Appleとインテル、愛憎の歴史。ジョブズが見抜き、いまもMacに継承される「半導体選びの基準」とは?

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スティーブ・ジョブズの誤算と崩れ去ったAppleとインテルの協力関係

2016年に、インテルは最悪の発表をします。これまで2年に1度であったプロセス微細化のサイクルを、3年に延長すると発表したのです。これは、インテル製チップの進化を見込んで製品開発を進めていたAppleにとっても最悪の事態です。

また、Appleのハイエンドのインテル製チップを搭載した「MacBook Pro」などでは、オーバーヒートやサーマル・スロットリングが多く発生しました。これはPCのパフォーマンスに影響を与え、バッテリーの持ちも悪化させるものです。


この原因は、インテルが一律に同じチップを供給していた点にあります。AppleのMacBookは超薄型のデザインを特徴としていましたが、これでは性能を十分に発揮できなかったのです。そこでAppleは、再び自社製プロセッサの開発に着手します。

Apple M1チップの登場と対抗するインテル


2020年秋、Apple CEOのティム・クックはM1を発表し、その性能について「ワット当たりのCPU性能が世界最高」と主張。それは奇しくも、15年前にスティーブ・ジョブズが示したインテル製チップへの評価と同じでした。

インテルにとって、M1チップの成功は嬉しいものではありません。M1の成功はそのまま、インテル製チップが遅れていることを示してしまうからです。そしてインテルが使った戦略は、いつものごとく反競争的なものでした。

まずインテルは、自社のプロセッサがより優れていることを示すため、かなり無理のある比較をしました。特にひどかったのは、ゲームでのフレームレート(FPS)の比較。M1で動作しなかったゲームは平均FPS「ゼロ」と評価したのです。


さらに、処理性能の比較ではMacBook Proを引き合いにだした反面、バッテリーテストではMacBook Airと比較しました。なぜなら、MacBook Proがインテル製チップに数時間の差をつける可能性があったのに対し、MacBook Airはバッテリーが小さいため、大きな差がでないからです。

進むAppleと矛盾のインテル、迫りくる新たな存在

インテルのパット・ゲルシンガーCEOは最近「インテル搭載Macを諦めていない」と宣言していますが、同時にインテル自身が両者の溝を深めつつあります。そして困ったことに、ユーザーからの印象も同時に悪化しているようです。

対するAppleは特に反応をみせていませんが、同社はM1 Pro/M1 Maxの発表でユーザーに素晴らしい性能をアピールしました。このようにインテルは苦戦を続けており、更にはAMDという新たなライバルにも圧倒されつつあります。

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