
●ひなた
だって、あたしは1人じゃないもん。
何よりもまず、みんなと息を合わせたライブが
できるようになってないといけなかったんだ。
トップアイドルを目指す、みんなの夢を守るためにも。
●和歌
でも、ひなたは違うじゃない。
●ひなた
うん。
……でもね、あたしはみんなの夢を踏みにじっちゃったんだ。
みんなに注目されて、期待されて、
そして失望されるのが恐くて、あたしは逃げ出した。
あたしね、トップアイドルになりたい気持ちとか
まだ分からない。
だけど、もう二度と仲間の夢を踏みにじったりはしたくない。
みんなの夢のために、一緒に戦いたいって思う。
いまは、それじゃダメかな……?
●和歌
……ひなた。
●和歌
ううん。ダメじゃない。ちっともダメじゃないよ。
なんていうか、すごくカッコイイ。
ちょっと大人になった、みたいな?
同時に、ちょっと寂しいけどね。
●ひなた
え~、恥ずかしいよぉ。
あたし、まだまだ全然子供だと思うし。
●和歌
ともかく、そうと決まればみんなに謝ろう?
●ひなた
……あ!
●和歌
ひなた?
●ひなた
……そ、そうだよ和歌! どうしよう!?
きっとみんな怒ってるよね。
あたし、追い出されたりしないよね!?
●和歌
そんなワケないでしょ。
みんな心配してたわよ。
●ひなた
本当!? よかっ、じゃなくて。
心配かけちゃってたんだ……。
●プロデューサー
まずは謝ろう。
●和歌
そうですね。まずはそれが第一歩です。
●ひなた
……うん!
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第7話「奇跡」
ーーレッスン場
●ひなた
……ええっと、その。
怒ってないの……みんな?
●希
怒ってるに決まってるじゃない!
スマホに連絡入れても反応しないし!
●ひなた
ご、ごめん!
●悠
学園の中にいたんですか!
自分、ずっと外を走って捜してましたよ!
●希
警察に電話しようかと迷ってたけど、しなくてよかったわ。
●理子
流石に大丈夫だと言っただろうに。
●ひなた
け、警察!?
●寧々
先生たちには、もう……。
●ひなた
ええええ!? うわぁっ、後で謝らないと……。
じゃなくて、本当にごめんなさいっ!
あたしのわがままで……。
スタフェスをダメにしちゃって。
みんな優しいから、
そうやって気にしないフリをしてくれてるけど……。
●佳奈恵
このことを教訓にさ、
まぁスタフェスだけがアイドル活動じゃないさ。
●更菜
勝者がいるってことは敗者がいるってことですからね……。
●ひなた
ご、ごめん……本当にごめんなさい……。
あたし……トップアイドルになりたいっていう、
みんなの夢……台無しに……。
これからはみんなのことも考えられるように……。
ひとりよがりにならないように気をつける……。
それだけは、信じて欲しい。
●麗華
ええ、もちろんよ。
●晴海
……あの……。
●ひなた
あ、晴海ちゃん。
●晴海
私……謝りたくて。
ひどいこと言っちゃった……。
●ひなた
ううんっ、悪かったのはあたしだから。
●晴海
でも……。
●ひなた
謝っても、もう……手遅れだけど……。
●晴海
ひなたちゃん……。
●瑠璃花
…………。
……そうでもないかも。
●ひなた
え?
●瑠璃花
みんな、ちょっといい?
●麗華
どうしたの?
●瑠璃花
朗報、かもしれない。
●麻里紗
かも、しれない?
●瑠璃花
ネットの不確かな情報だから分からない。
本来なら、この時点ではまだ、
みんなに知らせたりしないんだけど……。
●愛美
けど、何よ?
もったいぶってないで教えてちょうだい。
●瑠璃花
あるかも、敗者復活。
●愛美
……へ?
●瑠璃花
もう一度、挑戦できるかも知れない。
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第8話「今より強くなるために」
ーーレッスン場
●ナレーション
その後、律たちに聞いていた通り、敗者復活の話が通達される。
それを受けて、合宿をやろうという案が出た。
●麗華
純粋な文字通りの『特別訓練合宿』ね。
●茜
うええ、スパルタってこと? イヤだなぁ。
●理子
楽しくはないが、その分経験になる。
●琴音
私は賛成です、悔いが残らないようにしたいので。
●悠
手を抜いた思い出は一生残るって、父さんが言ってました!
●麻里紗
鉄は熱いうちに打てと言うわ。
チャンスを見誤ると、取り返しがつかなくなるわよ。
●茜
いや、でも体育会系のノリは遠慮したいかなとか……。
●楓李
せやせや、好きこそモノの上手なれやで!
●ひなた
うーん……汗と涙の合宿……。
スポ根とか、甲子園みたいで青春かも。
●茜
ええ!?
●楓李
え~、イヤやわぁ。
前時代的な発想やで!
●晴海
プロデューサーさんはどう思いますか?
●プロデューサー
賛成。
●茜
げぇっ。
●瑠璃花
はぁ……まぁ、しょうがないかな。
●彩
プロデューサーの判断なら、従うまでです。
●千尋
合宿用の特別ディナーメニューを考えないとだね~。
●萌
いや、合宿は私も同伴するので、
そっちのメニューは普通でいいです。
●琴音
麗華さん、よかったらレッスン内容に関して
まとめてもらえませんか?
精神修養的なのは専門外だとは思いますが……。
●ひなた
それなら、タイヤ引きとかいいと思う!
●麗華
わかったわ……まあ、そういう息抜きも適度に入れて
考えてみましょう。
●更菜
タイヤ引きが息抜き……?
●セリア
トレビアン! ニンジャ・シュギョウ!
タイヤ引き! 瓦割り! 滝行!
これは盛り上がってきたでありんす!
●愛美
ま、前回と違ってお互いを知ってる仲だし。
ユニットを超えてもっと効率良く教え合えるはずよ。
●晴海
そうね。
言い辛いことも言えるくらい、仲良くなった後だしね。
●楓李
せやろか渡辺はん……言い辛いことって
どこまでいってもあると思うで。
●晴海
そんなことないよ。
……早速聞くけど、なんで楓李ちゃんは私だけ苗字呼びなの?
●楓李
え……? なんでやろな~?
●晴海
言い辛いことがあっても、言える仲、よね?
●楓李
言い辛いことではないから、それには当てはまらんよ~。
ただ単に言いたくないだけや。
●晴海
え、なにそれ……?
●希
……だから、緊張感がないって言ってんの。
でもまあ、ガチガチに固まって、
何もできないよりかは数百倍マシだけどね。
●萌
とにかく、学園長の許可は私がとっておきます。
みなさんは合宿に向けて、
各々持ち物などの準備をお願いしますね。
●全員
はーい。
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第9話「王者の助言」
ーーカフェ
●神蔵
どうだ? 現世<エイドス>のほうは。
いまは強化合宿中なんだって?
●プロデューサー
大変。
●律
いまが勝負どころだわ。
文字通り、ラストチャンスなんだから。
●栞歩
一番つらく、でも一番楽しい時期かもしれませんね。
あの子たちなら、きっと乗り越えてくると思います。
●アリス
そうですわよ! 黒瀬麗華には、きちんと本戦まで
勝ち上がっていただかないと!
それに、櫻花ひなたたちにも、勝ち上がってほしいですわ。
現世でのワタクシも、そう思っていますから。
●プロデューサー
ありがとう。
●律
だから、あなたに礼を言われたくない。
●アリス
ワタクシだって、ワタクシのために言っているんですの。
アイドルとしての、素直な気持ちですわ。
●神蔵
あはは……。相棒はこっちでもあっちでも大忙しだな。
身体が眠っていたとしても、精神はずっと起きてるしな。
身体にだけは、気をつけろよ。
●輝音
ふむ。1つ、アドバイスするのなら……。
櫻花ひなたには、敗者復活戦までに、
1つ越えるべき壁が残っている。
●プロデューサー
壁?
●輝音
櫻花すばるだよ。
越えると言っても、実力でという話ではない。
姉という存在の大きさを認め、それに立ち向かう心の強さだ。
きっと近いうち、その機会に恵まれるだろう。
感謝するんだぞ。
●神蔵
おい、なんかこのガール、おっかないこと言ってるぞ。
大丈夫かよ、黄色リボン……。
●プロデューサー
大丈夫。
●神蔵
へへっ、プロデューサー様もすごい自信だな。
それだけアイドルを信じてるってことか。
そういうの青春っぽくて、うらやましいぜ。
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第10話「奇異と好奇の瞳」
●ナレーション
無事に合宿を終え、また1つ成長したアイドルたち。
そして輝音の予言どおり、ひなたにも試練が訪れた。
ひなたが櫻花すばるの妹だと、ネットを通じて広まったのだ。
結果、ひなたはすばると比べられることに対して、
激しく自信をなくし、落ち込んでしまう。
だが、いまのひなたであれば乗り越えられる。
そう信じて、彼女のいる屋上げと向かった。
ーー屋上
●ひなた
プロデューサーはあまりしゃべらないけど、
気持ちはいつも伝わってるよ。
だからね、絶対来ると思ってた。
●ひなた
当たり前だよ。
●ひなた
当たり前に優しいって、ステキだよね。
あたしもプロデューサーみたいに、
絶対くるって信じられてる人になりたかったなぁ。
いざって時に、頼ってもらえて。
信じて……もらえて。
みんなの期待を受けて、それを返せて。
誰かを導いて、引っ張ることができて。
信頼されてるって、ことだよね。
みんなプロデューサーのこと大好きだから。
●プロデューサー
みんなもひなたが好き。
●ひなた
うん……知ってる。
ね、今あたし、みんなにスッゴイ心配かけてるね。
迷惑かけちゃっててさ……。
でもね、こんなこと言っちゃうのはダメだけど。
やっぱり、1人じゃなかったって。
勇気、出てきたよ……。
本当はさ、また輝音さんの時みたいに、
期待はずれだって言われるんじゃないかなとか。
また雑誌とかネットで、櫻花すばるの妹はとんだ出来損ないだとか、
そうやって言われるのが恐かったんだ。
でも、もう関係ないかな。
それよりも、みんなの夢がスタフェスにあるなら、
ちゃんと戦わなきゃって。
むしろ、これがあたしの仲間だ、すごいだろって、
みんなに自慢したい気持ちが大きいかも。
だからあたし……もう逃げない。
●プロデューサー
みんなが待ってる。
●ひなた
そうだね。そろそろ行くよ。
まだ、うん……怖いけど……。
でもね、大好きなプロデューサーもいるし。
大好きな友達がたくさんいるもん。
だから、怖いけど……カクゴはしたんだ。
でもね、お願い、プロデューサー。
手、握ってくれる?
●プロデューサー
いいよ。
●ひなた
ありがとう……うん、元気が出るね。
●愛美
あーあー、甘えちゃってまあ。
●ひなた
ふぇ!? 愛美ちゃん!?
●千尋
仲良さそうで、羨ましいわぁ。
●和歌
……えいっ!
●ひなた
わぁっ! 和歌っ、いきなり抱きつくと危ないよ!
●和歌
…………。
●愛美
元気づける役をプロデューサーに取られて拗ねてるのよ。
それはそれとして、左手はもらおうかしら。
●ひなた
うわっ、な、なに!?
●愛美
いきなりフラーっとどっかにいって、
レッスンをサボるようなやつは捕まえておく必要があるのよ。
●ひなた
愛美ちゃん……って、んぎゅっ!
●千尋
うふふ、ほっぺがリンゴみたい。
●ひなた
ち、千尋ちゃん、力つよいよ……ほっぺが歪んじゃうよぉ~!
●千尋
とって食べちゃおうかしら、なんて。
●ひなた
ごめん! ごめん! 怒ってる!? 千尋ちゃん怒ってる!?
●千尋
うふふ……心配はしたよ。
●ひなた
ごめーんって!
●琴音
……あはは、もうみんな大袈裟ですねぇ。
●ひなた
う、嬉しいけど、大丈夫だよ、あたし……。
…………。
はぁ……うー、もーみんな……。
みんな、大好きだよ。
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第11話「逆境を機に」
ーープロダクション室
●ひなた
チャンスだよ。
どっちにしろ、
敗者復活戦では全力を尽くさないといけなかったんだから。
お姉ちゃんのことで、有名になれたのはプラスだよ。
ちゃんとライブで成功さえすれば、この先にも繋がる。
●和歌
でもファンの視線も厳しくなるんじゃ……。
●ひなた
うん……でもね、それはお姉ちゃんと同じ土俵で勝負すればだよ。
●セリア
おお! ステージでスモーで倒すですか!?
土俵外試合、国技館ライブでスモウドロップライブ!
●ひなた
セリアちゃんみたいに、
うちの学プロはお姉ちゃんとは違うものを持ってる人がいる。
ううん、誰もがお姉ちゃんとは違うんだよ。
だから、お姉ちゃんと勝負する時、そこで戦ったら絶対負けちゃう。
●麗華
私たちは、私たちの良いところで勝負するということね。
……当たり前だけど、気をつけないといけないわね。
●晴海
でも、ファンが求めてるものから外れないかな?
●ひなた
それでいいよ。
●茜
そうそう。
だいたいさー、今までのファンはどーすんの。
ひなたのお姉ちゃんのファンは、
アカネのファンじゃないんだからさ。
●ひなた
その通り! あたしたちは
あたしたちのファンに向けてライブしなきゃ!
●茜
え、あれ?
●希
茜にしては良いこと言うじゃない。
そうね、ひなたのお姉さんは、ひなたのお姉さんだもの。
●茜
そ、そうそう!
アカネたちは、もっとスゴイってところを見せるのよ!
何が元トップアイドルよ! 現役の強さをみせつけるのよ!
●悠
おおー! 茜先輩かっこいいです!
●くるみ
なんだか勇気が出てきたです!
●佳奈恵
まあ、それぐらいの気持ちでいた方がいいかもね。
●茜
そ、そうよね! あはははははは……。
……いつもはここらへんで調子に乗るなって言われるのに、
何かさっきからおかしいわね。
●瑠璃花
褒められるのに慣れてない……。悲しいやつ……。
●ひなた
でも、本当にそういうことだよ。
あたしね、みんな素敵な才能を持ってると思うんだ。
だから、お姉ちゃんの評判とか気にする必要ないよ。
みんなは自分らしくあるだけで、輝けるはずなんだから!
●寧々
私は……私らしく、……輝ける。
●理子
そもそも自分以外の誰かになるなんて、誰にもできないからな。
●ひなた
一生懸命やろう? きっと相手のひとたちも一生懸命のはず。
それだけで、結果は出るよ。何がいいかって決めるのは
あたしたちじゃなくて、ファンの人たちなんだから。
●プロデューサー
頑張ろう!
●ひなた
うん! みんな! 心配かけてごめん!
頑張ろう、ただ頑張ろう。
あたしも頑張るよ。
ステージで、櫻花すばるじゃなくて……
櫻花ひなたのこと、覚えてもらうために!
●ナレーション
こうして、メンタル的にも非常に整った状態で、
敗者復活戦を迎える……。
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第12話「終わりなきカタストロフィ」
ーー街中
●神蔵
始まったな、敗者復活戦。
そんなときにこっちに来てもらうなんて、悪いな。
●プロデューサー
大丈夫。
●薊禰
大丈夫ってこともないだろう。
キミの大切なアイドルの、正念場だからね。
とはいえ、キミの学プロの出番はもう少し先だ。
それに、一度は現世<エイドス>に戻って、
近くで応援するタイミングはあると思う。
だけど、おそらく最もライブが盛り上がるタイミング……。
つまり、ひなたちゃんのユニットのライブは……。
●神蔵
その頃にはこっちも正念場だ。
近くで見てやれないだろうなぁ。
●響香
心配いらないって。あの子たちならきっと勝てるから。
●アリス
え、ええと……たしかに、何かやってくれそう、
という感じはありますが……。
●律
アリス、はっきり言いなさい。
彼女たちには無理だって。
●アリス
ワ、ワタクシはそこまでは……!
●律
そんなに甘い世界じゃない。
そんなこと、分かってるでしょう。
●響香
リッちゃんが真面目すぎるんだって!
それに、イロモノ枠が上がってきたほうが面白いじゃん!
●律
面白いとか面白くないとかじゃなく……。
●瘴念<ノイジー>
――ジジジ……。
●輝音
おしゃべりはそこまでだ。
来たようだぞ。
●栞歩
こ、こんなにたくさん?
あの、後ろのほうとか見えないんですが……。
●神蔵
それだけ来客があるってことは、
どうやらアタリみてぇだな。
●律
いまさらだけど、どうして自然に私たちも
巻き込まれてるの?
●輝音
シホとアリスが巻き込まれたからだ。
我々だけが知らんぷりとはいかないだろう。
●神蔵
悪いとは思っているよ。
だから巻き込まれてくれ。
●律
絶対悪いと思ってないでしょ。
●瘴念
――ギシャシャ!
●アリス
き、来ましたわ!
うう……何度見ても、慣れませんわね……。
●神蔵
お喋りは一時中断だ。
相棒!
●プロデューサー
任せて!
●神蔵
よし、これまで楽してた分、
きっちり働いてやるぜ!
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第13話「守るべきもの」
ーー街中
●神蔵
相棒! 分かってると思うが、
ここを抜かれたら現世<エイドス>にこいつらが流れ込むぞ!
●瘴念<ノイジー>
――ギシャァァァ!
●神蔵
ふんっ!
●瘴念
――ピギィィィ……!
●神蔵
だ、だけど……キリがねぇ!
●アリス
あわわわ……! す、すごいですわ!
たった2人ですのに、あんなにいた虫がどんどん減って……!?
●薊禰
でも、さすがに苦戦しているね。
……僕も戦えればよかったんだけど。
●輝音
いやぁワクワクするな! しかし惜しまれるは、
ここで黙って見ているしかないと言うことだ。
……いや、そう決めつけるのも早計か。
追い詰められれば、私にも秘めたる力が。
●栞歩
覚醒しません。しませんから大人しくここにいてください。
●輝音
ずるいぞシホ! お前だけ、間接的とはいえ
戦いに参加しているなんて!
●栞歩
ずるくないです。可能なら代わって欲しいくらいです。
この声と一緒に。
●輝音
それは断る。
●栞歩
どーしてですか!?
●響香
まー私でも断るかなぁ。
失うものが大きすぎるからね。
●栞歩
……2人とも、あとで説教ですから。
●律
…………。
●薊禰
あ、あの……キミたち?
もう少しほら、緊張感というものを……。
●神蔵
生きてるか、相棒!
●プロデューサー
余裕!
●神蔵
へっ、そいつは頼もしいな!
そんじゃまだまだ行くぜー!
想世(アンダー)サイド:第20章「現世の誓い」第14話「影の主」
ーー街中
●神蔵
へへっ……どうだ……。
これで少しはきれいになっただろ……。
●アリス
すごいですわ! あれだけたくさんいたのに、
1匹残らずやっつけましたわ!
●薊禰
だけど油断はできないね。
まだ増援はあるだろうし、何より黒幕が分かっていない。
●神蔵
おい! どこかで見てやがるんだろ!?
何者だ!? 正々堂々、姿を見せろ!
●???
…………。
●アリス
あの黒い影ですわ!
●神蔵
クソ逃がすか! 追うぞ!
ーーステージ裏
●律
また変なところに……。
空間がぐちゃぐちゃになってる……。
●薊禰
想世<アンダー>に強い負荷がかかっているせいだね。
それだけここには、負の感情が溢れている。
●アリス
っ! 誰か来る!?
●神蔵
ついに観念したか……。
お前、何者だ!?
●???
……うむ、驚いたよ。
まさかあれだけの瘴念<ノイジー>をたった2人でとは。
●アリス
ええっ!? そ、その声は……!
●輝音
……ほう。
●輝音の瘴念人
はじめまして、というべきかな?
自己紹介の必要は、なさそうだが。
●響香
カノカノ!?
●アリス
そのニセモノですわ!
●輝音の瘴念人
……ふふふ。あははははは!
●響香
な、何よ?
●輝音の瘴念人
キミたちは私のことをニセモノという。
だが、なぜそうだと言い切れるんだい?
●アリス
どういう意味?
●神蔵
ワケの分からないことを……。
俺がどれだけ、瘴念人<ミアノイジー>を見てきたと思ってんだ。
●輝音
……いや、そうかな。
●神蔵
何!?
●輝音
こうは考えないのか?
そっちにいる私が本物で、ここにいる私がニセモノ。
……そう。最初から、入れ替わっていたとは。
●アリス
な、なんですってー!?
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