スティーブ・ジョブズの〝デザイン魂〟継承者不在、Apple「人材流出」の深刻度

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Appleが失ったアイブ時代のシニアデザイナー15人


2015年、アイブが非常勤になったのを皮切りに、長年アイブを支えてきたダニー・コスターがGoPro社に移籍しました。その2年後、同じくアイブの補佐だったクリストファー・ストリンガーは、オーディオメーカーであるSyng設立のために退社しています。

さらに2019年初頭には、主要なデザイナーであるリコ・ゾルケンドルファー、ジュリアン・ホーニッヒ、ミクル・シルヴァント、ダニエレ・デ・イウリスが退社しています。そして同年6月、アイブはAppleを退社。主要なチームメンバーだったジョディ・アカナ、ジョー・タン、アンソニー・アシュクロフト、アンドレア・ウィリアムズ、ジェレミー・バタイユ、ユージン・ワンも最近になって退社し、後者の4人はアイブの事務所に向かいました。

結果的に、Appleにおけるアイブの中核的なシニアデザインチームからは、2015年以降に合わせて少なくとも15人のメンバーが退社したことになります。2015年以前、アイブが「ここ15年でAppleを去ったデザインチームのメンバーは2人だけ」とアピールしていたことを考えると、これは非常に速いペースです。


ジョニー・アイブがAppleをやめた理由の1つとして挙げられているのが、ティム・クック下のAppleの変貌です。「Patently Apple」は以下のように指摘しています。

アイブが辞める前から、Appleのオペレーション部門はデザインチームに対してより大きな影響力を行使し始めていたと、この問題に詳しい人たちは語っています。つまり、純粋に見た目や機能だけでなく、コストを重視するようになったのです。

また、現在のAppleには、ダンカン・カー、バート・アンドレ、リチャード・ハワース、ピーター・ラッセル=クラーク、ベン・シェイファーなど、ジョブズ・アイブ時代のベテランデザイナーはほんの一握りしか在籍していないとのこと。

ガーマン氏と話した、長年Appleのデザインチームに勤める匿名のメンバーは、デザインチーフとして他の会社の人を連れてくることは「チームの死」につながると述べています。優れたデザインでテック界をリードしてきたAppleですが、アイブ退社から3年が過ぎた今、同社は大きな変革を必要とされているようです。

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