ロシアへの経済制裁は本当に効果があるのか?その影響と真意をジョニー・ハリスが解説

世界からの「制裁リスト」に加えられたロシアの重要人物

米国の財務省外国資産管理室(OFAC)が出した制裁リストには、712人のロシア人が載っています。彼らの中で一番「大物」といえるのはロシアの国会議員たちです。

他にも、国防、エネルギー、メディア企業のトップである金持ちのロシア人がたくさんいます。つまり、ロシアで権力のある人物に圧力をかけることで、ロシア政府に不満をもつように仕向けているのです。

例えば、このリストに載っている有名人の一人が、Instagramのインフルエンサー、ポリーナ氏です。彼女はロシアの裕福な外務大臣の娘で、イギリスに暮らしていました。しかし、彼女はロシアに戻され、イギリスの資産はすべて凍結されました。


最後に、最も影響が大きい金融の制裁です。ロシア政府は、ドルやユーロや英ポンドのような他の通貨で、大量の外貨準備を保持していました。自国通貨であるルーブルが下落した場合、ドルを持ってルーブルを大量に買い、価格を引き上げて安定させることができるからです。

しかし、現在、外貨準備高であるユーロやドルはすべて、アメリカやイギリスの銀行で凍結されています。さらに、ロシアの銀行は、銀行がお互いに巨額のお金を送ることができる国際的な仕組み「SWIFT」から追い出されました。現在、ロシアの大口の支払いは、中国を経由しなければ決済することができません。

もう一つ、ビザやマスターカード、アメリカン・エキスプレスなどがロシアから撤退したため、一般のロシア国民もクレジットカードやデビットカードが使えなくなりました。以前の図と比べると、現在のロシアはこのように、完全に孤立した姿になっています。


これらの制裁は、ロシアに経済的なダメージを与えるという点では、実際に効果が出ています。実際、ロシアがウクライナを侵攻したあと、ロシアの通貨ルーブルは信頼が大きく下がり、価値が暴落しました。

しかし、本当にこの経済制裁が成功するかどうかの条件は「ウラジーミル・プーチンの心を変えられるか」だとジョニー・ハリス氏は指摘します。このような経済制裁が上手くいかなかった例が、北朝鮮のような独裁国家です。


指導者が合理的な判断を下さなければ、この制裁は意味をなしません。それどころか制裁は、彼らが「私たちは被害者だ」と言うために使える、もうひとつの物語に変わってしまうとハリス氏は語ります。

さらに、中国はまだロシアにとっての同盟国として残っています。中国は世界経済と深く結びついており、ロシア政府がある程度は制裁から免れることも可能でしょう。また、ロシアの大富豪も制裁の回避策を探っているはず。結局のところ、被害を受けるのは一般のロシア国民なのです。

しかし、侵攻されたウクライナのことを忘れてはいけません。米情報社「Reuters」によれば現在のところ、ロシアの侵攻による死者数は最低2.4万人、避難民はおおよそ1100万人とされています。多くの人々を苦しめるこのような戦争が、早く終結することを願うばかりです。

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