【戦場の絆】有名プレイヤーインタビュー「ダリア」氏編——「単なる娯楽としてのゲームに留まらない強い繋がりがあるのが、僕にとっての『戦場の絆』」

AppBankが動画や記事でお届けする『機動戦士ガンダム 戦場の絆』(戦場の絆)の応援企画。そのひとつとして今回お届けするのは、有名プレイヤーのインタビュー記事です。

上位クラスパイロットたちはどんなプレイ履歴を持っているのか? どんなことを考えてプレイされているのか? といったことをベテランパイロット・カバパンの同席のもと、第3回はMS紹介動画にも登場していただいた「ダリア」氏におうかがいしてみました。

「人」というベクトルで『戦場の絆』を始めて今でも続けている


【ダリア氏】
「Rev.1」中期からのプレイヤー。「ナムコランド渋谷店」大会で優勝経験などがある。

——今回、動画にも出演していただきましたが、本当にわかりやすい内容でした。ありがとうございます。『戦場の絆』はいつから?

「ガンダムGP02A」が先行支給される(『Rev.1.13』)ちょっと前から始めました。「ガンダムEz8」はもう登場してましたね(『ガンダムEz8』が初登場したのは『Rev.1.03』)。

——モビルスーツの先行支給がまだくじ引きでもらえていた時期(1戦でも勝利した状態で、ターミナルにパイロットカードを通すことでくじ引きが行なわれ、当たると支給される。最初は5択で、外れると3択まで減っていく時代がありました)ですね(笑)。

懐かしいですね。その頃によくゲームセンターに行く仲のいい友達が「こういうゲームが出たんだよ。プレイ料金が500円でちょっと高いけど、一緒にやってみる?」って誘ってくれたんです。その友達と一緒に遊びたいというのと、「ガンダム」というコンテンツに対してかっこいいとか興味はあったので、「ちょっとやってみよう」と。

——『機動戦士ガンダム バーサス』シリーズは?

友達がやっているのを後ろで見ていて、研究している人たちとお店で話をしたり程度で、自分はがっつりプレイはしていなかったんです。基本的に友達と一緒に遊ぶツールとしてゲームがあった、という感じです。

——それまでゲームがツールだったダリアさんが『戦場の絆』にハマったきっかけは?

その頃、渋谷に「ナムコランド渋谷店」(現在は閉店)があったころ、学校帰りに寄って遊んでいたんですが、いつしか「このゲーム楽しいな」ってなっていって、友達がいない時に野良でも出るようになったんです。

それで、地元の川崎でもプレイするようになって。同じお店でプレイしている人に話しかけたりだとか、「ちょっとプレイを見させてください」ってお願いしたりして。

優しい年上のプレイヤーさんが多くて、その人たちと一緒にプレイするようになって。始めたのも人がきっかけですが、のめり込んでいったのも人がきっかけなんですよね。

——ゲームとしても面白かったけれども、プレイしている人も楽しい人が多かったと。私も「Rev.1」の頃は本当に「ガンダム」のファン、ゲームのファンだけじゃなくていろんな人がいて、楽しい思いもいろんな思いもしましたので、理解できる話ですね。

料金も高かったから大人が多かったけれど、小遣いをやりくりしてる少年兵もいたり。当時、川崎は設置店舗も多かったイメージですが?

そうですね。16台あった「ヒーローズベース」(現在は撤去)、「ウェアハウス川崎」、「川崎モアーズ」、「サムズタウン川崎」(現在は閉店)、「ベネクス川崎」、「シルクハット川崎」(現在は閉店)……設置台数は全国でもトップクラスの地域だったと思います。

——しかも「ウェアハウス」さんに行けば停戦後も遊べた。すごい環境でしたね。プレイするところに困らないという。

だから、「今日はここは混んでるからあっちに行こう」って行って「今日はここで遊ばせてもらいます」って挨拶して。……あの頃はそこのお店=大隊の顔みたいなプレイヤーさんがいたじゃないですか(『Rev.1』では大将は地球連邦軍、ジオン公国軍各店舗トップ1名ずつしか大将になれなかった)。

そういう方に挨拶すると「よく来たね、一緒にやるか?」って遊んでくれたり。当時19〜20歳ぐらいだったんですが、そういった30〜50代の大人がやさしくしてくれて、面白い体験をしたなと。

学生のうち、普通だったら年が2〜3違うぐらいの人との付き合いがメインになると思うんですが、全く世代の違う人との交流ができて。

——同じ『戦場の絆』や「ガンダム」という共通言語を持った、しかも一緒にゲームをプレイできる大人と交流できたのは異次元というか。中には素性がよくわからない人がいたり(笑)。

なんならパイロットネームしか知らなくて本名は知らないとか、連絡先も知らないけど、お店に行くと会えるという人っていましたよね(笑)。10〜20年前では考えられない人間関係の構築の仕方があたかも当然のようにそこにはあって。

——それが一番大きな理由でしたか?

「ゲームが楽しい」の前にまずそこがすごく居心地が良くて。リアルから現実逃避していたわけではなかったんですけれども、新鮮で楽しくて居心地がよかったんです。

そういった大人の方達にプレイを褒めていただいたりとか嬉しいじゃないですか。「一緒にやっててやりやすかったよ」とか。そうすると「もうちょっと上手くなりたいな」って。純粋な気持ちですね。今でもその方達には感謝していますし、お付き合いが続いている方もいっぱいいらっしゃいます。

僕は本当に「人」というベクトルで『戦場の絆』を始めましたし、今でも続けていますね。

——その頃になるともうタンク戦が戦術として固まって来ているころですね。

その頃初めて将官になったんです。「ちょっとは『戦場の絆』でMSを動かせるようになってきたかな?」と思った頃で。けっこうやっていたので中将になれました。

ホームの人も「おめでとう」って喜んでくれて、初めて4バー(スト=同店舗同時出撃)を「ジャブロー地下」(「Rev.3」まであったステージ)で大将の方とやることになったんです。この時がフルバーストでの初めてのプレイで、メンバー全員と声が繋がってボイスチャットができて……。

でもその頃、フルバーストといえば全国の猛者たちがこぞってフルバーストで出ていた時代で、めちゃくちゃ負けたんですよ。本当に。10連敗か12連敗ぐらい。

でも、一緒に出てくれた大将の方が、1ミリもイライラせず「俺もごめんね、機体変えて試してみるよ。気づいたことある?」って他のメンバーに声をかけていたんですね。まるで先生みたいな。その場だけですけど、チームを導いてくれたんですね。

「僕が1人いたから負けた」とかという話ではないのはもちろん理解はしていました。4人でチームを組んでプレイするゲームで、指示さえくれれば、その範囲内で動けているのに負けたら「それは僕だけのせいじゃない」ということはうすうすはわかります。

でも、「そうじゃない」ってちゃんと言葉にしてくれるんです。「今の試合は完全に俺が悪い」とか「今の試合は連携がちょっともったいなかった」とか、MS選びから戦術まで同じ目線で一緒に考えて声をかけて戦ってくれて。それがすごくあったかくて……。

このバーストを通して「このゲームってこういう風に遊んでいる人がいるんだ」、「こういう楽しさがあるんだ」って初めて教えてもらったし、気付かされたんですよね。「鉱山都市」が登場した頃です(『Rev1.15』)。

「Rev.2」が「上手くなりたい」気持ちを引っ張り出して来た

——それでゲームもバリバリとやり混んで勝てるようになったんですか?

「Rev.1」のゲーム性、例えば格闘機のクイックドロー外しとか(格闘型(当時は近接格闘型)の格闘攻撃は今でいうSサーベルと同じく連撃回数に制限がなかった)、細かい戦術がどうこうといったものは、SNSで戦記(日記)を見たりしてなんとなくは知っていました。でも、「あの人たちは遠い存在だしな」と何処かで思っていたんですね。

「上手くなりたい」という思いはどこかにありながらも「でもどうせ今から足掻いたってそんなに上手くはなれないだろう」というちょっと殻に閉じこもっちゃっていた部分もあって。

それが、メジャーバージョンアップということで「『Rev.2』が出る、ゲーム性が変わる」っていう話を聞いて。「ア・バオア・クー」の動画を見たんですけれど、「自分なりに『Rev.1』の最低限のベースがある上で『Rev.2』にちゃんと向き合えば、上手くなれるんじゃないかな」って思って。

そこからですね。「人付き合いが楽しい」という一番大きなベクトルの陰に隠れていた「上手くなりたい、強くなりたい」という思考が出て来たのが。それがモチベーションとして大きくなってきたのがその時期です。

「高機動型ゲルググ」と「ジム・カスタム」の射撃戦……最初は「アクア・ジム」と「高機動型ゲルググ」で各々がタイマン戦、みたいな形で戦ってました。そのあと、「ジム・ライフル」が上方修正されて。

僕は「Rev.1」で隠しで支給されていた「ガンダム(G-3)」と「ズゴック(S)」を持っていなかったんですよ(当時公式に獲得方法が公開されていなかった)。だからあの頃から「ズゴック(S)」でメイン武装を偏差撃ちしている上手い人がいましたけれど、自分の中でその文化がなくて。

なので、僕がメイン武装を意識して偏差撃ちできるようになったのが「ジム・カスタム」の「ジム・ライフル」だったんです。「この武装は歩いている相手に当たらないけれど、こうしてやれば当てられるんだ」って。「これ面白い!」って。その頃が一番プレイしていたかもしれないですね。「ジム・カスタム」3機VS「高機動型ゲルググ」3機の時代。

——「近(距離戦型)3」時代ですね。

それだけが正解だとは言いませんが、それがセオリーだった時代です。あの時代は楽しかったですね。「クラッカー」1発、「ハンド・グレネイド」1発を斬り払いしたり避けたりすることに必死で。

「ジム・ライフル」を1発、「MMP-80マシンガンA」を1発かすらされただけで「こいつ上手い!」って。ダメージを1でも食らったら「やられた」って気になっていたんですよ。冗談抜きで。

——わかります。あの時代、本当にピリピリした4vs4の世界がありましたよね。

ピリピリした対戦をしてましたね。例えば体力(AP)がこちら4割、向こう6割だったら結構負けた気分になってましたね。それが良くもあり悪くもあり。

でも、「上手くなりたい」ということと、そのピリついた対戦が僕の中で上手くマッチングしていて。ピリピリしているのがまた闘争心に火をつけるわけじゃないですか? 「あの人にやられた!」って。

あの当時にカバ(パン)さんにもやられた記憶が鮮明に残ってるんです。ボッコボコにされた記憶が(笑)。ほかにも上手い方がいっぱいいらっしゃいましたけれど、僕が一番ボコボコにされたのはカバさんはじめ数人記憶にありますね。壮絶な負け方をした……(笑)。

試合をやっていても、一緒にバーストしているメンバーに「ごめん、このタイマン勝てないけれど、試合を壊しちゃうけれど、俺戦いに行っていい?」って。そうするとみんなが許してくれるんですよ。

——いい人たちですね!

「よかったじゃん! 胸借りてこいよ」みたいな感じで言ってくれるんですよ。それでひたすらボコボコにされて。だから試合が終わったあと「ごめん」としか言えないですよ……(笑)。1戦目ボコボコにされて「ごめん」としか言えなくて。

それで「2戦目どうしよう?」(当時は今と違い同じメンバーと2戦連続で戦えた)って申し訳なさそうに聞くと、「もう1回行ってこいよ」って言ってくれて……。「すいません、今の反省を生かして、まあ倒すことはできないまでも、ちょっと頑張ってみます」ってまたタイマンに行って。

そんな経験もありながら、「人と楽しむ」ということと、自分と向き合って、ゲームと向き合って「上手くなりたい」という両方の気持ちを僕の中でバランスよく満たせる環境におかげさまで居させていただいたという。「Rev.2」はそういう風に記憶していますね。

——さらに「アレックス」と「ケンプファー」がリリースされて(『Rev2.07』)。連邦軍は「アレ・カス」時代ですね。

「アレックス」と「ケンプファー」が先行支給された日も朝の8〜9時から貸し切りしてもらって1日ぶん回してプレイしてましたね(笑)。あの時代は生活の中で唯一頑張っているものがあるとすれば『戦場の絆』って言える時期でしたね。

——あの頃にハマってた方はみなさんそういう体験をされていたんじゃないかなって僕も思います。「クラッカー」の斬り払いにどれだけ一生懸命だったかなんて話をよく伺いました。わざとアラートを鳴らして偏差して当てるだとか……。

建物越しにロックした相手に「MMP-80マシンガン」でアラートを鳴らして、時間をずらして「クラッカー」を投げる。カバさんは俺がその「クラッカー」を斬り払うのをわかって、アラートを鳴らして前ブー(スト)してくるんですよ。

——(笑)

「そんなのされたら無理じゃん」って。まるで格闘ゲームみたいな読み合いをしてましたね。ブーストを切らしてもいいから全力で取り(攻め)にくるんです。

「ああ、なるほど、これは強いわ!」って。「そんなことまで考えてやってるんだ」って。その頃だとちょうど阿佐ヶ谷大会(『ナムコランド阿佐ヶ谷店』(現在は閉店)で開催されたユーザー主導の大会)だとかすごく勢いがあった頃ですね。

——とにかくプレイヤー層が厚くて、いろんなプレイヤーがいて、それぞれが個性的なプレイをしていた時代ですね。人が人を連れてきていたというか。

岐阜の人たちのフルアンチ編成とか個性的でしたね。「REV.1」後期からエクストラカラーや金バッチがもらえる全国大会も始まって、みんな僕が知らないところで店内対戦して腕を磨いていて。大会に出場させていただくことはあったんですが、その頃は成績的にも振るわなくて。

それからも遠方の知り合いのところに遊びに行ったり遊びにきていただいたりして、人付き合いは続いていたんですよね。

個人的に一番大きかったのは日吉(神奈川県)のイルクさんたちにお誘いいただいて、店内対戦(8台以上の設置店舗で店内メンバーだけでの対戦)をやらせていただいた時ですね。初めて4バーさせていただいた時か、それ以上の感動があったんです。

オンラインではなく店内対戦で4vs4を突き詰めて昇華していくと、さらに深い深い読み合いやジャンケン要素があるってことをそこで知りました。僕の中で切磋琢磨したタイミングがその時期ですね。

日吉に行って店内対戦をするようになって、ああでもないこうでもないと朝の4時〜5時まで焼き鳥食べて酒飲んで反省会をして、動画を撮っている人の動画を見せてもらったり。

……ちょっと上手くなってくると、泥臭いことを避けて「綺麗に捌きたい、立ち回りたい」という意識が出てくると思うんです。でもイルクさんは「みんなが上手だから俺は汚れ役でいい」っていろんなパターンとその対応を考えて突き詰めていて。

——イルクさんといえば「赤セッティング」だよね。「ゲルググG」の赤セッティングとか。(※1)

とりあえず赤セッティングの機体でタンクに突っ込んでいく(笑)。その時一番合っている赤セッティングの機体で突っ込む、みたいな。

——それを探し出すのがまた早かった(笑)。

ゲームに対する姿勢もめちゃめちゃ真面目で、固定観念に捉われない方ですよね。仕事でしばらく『戦場の絆』から離れている時期があっても、今でもどこかでそういう姿勢を忘れていないというか。

——機体と自分の腕の持てるポテンシャルの中で「これだけのものがあれば、援護を完遂できるとか、タンクをメタれる」という発想力が独特でしたね。

あの、人と違うところに着目するところは……それでちゃんと答えを出して結果を出してましたからね。あの人のすごいところですね。「イフリート改」の赤セッティングとか、EXAMが発動するまで削られて、格闘の威力が上がってから3連や5連撃を入れて、3落ち4落ち1,000点とかやってましたからね。

——それでちゃんとタンクは止めていて勝っていたし。

本人は「これでいいんだよ」って言い切ってましたからね。

——大会にちゃんとそういうネタを持っていって、結果を出していたから誰も文句を言わないという(笑)。

僕はそこで『戦場の絆』の4vs4はこうやるんだ、ということを知って、さらに「『戦場の絆』をちゃんとプレイしている人たちっていうのはこういう風にやっているんだ」ということを本当に思い知らされて。壁を感じるとともにとても嬉しかったんです。発見もあったし。

そうこうしているうちに例えば、ばるさんだとか、全国でもトップクラスのプレイヤーの方達とも『戦場の絆』を遊んでもらうようになって、「あ、なるほどな」って。バーストやオンライン、店内対戦いろいろやりましたね。

それでイルクさんたちと渋谷大会(『ナムコランド渋谷店』で開かれたユーザー主導の大会)で優勝することができたんですよ。あれが結局最後の渋谷大会だったんですけれども、見学者含めて100人以上が店にあふれていて。

唯一僕に『戦場の絆』で成し遂げたものがあるとすれば、僕はその渋谷大会での優勝しかないですね。それを誇らしげに言うつもりはないですが、あの頑張って練習して、店内対戦で1プレイ400円(当時)なのに練習相手として付き合ってくれる人たちもいて……。

「ちょっと(対戦)お願いします」って頼んでも快く引き受けてくれて。自分も頑張って、チームとしても頑張って、そうした周りの方達にも教えていただいて、練習にも付き合っていただいて、勝ち取ったあの大会の優勝は、今でもたまにお酒を飲んでいる時に話題になるぐらいです。「あの時は本当に楽しかった」って言えるだけ頑張りましたし。

「Rev.3」でそんなことがありつつも、2年ほどリアルの事情でほとんど『戦場の絆』をプレイしていなかった時期があったんですが、『ビルドファイターズ』コラボ(『ビルドファイターズDAY』として2005年に行われた)やバックブラスト機が出て来た頃ですね。

※1 セッティングは当時はN(ノーマル)、青1〜4、赤1〜4と数字で表現されていました。今でいう機動寄りが青、装甲重視が赤というイメージです。

機体によってはAPの上昇率の割に機動性があまり低下しない「赤」セッティングなどがあり、「ゲルググ(S)」などは格闘型にもかかわらず「赤」セッティングで射撃戦重視で立ち回るといった運用法が見出されて流行ったりしました。

また、当時の機体性能は「Rev.4」とはコスト、機動性能、APやブースト量などが異なりますので、その点を踏まえてお読みいただけますと幸いです。

「みんなでワイワイ“楽しい”を共有できる」——「Rev.4」で遠隔地との「IDバースト」でのボイスチャットが実現したことが革命だった

——やっぱり大会でその「やり込んだ熱量」が一度昇華されたというか。

そうですね。誘われれば一緒に遊ぶ、という感じで程々で楽しむようになりました。それから「Rev.4」になって、人とのつながりがやっぱりまだ続いていて。

それまでの「独立小隊時報」(※2)とかいろいろありましたが、離れた場所でプレイするとどうしても声が繋がらない(当時はボイスシンボルチャットしか使えなかった)から、負けている時は「チームメンバーはどう思っているんだろう?」とか「申し訳ないな」って思っていたり、勝っている時は「超うれしい!」みたいな喜怒哀楽を伝えることが厳密にはできなかったじゃないですか。声だけでももちろん全ては伝えられないですが。そのころはLINEのグループだとかTwitterでやりとりしていましたけれども。

それが「Rev.4」の「IDバースト」でボイスチャットで声が繋がるようになって、これが僕の中で革命的な事件だったんですよ。個人的には「ユニコーン(ガンダム)」や「シナンジュ」に思い入れがあるということはないんですが、「声が繋がるってすごいじゃん!」って。

「外にいてフリーな時間は全部『戦場の絆』がやりたい!」って思って、「Rev.4」になってひたすらまた『戦場の絆』を遊ぶようになったんです。楽しくて毎日のようにやってましたね。

いろんな人とプレイさせていただいて、そこで初めて声を聞く人もいて。「あ、どうも初めまして」って。「いつもネットで連絡を取っていた人の声はこうなんだ」っていうのが本当に嬉しくて楽しくて。

別の側面でいえば、「Rev.4」で声が繋がることによって、それまでのような濃密な人間関係が少し薄まったかなとも思っているんです。みんな遠征などもあまりしなくなっちゃったし、いらっしゃる方も少なくなりましたし。

でも日常的に人との「絆」を感じながら遊ぶと言うことに関しては、「同店舗にいなくてもいい」ということはとてもハードルが下がったので……。

——時間さえ合えば、目の前に『戦場の絆』があれば離れたところの戦友とも遊べると。

ゲームシステムに対して細かいいろんな変化はあるにしても、それ以上に「Rev.4」に対して僕が思っていることはやっぱりそれですね。「みんなでワイワイ“楽しい”を共有できる」という。必ずしもいいことばかりじゃなくて、雰囲気がおかしくなっちゃうことも(笑)ありますけれど。そう言うことも含めて面白いなと。

「対戦協力戦術ゲーム」として成熟しているか、ということとは全く違って、「仲間とその時間を共有するコンテンツ」としてはかなり質が上がったなと思っています。

そういうコミュニティができているところに新規のお客さんがどう入っていけばいいのか、という問題はもちろん難しいことですけれども。僕と一緒に遊んでいる方の中にも「TVを見て『戦場の絆』を始めました」という方がいらっしゃるんですよね。

そういう人たちの中にも勇気を出して既存のコミュニティに溶け込んでいっている方もいらっしゃいますし、「そうじゃない方々はちゃんと楽しめているのかな?」と。大隊内(店舗内)でのコミュニケーションも昔に比べれば少なくなっていますし。

そういうところに目を向けられるような何か企画が……例えば「店舗内バースト推奨DAY」とかなんでもいいんですが、新規プレイヤーさんがゲームだけではなく、一緒にゲームをプレイする人間関係が、僕が感じたように色々な人がいて、素敵だなって思えるような機会があるといいなあって思いますね。

それがあるから成長もありますし、間違っていることは「間違っている」って教えてもらえますし。立派な大人のかっこいいおじさんの背中を見て「あの人いいな」って思うことがありましたし、今でもありますし。

ゲームでもあり、いろんなことを学ばせてもらう機会をもらったものでもあり、単なる娯楽としてのゲームに留まらない強い繋がりがあるのが、僕にとっての『戦場の絆』ですね。

——ゲームを媒介にして、強く人と人とを結びつけているのが『戦場の絆』のすごいところなんですね。それはすごく興味深いですね。多分「強くなりたい」と高みに行こうとしなければ得られないものもあっただろうとも思うし、ダリアさんのような同じような体験をした人は何人もいたと思いますが、そこまで多くはなかった気もしますし。それが面白いなと。

そういう意味で、長く続けてらっしゃる方々はエピソードに事欠かないというか、掘れば掘るほど……。

一週間ぐらいぶっ続けて語れますよ(笑)。

——それがいいなと。逆にあえて聞きますが、やっぱり、「近3」時代が一番楽しかったですか?

今の「ファンネル」や「フライトモード」機体もいいですけれど、何かちょっと違うというか……ゲームとして成熟していたかというのとはちょっと違って、「あれが楽しかった」ですね。圧倒的に。

——あの頃のピリピリしている感じって、階級が違っても伝わっていましたね。でも、追いかけっこをしているわけじゃなくて、みんな前に出て行くし、前に出ながら建物越しに相手とコミュニケートしていて。しゃべっているわけでもないのにやり取りがあったというか。不思議な感覚ですね。

1発ダメージを与える、1発何かを食らうことで「やるなお前!」ってお互いにやり取りがあったんですよね。

——たった20〜30のダメージでね(笑)。

あれが本当に楽しかった。4vs4の日は朝から晩まで遊んでましたね。格闘機には「Sサーベル」があったので、もちろん回そうと思えば回せますけれども、「アレックス」でちょっとふわジャンして前に行こうものなら、「高機動型ゲルググ」のクラッカーでバチって落とされて……。

近距離戦型の小さな積み重ねが、試合が終わる頃にはすごい差になっていて……圧倒的に思い知らされていたし、圧倒的に気持ち良くもありましたし。今は良くも悪くもダメージの大きな試合になりますしね。

ご協力させていただいた「ドム・バラッジ」の動画みたいに「ガトリング・キャノン」をうまくかぶせると「ガンダム」がそれこそ溶けちゃうみたいな。昔の『絆』しか知らない人からしたら衝撃ですよね。

——昔も「プロトタイプガンダム」の「ハイパー・ハンマー」と「ビーム・ライフル」の組み合わせとか、「ゲルググキャノン」の「ビーム・キャノン」の大ダメージとかもありましたけれど(笑)。

ダリアさんならではの「人と組んで楽しい機体」チョイスとは?

▼「Gブル」。素体コスト180の射撃型。「ガンダム」の上半身パーツや「コア・ファイター」などから構成される重戦車形態。



ユニークな機体ということであれば、今は僕「Gブル」が楽しくて。もっといろんな人に乗って欲しいんですけれど。

——セッティングはどんなものを?

メインは「2連装ビーム・キャノンA」でサブは「ビーム・ライフルB」。格闘は好みが分かれると思いますが、僕は「2連装ビーム・キャノンD」ですね。セッティングは「歩」一択ですね。

——メインを「A」にしている理由は?

「2連装ビーム・キャノンB」や「C」は下がっても火力を出せるんですけれど、「A」で前に出て格闘機などとマンセルを組んだ時、カットも素早くできるんですよね。

相方の近くにいてレスポンス良く目の前に広がっている乱戦を裁くこと、落ちることを前提でダメージの底上げをして連携を取れることが強いと思っているんです。

——ダウン値の問題もあるし……。

メイン「A」は中バランサー以上にまとめて当てるとダメージが出せるのも大きいですね。メイン→メイン→メイン→格闘の「D」で100ダメージを超えたりするんで。ジャンプ性能に弱点はありますが、歩く速度は全機体中トップクラスだと思いますし。

——コストパフォーマンスが非常にいい。

格闘を「キャタピラ」にしてもいいですしね。安いですからね。コスト200いかないですから。「『Gブル』きつくないですか? 格闘機に上を取られたらどうするんですか?」ってよく聞かれるんですけれど、「上の格闘機は無視して味方のカットするから」って言ってます(笑)。

上を取られてる間に僕が味方のカットをして、その人が今度噛まれてる僕のカットをしてくれて僕が生きていればラッキーだし、もし落ちても安いからいい。

メインの当て方がちょっとクセがあるので、できれば「ジム・ストライカー(ネメシス隊)」や「ジム・ストライカー」あたりと組むといいと思います。この辺りの機体の相方選びで悩んだら一度試してもらいたいですね。被せてダウンさせちゃってもフォローは効きますしね。

——ほかにお気に入りの機体ってあります?

▼「ジュアッグ」。素体コスト160の射撃型。ジャブロー攻略の為に開発された水陸両用支援用MS。ロケット・ランチャーからの多彩な攻撃が特徴で、水中で機動力が向上する。



ジオンだと「ジュアッグ」ですね。ちょっと近い距離でのメインの「3連装ロケット・ランチャー」の火力が低いんで、「結構活躍したな〜」と思ってもスコアが500点とかよくなかったりするんですが。せいぜい600点。

遠ければダメージがめちゃくちゃ高いんですが、メイン→タックルがヒットするぐらいの距離だと本当にダメージが出ないんで万人向けじゃないですけれども。

——セッティングは?

サブは「メガ粒子砲」ですね(笑)。ダウン値ゼロで強制よろけなんで、敵味方がかち合いそうなところにちょっと撃ってあげて、本来はそこからじゃんけんが始まるところを相手をよろけさせてそのまま味方に噛んでもらうと。

あれは本当に職人冥利に尽きるというか。「マジ神! ありがとう」って。噛んでる人は絶対気持ちいいですよね。なんなら俺はその時近距離とかに噛まれてるんですけれど(笑)。

「格闘機が3連(撃+クイック)ドローを決めてくれるならその間噛まれててもいいよ」って思いますし。

「ジュアッグ」は現状そこまで強い機体じゃないので、あんまり乗れる機会がないんですが、もう少し強くしてくれれば大義名分もあって乗りやすくなるんですけれどね。

——お釣りがくると。味方に作用して味方が活躍できる機体が好きなんですね。

そうです。「ゲームをやっている感」がすごく好きなんです。自己完結できる機体が好きならスナイパー(支援型)や「ヘビーガンダム」が楽しいでしょうけれど。僕はやられて嫌なんで、自分も選ばないという。

——「ジュアッグ」は夢広がる機体ですね。

あえてちょっと距離を開けてメインを撃ってから「メガ粒子砲」を被せてあげると結構なダメージになるんで。

今の高コスト機体って、基本的に武装も性能もそこそこ揃っていて、どれを乗っても強いと思うんですよ。そういう意味でちょっとイロモノで強い可能性のある機体となると低コストになるかな……。

「クシャトリヤ」もあまり使う人がいませんけれど強いですよ。あと、「ヤクト・ドーガ(QA)」も好きですね。

——「ヤクト・ドーガ(QA)」は正式支給時にパワーアップしましたけれど、どこが好きですか?

めっちゃウザいんですよ(笑)。敵にいて。あのウザさはハンパないですね。やられて知りました。ダウンが取りづらいという部分はありますが。

ジオン軍には「ゲルググM(S)」とか「ローゼン・ズール」という圧倒的に優秀な射撃型がいるのでわかるんですが、コスト250制限戦とかだったら「ヤクト・ドーガ(QA)」はいいですね。近距離戦型とも渡り合えますからね。メインに硬直があるといっても旋回で振り回せるので、引っ掛けることができますから面白いです。ガチとはいいませんが正直。

——ちなみに、「ゲルググG」に「MMP-80マシンガン」があった時代に乗ってました? あの感覚に個人的に非常に近いと思っているんですが。

たまに乗ってましたね。ダウン値の高いマシンガン。「B.D.3号機」も「100mmマシンガン」と「ビーム・ライフル」どちらも乗ってましたね。

——わかります(笑)。ダリアさんに最後にお聞きしたいのが、「味方と一緒に遊んで楽しい」おすすめ機体があれば知りたいですね。先ほどからいろいろ出していただいていて申し訳ないんですが。

例えば「ジム」ですかね。「頭部バルカン砲」はダウン値ゼロで強制よろけですよね。コストも120で何も気負いせずに乗れますし、味方との連携を感じやすいんじゃないですかね。

あとは「ジム・寒冷地仕様」の「100mmマシンガンA」と「頭部バルカン砲」とか。こと格闘機とマンセルを組むのであれば、かなり技術介入度は高いですけれど、ハマった時の気持ち良さはすごいですね。

それと、僕はメインの偏差撃ちがやっぱり好きなので、「ジム・カスタム」や「ジム・カスタム(シルバー・ヘイズ改)」はやっぱり当てた時の気持ち良さを感じられて好きですね。

——「ジム・ライフル」の弾って同じカテゴリの「ビーム・ライフル」と違って弾が細いので、あれをきちんと当てられると気持ちいいというのはわかります。やられたときも。

たまたまじゃない、「当てられた感」ですね。

——ジオン軍だと?

「ザクII」の「クラッカーB」が大好きですね。あとは「ザクII寒冷地仕様」ですかね。乗り尽くされたといってもいいかもしれませんが。僕は「ザク・マシンガンA」も「B」もどちらもいいと思っていて、レスポンスがかなりいいんですよね。

「B」も対高バランサーでも着地をきちんと取ればよろけは取れるので、「(着地をきちんと取れる)自信はないけれど使ってみたい」という人には面白いのではないかと。もちろん「イフリート」という強い機体がいるので、手放しに「乗ってみれば?」とは言えませんが。

あとは「アクト・ザク」も結構好きですね。「ザク・マシンガン」のレスポンスも高くて、足も早い。「高機動型ゲルググ」と違う点は、集弾性がよくて弾速も早いので、硬直を取ったり、味方が噛まれているところへのカットの速さやダメージ面で「アクト・ザク」の方が高くなると思うんですよ。

「(射線)軸を合わせて」とかちょっと近寄って……となると「高機動型ゲルググ」だとちょっとリスクが高いところがあるので、味方と組んで近距離戦型でダメージを出してあげたいとなると、割とオススメですね。

「ドム・バラッジ」だと距離が引き気味だとダメージが出しにくいですし。付かず離れずが維持できる腕がないと難しいですし、かつ上を取られると気まずいですしね。

建物の多いところは「アクト・ザク」が面白いですね。建物のない「リボー・コロニー(R)」の護衛とかになると「ドム・バラッジ」が強いですよね。マップと機体と仲間との意思疎通は必要ですが。

射撃型だと「ドライセン(袖付き)」が強くて面白いと思いますね。サブの「トライ・ブレード」は圧倒的に自衛の強さがありますし、メインの「ジャイアント・バズ」はダメージが大きいですしね。

支援型だと「ゾック」は「頭部メガ粒子砲」の射出直後を当てる技術があればめちゃくちゃ楽しいと思います。ほぼスナイパーみたいなものなので自己完結型の機体だとは思いますが。

「ゲーマルク」や「クシャトリヤ」は、コストが300なんで野良では気後れしますけれど、バーストで味方と弾があるないといった連携がちゃんと取れるなら楽しく遊べる機体かなと。

——ガチ機体での対戦も楽しみながら、個人的に楽しめる、味方と組んだら楽しめる機体を探す楽しみがあるのがいいですよね。

でも、本当に味方がめちゃくちゃ真面目に『戦場の絆』をがんばってプレイしているなら、いろいろ言ってきましたけれど、絶対に「イフリート」しか乗らないですからね(笑)。

——当然相手もそういう想定で「νガンダム」でファンネルバリアを張りながら突っ込んできたりするから、「裏の選択肢は常に探しておかないと」とは思いますね。

僕は『戦場の絆』をプレイする上で、ずっと「ひとつの機体のスペシャリストにはなりたくないな」と思っていて。もともと野良プレイをずっとやっていたので、味方を餌にして勝つというのがあまり好きではなくて。一緒に戦って勝ちたいんです。

格闘、近距離戦型、射撃型をメインで乗っているので、イロモノで「これ強いよ」って瞬間的に楽しいものを乗るよりは、バージョンが変わっても乗れるようなものが好きですね。

——いろいろお話が伺えてよかったです。ありがとうございました。

※2 階級を揃えて時間を合わせてコインを投入して敵味方マッチを狙うのを「時報」と呼んでおり、知り合い同士で狙ってオンライン対戦を行うことは「Rev.1」の頃からよく行われていました。

それが「独立小隊」ができたことで、同じ「独立小隊」のメンバーは優先的に味方マッチングするようになり「独立小隊時報」へと変化していきました。

現在は「プライベートマッチ」や「IDバースト」ができたことで、離れた店舗同士でも時間さえ合わせて出撃できれば、確実に味方/敵マッチングが可能になりました。

©創通・サンライズ



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