日本独特の雇用文化によって生まれたロスジェネ世代
日本の企業のキャリアは就職活動から始まります。就職活動とは、大学卒業後に行われる日本独特の儀式で、最大手のケイレツを含む多くの企業が年に一度、人材を大量に採用し、新卒者は集団面接やセミナーなどを通して就職の儀式に臨みます。
何千人もの人が同じ黒と白のスーツに身を包んで、集団面接やセミナーを受け、その結果、彼らは就職し、定年まで何十年もその仕事を続けるのです。このような慣行は安定をもたらしますが、同時に非常に硬直的な就職市場を生み出します。
しかし、バブルがはじけ、好景気が終わると、この慣習は完全に時代遅れのものとなってしまいました。好景気の間は、少なくともある程度の会社に就職することはそれほど難しくありませんでしたが、1990年以降、多くの会社が採用を凍結したのです。
経済危機の間、終身雇用を維持するために新卒者を一切採用せず、結局採用が再開されたのは20世紀になってからでした。
1990年代に卒業した世代は、この失われた期間で「新卒」というブランドを失いました。生まれた時期が悪かっただけで、何百万人もの世代が取り残されてしまったのです。これがロスジェネ世代であり、日本の「失われた10年」です。
このために30代、40代の世代で、仕事から完全に切り離され、経済的に安定せず、家庭を持つこともできず、まともな仕事もキャリアも積めない人が、人口の15%近くもいるのです。
どの国の経済にとっても最も重要な年齢層は30代と40代の人々です。彼らは通常、家族のために最もお金を使い、住宅ローンを組み、車を買い、経済のエンジンを維持します。しかし日本は世界で最も高齢者の割合が高く、人口の30%近くが高齢者で、他のどの国よりも急速に高齢化しています。
この少子高齢化は、ロスジェネ世代が経済的に追い詰められていたことも関係しています。このまま行くと、2050年までに日本は、高齢者と労働年齢の人々の比率が1対1.3になります。つまり、65歳以上の人口が15歳から64歳の人口とほぼ同数になるのです。
また、海外経済氏「Reuters」によれば、非就業者1人に対する就業者の数はどんどん減っているとのこと。1999年に1.2人のピークに達した後、2015年には1.0人に減少、2060年には0.8人になると予想されています。
世界のどの国でも、高齢者は生産年齢人口の税金に依存していますが、日本では、これはある時点で維持できなくなります。さらに、ロスジェネ世代は「ヒキコモリ」問題も引き起こしました。
現在、若い世代でもこのような問題が続いています。日本政府は、ロスジェネ世代と「ヒキコモリ」問題が日本の社会と経済に与えている悪い影響を認識しており、ロスジェネ世代の立ち直りを助け、社会復帰を進めようとしていますが、これまでのところほとんど成功していません。
そして、多くの企業は今でも終身雇用のパターンを存続しています。これらの企業は年に一度の新卒採用を続け、社内での昇進しか行いません。そして一度入社した社員は休息を取ることもできず、就職に失敗した場合には再チャンスを得にくい状態が続いているのです。