イーロン・マスクのSpaceXが打ち上げたロケットは過去20年でどれだけ巨大化したのか?

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SpaceXが開発している「自由の女神」の大きさを超えるロケット


2018年「大きなペイロードを軌道に運び、月や火星まで遠くのミッションをサポートする」世界最強の運用型ロケットとして「ファルコン・ヘビー」が発表されました。

ファルコン9フル・スラストと同じ高さのまま、1段目のブースターを2本追加したことで、1段目の推力が22,800キロニュートンとなり、従来機の約2倍となりました。ファルコン・ヘビーは、地球低軌道に63,800キログラム、火星に16,800キログラム、冥王星に3,500キログラムのペイロードを運ぶことができます。


名前に「ヘビー」が付くことから分かるように、このロケットは重たいです。その総質量は140万キログラム以上です。


2018年2月7日、ファルコン・ヘビーは軌道への初打ち上げを行い、3本のブースターのうち2本を回収しました。そして、ペイロードを火星軌道を超えた宇宙へ打ち上げることにも成功しています。ちなみに、そのペイロードは、マスクの私物のテスラ・ロードスターです。


この巨大なロケットの打ち上げには、毎回1億5000万ドル(約200億円)の費用がかかりますが、ロケットが再利用された場合は9,000万ドル(約120億円)に削減されます。

ファルコン・ヘビーは3回の打ち上げに成功しており、2回目のフライトで使用した2つのサイドブースターは3回目のフライトでも再利用されています。そして、このロケットを使った飛行は、2024年まで計画されています。

SpaceXは現在、火星への有人飛行に向けて完全再使用できるスーパーヘビー・ロケットの開発・試験を進めています。宇宙船とスーパーヘビーロケットを総称して「スターシップ」と呼びます。このロケットは100トンを超える重量を地球周回軌道に運ぶことができ、これまでに開発された中で世界最強のロケットとなる予定です。

このロケットの全長は、120メートルで、1段目の超重量級ロケットが70メートル、2段目の宇宙船が50メートルの高さです。


これはSpaceXの他のロケットよりもはるかに大きく、自由の女神像やサターンVよりもさらに高い、史上最大のロケットとなる予定です。スターシップの合計質量は、なんと500万キログラムです。


両段ともラプターエンジンを搭載し、第1段は33基を使用して72,000キロニュートンの推力を出します。そして、2段目は3基のエンジンを使用し、1万2000キロニュートンの推力を発生させます。


2019年、SpaceXはテスト飛行を開始しました。最初に使用したのは「スターホッパー」です。1年後、スターホッパーは高度150mまでホッピングしてから垂直に着地しました。このテストでラプターエンジンを初めて使用しました。


その後「スターシップSN8」をはじめ、多くのテストフライトが行われました。スターシップSN8は、離陸して高度12.5kmまで上昇し、上空でエンジンを停止させ降下します。そして降下の途中でエンジンを再点火し、着陸態勢に入ることに成功しました。まるで未来のような飛行です。しかし、ロケットは降下速度を抑えきれず、地面に衝突して着陸は失敗しています。

宇宙船は通常、パラシュートで着陸します。しかし、スターシップの着陸は、腹ばいになって垂直に降下するというユニークなもので、非常にチャレンジングなものです。

そして2021年5月13日のスターシップSN15の飛行テストで、高高度飛行、打ち上げ、操縦、着陸をついに成功させました。


マスクは、高さ120mのスターシップ全体を使ったテスト飛行を近々行うことを発表しています。

SpaceXは、スターシップのこれからのミッションを以下のように述べています。

これからは惑星間の長期間の飛行を目指します。そのフライトで乗組員、ペイロードの両方を輸送します。そして、人類を月や火星、そしてもっと遠くに送り、また帰還することができるロケットにすることです。

SpaceXは、間違いなく宇宙旅行への関心を再燃させました。またSpaceXの快挙は他の企業との競争を生み出しています。競争には、リチャード・ブランソンのヴァージン・ギャラクティックやジェフ・ベゾスのブルー・オリジンが含まれ、いずれも2021年にオーナーを地球低軌道に送り出すことに成功しています。

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