Appleのエコシステムがずば抜けて優れているシンプルな理由
iOSのもう1つのメリットは、長いアップデート期間です。
iPhoneやiPadは最新機種以外でもアップデートを受ける事ができます。なんと、iOSの最新バージョンは、5年前に発売されたデバイスにも対応しています。
一方、Androidのアップデート保証は、2年程度が一般的です。そうなった場合は、また高いお金を払って新しいスマートフォンを買う必要があります。これはユーザーにとって非常に大きな出費になります。
iOSを使う最後のメリットは他のApple製品とのシームレスな統合です。Appleは他社よりもエコシステムの構築に長けており、PCからスマートフォン、ウエアラブル端末まで、全ての製品で一定のシェアを得ています。
Appleがなぜ、自社製品とのシームレスな統合を得意としているかというと、1976年の創業以来、ずっとそうしてきた実績があるからです。
例えばAppleは、iPodがMacコンピュータとシームレスに統合することによって便利になる事を確認しました。
そしてスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスが普及すると、Appleはこれらすべての製品もシームレスに統合する必要があると考えました。なぜなら、Appleは創業以来、その哲学をもとにモノ作りをしてきたからです。
近年では多くの企業がAppleと同じアプローチを採用し、追いつこうとしています。他社が真似をするという事は、Appleの判断が正しかったという証拠といってもいいのかもしれません。
ただし、Appleのエコシステムは優れている点ばかりではありません。特に近年ではiOSの「箱庭」とも呼ばれる閉鎖的なシステムとAppストアが独占に当たるのではないかと議論されています。他の部分でも、Androidに比べ、iPhoneはアプリのサイドロードやファイル管理といった観点では、かなり不自由なところがあります。
このようにiPhoneの「誰でも使える便利さ」は、別のユーザーに不自由さを感じさせることもあります。AndroidとiOSが競り合い、互いの利点を真似たりぶつけ合ったりしているからこそ、スマートフォンのOSは進化していくのです。