イーロン・マスクとジェフ・ベゾスの新たな「ライバル」とは？
マスクとベゾス以外にも、ロケットを飛ばそうとしている億万長者がいます。それは、実業家のリチャード・ブランソンです。
ブランソンは、この20年間でVSSユニティというロケット飛行機を地球の大気圏まで飛ばしています。マスクは火星にこだわっています。一方、ブランソンとベゾスは宇宙を利用して地球をより良くしたいと考えています。
ブランソンのVSSユニティは、大きなジェット機によって上空に運ばれます。そして、規定の高さに到達すると宇宙船が放出され、ロケットによって音速の3倍で飛行し、宇宙の果てに到達するまで急激に上昇します。
VSSユニティのテスト飛行では、宇宙空間で翼を回転させながらゆっくりと後方宙返りをし、その後、スペースシャトルのように滑走路に着陸しました。
ただ、VSSユニティにも問題があります。それは、電子干渉問題です。VSSユニティは以前、宇宙船のロケットが停止する電子干渉問題で飛行テストを中止しています。これは、地球へ安全に滑空するために、早急に解決するべき問題でした。
そして、ブランソンは、この問題を修正したスペースシップ3を公開しました。この機体は、信じられないほど素晴らしいもので、スペースXとの宇宙開発競争に勝ったといわれるほどです。
一方、スペースXはファルコン9とファルコンヘビーという打ち上げロケットを製造・設計しています。さらに、独自のロケットエンジンである、マーリンとケストレルを製造しています。また、マーリン2というもっと大きく高性能なエンジンを作るともいわれています。このエンジンを使ってロケットの1段目を再利用できるようにすることがスペースXの目標なのです。
そして2015年12月、スペースXはファルコン9ロケットを初めて着陸させました。さらに2016年4月には、海上でのロケット着陸も成功させました。ついに2019年、スペースXはトリプルブースター着陸と、ブースターのうち2つを完璧なタンデムで地上に着陸させ、再び世界を驚かせました。
ただ、スペースXの目標は競合他社とは異なり、月や火星に人を送ることを目指しています。
