eスポーツはエレクトロニック・スポーツの略で、ビデオゲームの対戦によって勝敗を決めるeスポーツ大会が世界中で人気です。
優勝賞金が1億円を超える大規模な大会も開催されており、eスポーツは大いに盛り上がっています。
1億円のような大規模の優勝賞金を用意するためには、スポンサー企業の援助が必要です。
また、プロゲーマーが活躍するための資金援助もスポンサー企業によるものになります。
そこで、eスポーツのスポンサー企業例や、なぜeスポーツのスポンサーとして参入しているのか、などについて解説するので、チェックしていきましょう。
eスポーツのスポンサー企業例
近年、ゲーム業界だけでなく、他業界の企業がeスポーツのスポンサーとして参入しています。
今回紹介するeスポーツのスポンサー企業は以下の6社です。
- Honda(ホンダ)
- Coca Cola(コカ・コーラ)
- Red Bull(レッドブル)
- 日清食品
- BEAMS(ビームス)
Honda(ホンダ)
Hondaは自動車メーカーとして有名で、eスポーツのスポンサーとして参入しています。自動車メーカーの中でHondaがいち早く参入し、2014年からeスポーツのスポンサー企業です。
2000年に設立した世界最大規模のeスポーツチームである「Team Liquid」と、公式自動車パートナー契約を締結しています。
また、2020年に開催されたライアット・ゲームズ主催の「LoL World Championship」では、Hondaが独占パートナーです。
eスポーツ業界にいち早く参入したHondaが、今後どのようなパートナー契約をしていくのでしょうか。
Coca Cola(コカ・コーラ)
大手飲料メーカーでおなじみの日本コカ・コーラは、2019年にテレビ東京と電通の共同で主催された「Stage:0」という大会にスポンサー契約を結んでいます。
「Stage:0」とは、高校生eスポーツ甲子園と呼ばれる高校生を対象としたeスポーツの大会であり、テレビ放送もされるほど国内最大級の大会です。
出場する選手が高校生なので「Stage:0」の視聴者は若年層の方が多く、10代〜20代を中心とした若年層へのアプローチができます。
テレビ放送だけでなく、動画配信しているため、幅広く宣伝が可能です。国内最大級の大会を支援し、eスポーツを盛り上げているスポンサー企業になります。
Red Bull(レッドブル)
Red Bull(レッドブル)は「翼をさずける」という言葉で世界的に有名な企業で、エナジードリンクの販売本数は1年間あたり63億本以上です。
Red Bullはさまざまなプロゲーマーや、プロゲーミングチームとのスポンサー契約を結んでいます。
スポンサー契約している選手は、ストリートファイターで有名なプロゲーマーの「ウメハラ」選手など、世界的に活躍している選手です。
2020年には、「PUBG MOBILE」や「Apex Legends」で活躍しているプロゲーミングチームの「DeToNator」を、レッドブル・アスリートに受け入れています。
また、Red Bullは大会のスポンサーもしており、主な大会は東日本と西日本とのチームが戦う「Red Bull5G」や、世界各国のeスポーツ選手が集まる格闘ゲーム大会「Red Bull Kumite」です。
Red Bullは選手だけでなく大会もスポンサーとして支え、eスポーツを盛り上げている企業になります。
日清食品
「カップヌードル」でおなじみの日清食品は、インスタントラーメン業界の中でも早くからeスポーツのスポンサー企業として参入しています。
2016年に、League of Legendsのeスポーツ大会である「Logicool G Cup」に協賛したことをきっかけに、eスポーツのスポンサーとして活躍しました。
世界最大の格闘ゲーム大会「EVO」の日本大会である「EVO Japan 2018」にトップ・パートナーとして特別協賛して、多くの大会のスポンサーとして活躍しています。
また、ゲーミングチームとスポンサー契約もしており、契約しているチームは日本トップクラスのゲーミングチームである「ZETA DIVISION」です。
会場でのカップヌードルの配布など、日清食品はeスポーツ大会のスポンサーとして存在感のある企業になります。
BEAMS(ビームス)
アパレル業界ではeスポーツのスポンサーに参入する企業が増加しており、BEAMS(ビームス)もそのうちの1社です。
BEAMSは2018年からeスポーツに参入し、JeSU(日本eスポーツ連合)の公認スポンサーとして、日本代表選手にユニフォームを提供しています。
他にも、2020年にBEAMSは国内のeスポーツイベントである「レイジ アジア 2020」の公式Tシャツをデザインしました。
また、eスポーツの観戦をバーチャル空間でできる「V-RAGE」でアバターの無料配布など、さまざまな方面で支援しています。
日本代表選手のユニフォームや公式Tシャツなど、これからもBEAMSはeスポーツを支えていくでしょう。
なぜスポンサー参入する企業が増えている?
近年ゲーム業界だけでなく、他業界の企業もeスポーツのスポンサーになっています。
なぜeスポーツのスポンサーとして参入する企業が増えているのでしょうか。
理由の1つとして、eスポーツの市場が大きくなっているからです。eスポーツの競技人口は世界全体で約1億人といわれており、日本では約390万人といわれています。
さらに、NEWZOOによると視聴者数は約5億人であり、2023年には視聴者数が6億人を超える予想です。
※出典:NEWZOO「世界のゲームプレイヤー人口は2023年までに30億人へ
このように、eスポーツの競技人口や視聴者数が多いので、スポンサー企業は効率よく宣伝できます。
eスポーツの市場がますます拡大しており、今後もスポンサーとして参入する企業が増えていくでしょう。
eスポーツのスポンサーになるメリット
eスポーツのスポンサーになる企業が増えており、スポンサーになると以下の4つのメリットがあります。
- 若年層への広告・宣伝効果が見込める
- 大会やSNSでの集客・拡散効果が大きい
- 比較的参入がしやすい
- 今eスポーツの市場規模はさらなる発展が見込まれる
若年層への広告・宣伝効果が見込める
若者向けに宣伝効果が見込めという点が、eスポーツのスポンサーになるメリットです。
eスポーツは若者の割合が高く、2018年のKADOKAWAの調査によると、国内eスポーツの視聴者の多くが20代と30代でした。
さらに、高校生対象の「全国高校eスポーツ選手権」や「STAGE:0」などの大会の参加者が年々増加しています。
そのため、eスポーツのスポンサーになることで若年層に向けて効率よく宣伝が可能です。
大会やSNSでの集客・拡散効果が大きい
大会やSNSでの拡散効果が大きいことも、メリットの1つです。
eスポーツの視聴者数は約5億人であるといわれており、多くのeスポーツ大会は動画配信サイトで配信されています。
大会の視聴者数は数百万人を超えることもあり、SNSやメディアで拡散されるなど集客効果が大きいです。
また、有名なプロゲーマーはTwitterなどのフォロワー数が多く、選手が活躍すると宣伝されやすくなります。
したがって、今後eスポーツの大会の規模が大きくなると、多くの人たちに効率よく宣伝しやすくなるでしょう。
比較的参入がしやすい
eスポーツは比較的参入しやすい状況であることも、スポンサー企業にとってメリットの1つになります。
世界中で盛り上がっているeスポーツですが、eスポーツが流行り始めたのは2000年で、他のスポーツに比べると歴史が浅いです。
特に日本ではeスポーツが遅れていて、まだまだスポンサーを募集している選手はいます。
そのため、eスポーツのスポンサーを狙う企業にとって参入しやすい状況です。
今eスポーツの市場規模はさらなる発展が見込まれる
eスポーツの市場規模が大きくなると見込まれており、スポンサー契約を結びたい企業にとってメリットです。
2000年から普及してきたeスポーツはまだまだ発展の余地があり、今後も市場規模が大きくなるといわれています。
世界のeスポーツ市場規模は、KADOKAWAの調査によると、2020年で9.74億米ドルであり、2023年の予想は約16億米ドルです。
長期的な利益や将来性を重視するスポンサー企業にとって、市場規模の拡大のあるeスポーツは参入するチャンスになります。
eスポーツの市場規模が拡大するとともに、参入するスポンサー企業も増えていくでしょう。
スポンサーとしての投資の仕方
eスポーツのスポンサー企業として、以下の4つの投資方法があります。
- チームや個人選手への投資
- 大会への投資
- 施設への投資
- 海外チーム・海外大会への投資
チームや個人選手への投資
eスポーツのスポンサーの投資方法の1つはチームや個人選手への投資です。
プロゲーミングチームや個人選手とスポンサー契約を結び、チームの運営資金や所属選手への給与などを支援します。
eスポーツ選手のユニフォームで企業が宣伝できるので、選手が活躍すると宣伝効果が高いです。
ただし、日本のeスポーツのプロチームが少ないことや、長期契約が多く1度スポンサーになると撤退が難しいので、投資方法の中ではハードルが高いです。
大会への投資
eスポーツの大会のスポンサーになるという方法があり、現在eスポーツのスポンサー企業が参入する方法として主流になっています。
eスポーツの大会のスポンサーのメリットは、広告効果が大きいことや、スポンサーとして参入と撤退が比較的簡単です。
世界中で大規模なeスポーツ大会が数多く開催されているので、大会の特設ページやバナー広告などで宣伝効果を得られます。
大規模なeスポーツ大会では、視聴者数は数百万人を超えることもあり、自社の広告が見られる機会も多いです。
eスポーツのスポンサーとして、比較的参入しやすい方法になります。
施設への投資
施設への投資は大会運営ではなく、大会の会場や近くの店舗、ブースなどのスポンサーになるという方法です。
eスポーツ選手や大会のスポンサーになるよりも、参入や撤退が比較的簡単なことが特徴になります。
参入しやすい反面、チームや大会のスポンサーに比べると、視聴者の目に入る機会が少ないため、宣伝効果が小さいです。
また、近年はコロナ環境下により無観客大会も開催され、しばらく拡散効果が低いでしょう。
海外チーム・海外大会への投資
海外チームや海外大会への投資は、大きな宣伝効果が期待される方法です。
日本でeスポーツは普及しつつありますが、海外のeスポーツのほうがより盛んに行われています。
世界のeスポーツ競技人口は約1億人といわれており、チームや個人選手とのスポンサーになる機会が多いです。
また、eスポーツの視聴者数は約5億人といわれ、1回の大会で多くの人に自社の広告を見られます。
海外に事業を展開している企業でないと難しいですが、グローバルに宣伝をしたい企業にとっておすすめの投資方法です。
金額はどのくらい?
2020年では、eスポーツのスポンサーの金額は約45億円でした。2020年の日本の市場規模は66,8億円であり、2024年には184億円になると予想されています。
2020年の市場構成比では、チームや大会のスポンサー料が67.3%と一番大きく、金額は約45億円です。
一方、チケット収入の金額は80,000万円(1.2%)、グッズ収入は13,000万円(0.2%)と少なめの割合になります。
新型コロナウイルスの影響により、会場に来る観客が減ったのが原因です。
募集はどこでしている?探し方は?
直接営業するだけでなく、インターネット上でeスポーツのスポンサーを探すのもおすすめです。
例えば、JeSU(日本eスポーツ連合)では、活動を高めるために大々的にスポンサーの募集をしています。スポンサーの問い合わせフォームがあり、スポンサーを検討したい場合利用しましょう。
他にも、「SponsorMarket」というサイトでは、スポンサーとeスポーツ選手を結び付けるマーケットを展開しています。
スポンサーを探しているeスポーツ選手は無料で利用でき、スポンサーの募集の掲載が可能です。
一方、企業はスポンサー料金やeスポーツ選手の業績がわかるので、eスポーツのスポンサーとして参入しやすいシステムになります。
スポンサーを探す方やスポンサーになりたい企業のどちらにとっても、メリットのあるサイトです。
まとめ
eスポーツのスポンサー企業やスポンサーの探し方などについて紹介しました。
大規模な大会の開催やeスポーツ選手が活躍できるのは、支援してくれるスポンサー企業の存在が大きいです。
eスポーツを始めるという方は、今回紹介したeスポーツのスポンサー企業を参考にして活用していきましょう。