ジョブズを納得させた「iPhoneに戻るボタンはいらない」理由。iOSの基礎を作った天才デザイナーの考え方とは?

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iPhoneの戻るボタンは「信頼性を損なう」


シャウドリ氏は、iPhoneにおける「戻る」ボタンの存在は「信頼の問題に帰結する」とジョブズに指摘しました。

iPhoneのホームボタンは「ホーム画面に戻る」たったひとつの目的を果たすもので、ユーザーは疑いなく操作できます。しかし、ここに「戻る」ボタンを導入すると、操作の信頼性が損なわれ、操作が複雑になるのです。


実際、Android端末では「アプリ一覧」「ホーム」「戻る」の3つのボタンが今でも一般的ですが、この「戻る」ボタンは、状況や開いているアプリによって異なる動作をすることがよくあります。ボタンを押すと、前のページに戻ったり、アプリが切り替わったり、ホーム画面に戻ったりするのです。

シャウドリ氏は、この予測不可能な「戻る」ボタンが、ユーザーに混乱をもたらすと考えました。そこで彼が代わりに提案したのが、アプリの画面左上に「戻る」ショートカットを設置することです。


この「戻る」ボタンは、「アプリの前のメニューに戻る」という動作をします。また、アプリを切り替える場合は、ホームボタンを2回押し、アプリスイッチャーを起動させます。そして、アプリを終了させる場合は、ホームボタンを1回押すだけです。

この操作体系では、ユーザーはその操作に伴う1つの結果が予測できるようになっています。これにより、ユーザーは自分のiPhoneを信頼して操作することができ、素早く使いこなすことができるようになりました。

この特徴は、ホームボタンがなくなり、スワイプ操作が主となった「iPhone X」以降のiPhoneにも引き継がれています。こうして幸運にもジョブズは、iPhoneの特徴とも言える「分かりやすい操作体系」を確立することができたのです。

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