【あおガルシナリオ集】想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」
2019年1月31日にサービス終了を迎えるスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」を紹介します。
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第1話「初歩的なことだよ、君。」
ーーステージ裏
●神蔵
初めからオリジナルと瘴念人<ミアノイジー>が
入れ替わっていただって? そんなこと……。
●アリス
まさか……ですわ……。
●輝音
ふふふ……。
●栞歩
…………。
カノン、こんなときまで悪ふざけはやめてください。
●輝音
悪ふざけ? それはどうかな?
仲間の中にラスボスが紛れ込んでいるというのは、
RPG的にも、すごく燃える展開――。
●栞歩
カノン。
●輝音
…………。
冗談だ。私が正真正銘、オリジナルの天道輝音だ。
●アリス
え、えぇ!? 嘘でしたの!?
●神蔵
な、なんだ。ガールズの冗談か。
驚かせてくれるなよ。
●栞歩
ごめんなさい。本当に空気が読めないんです。
●輝音
だが瘴念人が黒幕だと?
さっきの瘴念<ノイジー>も、お前が操ってたってのか?
●輝音の瘴念人
私は長い間、想世<アンダー>にいるからな。
それくらい造作もない。
●薊禰
瘴念人も瘴念も、本質的には同じものだからね。
いわば彼女は、瘴念のボスのようなものなのかもしれない。
であれば、瘴念を操れるというのも納得だ。
●律
そもそも、なんでカノンの瘴念人が
こんなことしてるの? 目的は?
●輝音の瘴念人
悪いが、それは教えられないな。
だが少しは見当がついてるんじゃないか?
●神蔵
歌の力を集めている。違うか?
●輝音の瘴念人
見事だ。イエスと答えておこう。
●律
待って。瘴念人はオリジナルの心の悩みから生まれる。
だったら、それさえ解決すれば、倒すことができるのよね?
カノン。あなたは一体何を悩んでいるの?
敵を倒す鍵なの。教えて。
●輝音
ふむ。私の悩みか。
それは……。
●律
それは……?
●輝音
思いつかないな、まったくもって。
いや、強がりとかそういうことではない。
●律
は?
●輝音
心あたりが、ないのだ。
●神蔵
なん、だと?
●アリス
……どうなってますの?
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第2話「混沌を超越する者」
ーーステージ裏
●アリス
あの……カノンにさん、瘴念人<ミアノイジー>が
発生する心当たりがない。
つまりそれって、倒しようがないってことでは……。
●輝音の瘴念人
そういうことだ。私もそれを分かっているから、
こうやってノコノコ出てこられるのだ。
●神蔵
む、無茶苦茶だ! もうそんなの、瘴念人じゃねぇだろ!
●輝音の瘴念人
そうだな。私はいわば、瘴念人を越えた瘴念人。
『ネオミアノイジー』とでも呼んでくれ。
●輝音
『ネオミアノイジー』……。うむ、イかすな……。
●栞歩
カノンは黙っていてください。
ただでさえ面倒くさいあなたを、2人も相手にできません。
●輝音
…………それはひどいぞ、シホ。
●輝音の瘴念人
私も元は、普通の瘴念人だったのだ。
だが天道輝音とは袂を分かった。
私はもはや、まったく別の存在なのだよ。
●薊禰
理解が追いつかないね。
もう少し、分かりやすく教えてくれないか?
●輝音の瘴念人
そうすることに、こちらになんのメリットが?
●薊禰
ほら、キミはお喋りじゃないか。
●輝音の瘴念人
それ以上に、人見知りなものでね。
●薊禰
……ダメか。
●輝音の瘴念人
まあ、信じる信じないは自由だ。
こちらにはなんの不都合もないからな。
●神蔵
あ、おい! どこ行きやがる!?
●輝音の瘴念人
こちらにも機というものがある。
●神蔵
機、だと?
●輝音の瘴念人
つまり、いまはそのときではない。
逆に言えば、倒すならいま、ということになる。
だが、そちらとて、いまはその力もあるまい。
ということで、ここは一度仕切り直しだ。
せいぜい、震えて待つといいさ。
●神蔵
余裕ぶりやがって。
ネオミアノイジー? 信じられるか。
●薊禰
何者なんだ……? どうして彼女たちのような存在が?
素性も、目的もさっぱり分からない……。
倒す方法すら見当がつかないってのは、絶望的だ……。
戦って退けることはできるだろう。
だけど、それは根本的な解決にはならないからね。
●神蔵
分かってる。けど、とにかくいまは、
敗者復活戦の間、界門<ゲート>を守ることに集中しねーと。
相棒。そういうわけだ。
相棒は一度、現世<エイドス>に戻ってくれ。
●プロデューサー
大丈夫?
●神蔵
1つはっきりしているのは、やつらの狙いが
歌の力だってことだ。
そして、やつらは機じゃないと言った。
だったら、侵攻して来るのは、最も歌の力が強くなるとき。
つまり『Twinkle☆Star』のライブだ。
だから、それまでは安全だ。
現世に戻って、身体を休めてくれ。
●プロデューサー
分かった。
●神蔵
『Twinkle☆Star』のライブの前には、
戻ってきてもらうことになる。すまねぇな……。
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第3話「参上する少女たち」
ーーステージ裏
●ナレーション
神蔵たちに言われ、一度現世<エイドス>へ戻ってくる。
そこでは敗者復活戦の直前。
トップバッターの『Remuage』が、すでに準備に入っていた。
●萌
もう、プロデューサー! いままでどこにいたんですか!?
早く! こっちですよ!
●ナレーション
萌に手をひかれる。
そうして、光のなかへ飛び出した――。
ーー控室
●セリア
オオ……アヤ、緊張してるデスか?
●彩
ききききんちょうなんて、してな……っ!
●佳奈恵
あはは、ま、しょうがないよ。
だって責任重大だもんね、一発目ってさ。
●彩
……うぅぅぅぅ……。
●セリア
アヤ……。
●彩
セリア……。
●セリア
早くステージに出ないと、ヤバイデース。
フウリがもう先に出て……。
●愛美
は、はぁ!?
ーーライブ会場
●楓李
あー、ごめんなぁ? 今ちょっと彩はんが
キンチョーで泣きそーやから、落ち着くまで時間くれる?
あ、あかん? あーダメやわ終わったわ~。
――アハハハハハ。
●佳奈恵
あのバカ……。
●楓李
あーごめんセリアはん。
はよ演らんと棄権扱いやって~。
ほんにごめんな? 彩はんちょっとアガリ症やから~。
昨日からストレスでハンバーガーむしゃむしゃしてるん。
あれ絶対しょーらい太ってま……あ。
●彩
フ・ウ・リィィィィ!!
●琴音
ああっ! 彩さんまでステージに!?
●楓李
わぁっ! ちょ、堪忍してっ!
パンツ見えてしまうわっ、あっ、リボン取れてもーた。
うち、ボタンもつけれへんのに……。
●彩
このっ! 何勝手なことしてるのよ!
●佳奈恵
楓李の気遣いだと思う?
●セリア
カナエはフウリが好きですなぁ。
●佳奈恵
あたしはみんなが好きなんだよ。
●セリア
ワタシもみんな好きデスよ。
さて……緊張しますが、行きますか。
●佳奈恵
あ、ヤッパリ?
●セリア
ワタシだって、女の子デスからね。
それじゃあプロデューサー! 行ってくるでやんすっ!
●佳奈恵
ま、サクッと盛り上げてくるわ。
●プロデューサー
がんばって!
●彩
プロデューサー! どうしよう! 楓李の衣装が!
●楓李
出落ち要員としてはもう十分役目果たしたから、
プロデューサーはんも許してくれるやろ。
●セリア
こらこら何勝手なこといってるデスか!
ども! お待たせしたデース!
いろいろ言いたいことはあるデスが……。
……ライブで伝えさせてもらうでありんす。
『Remuage』、推して参る!
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第4話「銀河を渡る少女たち」
ーーステージ裏
――ワァァァァァ!
●晴海
うふふ、何が出落ちなのよね、
いきなりハードル上げてくれちゃって。
●くるみ
ううぅうぅ……緊張しますですぅ!
●悠
うっす! 気合い入れます!
●寧々
お客さん……みんな楽しそう。
私たちで、がっかり……させちゃわないようにしなきゃ……。
●麻里紗
上手い言葉が思いつかないけど……。
プロデューサー、私たち、精一杯キラキラしてくるわ。
●晴海
あはっ、麻里紗さん、精一杯キラキラって。
●麻里紗
……いい名言が浮かんでこなくて。
私としたことが……。
●くるみ
精一杯キラキラしてくるですっ!
●麻里紗
く、くるみちゃんまで……。
●悠
銀河の歌劇団ですから。
自分たちがスターとして、キラキラしなきゃってことですよね!
●晴海
そうそう。一生懸命キラキラしましょう。
●麻里紗
も、もう……。
●晴海
それじゃ、プロデューサーさん。
行ってきます!
●プロデューサー
しっかり見てるよ。
●晴海
はいっ!
『銀河歌劇団』のキラキラから目を離さないでくださいね?
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第5話「弩級少女2人組」
ーーステージ裏
●茜
どうしよう、めっちゃ緊張するんですけど。
●瑠璃花
今更……。
●茜
だってぇ! おかしくない!?
だいたい、アカネたちだけ2人っきりだし!
●瑠璃花
2人のユニットだから。
●茜
『プリティ→プリンセス』とか、
ちょっとぶりっ子すぎてアレな気もしてきた!
●瑠璃花
え、それいま言う?
●茜
うー、不安だよ。
なんかもう、アカネたち出なくて良くない?
このいい感じの流れを、止めたくないっていうか……。
●瑠璃花
茜。
●茜
瑠璃花だってめんどくさいでしょ?
●瑠璃花
わたしは、茜と一緒に出たい。
●茜
え。
●瑠璃花
でも2人だけのユニットだから。
●瑠璃花
茜が出たくないなら、仕方ないけど諦める。
●茜
……最初に誘ったの、茜なんだよね。
●瑠璃花
『プリティ→プリンセス』をやろうって言ったのは茜なんだから。
逃げられるのは、困る。
……わたしもバンジーやったんだし。
●茜
はぁ……オッケー。
プロデューサー!
2人の可愛いお姫様のライブ、
ちゃんと見ててよね♪
●プロデューサー
行ってこい!
●瑠璃花
それはそれとして勝手なこと言った罰はあとでする。
●茜
えええええええっ!?
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第6話「強者の凱旋」
ーーステージ裏
●麗華
いつも通りやりましょう。
●更菜
あはは、リハーサルの時と同じこと言ってる。
●希
むしろリハと違うことしたら、
リハの意味がないでしょ。
●理子
今日のために、しっかり準備してきたんだ。
●美雪
頑張ってきましたから……きっと上手くいきますわ。
●麗華
ええ。……ただ欲をいえば。
いつもよりも、上手くやりましょう。
無理する必要はないけどね。
●希
……まあでも、それもいつも通りってことよね。
●更菜
前よりももっと、上手く。
●美雪
昨日よりも今日を素晴らしく。
●理子
今日よりも、明日はもっと輝かしく……だろ?
●麗華
うふふ、そうね。
……ではプロデューサー、行ってくるわ。
●プロデューサー
信用してる。
●麗華
ええ。……落ち着いていきましょう。
私たちのできることをしにいく。
それだけのことよ。
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第7話「凛々の一番星」
ーー控室
●ひなた
すごいなぁ、みんな。
●琴音
そうですね。レッスンの成果がフルに出てますよねぇ。
●ひなた
あ、それもそうなんだけど。
●琴音
はい?
●ひなた
本番前のセンターのひと言、みたいなやつ。
どうしてあんな格好いいこと言えるんだろ?
●琴音
か、格好いい……?
ええと、ひなたちゃんは、いつも格好いいと思うよ?
●ひなた
え、本当!?
●愛美
嘘に決まってるでしょ。
●ひなた
え……。
●愛美
本当に格好いい人は、格好いいこと言おうと思って
言ってるわけじゃないの。
こう、内側から自然ににじみ出てくるものなのよ。
●ひなた
えっと、麗華さんみたいな感じ?
●愛美
そうよ。分かってるじゃない。
●ひなた
そっか……。
●愛美
…………。
●千尋
もう、愛美ちゃんはイジワルだねぇ。
●愛美
ど、どういう意味よ?
●千尋
それを言うなら、ひなたちゃんはとても格好いいよぉ。
だってわたしたち、何度ひなたちゃんの言葉に感動して、
励まされたか分からないじゃない。
●愛美
……それは、まあ。
●ひなた
そうなの?
●愛美
う、うるさいわね! じゃなきゃ私もそうだし、
みんなこんな場所にいるわけないっての!
●ひなた
愛美ちゃん……。
●和歌
ひなた、胸を張りましょう。
この学プロはあなたと、プロデューサーさんが
運命的な出会いをして、そこからすべてが始まったのよ。
2人きりだったのが、いまでは23人。
そのみんなが、オオトリを預けたいって言ってる。
●ひなた
……うん。そうだね。今度はもう失敗しないよ。
自分が背負ってるものの重さ、分かった気がするから。
……行こう、ステージへ!
みんなの想い、全部あたしが背負っていくから!
……でも、ちょっと重くて支えきれないときは。
こっそり手を出して、手伝ってくれるといいなぁ。
だからプロデューサー……。
あたしたちのこと、一番近くで見守っててね!
ーー選択肢1
●プロデューサー
任せて。
●ひなた
えへへ♪ ありがとう♪
プロデューサー、大好きだよ!
ーー選択肢2
●プロデューサー
(笑顔でごまかす)
●ひなた
も~。そこは、任せて! って言ってくれないと。
絶対に、勝つね。
それで、みんなでスタフェスに行こうね。
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第8話「破滅への序曲」
ーーライブ会場
●プロデューサー
ただいま。
●神蔵
……来たか、相棒。
どうだ、ガールズの様子は?
●プロデューサー
ばっちり。
●神蔵
そうか。そいつは良かった。
だったら、俺たちは俺たちで仕事に集中できる。
それから、みんなも謝らないとな。
特にそこの2人には。
●栞歩
私は、別に良いですよ。
良いと言うか、仕方ないことですから。
●神蔵
おお、さすが俺だな。
器の大きさが光るぜ!
●栞歩
だからそういう言い方やめてください!
●神蔵
悪い悪い。冗談だって。
●アリス
ワタクシも、謝られる理由は……。
足をひっぱってばかりですし。
●神蔵
そんなことはない。これから、相棒のパートナーである
ガールの力は、きっと必要になる。
●アリス
そうは思えないですの。
まず、パートナーってなんですの? なぜワタクシが?
●神蔵
まだ言ってるのか。
●アリス
だって、守られてばっかりですもの!
誰かの足手まといになるのは、もう嫌ですの……。
●響香
足を引っ張る、ねぇ……。
●神蔵
それ、前も言ってたな。
でも仲間ってのは、守り守られだぜ。
なあ。ガールズたち?
●輝音
え? ああ、そうかもな。
●栞歩
…………ふふっ。
●律
…………。
●神蔵
あ、あれ?
●響香
……バカ。
どうしてそういうこと、聞いちゃうかなぁ……。
●神蔵
と、とにかく!
ガールが覚醒したら、相棒のこと、守ってやんな。
●アリス
ワタクシにはそんな力、ありませんわ……。
それに、プロデューサーさんは、1人でも十分強い。
強い、力と心をもっています。
ワタクシにできることなんて……。
●神蔵
……なあ相棒。俺、なんか間違ったこと言ったか?
どうしてこんな空気になってるんだ?
●輝音の瘴念人
さて。みんな、揃っているようだな。
●神蔵
……出やがったな。
●響香
にしてもちょっと、数多くない?
こっちは戦えるの2人だけだし、
数の暴力にも限度があるような……。
●輝音の瘴念人
私は真摯ではないのでね。目的のためには手段を選ばないさ。
なにしろ、『どんなことをしてでも目的を達成する』。
それがアイドルとして、最も真摯だと思っているからね。
●アリス
もはやこれ、アイドル関係ないですわ……。
●輝音の瘴念人
何を言うか。私のオンステージだ。
最後まで楽しんでいってくれよ。
●輝音
1つ、アドバイスをするのなら。
私という人間は、どこまでもクソ不真面目だ。
世の中を舐め腐って、自分が一番だと本気で思っている。
だが、バカではない。バカではないが故に、
なんの根拠もなく、自分が一番だなんて思わないのだ。
●神蔵
つまり?
●輝音&輝音の瘴念人
私は、強い。誰よりもな。
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第9話「調停者の条件」
ーーライブ会場
●神蔵
はぁ……。はぁ……。
どう、だ……。全部いなしたぞ……。
●輝音の瘴念人
ほう……! 意外と頑張るではないか!
そうでなくては、盛り上がりに欠けるがな!
●律
2人とも、あんなにボロボロに……。
このままだと……。
●響香
とはいっても、アタシたちじゃどうしようも……。
●アリス
……どうして。本当に、理解できませんわ。
●響香
アリリン?
●アリス
力があるのなら、自分のために使えばいい。
どうしてそれを、他人のために?
気まぐれでそうすることはあると思いますわ。
だけど……この方たちは、ずっと気まぐればかりしています。
●神蔵
それはもう、気まぐれじゃないってことだよ。
仲間ってのは、守り守られるもの。
そう言ったじゃねぇか。
●アリス
だから、それが分かりませんの!
ここに来てから、ワタクシは守られてばかり。
いつか成長してワタクシが
プロデューサーさんたちを守るときが来るからって……。
そんな……そんな期待をされても困りますの!
ワタクシは、きっと何も返せません。
ワタクシは、何もできませんから。
『ヴァルキュリア』にいるのだって……繰り上がり……。
実力だとは思っていませんの?
だから実際、みんなはワタクシのことを気にもかけませんわ。
でも当然ですわ。ワタクシに使う時間があったら、
自分を磨いた方が、ファンのためでもありますし。
●輝音
そうだな。自分が最も見込みがあるのだから、
他人のために身を捧げる理由がない。
●アリス
……プロデューサーさんだって、自分で精一杯のはずですわ。
だって、貴方は天才ではないから!
それは、今日まで見てきて分かります。
プロデューサーさんはいつだって不器用で、非効率ですわ。
身を削って、いっぱいいっぱいで生きてる。
そんな方が、どうしてワタクシたちを守ると?
気持ちはとても、とても嬉しいですわ。……だけど。
正直、信頼できないのです。
プロデューサーさんにメリットが、何もありませんもの。
●プロデューサー
それは違う。
●アリス
どう違いますの?
ーー選択肢1
●プロデューサー
考えるより先に動いてたから。
ーー選択肢2
●プロデューサー
やりたいことをやっただけ。
ーー選択肢1
●プロデューサー
それがプロデューサーだから。
ーー選択肢2
●プロデューサー
それが調停者だから。
●アリス
…………。
●神蔵
さすが相棒、良いこと言うね。
そうだ。調停者もプロデューサーも、おんなじ精神さ。
覚醒していつか俺たちを守ってくれって言ったけどな、
あれは嘘なんだよ。
●アリス
嘘、ですの?
●神蔵
ガールに見返りを期待してない、ってわけじゃない。
見返りがあろうがなかろうが、関係ないんだ。
表から、裏からアイドルを守る。
それが俺たちの仕事であり、誇りなんだよ。
●薊禰
うん。誇りを失くしては、死んだも同じ。
調停者として、ボクたちはこの世界で生きているからね。
●神蔵
……まあ、プロデューサーとか調停者とか以前にだ。
仲間を見捨てるような、格好悪い男になりたくないのさ。
●アリス
…………仲間……ですの。
●輝音の瘴念人
さあ、最終決戦前の会話イベントは終わったかな?
私もそろそろ待ちくたびれたのだが。
●神蔵
へっ、自分が悪役だって分かってんなら、
潔くやられてくれるってのはどうだ?
●輝音&輝音の瘴念人
ああ、それは無理だな。
●栞歩
どうしてカノンまで答えるんですか。
●輝音
悪役などというのは立場の違いでしかない。
見方を変えれば、私たちこそ悪役だ。
向こうは向こうで、己の信じる正義や、守るべきものがある。
手を抜いたりなんて、するわけないだろう。
●輝音の瘴念人
……さすがは私だった者だな。
まったくもってそのとおりだ。
というわけで、私は私の守るべきもののために戦う。
聴かせてあげよう。
これが、歌姫<ディーバ>に捧げる小夜曲<セレナーデ>だ。
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第10話「意地の鉄槌」
ーーライブ会場
●神蔵
どうだぁ!?
これが調停者<プロデューサー>の意地ってもんだぜ!
●輝音の瘴念人
ま、負けた……。
この、完璧であるはずの私が、か?
●輝音
完璧? それは少し違うな。
完璧なのは私であって、お前ではない。
お前が私から離れた時点で、負けるのは仕方のないことだ。
●輝音の瘴念人
何を、自惚れたことを……!
●輝音
自惚れるさ。
なんせ私は、完璧だからな。
●栞歩
まあ、今回カノンは何もしていませんけどね。
●輝音
…………。
●神蔵
トドメをさすぞ、相棒。
現時点で瘴念人<ミアノイジー>を
完全に倒すことはできないが、しばらく活動を抑えられる。
●プロデューサー
分かった。
●輝音の瘴念人
……ふっ。これだからお前らは三流だと言うのだ。
敵が1人だと、いつから錯覚していた?
私を倒しても、また第二第三のネオ瘴念人が現れるぞ!
●神蔵
またいつものゲーム台詞か。
お前もブレないな。恐れ入ったよ。
●輝音の瘴念人
そうか。では恐れ入るついでに、
驚き悔しがってもらおうか。
●神蔵
なんだと?
●輝音
っ! いかん! 早くそいつにトドメを――!
●神蔵
おわっ!?
●薊禰
神蔵! 逃がすな!
●輝音
……いない。逃げられたみたいだな。
●輝音の瘴念人
今回は私の負けだ。潔く認めよう。
だが、私たちの正体と目的を突き止めぬ限り、
何度でも立ちはだかるぞ!
●神蔵
私、たち……。
マジに第二第三の魔王がいるってことか……。
●薊禰
いまの爆破も、味方の援護射撃だろうね。
組織的、なのかもしれないが、規模がわからないな。
●輝音
その目的もな。
あいつが私の手を離れ、想世<アンダー>で天啓を
受けたというのなら、私にもそれは想像がつかない。
●神蔵
だが、たかだが1人のネオ瘴念人に
ここまで手こずるようじゃ、先が思いやられるな。
俺たちのパワーアップが、目下の課題になりそうだ。
ーー控室
●薊禰
みんな、おつかれさま。
全員無事で何よりだよ。
大事なアイドルに、傷をつけるわけにはいかないからね。
●響香
まー色々大変なことになっているのは、よく分かった。
でも楽しかったよ、個人的にはね。
●律
楽しかったって……本気で言ってる?
もうこんな思いは二度としたくないわ。
●響香
割と頻繁にすることになると思うなー。
●律
縁起でもないこと言わないでよ!
あんな虫とか虫とか虫とか、思い出したくもない……。
●栞歩
私も虫は嫌ですけど、何よりカノンが2人もいるというのが、
どうやっても生理的に受け付けませんね。
●輝音
だからシホ、ちょっとひどいと思うんだがそれは……。
●律
……はぁ。いいからさっさと元の世界に返してよ。
もう用事は済んだのでしょう?
●プロデューサー
分かった。
●神蔵
さあ、そこに一列に並びなガールズ。
助かった。調停者<プロデューサー>を代表して礼を言うぜ。
●プロデューサー
ありがとう。
●アリス
あ、あの……プロデューサーさん。
こちらこそ、ありがとうございましたわ。
たくさん、失礼なことを申しました。
信頼していない、とか……。
なのにプロデューサーさんは、ワタクシたちを
命がけで守ってくれました。
……貴方のようなひとも、いるのですわね。
●神蔵
それが分かってもらえただけでも、
想世<アンダー>に招待した意味があったな。
●アリス
ええ。
おかげさまで、もう少し頑張ってみようと思えますの。
実はアイドルのほうも、少し挫けそうになっていましたが……。
プロデューサーさんたちの、その力と心に少し憧れましたの。
泥臭く、誰かを守るために戦うことに。
だから、ワタクシも強くなって、守られるだけじゃなく、
守るほうにもまわりたいって思いますわ。
●神蔵
……ひとの思いは、強さだ。
その思いがあれば、絶対に強くなれる。
●アリス
……はいですわ!
●神蔵
さ、今度こそ本当に送り返すぜ。
ひとまずはゆっくり休んでくれ。
それで、また会おうな。想世<アンダー>ガールズ。
●アリス
っ!?
へ、変な呼び方はやめてくださいましー!
想世(アンダー)サイド:第21章「影の侵略者」第11話「終焉と胎動」
ーーステージ裏
●ひなた
終わったね、ライブ。
●和歌
ええ。
●愛美
はぁ……でも、もっとやれることあったわよねぇ。
●琴音
愛美さんは本当に向上心がありますね……。
私なんか、無事に終わったことにほっとして、力が……。
●千尋
わたしもお腹空いちゃったぁ~
ううぅ……。
●ひなた
あはは……でも『Twinkle☆Star』の魅力は
全部伝えられたと思う。
『GE:NESiS』だって、『プリティ→プリンセス』も、
『銀河歌劇団』も、『Remuage』も!
みんなみんな素敵だった!
あたしなら、あたしたちの学プロに票を入れるよ!
●和歌
それだけ、胸を張れるステージになったってことね。
納得できてないステージだと、自分たちに入れるなんて言えないしね。
ーー控室
●くるみ
あのっ!
『Twinkle☆Star』、素敵でしたですっ!
鳩がバサバサー!
うさぎがひょこひょこーって!
びっくりしちゃいました!
●ひなた
くるみちゃん……。
●琴音
『銀河歌劇団』もかっこよかったですよ。
なんだか、ワクワクドキドキする、星のきらめきを感じました。
●希
しかし『プリティ→プリンセス』が、
まさかライブをキッチリやるなんて……。
●茜
ちょっとちょっとどういう意味よ!?
●希
褒めてるのよ、ちゃんとレッスンして良かったじゃない。
……今日ばっかりは、ちゃんと「天使」だったわよ。
●茜
あ、やっぱり? 知ってたけどね☆
●瑠璃花
総合力ではやっぱり『GE:NESiS』が人気。
一番、正統派アイドルユニットっぽいって評判。
●更菜
正統派って、褒められてるんですかね……。
特にこの学プロはみなさん濃いですし、
無個性、という見方も……。
●理子
……というか、アタシたち正統派っぽいか?
●寧々
で、でも。正統派っていう、真っ向ストレートのジャンルで、
正統派イコール『GE:NESiS』って評価は本当にすごいんじゃ……。
●更菜
え、あ、ありがとうございます……。
そうですよね。素直に褒め言葉だって受け取っておきます。
●美雪
是非とも敗者復活して、スタフェスに行きたいものですね。
●ひなた
うん!
●彩
できるんじゃない、この調子なら。
……うん。大丈夫よ、大丈夫……きっと。
●セリア
うぃ! 絶対できます!
●楓李
できへんかったら暇になるな?
それはそれで、観たい映画観に行ける……むごっ!
●佳奈恵
きっとできるっしょ。
だから楓李はちょっと黙って。
●ひなた
あはは、残念会の準備もしとこうか。
●プロデューサー
必要ないよ。
●ひなた
え? そうかなぁ。
でも、プロデューサーがそう言うなら、きっと大丈夫だね!
●萌
みなさん!
結果発表されましたよ!
●和歌
ど、どうでした…?
●琴音
結果は……?
●萌
結果は……!
(少し時間がたって)
●ひなた
祝!
●茜
敗者!
●晴海
復活!
●麗華
第1位!
●セリア
おめでとうでありんす!
●一同
おめでとー!
●ひなた
よかった! よかったよー!
●彩
ホント……よかったぁ……。
結果発表までの間が、心臓に悪いわよ、もう……。
●寧々
あっ……やっぱり、ドキドキしてたんですね……。
●希
まーライブ中にシューズのヒモが解けたのは、
さすがの私も、ダメかと思ったけどね。
●くるみ
え、そうなんですかぁ!?
●希
そうよ。もちろん、結び直す暇なんてないし、
最後まで気合いで踊りきってやったわ。
●美雪
隣にいた私が気付いたのですけれど、どうすることもできず……。
ただひたすら、祈るような気持ちでございましたわ。
●くるみ
す、すっご~い! くるみだったら、解けたあわわ~! ってなって、
もう頭真っ白でふみゅ~……って倒れちゃうです~!
●希
そこが地力の違いね! ふふんっ!
●瑠璃花
実はそれを言うなら、私たちも危なかった。
●悠
あ、それは分かりました!
瑠璃花先輩が、本当は右にはけるところで左にはけて、
それに気付いた茜先輩が、代わりに右にはけました!
●茜
そっ! アカネの機転が利いたから、助かったの!
アカネのおかげでね☆
瑠璃花、アカネに何か言うことは?
●瑠璃花
…………。
●茜
瑠璃花ー?
●瑠璃花
……りがっ! あ、ありがっ……!
●茜
聞こえないよ?
●瑠璃花
あ……ありがとうございまっす!
――バキッッ!
●茜
うげーっ!!!
●琴音
る、ルリちゃん!?
スマホは、スマホはダメだよ!
●瑠璃花
だ、だってこいつ! たった一度のミスで、
何度も何度も私にお礼を強要して……!
●琴音
あー……。
●悠
そうなんですね。
それは茜先輩が悪いと思います……。
●茜
な、なして……。
●麻里紗
ふふふ、みんな、賑やかね。
●和歌
もう、賑やかすぎです。
ちょっとハメを外しすぎでは?
●麻里紗
いいのよ、こんな時ぐらいは。
喜びはみんなで分かち合わないと、ね。
●愛美
そうよ、1位なんだし。
●愛美
それよりひなた、よく見ておきなさいよ。
●ひなた
え? 何を?
●愛美
みんなを、よ。
これが、1位の景色よ。
●ひなた
1位の景色……。
●愛美
うん……みんな、笑ってるでしょ?
●ひなた
…………。
●愛美
もしこれが2位だったら?
……きっと、笑ってないひとがいたと思う。
1人でもそんなひとがいたら、心から喜べないでしょ?
だって、私たちは仲間なんだから。
●ひなた
仲間……。
●愛美
そうよ。だから2位以下は全部一緒。
1位だけが、勝ちなの。
ひなたはナンバー1じゃなくてもいいと言うわね。
もちろん、それも否定はしないわ。
でも、見なさい。
この景色も、悪くないでしょ?
それに、敗者復活とはいえ、他の学プロ全部ひっくるめて、
私たちが頂点に立ったの。
これまでの努力とか悩みとかが、全部報われた瞬間よ。
それが嬉しくないはず、ないわよね。
●ひなた
…………。
うん。嬉しい、すごく。
……そうだね。みんなが笑ってくれるなら、
1位の景色も、すっごくいいね。
●愛美
そうよ。いまさら気付いたのね。
●和歌
ひなた……。
●千尋
ふふふっ。この感動は、塩昆布キャベツのように
やみつきになっちゃうねぇ?
●琴音
私も、みなさんとここに来られて良かったです……。
●ひなた
……そうだよね。これまで仲間と一緒に頑張ってきて、
それをファンが認めてくれた。
それって、あたしたちが最高の仲間だって証明だよね?
そんなの、嬉しいに決まってるよね……?
●輝音の瘴念人
……すまない、しくじったよ。
だが、必ず悲願は達してみせる。
なんたって、お前は私たちの友達なんだからな。
いつかキミに、最高の復活のステージを
用意してみせる……。
だから……。
だから、もう少しだけ、ゆっくりお休み。
私たちの、眠り姫。
to be continued……
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