【あおガルシナリオ集】最終イベント「青空の見える明日へ」
2019年1月31日にサービス終了を迎えたスクウェア・エニックスのアイドルゲーム『青空アンダーガールズ! Re:vengerS(リベンジャーズ)』のシナリオ集をお届けします。
この記事では、サービス終了直前に行われた最終イベント「青空の見える明日へ」を紹介します。
「青空の見える明日へ」第1話「混ざり合う思惑」
ーープロダクション室
●ひなた
プロデューサー、萌ちゃんおはよー!
今日もレッスンじゃんじゃんやって、スタフェス予選を勝ち抜こう!
●萌
はぁぁ……おはようございます、ひなたさん。
●ひなた
あれ? なんか2人とも、元気なさそうだね?
●プロデューサー
ちょっとね……。
●萌
ええ、ちょっとですよちょっと。
我が学プロに残されている予算がね……。
●ひなた
ええっ!? ちょ、どういうことなの!?
●萌
……というわけで、最近ライブバトルが出来ておらず、
すっかり予算的な余裕がなくなっているのですよ。
●麻里紗
なるほど……『将を射んと欲すれば先ず馬を射よ』ということね。
すっかり考えが抜けていたわ。
●麗華
その辺り、いつも萌とプロデューサーに任せていたもの。
いつまでもあると思っていたわけではないけれど……。
●萌
すみません、経験者と言えど力不足でした。
アイドルである皆さんに、このようなことを意識させるなんて……。
●学園長
いいのいいの! 萌ちゃんは固くなりすぎよ♪
ねー、ひなたちゃーん?
●ひなた
そうそう! 学園長の言うとおりだよー!
……んぅ?
学園長、うちの学プロだったっけ……?
●麗華
随分と、自然にわたしたちに混ざっていたようだけれど……。
●麻里紗
というか学園長はどうしてここにいらっしゃるんですか?
●学園長
やんやんっ、私だって永遠の17才なのよぅ?
なんといっても元アイドルなんだから、いてもいいでしょう?
●プロデューサー
……。
●学園長
せっかくだし、カワイイ衣装いっぱい着せてもらっちゃお♪
るんるん♪
●萌
かなり乗り気だ!!
この人、冗談抜きでやりかねないので却下です却下!!
……それで、学園長?
急にやってきて何かご用でしょうか。
●学園長
ご用も何も、いいお話を持ってきたのよ。
新進気鋭の学プロであるあなたたちへ、ちょっとしたボーナスね。
今から1週間後、学プロで今までの成果を発表してもらうわ。
例えばだけど、全員参加のライブでもいいわ。
そこであなたたちが、私を満足させることが出来たら~……。
萌ちゃん、電卓貸して?
●萌
あっ、はい。
●学園長
ん~、これがこうなって、こうで、ここを~……。
はい、これだけの予算をあげちゃいますっ。
●プロデューサー
ゼロがいっぱい……。
●萌
やります、やります!
ぜーったいに満足させてみせますので予算ください!!
「青空の見える明日へ」第2話「明日のために」
ーー茶室
●麗華
……と、萌が二つ返事で答えてくれたおかげで、
わたしたちにチャンスが生まれたわけ。
●茜
それ本当にかなりの額をもらえるのよね?
わりに合わないなら、アカネやりたくなーい。
●ひなた
わかんないけど、数えられないくらいゼロがいっぱいだったよ?
●茜
アカネが絶対、学園長を満足させてみせるわ!
●晴海
急に目の色変わったね……。
●セリア
ヤレヤレ……ビンボーは清らかと言う言葉を知らぬデスか?
マッチャ・ラテでも飲んで落ち着くでありんす。
●麗華
そんなオシャレなものを飲んでいる人間が、
清貧を語るのはどうかと思うのだけど……。
●セリア
ガーン! あちきはジャポンが好きなだけデス!
●麗華
はいはい、落ち着いて。
みんなを集めたのは、今後について話し合うためなのだから。
あくまで成果を発表することが目的なの。
スタフェス予選での戦いを前に、ちょうどいいとは思わない?
●ひなた
うん! しかも上手くいったら予算もゲット!
プロデューサーたちもホッとするよね?
●晴海
たしかに……いつも私たちのために走り回っている
プロデューサーさんと萌ちゃんのためにも、頑張りたいな。
●茜
だったら、相当面白いことしないとじゃない?
うちのユニットで新曲出すときでさえ、チョー大変だったわよ?
●セリア
ウムム……いっそ、キヨミズの舞台から落ちるあちきを、
『Remuage』全員で受け止めるとか、どうデスカ!?
●ひなた
じゃあじゃあ、落ちたセリアちゃんを消すマジックもやっちゃう?
●セリア
ヒナタのジャポン忍術とあちきのニンジャ☆ジャン☆ダイブ!
これで学園長は大笑いの過呼吸で間違いなしでありんす!
●麗華
危ないからダメよ。
●ひなた&セリア
えー!!
●晴海
……あのさ、私もやってみたいことがあるんだけど、いいかな。
前に合宿で、色々あったじゃない?
あの時のアレで、パフォーマンスやるのはどうかな。
●麗華
まさか晴海、シャッフルユニットをやろうというの?
●茜
否定するわけじゃないけど、それってホントに大丈夫?
アカネ、瑠璃花としか組めないから2人組なんだけど。
成果を出すなら、今のまま最高のパフォーマンスを
見せるだけで十分な気もするけどなぁ。
●ひなた
あたしは、晴海ちゃんに賛成かな。
●晴海
ひなたちゃん……。
●ひなた
だってほら、普通にやって喜んでくれるなら、
茜ちゃんも苦労してなかったはずだよ。
●麗華
それに、学園長は元々カリスマ的なアイドルだもの。
演出に喜びはすれど、普通だと思われるでしょうね。
●茜
……そうね。
たしかにそれは一理あるわ。
●晴海
実は、あの時使ったクジがまだ残ってて。
全員分の組み分けを出来るように、ちゃんと準備してあるよ。
●麗華
なるほど……。
なら、集まって顔合わせをするところから1週間を始めましょう。
そしてそれぞれが成果を披露し、予算を勝ち取る……いいわね?
●ひなた
うん! スタフェス前哨戦、学プロフェスだね!
よーし、それじゃあさっそくメンバーを決めよう!
「青空の見える明日へ」第3話「ラブ∞ビューティー」
ーー学食
●更菜
あのー、もしかしてここがAチームの集合場所ですか?
●佳奈恵
チーッス。更菜が来てくれて安心したよー。
このチーム、いよいよ3年生チームになってきたね。
●麻里紗
私と佳奈恵はやりやすいけれど、更菜は遠慮しちゃうわよね。
気にせず話しかけていいから。
●更菜
ま、麻里紗さん、佳奈恵さん、ありがとうございます……!
それじゃあ、失礼して……。
突然のシャッフルユニットですけど、
これって今後のスタフェスをこのメンバーで臨むわけじゃないですよね?
●佳奈恵
そうなんだよなぁ。
いきなり決まって、アタシたちも結構びびっちゃった。
スタフェスにそんな変則的なルールなかったのになぁって。
ま、麻里紗や更菜と組めて嬉しいんだけどさ。
●麻里紗
ふふっ、さっきまでセリアちゃんたちを心配してたくせに、
更菜の前では強がるのね、佳奈恵ってば。
●佳奈恵
ひ、ヒトのこと言えないでしょうが!
そっちだってそわそわしながらコーヒー飲んでたくせに!
●麻里紗
言わないでよ、もう!
仕方ないじゃない……。
●更菜
あわわ……お二人とも、落ち着いて……!
●???(ひなた)
そうよ! 私が来たからにはもう安心よ!
●麻里紗
この声は!?
●ひなた
やっほー、みんな元気?
●更菜
なんか、ゆるっとひなたさんが入ってきましたね。
●愛美
私もいるっつの!
●麻里紗
愛美、ひなたちゃん。
Aチームのメンバーって、もしかしてこの5人?
●ひなた
そうだよー。
あたしたちはシャッフルユニットAチーム!
●愛美
ユニット名は決まってるわ!
セクシー悩殺アイドルユニット『ラブ∞ビューティ―』!!
●佳奈恵
まーた自分! って感じのユニット名だなぁ。
それ、千尋と琴音の3人でやってたやつでしょ?
●愛美
ふんっ、ラブ、インフィニティ、ビューティー。
ただの『ラブ・ビューティー』とはわけが違うのよ。
●ひなた
昨日寝ないで考えてくれたんだって。
愛美ちゃん、さっきまで白目むいてたんだよ?
●更菜
すごい熱意ですね……流石は愛美さん。
●佳奈恵
と言いつつ、更菜はこのユニット名、恥ずかしいんじゃない?
●愛美
なぁ~にぃ~……?
●更菜
ちょ、ちょっと佳奈恵さん!?
変に煽って、愛美さんを怒らせないでください!
●麻里紗
はいはい。
とにかく、異論がなければユニット名は愛美のものでいくわよ。
●ひなた
んー、あたしも特にこだわりないからいいよ!
えっと……なんとかインフィニティなんとか、で登録してくる!
●愛美
『ラブ・ビューティー』だけ抜かすなー!!
●更菜
あわわ……ほ、本当に大丈夫なんでしょうか……。
「青空の見える明日へ」第4話「妹という存在」
ーー学食
●佳奈恵
なるほど、メンバーをシャッフルして作ったユニットで、
パフォーマンスをすることで、学園長を驚かせようってことか。
●麻里紗
良くも悪くも個性的な子が多い学プロだから、
その辺りが上手くまとまれば、たしかに評価はされそうだわ。
●愛美
というかひなた? アンタ、クジ運良くて助かったわね。
こんなにセクシーなメンバー、そうそう集められないわよ。
●ひなた
たしかに! みんなとってもスタイルいいもんね!
羨ましい限りだよー。
●更菜
んなっ!? ちょ、あ、あんまり見ないでもらえると……!
●愛美
あら、更菜ってばアイドルなのに恥ずかしがり屋ね。
もっと自信を持っていいと思うけど。
●ひなた
あっ、そうだ!
ギュって抱きついてもいい?
●愛美
なんでよ!?
●ひなた
えーい!
●更菜
わひゃあああああ!?
●ひなた
えへへ……こうやって抱っこすると、安心するでしょ?
これやると和歌が大喜びするから、よくやるの。
●愛美
あの子ホントに何させてんのよ……。
●ひなた
でも、悲しい気持ちとか嫌な気持ち、吹き飛んだでしょ?
●更菜
……ホントですね。
なんか、ちょっといいかも……。
●麻里紗
あ、あの、ひなたちゃん?
私にもよかったら、試してもらってもいいかしら?
●佳奈恵
うーん、なんでかな。
アタシもちょっと気になるというか、なんというか。
●ひなた
うん! 任せてよ。
あたし、抱き上手だってお姉ちゃんにも褒められたことあるし!
●愛美
ちょっと、話し合いは!?
なんでみんなしてひなたに夢中なのよ!
●更菜
なるほど……今の話を聞いていて、
この気持ちを理解することが出来ました。
●愛美
どういうことなの、更菜!
●更菜
ひなたさんにはお姉さんがいる……。
そして、いつも世話を焼いている和歌さんに甘え慣れている。
つまり、ひなたさんは妹属性です!
3年生の私たちが甘えられたら、ひとたまりもありません!
●麻里紗&佳奈恵
おお……なるほど。
●愛美
いやいや、全然理解ができないんだけど。
なんでみんな納得してるの?
●ひなた
ねえねえ、愛美ちゃんも抱っこしようよー。
●愛美
うっ、うるさいわね!
そんなことより早くレッスンして、1週間後に備えるわよ!
私、絶対に負けたくないんだから!
アンタたちも遊んでないで、ほら着替えに行く!
●更菜
は、はひっ!
●麻里紗
あらあら……愛美ってばやる気いっぱいね。
これは1週間、いいトレーニングになりそうだわ。
●ひなた
……でも愛美ちゃん、いつも以上に張り切ってるみたいだけど、
何かあったのかな。
「青空の見える明日へ」第5話「『電脳少女R×K』」
ーー瑠璃花の部屋
●琴音
あの……その、ええっと。
ルリちゃん、なんで家に連れてきてくれたの?
●瑠璃花
ユニットBチーム。
わたしとコトちゃんで組んで、1週間後に成果発表。
●琴音
それは、うん。知ってるよ。
クジの結果、私とルリちゃんで組むんだよね。
●瑠璃花
辞退しておいた。
●琴音
ええええぇ!?
が、学プロみんなで参加しないとなのに?
●瑠璃花
そんなルール、どこにも書いてない。
明文化されていないルールは、ただの暗黙の了解。
書いてないけどそういうもの、で通すのがリアル。
わたしはそういうのが嫌だから、コトちゃんとネット配信する。
コトちゃんはとても可愛い。
だから、コラボすればきっとブログのアクセス数も伸びるし。
●琴音
褒めてくれるのは嬉しいけど、
私は学プロフェスに参加したいなぁ。
●瑠璃花
……え? ネット配信じゃダメ?
●琴音
うん……一生のお願い、使っちゃおうかなって考えるレベル。
●瑠璃花
コトちゃん、どうでもいいことに一生のお願い使い過ぎ。
もう2回くらい転生してる計算になる。
●琴音
だって……大好きなルリちゃんと一緒のユニットで
アイドル出来るなんて、嬉しかったから……だから……。
●瑠璃花
わかった、わかった。
もういい、リアルは嫌いだけどコトちゃんのお願い聞く。
だから、あんまり好きって言わないでほしい。
どう反応していいか困る……。
●琴音
え? でもルリちゃんたち恋愛ソングとか歌うよね?
●瑠璃花
そういうの、関係ないから。
コトちゃんは変なところで鈍いの、矯正した方がいい。
●琴音
えっ、ええ?
●瑠璃花
はぁ……だけど、やるにしろ少しくらいご褒美もらいたい。
そしたらやる気も出るのに。
●琴音
ご褒美と言えば、今回の学プロフェスで結果を出したら、
ものすごい額の予算が入ってくるらしいよ。
●瑠璃花
え? なにそれ、聞いてないけど。
●琴音
ええっとね……いち、じゅう、ひゃく、せん……。
これくらいの予算が、うちに入るって。
って、ルリちゃんどうしたの?
驚いた顔して……。
●瑠璃花
コトちゃん、今から辞退撤回してくる。
その後2人で、色んなユニットにライブバトルしに行こう。
●琴音
ホントにどうしたの!?
●瑠璃花
わたしたちが強くなるには、実戦で場数を積むしかない。
それで、データとネットの力を駆使すれば……。
きっと予算獲得も夢じゃない。
それを使って、新しいカメラとかPCとかも買えるかもしれない。
だから、今だけ本気出す。絶対勝つ。
あの日買い逃した最新機種を、この手に掴むために。
というわけで、今から作戦会議しよう。
飲み物取ってくるから、ちょっと待ってて。
●琴音
ううっ……完全に変なスイッチ入っちゃった。
ルリちゃん、珍しく勝つ気満々だけど……。
お金に意識、いきすぎちゃってるのが気になるなぁ……。
モチベーションが下がらないように、私がカバーしないと!
「青空の見える明日へ」第6話「幼馴染の距離感」
ーーライブ会場
●審査員
しょ、勝者! 謎のアイドルチーム!
●瑠璃花
ふっ……こんなのネットの炎上を鎮火させるのより簡単。
●琴音
うわぁ、勝っちゃった。
なんでこんなあっさり……。
ーー控室
●瑠璃花
コトちゃん、ナイスファイト。
楽曲の合間で見せる表情とか、すごく良かったと思う。
●琴音
う、うん……褒めてくれるのはとっても嬉しいけど、
ルリちゃん心なしかイキイキしてない?
●瑠璃花
最新式のPCのためなら、どんなことでもやる。
それに、コトちゃんとクジ引きで一緒になれたのも嬉しかったし。
親友と一緒になれるって、思わなかったから。
●琴音
あっ……そ、それなんだけど、ルリちゃんに謝らないとと思って。
●瑠璃花
え? なんの話?
●琴音
実は、最初ルリちゃんと一緒になる予定だったのが
茜さんだったの。
●瑠璃花
はぁ!?
●琴音
だよね、だよね! そういう反応になるよね。
そのままだと『プリティ→プリンセス』のままになっちゃう。
それで、茜さんから相談されたの。
クジを交換させてもらったから、ルリちゃんをよろしくねって。
●瑠璃花
……プロデューサーに連絡して、
今年の年末は茜1人で無人島送りにしてもらおうか。
●琴音
寒空の下で無人島ロケはつらいよ!
●瑠璃花
いや、ロケとかじゃない。
カメラもマイクも無しでいこう。いわゆるドッキリ。
●琴音
ドッキリどころか、心臓が止まりかねないから!?
●瑠璃花
ふふっ。コトちゃん、いつの間にかツッコミ上手になった。
●琴音
はい、親友で遊ばない!
ルリちゃんだって、いつの間にかノリノリになってるし。
●瑠璃花
……それは、コトちゃん相手だから。
●琴音
ううん、それだけじゃないよ。
さっきのライブバトルだってそう。
私のことを引っ張るような立ち回りだったり、
心の底から嬉しそうに笑って、歌ってて……。
そんなルリちゃんが見られて、泣きそうになっちゃったよ。
ちょっとだけ、夢かなって思ったけど。
●瑠璃花
わたしも、コトちゃんがちょっとイジワルになったのには
正直ビックリしてた。
嫌なイジワルじゃないけど、知ってたコトちゃんと違う。
いっぱい、色んな経験したんだね。
●琴音
ふふん。私これでも、アイドルの卵だからね。
ルリちゃんだってそうでしょ?
●瑠璃花
………………。
うん。
わたし、アンダーガールズ。アイドルの卵だよ。
閉じた世界からわたしを連れだした誰かさんのせいで、
これからも大変な目に遭う予定。
「青空の見える明日へ」第7話「サイレントラブ」
ーー学園内広場
●和歌
それで、晴海と美雪さんは同じCチームってことね。
●美雪
はい! 私は麗華さんからそのようにお伺いしております。
このように、クジをいただきましたので。
●晴海
美雪さん、他の子たちのユニットは見かけました?
●美雪
いいえ……ただ、誰かがゲリラでライブバトルを
仕掛けて回っていて、学園で騒がれているらしいですけれど。
●晴海
……セリアさん、かな。
●和歌
そうね。
以前も似たようなことをやってたし。
さて、それじゃあ周りも動いていることだし、
私たちも作戦を考えることにしましょうか。
●楓李
あっれ~、みんななんでこんなところにおるん?
ここはCチームの場所やで。
●晴海
楓李ちゃん! もしかして、私たちと一緒のCチーム?
●楓李
うちはCチームやけど、ソロやと思うんよ。
セリアはんには、そっちのがおもろい言うておいたんで。
●和歌
いやいやシャッフルって言ってるのに
なんでソロになりたがるのよ……。
●楓李
おお、頭ええな和歌はん。その通りや。
●美雪
そう言われると、確かにその通りですわね。
●晴海
とりあえず、楓李ちゃんも一緒に作戦会議しよ?
1週間後に備えて、どんなことをするのか。
●楓李
それはええけど、なんや珍しいらいんなっぷやなぁ。
和歌はん、美雪はん、渡辺はん……。
●晴海
だから、なんで私だけ苗字なの!?
下の名前で呼んでいいんだよ!?
●楓李
この4人ってどういう集まりなんかな。
わたっ……晴海はんはなんか気付くことある?
●晴海
そんなに難しいお願いしたかなぁ?
う、うーん……ええっと、そうだなぁ。
趣味が近い、とかかも?
●楓李
へぇ~、そうなんや。
和歌はんはあいてぃーとか好きなん?
●和歌
え、違うけど。ひなたですけど。
●晴海
最近、ホント隠さなくなったよね……。
●楓李
そういう晴海はんはアレやろ、アリ。
●晴海
う、うん。巣を家に置いて、眺めたりしてるの。
みんな一生懸命で可愛くて……。
●楓李
うちはな、床でゴロゴロして床の温度を均一に保つのが好きや。
結構な肉体労働なんよー。
●和歌
……それは、サボってるだけなのでは?
●楓李
美雪はんは何が趣味、とか好きなもんとかあるん?
●美雪
私ですか?
私は、この学プロで過ごす時間が大好きですわ!
●楓李
まぶしすぎる答えや……。
●和歌
純粋すぎる好きな気持ちって、なんかこう、
自分が煩悩まみれなことを自覚させるからダメよね……。
「青空の見える明日へ」第8話「愛を秘すれど愛であれ」
ーー学園内広場
●晴海
じゃあ、大好きなものがあるけど周りには恥ずかしくて言えない、
『サイレント・ラブ』ってユニット名で。
●和歌
私は断然、主張していきますけどね。
言葉には魂が宿っているので。
●楓李
おー、和歌はんきれっきれやないの。
合宿の件からだいぶ強いボール投げるようになったなぁ。
●美雪
ボール……? 和歌さんは会話をされているだけで、
特に球技はたしなまれていないと思うのですけれど……。
●晴海
会話のキャッチボールに例えて、ってことだと思いますよ。
●美雪
ああっ、理解いたしましたわ!
楓李さんも晴海さんも、博学でございますわね!
●楓李
……若干めんどくさいメンバーやな。
●和歌
あなたが絶対言っちゃダメなセリフだからね、それ。
●楓李
でも、うち今回のシャッフルユニットはホントにやる気あるんよ。
めんどいし、しんどいけど、やらんとあかんこと見つかったし。
●晴海
え? それってどんなこと?
●楓李
んー、昔な?
色々とアイドルっぽいことしてた時期があるんよ。
そんでな、その時に毎日やらんとそのうちダメになってまう、
って言われてたレッスンがあったんで、久々にやろう思うててん。
●美雪
……やめてしまわれていたのですか?
●楓李
まあ、うちは謎多きアイドルやから。
●和歌
一気に嘘くさくなったけど……なら、私たちも混ぜてくれる?
●楓李
えぇ……? うちの大事なメモリーやのに、
なんでみんなに教えなあかんの……?
●美雪
お願いいたしますわ、楓李キャプテンさま!
●晴海
センターとかリーダーならわかるけど、
キャプテンじゃあ楓李ちゃんには刺さらないんじゃないかな。
●楓李
まず両足を肩幅で開くやろ?
次にお腹の上に手を置いて、腹式を意識しつつ息をするんよ。
●晴海
えー…………。
●美雪
こうで、しょうか……。
すぅ……はぁぁ……。
●楓李
その通りや。美雪はん、なんですぐできるん?
うち、最初は全然できへんかったのに。
●美雪
うふふ。
『GE:NESiS』についていくには、これくらいできませんと。
●和歌
ねえ、晴海。
今回のユニットだけど、楓李にセンターをやらせてみない?
●晴海
えっ? 別にいいけど……何か理由でもあるの?
●和歌
楓李って、いつもわからないことばっかりしてるし、
これからも多分そうだと思う。
だからこそ、センターに置いた時にどんな価値観で私たちを
動かそうとするのか、見てみたい気持ちになったの。
●晴海
……うん、そうだね。
普通にやるより、面白いことになりそう。
●晴海
それに今のレッスンもちゃんと理にかなってると思う。
もっと色々聞いて、試してみたいかな。
●和歌
実際はただの腹式呼吸だけどね。
だけど1週間後、どんな仕上がりになるか楽しみになってきたかな。
「青空の見える明日へ」第9話「茜ちゃんと天使たち」
ーーレッスン場
●茜
はーい、Dチーム集合して~。
カワイイ天使なアカネちゃんの顔が目印で~っす。
●悠
ウッス! 皆さんよろしくお願いします!
自分、このユニットが上手くいくように精一杯努力します!
●理子
悠と希……は、ともかく、
千尋や茜と組むのは、なんだか新鮮な感じだなぁ。
●千尋
だよねぇ。
わたしは麗華ちゃんと組んだことはあるけど、理子ちゃんとは
レッスンするぞー! って関係じゃなかったものねぇ。
●希
そういう意味では、いい機会になりそうね。
茜は多少、その態度を自重してもらうからね!
●茜
えーっ! アカネという可愛いアイドルの元に集まったんだから、
崇め奉り敬いまくりなくらいがちょうどいいのに~。
●悠
自分、どうせ敬うなら理子先輩がいいです!
なんだか自分と同じニオイがするので!
●理子
ニオイ……?
●千尋
すんすんっ……理子ちゃんも悠ちゃんも甘いニオイがするけど
おんなじではない気がするなぁ。
●悠
そ、そういう話じゃないです!
剣道やってるってお話聞いたので、似た者同士なのかなって!
●理子
今はアイドルメインで、時々やるぐらいだけどね。
●悠
というわけで、自分に剣道の極意を授けてください!
ひいては舞沢家の発展のために、どうかひとつ!
●希
あーあ、完全に熱血ノリじゃないの。
●茜
せっかくカワイイユニットにしようと思ってたのに、
そんな暑苦しいのいやー!
●千尋
ん~? でも茜ちゃん、まんざらでもなさそうだよね?
●茜
うぇ!?
な、なに言いだすの千尋さん……。
●千尋
本当は、こうやってみんなで言い合えるユニットで
ホッとしてるんじゃないかなぁ、って思って。
それに、さっきの希ちゃんだって、
茜ちゃんが可愛いのを認めたうえで自重しろって言ってたでしょ?
●希
ちょ、ちょっと!?
●千尋
それって、気の置けない人にしか言えないよねぇ。
わたし、このユニットで仲良くやっていけそうでよかったよ~。
●茜
う、うう……。
うにゃあああああああああ!!
●悠
……すごい勢いで、どこか行きましたね。
●希
いや……悪いことは言ってないけど、
あんなに正確に気持ちを言われたら、そりゃ恥ずかしいでしょ……?
●千尋
うふふ、茜ちゃんはいつもあんな感じだし、
たまには素直に褒めてあげた方がいいんじゃないかな~って。
●理子
いいか、悠。
こうやって洞察力を身につけたものが真の一撃必殺を手にするんだ。
●悠
なるほど! 千尋さんも話術という武道を身につけている、
ということで間違いないですか!
●希
コラコラ、そこ!
後輩によくわからないことを吹き込むのはよしなさいよ!
まったくもう……あたしが茜を探してくるから、
あんたたちはここで待ってなさいよね!
●千尋
ごめんね、茜ちゃん。希ちゃん。
だけどわたし、とーっても嬉しかったんだぁ。
……3人で始めたアイドルのユニットが、
今はこんなに素敵な学プロにまで大きくなるなんて。
ホント、アツアツのおでんみたいで素敵。
きっとこれからも、味わい深くなっていくんだろうなぁ。
「青空の見える明日へ」第10話「正義と小悪魔、肩を組む」
ーー屋上
●希
はぁぁ……こんなところにいた。
あんたね、好き勝手に色んな所へ行くんじゃないわよ。
●茜
あっ……。
ふ、ふん!
アカネはほら、ほんのちょーっと外の空気を吸いに
行きたくなっただけだから~。
●希
……あたし、あんたのこと認めてるわよ。
●茜
え? な、なによ急に。
●希
話はプロデューサーから聞いたわ。
瑠璃花を説得しながら、キツイ仕事に耐えてた時期があるって。
最初見た頃は、正直プロポーションがウリのアイドルかと
思ってた時期もあった。
だけど、あんたのユニットでの頑張りはずっと見てた。
諦めないでやりとげるところ、仲間として誇りに思うわ。
●茜
…………希さん。
●希
だけど、そんな茜にお願いしないといけないことがあるの。
あたし、今回の学プロフェスで麗華と戦いたい。
同じユニットの仲間じゃなくて、良きライバルとして。
そのために、このユニットでセンターをやらせてもらいたいの。
麗華と同じ立ち位置で向き合うために。
●茜
………………。
●希
真剣に向き合う方法なんて、色々あるけど、
今のあたしにはこれしか思いつかないから……。
お願い、茜!
あたしにこのユニットのセンターをやらせて!
●茜
…………ふんっ、お断りよ。
●希
……やっぱり、ダメ?
●茜
アカネ、元からセンターなんてやる気なかったのよね~。
人を引っ張るのなんて面倒だし、教えるの無理だし。
だからセンターなんてお断りって言ったの。
あーあ、希さんが引き受けてくれてせいせいしたわ~。
●希
あっ……!
ありがとう、茜……!
●茜
だーかーらー、アカネは別にやりたくないんだってば。
感謝するのは勝手だけど、勘違いされるのは困るのよね。
あっ、でもユニットの命名権はこのユニットで一番かわいい
アイドルが付ける権利があるのよ?
●理子
つまり、茜が付けるってことだよな?
そのくらい別にいいさ。
●千尋
わたしも、なんでもいいかな~?
●悠
自分も先輩方に従います! ウスッ!
●希
み、みんな、いつから……。
●理子
希はいつも、必死に私たちを引っ張ってくれてた。
こんなことでよければ、アタシだって頭を下げたのに。
●茜
……別にそんなことしなくていいわよ。
な、仲間、なんだし?
●千尋
ふふっ。
そうだよねぇ、わたしたちはみんなおでんだものね~。
●悠
じ、自分は人間ですので!?
食べられるのはちょっと困ると言いますか、あわわ……!
●希
あはっ、あはははははは!!
そうね、食べられるのは困るわよね、うんうん!
●茜
おでんじゃなくて『茜ちゃんと天使たち』!
打倒、黒瀬麗華を目指して、可愛く勝ってみせるわよー!
●みんな
おー!!
「青空の見える明日へ」第11話「『RESONANCE』」
ーー教室
●セリア
ヤレヤレ……せっかくユニット以外と組めるかと思いきや、
アヤとは離れられぬウンメーでござったか。
●彩
こっちのセリフよ、まったく……。
なんで1人だけ被害者のフリしてるのかわからないし。
●寧々
あっ、あのっ!
ケケケ、ケンカはよくないのでっ! お、穏便に……!
●くるみ
んぅ? 寧々さん、全然ケンカしてないのですよ?
そんなに慌てなくても大丈夫なのです!
●寧々
そ、そうなんだ、ね?
くるみちゃん、ありがとう……。
●彩
ごめんね、寧々。
……いつものノリでやってたら困っちゃうか。
●セリア
アヤ、どこいくデスか?
●彩
招集はまだでしょ?
1人で少し、フェン……考え事がしたいから出てくる。
●麗華
その必要はないわ。
●セリア
レイカ!
てっきり他のユニットだと思ってたでやんす。
●麗華
彩、セリア、くるみ、寧々……。
なるほど、これは面白い組みあわせになったものね。
さ、みんな席について。
早速今後の学プロフェスに関して話し合いをしましょう。
(説明を終えて)
●麗華
――というわけで、わたしとみんなのレベルはかけ離れている。
それだけ今まで積み重ねてきたものが違うというわけ。
●くるみ
はえー……ヴァルプロ式のレッスンって、
そんなに大変なものだったのです? はえー……。
●寧々
現実感、わかないよね。
いつもの練習でさえ、ヒイヒイしてるのに。
●セリア
ジャポンではこう言うそうデスね?
『死してしかばね拾うものナシ』!
●彩
いやー! し、死にたくない!!
●麗華
今日から1週間、あなたたちのアイドルランクを
全員1段階上げるつもりで動いていくから、そのつもりで。
●寧々
ヒィ! さらっと、すごいこと言ってるような!?
●彩
ちょっと待った。
それってやりたくないことも強要するってことよね。
麗華さんの言うこともわかるけど、
それで成功する保証もないわけでしょう?
●くるみ
ふみゅう……それに、スタフェス予選もまだあるのです。
身体を壊したら、晴海さんたちに迷惑かけちゃうのですよ。
●セリア
アヤ、クルミ……!
でも、レベルアップのチャンスではないデスか? デスよね、ネネ!
●寧々
わ、私は……その、えっと……。
スタフェス予選は、今までの集大成、です。
『銀河歌劇団』はすごいんだって発表する場でもあるし。
生意気なこと、言いますけど。
晴海さんや、麻里紗さん。悠くん、くるみちゃんのために、
やれること、やりたいので……。
●セリア
ネネ……。
●麗華
……みんな、自分のユニットのことを大事に思っているのね。
それは、わたしも同じ気持ちよ。
『GE:NESiS』のみんなと、必ず優勝を勝ちとるつもり。
だけど、それは学プロを含めて、
みんなで勝ち取る成果だから……聞いて欲しいことがあるの。
「青空の見える明日へ」第12話「未来を掴む可能性」
ーー教室
●麗華
ねえ、くるみ。
あなたは今よりも大人に見られたくはない?
●くるみ
ふぇ? それはもちろん、見られたいのです!
セクシーな大人のレディとして、巷の話題を独占したいのですよー!
●麗華
それじゃあ、今度はセリア。
ジャポンの芸能……アイドルを極めたくはない?
●セリア
モチのロンデス!
ワタシは……あちきは、ニンジャアイドルでありんす!
●麗華
ふふっ。
……彩にも、聞いてもいいかしら。
●彩
え? な、なんですか?
説得なら、受けませんからね。
●麗華
あなたはダンスを志すうえで、
今の自分に何が足りていないと思う?
●彩
それはもちろん、技術とか、表現力とか、
…………それ以外の、自分の知らないことに触れる努力とか。
●麗華
わたしも、あなたと同じなの。
かつてヴァルプロを抜けてから、ずっと考えてた。
アイドルとして大切なことは、わかってたつもり。
だけど、自分に足りないものがあるのにそれが何かはわからない。
そんな時、答えをくれたのは誰でもない……。
レッスンをし続けた、自分自身だったの。
●彩
答えをくれたのは、自分自身……。
●麗華
本当のライバルは自分自身。
そして成長のきっかけをくれたのも、自分だった。
●寧々
麗華、さん……。
●麗華
寧々、あなたの言っていたことはよくわかる。
大事なスタフェス予選を前に、無理をしないのは当たり前よね。
でも、わたしはあなたに見て欲しい景色がある。
誰よりも他人に優しいあなただから、本当の自分に向き合って。
●寧々
…………自分と向き合って、なんて、
生まれて初めて、言われました。
すごく胸の中に、響くようで……熱い言葉、なんですね。
……実は私、ずっと『銀河歌劇団』の成長に
ついていけてるか、不安だったんです。
くるみちゃんや、他のみんな……学プロの人たちもそうだけど、
自分だけ周りから、置いていかれてるような気がして。
●彩
私も、そう……。
ダンスのことばっかり考えて、偏らないかって不安になって……。
だけど、ダンスは私にとって何よりも大事なの。
だからずっと考えてた。
このモヤモヤを解決しないと、
スタフェス予選でも大きな成果を出せないんじゃないか、って。
●セリア
本当に水くさいデスね、アヤもネネも。
あちきたちはいつでも話を聞くデスよ?
●寧々
そ、そうじゃないんです!
みんなの成長を感じてるから、相談じゃなくて、それこそ――
●麗華
ええ。
自分自身と本気で向き合うしか、方法はないのよ。
●くるみ
くるみたちが、本当の自分と向き合う、ですか……?
●セリア
ニンジャはたゆたう者でありんすが……仕方ない、デス。
●彩
ちょ、ちょっとセリア!?
いきなり抱きついてどうしたの!
●セリア
レイカ! アヤとあちきはレッスンするでありんす!
その代わり、手加減抜きで頼むぜよ!
●寧々
私も……!
くるみちゃん、一緒に、レッスンしない?
●くるみ
はいです! くるみもいっぱい自分に向き合って、
オトナなナイスバディアイドルになっちゃうですよ~!
●彩
……私も、言い訳しない。
これからもアイドルするために、レッスン、頑張るから。
●麗華
……ひなたに誘われて、この学プロに入って本当によかった。
わたしたちはこの1週間で、必ず成果を出せる。
いいえ……黒瀬麗華が全力で以て、みんなをサポートさせてもらうわ。
「青空の見える明日へ」第13話「前に進むということ」
●ナレーション
学プロフェスの開催が決まった、その1週間後――
ーー控室
●学園長
ついに始まるわね。
約束通り、私をキュンキュンさせるくらい、満足させてねー?
●ひなた
任せて!
学園長がアッと驚くようなライブをしちゃうから!
えへへ、ようやく『ラブ∞ビューティー』の初ライブ!
今日は手品も解禁して、楽しいこといっぱいするぞー!
●麻里紗
ふふっ。ひなたちゃんってば大はしゃぎね。
でも、その気持ちもわかる気がするわ。
●更菜
そうですね。
私たちはこの短い時間の中でも自身の実力を磨くことが
できたわけですし……。
こうして、ユニットの違うみなさんと切磋琢磨できて、
本当に学びの多い1週間でした。
●佳奈恵
あはは……振り返ると、如何にうちのユニットがバカやってたのか
思い知らされるようで恥ずかしかった~。
でも、やっぱアイドルっていいね!
アタシ、ずっと続けてたいなって思ったよ。
●ひなた
やだなぁ、佳奈恵ちゃん!
これからもずーっとみんなでアイドルできるよ!
●更菜&麻里紗&佳奈恵
………………。
●ひなた
あ、あれ? みんな、どうしたの?
あたしもしかして、なんか変なこと言っちゃった?
●愛美
ひなた。
●ひなた
愛美ちゃん! もしかして、また失敗しちゃった!?
どどど、どうしよー! あたし、そんなつもりなくて――
●愛美
今まで、本当に、ありがと。
●ひなた
…………えっ。
●愛美
私たち3年生ってさ、後がなかったんだわ。
だってアンダーガールズとして、旬も終わろうって頃で。
しかも、ここにいる子たちは、
芸能科なのにアイドルから離れていってた。
そんな子ばっかり。
今、こうして学プロでアイドルをさせてもらえて、
しかもスタフェスまで目指せるなんてこと、考えてもなかった。
●麻里紗
私は、学プロが解散しかけて。
●佳奈恵
アタシは多分、あのままだったら
今もなあなあでやってたよ、アイドルもどきをさ。
●更菜
私は……きっと、何者にもなれませんでした。
●愛美
私なんか、自分のエゴで後輩たちを潰しかけてた。
それを救ってくれたのは、アンタなんだから。
●ひなた
み、みんな……なんで今、そんなこと言うの……?
●愛美
いい? これはもう2度と言うつもりなんてないから、
ちゃんと聞いて。
私たちは、これからも全力でアイドルを続ける。
だからアンタは、その意地を見届けて。
アンタが救ったアイドルたちの背中を、その目に焼きつけなさい。
想いは全部、ステージに置いていくから。
●ひなた
…………わかった。
ステージを通じて、みんなの想いを受け継ぐよ。
それで、次の後輩にもちゃんと繋いでみせるから……。
あたし、みんなの後輩でよかった。
一緒にアイドル出来て、ユニット組めて、よかった……。
「青空の見える明日へ」第14話「並び立つ意味」
ーー屋上
●瑠璃花
ミッション・コンプリート。
野良ライブバトル100戦全勝達成した。
●琴音
はあ、はぁ……なんだかんだ、出来ちゃったね。
私たち急造のユニットなのに……。
●瑠璃花
幼馴染のチカラは偉大。
今ならなんでも出来る気がする。
それより、もう時間もない。
演出とダンスの確認をして、今の流れのまま舞台に立とう。
●琴音
……あのさ、ルリちゃん。
ずっと言おう、言おうと思ってたんだけど。
ルリちゃん、すごく変わったよね?
●瑠璃花
……変わってない。
リアルは嫌いだし、家に引きこもってるのが最強の過ごし方。
わたしは最新型のPCを手に入れるために全力を出してる。
つまりこれは、リアルとはかけ離れた理由。
●琴音
本当にそれだけ?
●瑠璃花
あとは、コトちゃんのため。
困ってるなら、幼馴染として助けるのは当然。
●琴音
ううん、そんなことない。
●瑠璃花
えっ……幼馴染、解消するの……?
●琴音
しないし、そんなのできないじゃない。
そういうことじゃなくて、その「当然」ってところ。
前までのルリちゃんなら、
「コトちゃんには悪いけど他をあたって」とか言うはずだよ。
それなのに、こんなに面倒で疲れることを率先してやってる。
これって、ものすごい成長だって気が付いてる?
●瑠璃花
……ごめん、よくわからない。
そんなことしてるつもり、なかったんだけど。
●琴音
だよねぇ。
ルリちゃんって、良くも悪くもそういうとこ無意識だし。
(きっと茜さんのおかげだってことにも、
気付いてないんだろうなぁ……)
●瑠璃花
コトちゃんだって、人のこといっぱい言うようになった。
昔は遠慮して何も言えなかったのに……。
自分に、自信が出てきたって感じ。
そういうところ、とってもいいと思う。
●琴音
ルリちゃんがそう言ってくれるってことは、
そういうことなんだろうね。
●琴音
……愛美さんや千尋さんに付いていって、本当によかった。
おかげでひなたちゃんや和歌ちゃん、他のみんなとも会えた。
アイドルとしてのルリちゃんにも、
この学プロにいたからこそ会えたんだと思う。
色々あったし、これからも色々あると思うけど、
今の私たちなら、きっと大丈夫だよね?
自分らしいアイドル、ちゃんと出来るよね?
●瑠璃花
ふふっ……こんなリアル嫌いなアイドルがいるくらいだから、
その辺は安心してもいいと思う。
コトちゃんは安心して、アイドルを続けて。
わたしも……この先の景色が見てみたいのは、ホントの気持ちだから。
●琴音
うん! それじゃあさっそく、学プロフェスに向かおう!
茜さんもルリちゃんのこと、待ってるはずだから。
●瑠璃花
……なんでそこで、茜の名前が出るの。
やる気なくなるから、そういうのよくない。
●琴音
えっ……ええ?
さすがにそれは茜さんが可哀想だよ~!
●瑠璃花
いいの、いいの……ふふっ。
「青空の見える明日へ」第15話「自分らしさとチカラ」
ーーレッスン場
●楓李
はー、はー……アカン、もう足動かんわ。
うちのアイドル生活これでおひらきになってまう……。
●晴海
ダメですよ、ちゃーんと整理体操しないと。
ほら、背中を押すから、手を伸ばして~。
●楓李
あいたたたたたっ、晴海はんの鬼ぃ~!
うちアイドルやのに、こんな恥ずかしいかっこしたないわ~!
●和歌
……なんだかんだ、楓李ってば身体柔らかいわね。
●美雪
ですわねぇ。
それに、アイドルとして輝くための素質は充分にお持ちですし。
●楓李
あたー……もう渡辺呼びはせえへんから、
いじめるのは堪忍して……。
●晴海
うふふ、いじめてないよ?
●美雪
美しい親愛と柔軟でございました。
やはり持つべきは友達……友情でございますね……。
●楓李
……ほんに、美雪はんは不思議なお人やな……。
●和歌
……突っ込まないからね?
●晴海
だけど、楓李ちゃんってすごいね。
『Remuage』を最初のころから見てるけど、成長してる。
それこそ、アイドルランクも今より高くなってそうよね。
正直な話、ちょっと悔しいくらい。
●楓李
んふふ~、せやろか?
なんや、褒められると悪い気せえへんなぁ。
●美雪
もちろん、和歌さん、晴海さんもとても成長されています。
私もうかうかしていられませんわね。
このユニットを通して、私自身も1つ上のステージを目指して
進みたいという気持ちが芽生え始めましたの。
希や麗華さんたちに無意識に頼っていたのかもしれない……。
その認識を持てただけで、私はまた、前に進むことができますわ。
●楓李
うちは難しいことわからんけど、意外とちゃんとやったら
3人の言うとおりやったわ。
なんや、面倒やけど、案外やればできるもんやな。
アイドルの才能、あるかもしれへんわ。
●和歌
そういうこと言ってると、足をすくわれるわよ。
主に私がすくうわ。
●楓李
和歌はんにはすくわれんわ。
●和歌
ちょっ、聞き捨てならないセリフを……!
こうなったら私もストレッチ、手伝うからね!
●楓李
うわぁ、晴海はんといい和歌はんといい、
なんで面倒みのいい人ばっかりやってくるん?
ちょっとうち、まらそんで身体温めてくるわ~。
ほな、またな~。
●和歌
あっ、逃げた!
ちょっと楓李! 待ちなさいってば!!
●晴海
ええ!? 2人とも、これから学プロフェスだよ!
早く戻って来てねー!
●美雪
……まるで、家族のようですわね。
●晴海
……そうですね。
この学プロって、大きな1つの家族なのかも。
こうやって楽しい日々が、いつまでも、いつまでも……。
ずーっと続いてくれればいいなぁ。
●美雪
続きますわ。
私たちが、アイドルとして輝き続ける限り。
●晴海
……そう、ですね。
たとえ誰かが離れても、また帰ってこられるように、
この場所を守り続けたい……だから私、これからも頑張るからね。
「青空の見える明日へ」第16話「越えるべきカベ」
ーーライブ会場
●茜
ねえ、希さん。
いきなりステージに来い、なんて言ってどうしたの?
これからライブあるんだし、みんなでリハやらないと。
アカネたちだけでこんなとこ来ても仕方ないじゃん。
●希
……6番の立ち位置で振り返った時、
楽曲の都合上、カメラは舞台袖の方に動くわ。
●茜
え? なになに、どゆこと?
●希
次に全員で踊るとき、天井から吊られた照明が中央に向く。
それに合わせて、上に手を伸ばして。
タイミングが合えば、茜が光を呼び込んだように見える。
それだけで演出としては惹きになるわ。
●茜
ちょっと待ってってば!
そんなこといきなり話しだして、どういうことなの!?
●希
ああ、そっかそっか。
説明しないまんま、連れまわしちゃってたんだ。
●茜
はぁ……そういうところ麗華さんと似てるわよね。
似た者同士というか、なんというか……。
●希
んなっ……べ、別に似てないし!
あたしの方が清く正しいアイドル度では上なんだから!
●茜
あー、はいはい。
それで? 結局この状況ってどういうことなの?
●希
……あんた、自分の可愛さを存分に発揮したいと考えた時、
いったいどうするのが正解だと思う?
●茜
そりゃあ、アカネがカワイイってことを見て、知ってもらえれば
言葉にしなくても伝わるじゃん。
●希
じゃあその可愛さ、どんどん伝えていかないとダメね。
だってあんた、あたしから見ても可愛いと思うし。
●茜
ふぇっ!?
●希
今から短時間で、あんたの可愛さを伝えるために必要な
ポジション取りを叩きこむ。時間がないから特急でね。
さあ、佐久間茜。
あんたがこの世で一番可愛いってこと、
みんなに知らしめてやりましょう!
●茜
なにそれ、プロデューサーみた~い!
いきなりそんなこと言われても困るんですけど~!
……でも、ありがとね。
そんなこと言ってくれたの、希さんが初めてかも。
ーーステージ裏
●理子
悠、今日は学プロフェス当日だが、
その前にアタシたちから、悠に伝えておきたいことがある。
●悠
う、うす! お願いします、理子先輩、千尋先輩!
●理子
いつか、悠が頑張っても頑張っても報われない瞬間がくる。
その時のために、ライバルを見つけておくんだ。
それはアイドルの世界だけじゃなくていい。
武道でも、勉強でも、なんでもいいんだ。
まだ中等部なんだから、がむしゃらにぶつかっていけ。
それでも困った時は、アタシたち先輩を頼ればいい。
●千尋
頑張るのって、楽しいことも多いけど、
大変なことも多いからね~。
ライバルだったり、先輩がいてくれると、
いざという時に、ふんっ! って踏ん張れるから。
お菓子でよければ、わたしも用意しておくよ~。
だから、わたしのことも頼って、頼って~。
●悠
……素敵な先輩方がいてくれて、自分は幸せ者です。
いっつも『銀河歌劇団』の先輩方とばかり一緒にいて、
今まではそれで満足してました……けど……。
神楽ヶ丘学園に入って、この学プロに入れて、
ホントに、ホントに良かったです……!!
「青空の見える明日へ」第17話「共鳴する才能」
ーー神社
●彩
ううぅぅぅぅ……もうレッスンやぁぁ……。
フェンリルバーガーで延々とバーガー食べるぅ……。
●セリア
あちきも、ポテト食べるでありんす……うっぷ!
あっ、やっぱり無理デス、オロロンしちゃいマース……。
●寧々
こ、これが、ヴァルプロのレッスン……。
ゾンビだったら足千切れてる……。
●くるみ
く、くるみも今日は店じまいなのです……。
●麗華
……まだ学プロフェスがあるでしょう?
●みんな
えええええええええ…………。
●麗華
でも、みんなよくついてきてくれたわね。
本来意識を失うくらい過酷なレッスンなのだけれど……。
●寧々
えへへ……流石、ヴァルプロですね。
こんなにキツいと、そう何度もできない……かも。
●麗華
……ヴァルプロ?
いいえ、これはもっと高ランクのレッスンよ。
『ヴァルキュリア』が夏の合宿に泊りがけでやるような特訓。
オロロンしたくなる気持ちはわかるわ。
●彩
ちょ、ちょっと待って!!
それって私たち、トップクラスのレッスンしてたの!?
●麗華
そうね、そういうことになるわ。
現にわたし、初参加の時は気絶したもの。
●セリア
あわわわ……危うく三途の川をわたるところでシタ。
麗華はぽんぽこたぬきさんデスね……。
●彩
腹黒いって言いたいんだろうけど、
これは腹黒いというより、信頼が重いというか……。
●くるみ
でもでも! くるみたち完全クリアしましたですよ!
これってつまり、『ヴァルキュリア』に近づいたですかね!?
●寧々
それは、どうだろ。
でも……1週間前より、たしかな自信はある、かな。
私たち、アイドルなんだ。
他の人に負けないくらいの、実力のある、アイドルなんだ。
……そう、思えるようになった、かな。
今なら『ヴァルキュリア』の人にも負けない、よ?
●くるみ
寧々さんが、笑顔で強気なことを言ってるです……。
大スクープなのです、パパラッチなのです……!!
●セリア
ンフフ……では、アヤにも聞きましょう!
頑張りましたし、自信が持てるようになったでありんすよね!?
●彩
いいや、全然。
●セリア
ガーン!! 即答でありんすか!?
●彩
……逆に、やらないといけないことがわかってきた。
今までみたいに、漠然とこう、っていうのじゃなくて。
だから、もう意地を張るのはおしまいにする。
……それに気付くことができたのは、みんなのおかげ。
みんな、ありがと。
こんな私に、機会をくれて……。
●セリア
…………ジュ ヴ スイ アタシェ.
●彩
え? なんて?
●セリア
アッハッハー!
ニンジャ☆レインボーはジャポンで最強と言ったまでデスよー!
●麗華
これだけの実力を持ったアイドルたちが、
無名の学プロに集まり、頂点を目指している……。
わたしが信じる道を往くために、あなたたちを超えるわ。
『ヴァルキュリア』そして……櫻花、すばる。
「青空の見える明日へ」第18話「やり残したこと」
●ナレーション
こうして始まった学プロフェス。
それぞれが成果をぶつけあい、白熱する会場。
無観客にも関わらず、熱の入るパフォーマンスの数々に、
見ているだけで身体が動き出してしまいそうになる――
そう感じさせられた、ステージだった。
ーー控室
●萌
す、すごい……これが私たちの学プロに所属する
アイドルたちの姿だというのですか……?
●学園長
……私立神楽ヶ丘学園の歴史において、
ここまで急激に成長を遂げたアイドルに、覚えはないわ。
だって本来は、それぞれ輝きを持っているものだもの。
『ヴァルキュリア』然り、あの子然り……。
●萌
ああ、ひなたさんのお姉さん……。
●学園長
絶対的な姉のカリスマ性とは違うけれど、
ひなたさんもまた、何かの才能を持っているのかもしれないわね。
人と人を繋げる……縁と縁を結んで、絡み合った運命を
照らし、輝かせるような……そんな才能が。
●萌
それもあるかもしれませんが、プロデューサーもいますし。
あの人、ダメダメに見えて結構やり手でしたよ。
今度、ボーナスでも出してあげてください。
公園で寝泊まりしちゃうようなとんちんかんですけど。
●学園長
……萌ちゃん、あの人のことが好きなのねぇ。
●萌
んなっ!!?
ばばばば、バカなことおっしゃらないでください!
あああ、あくまでも同僚ですので、同僚!
経験者としては見過ごせないと言いますか、なんというか……。
●学園長
ふふっ……でも、そんなプロデューサーさんはね?
たっくさんの予算よりも、見たい景色があるそうなの。
●萌
え? 予算いらないとか大馬鹿者ですか。
それこそ後で説教を……。
●学園長
…………吉永萌さん。
●萌
――は、はい。
●学園長
あなたはいつも経験者だと言うけれど、
元トップアイドルとしては、ずーっと気になっていたのよねぇ。
●萌
な、なにがです!?
というか何のお話でしょうかコレ!?
●学園長
あなたが本当に『経験者』だと名乗るのであれば、
それを証明するために、舞台へあがりなさい。
●萌
は、はい!?
●学園長
ここには、普通科の生徒もいなければ、
顔見知りの子たちしかいません。
つまり、あなたがアイドルを再開したとしても
誰も咎めることはない、ということよ。
●萌
………………でも、でも。
私、いいんでしょうか……。
本当に私なんかが、またステージに立っても……。
●学園長
ステージに立つのに、手遅れなんてないわ。
私だって、永遠の17才! 今も現役なんだから~!
……ね?
●萌
………………わかり、ました。
(場面が変わって)
●ひなた
……それじゃあみんな、準備はいい?
萌ちゃん! 歌はあたしたちも一緒に歌うから、
このステージ、全力で楽しんでね!
●萌
はい……はいっ!!
皆さん、そして、プロデューサー。ありがとうございます。
拙いけれど、私のステージ……どうか見届けていてください。
この日、この時……吉永萌、1度限りのアンコールライブを!
「青空の見える明日へ」第19話「見せたい景色」
ーー控室
●萌
……どうも、プロデューサー。
●プロデューサー
最高のステージだった。
●萌
あはは、何言ってるんですか。
私、制服姿で踊ったんですよ?
歌も、うろ覚えだし……ダンスだって、下手くそ。
昔はこんなのじゃなかったのに……。
●プロデューサー
萌……。
●ひなた
そんなことないよ!!
●萌
ひなたさん、みなさん……。
●麗華
最高のステージだった。
あなたこそ、学プロ22人目のアイドルとして相応しい姿だったわ。
●茜
いつもならアカネが最高に可愛いけど、今日くらいは
萌が最高でもいいかなって。譲り合いの精神よね~。
●晴海
そんなこと言って、茜ちゃんボロボロ泣いてたよね。
私もだけど。
●萌
みなさん、ホントに、ホントに……ありがとうございます。
●プロデューサー
……復帰しない?
●ひなた
そうだよ!
萌ちゃんさえよければ、活動してほしい!!
あたし、萌ちゃんの歌も踊りも大好きになったの!
一緒にスタフェス優勝、目指してほしい!!
●萌
………………。
●プロデューサー
萌?
●萌
……なーにを言ってるんですか、みなさんってば!
こんなのただの余興に過ぎませんって!
●ひなた
……萌ちゃん?
●萌
いいですか、ひなたさん。
アイドルは私の憧れでもあります、ですが……。
プロデューサーを隣で支えるのこそが、
経験者であり、相棒であるこの吉永萌の役割ですから!
その辺り、勘違いしてもらっては困ります。
今のみなさんがあるのは、私の活躍あってのことですからね。
●学園長
……それで、いいのね?
●萌
はい。学園長のおかげで、決心がつきました。
私は普通科にいるアイドルの経験者として、傍に居ることにしました。
あなたも、それでいいですよね?
●プロデューサー
萌がそう決めたなら。
●学園長
……それじゃあ、名残惜しいけれど。
これで学プロフェスは終了ということね。
●ひなた
あの、学園長。
あたしたち、学プロのライブに満足してもらえましたか?
●学園長
うーん、そうねぇ……うーん、うーん。
●プロデューサー
いじわるしないでください。
●学園長
んふふっ、そうね。
答えはとっくに出ていましたとも。
満足も満足、大満足させてもらったわ。
素敵な学プロフェスを開いてくれて、ありがとう。
「青空の見える明日へ」第20話「青空の見える明日へ」
ーー屋上
●ひなた
あー、楽しかった!
プロデューサー、今日はお疲れ様!
●プロデューサー
いい学プロフェスだった。
●ひなた
あはは、そうだね。
最後はまさか、あんなことになっちゃうとは思わなかったけど。
(回想シーン)
●学園長
ごめんねえ。
本来はこれくらいの予算をあげるつもりだったんだけど……。
……実は、スタフェス近いのに無理言ってここを借りたから、
予算の8割くらい、ぜーんぶ会場費で消えちゃった☆
●萌
なっ……なんですってえええええええええ!!?
(回想シーン終了)
●ひなた
あはは……萌ちゃん、真っ白になってたね。
一応、特別予算は出るみたいだけど、思ってたより少ないから。
●プロデューサー
出るだけありがたい。
●ひなた
うんうん! プロデューサーならそう言うと思った!
思い返せば、本当に楽しい1週間だったもん。
…………それにね、今日の学プロフェス、
あたしにとっては特別な日になったんだ。
あたし、いつまでもアイドル生活が続いていくんだ、
このままみんなで、アイドルでいられるんだって、思ってた。
でも、今日のライブ前に愛美ちゃんに言われたの。
3年生のみんなは、先に卒業しちゃうんだって。
他のみんなもそう。
故郷に帰るかもしれないし、別の道を見つけるかもしれない。
それってきっと、すごく喜ばしいことだと思う。
でも、それはつまりお別れがいつかはおとずれるってことで……。
そんなこと、考えないでいられる今までが、
どれだけ価値のあることか、って気付かされたの。
●プロデューサー
ひなた……。
●ひなた
今まで、色んな人の努力や応援があって、
あたしたちはアンダーガールズでいられた。
もちろん、感謝はしてるつもりだった。
だけど……あたしが考えている以上に、支えられてたんだよね。
プロデューサー。
あたし、今もまだアンダーガールズのままだけど……。
1人のアイドルとして、
こんなに成長を実感できた今が、すごく幸せ!!
きっとこれからも、今までみたいにいっぱい、
いーっぱい迷惑とかかけちゃうかもしれないけどさ。
心の底から、プロデューサーやみんなと出会えて……、
この学プロにいられて良かったなって思う!!
●みんな
ひなたー!!
●ひなた
あっ、みんな!
●セリア
1人でお礼なんて、寂しいことするでありんすなぁ。
あちきたちはみんな、プロデューサーのアイドルでありんす。
●晴海
そうだよ!
ここにいる22人の仲間は、プロデューサーさんと一緒だもん。
●茜
ま、アカネは別にプロデューサーのとこに来たわけじゃなくて、
アカネの魅力がそうさせただけ、だけどね~。
●麗華
……強がる必要はないでしょう?
今日くらい、素直になってもいいのに。
●茜
ふ、ふんっ。
なによ~、みんなして笑っちゃってさ!
●萌
……あなたと最初に会った時、
正直、これほどのことになるとは思っていませんでした。
●プロデューサー
同じく。
●萌
ふふっ……あなたとの出会いを通して、
私もようやく、本当の経験者として胸を張ることができますよ。
これからも横から色々言わせてもらいますが、
元アイドルな相棒の意見は、ちゃんと検討してくださいよ~?
●ひなた
……それじゃあ、改めて。
みんな、準備はいいかな?
プロデューサー!
今まで、本当に本当に、ほんっ…………とうに!!
●みんな
ありがとうございましたぁああ!!!
●ひなた
そして、これからも!
あたしたちのプロデュース……よろしくお願いしますっ。
「青空の見える明日へ」第21話「絶対王者の休息」
●???(輝音)
なぜ呼んでくれなかったああああああああああ!!!!
ーープロダクション室
●栞歩
うるさっ……ちょっと、カノン!
あなたゲームの実況はやめなさいとあれほど……。
●輝音
違うんだシホ!
あいつら、楽しそうなことやってたみたいでだな!?
●栞歩
はい?
●アリス
シホさん……カノンさんは、黒瀬麗華のいる学プロが
学プロ内でライブをやっていたのを、さっき知ったのですわ。
それがユニット混合、とかでして。
面白そうだと揚々と乗り込みましたら……。
●輝音
終わってるじゃないか、馬鹿者どもが!
私がいたら相当稼げたのに、あいつら……!
●栞歩
いやいや、あなたは『ヴァルキュリア』でしょう?
ワガママ言うのはダメよ?
●輝音
ええー! いいじゃないか混ざるくらい!
私は最強のアイドルなんだから、むしろ混ぜに来い!
●アリス
はぁぁ……。
カノンさん、なんだかんだあの学プロがお好きなんですのね。
●輝音
違うわ、このポンコツ娘!!
●アリス
ガーン!! ですわー!!
ポンコツかもしれませんけど、そんなにストレートに言われると
傷つきますわー!
●栞歩
好きと言えば、リッちゃんもそうなのよね……。
ライブ映像とか勝手に撮ってきて、ずっと見てるし……。
●律
……渡辺晴海さん、また成長してる。
いえ、むしろあの時フレプロとライブバトルした子たちも……。
くっ……この学プロ、なんなのホントに。
私のところにいない人材が、こうも……。
●響香
リッちゃんには、蛍ちゃんがいるじゃない。
あの子だって負けないくらい、強くなってきてるわよぉ。
●律
それも、あの子たちと出会ったせいね。
でもそのおかげで、私のフレプロはさらに強くなる予定よ。
けれど、ここまで差が付いたのはなぜかしら。
それになんだか知らない子まで増えてる……。
●響香
(あの子は、いつもプロデューサーといた普通科の子……。
たしか、吉永萌ちゃん、だったかしら?)
(能ある鷹は爪を隠すものだけれど、
あの子もなかなか……将来が楽しみね)
●律
……なにをニヤニヤしているの?
あなたらしくもない、含みのある笑い方をして。
●響香
んふふ、いいじゃなぁい。
リッちゃんが敗北を噛みしめてるとこ、そうそう見れないし。
●律
意外と性格悪いわよね、あなた。
●響香
冗談よ、冗談! あっはははははははは!!
っとと、そういえばすっかりこってり忘れてたけど。
シホ! 今日の隠し撮りライブ映像、これに移しといたわ。
●栞歩
ん、ありがと。
それじゃあちょっと出てくるわね。
●アリス
あら、シホさん……あんなものを持ってどちらへ?
●輝音
気にするな、アリス。
あいつのアレは、いつもやってるクエストみたいなもんだ。
ーー郊外の公園
●栞歩
ふぅ……おい、持ってきてやったぞ。
お前が見たいっつってたライブ映像のコピー。
●???(すばる)
………………。
●栞歩
だんまりかよ、くそが。
いつもなら郵送でいいっつーのに、今日は顔合わせとはな。
久々に拝むオレのツラはどうよ?
涙ちょちょぎれる再会ではなさそうだけどさ。
●???(すばる)
………………。
●栞歩
…………あのよぉ。
お前さ、もう直接あの子に会いに行けばいいだろ?
ちゃんと話し合って、それで……。
あっ、ちょっと待てよ!
オレの話を聞けねえって言うのかぁ!?
…………チッ!
本当に妹のこととなると馬鹿な女だぜ。
気が変わったらまた会いに来い。
話くらいは聞いてやるからよ……すばる。
![]() |
・販売元: SQUARE ENIX Co., Ltd. ・掲載時のDL価格: 無料 ・カテゴリ: ゲーム ・容量: 155.7 MB ・バージョン: 2.0.6 ※容量は最大時のもの。機種などの条件により小さくなる場合があります。 |
© SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.